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Miles Davis(マイルス・デイヴィス)全アルバム ランキング|名盤、おすすめ アルバムの紹介
別記事で、Miles Davis(マイルス・デイヴィス)の全スタジオ アルバムを、全曲、評価点を付けて、ランキング付けしましたので、ここで、1つのランキングにまとめたいと思います。
ジャズをこれから聞いてみたいと思っている方は、まずは、マイルス・デイヴィスのアルバムから聞き始めることを、おすすめします。
マイルスのアルバムを聞いていくと、有名ジャズ・ミュージシャン達に芋づる式に広がっていくからです。
ジョン・コルトレーン、ソニー・ロリンズ、ウェイン・ショーター、ビル・エヴァンス、ハービー・ハンコック、セロニアス・モンク などなどのジャズ・ミュージシャン達を必然的に知ることになります。
その中から、自分の好みのミュージシャンの曲を聞いていけば、ジャズの知識を広げていくことができます。
マイルスのアルバムは、大きく分けると、アコースティックのジャズと、電子楽器を使用したヒュージョンに分けられます。
この記事では、アコースティックのジャズと、電子楽器を使用したヒュージョンを含めたマイルス・デイヴィスの全スタジオ・アルバムをランキングし、名盤や、おすすめのアルバムを紹介しています。
評価点は、個人的な独断と偏見で採点していますので、世間一般の評価とは異なるかもしれませんが、その点は、ご了承ください。
マイルス・デイヴィスのアルバムを聴いてみたいけど、どのアルバムから聴けば良いか分からない方、
マイルス・デイヴィスのアルバムの評価や、名盤、おすすめのアルバムを知りたい方に、役立つ記事になっています。
評価アルバム
以下が、今回の評価アルバムです。
発売年 | アルバム名 |
---|---|
1950年 | Birth of the Cool クールの誕生 |
1951年 | Dig |
1952年 | Young Man With a Horn |
1953年 | Miles Davis Vol.2 |
1954年 | Miles Davis Vol.3 |
1954年 | Walkin’ |
1954年 | Bags Groove |
1954年 | Miles Davis and the Modern Jazz Giants |
1955年 | The Musings of Miles |
1955年 | Miles |
1956年 | Cookin’ |
1956年 | Relaxin’ |
1956年 | Steamin’ |
1956年 | Workin’ |
1956年 | Round About Midnight |
1957年 | Miles Ahead |
1958年 | Milestones |
1958年 | Ascenseur Pour L’Echafaud |
1958年 | 1958Miles |
1958年 | Porgy And Bess |
1959年 | Kind of Blue |
1959年 | Sketches of Spain |
1961年 | Someday My Prince Will Come |
1963年 | Quiet Nights |
1963年 | Seven Steps to Heaven |
1965年 | E.S.P. |
1966年 | Miles Smiles |
1967年 | Sorcerer |
1967年 | Nefertiti |
1968年 | Miles in the Sky |
1968年 | Filles De Kilimanjaro |
1969年 | In a Silent Way |
1969年 | Bitches Brew |
1970年 | A Tribute to Jack Johnson |
1972年 | On the Corner |
1970年-1974年 | Get Up With It |
1981年 | The Man With the Horn |
1983年 | Star People |
1984年 | Decoy |
1985年 | You’re Under Arrest |
1985年 | Aura |
1986年 | TUTU |
1987年 | Music From Siesta |
1988年-1989年 | Amandra |
1990年 | Dingo |
1991年 | Doo-Bop |
アルバム ランキング
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
1位 | Kind of Blue | 1959年 | 4.7 |
リンク 【コメント】 「ジャズは、このアルバムを作るために生まれた」ということが書かれていた本がありました。 ちょっと言い過ぎ感はありますが、ジャズの歴史の中で、金字塔的な名盤アルバムであることは間違いありません。 本作のマイルスのトランペットと、ジョン・コルトレーンのサックスの演奏は、もちろん素晴らしいですが、それ以上に、ビル・エヴァンスのピアノが目立っています。 ジャズにおいて重要な楽器は、管楽器(トランペット、サックス)であり、ピアノは地味な存在として位置付けられていますが、本作のビル・エヴァンスのピアノは、異常な緊張感に包まれており、マイルスとジョン・コルトレーンを陵駕しています。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
2位 | Bitches Brew | 1969年 | 4.085 |
リンク 【コメント】 マイルスが目指していたヒュージョンの姿が、本作で極まりました。 ドラムとパーカッションを4名体制にして、リズムを強調したファンキーな作品で、楽器の使用方法に独自性があります。 従来のジャズとは全く異なる作品であるため、今までのジャズに慣れている人には、一聴しただけでは、難解に感じるかと思います。 しかし、何度も何度も聴くうちに良さが分かってきて、聴くたびに新たな発見ができる魅力的な作品です。 ジャズ史上最も革命的な作品の一つであり、「カインド・オブ・ブルー」に次ぐ、マイルスの名盤アルバムです。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
3位 | Cookin’ | 1956年 | 4.0 |
リンク 【コメント】 1956年にマイルスは、当時契約していた「プレスティッジ」と早く契約を終わらせたいために、1956年5月11日と1956年10月26日の2日間で4枚のアルバムを制作しました。 この4枚のアルバムは、マラソンセッションと呼ばれています。 本作は、マラソンセッションの中の1枚で、全曲1956年10月の演奏が収録されています。 本作は、名バラード曲「My Funny Valetine」が際立っており、マイルスのミュート・トランペットの緊張感漂う美しい演奏には、筆舌に尽くし難いものがあります。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
4位 | Milestones | 1958年 | 4.0 |
リンク 【コメント】 同時期に発売されたギル・エバンズとの共演アルバムとは異なり、本作は、激しい演奏が聴けるアルバムです。 珍しいところでは、1曲目「Dr. Jekyll」で、マイルスがピアノを演奏しています。 マイルスのトランペットも凄いですが、ジョン・コルトレーンのサックスが凄いことになっています。 ジョン・コルトレーは、マラソン・セッションから2年しか経っていないのに著しく成長した演奏をしています。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
5位 | Relaxin’ | 1956年 | 3.83 |
リンク 【コメント】 マラソンセッションの1枚で、マラソン・セッション唯一、ジョン・コルトレーンが、全曲参加しているアルバムです。 私的には、マラソンセッション4部作の中で一番好きなアルバムです。 曲の合間にマイルスの声が入っていることでも有名なアルバムで、ラストには、ジョン・コルトレーンの「栓抜きどこ?」という声も入っています。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
6位 | Round About Midnight | 1956年 | 3.75 |
リンク 【コメント】 コロムビア・レコードに移籍後の初のアルバムで、演奏は素晴らしく、音も非常に良く、マイルスのアルバムの中で、上位に位置付けられるアルバムです。 本作を聴くと、もっともっとジャズを聴きたくなってしまいます。 全曲素晴らしいですが、やはり、タイトル名にもなっている「Round About Midnight」が、本作の中で、一番の聴きどころの曲です。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
7位 | Steamin’ | 1956年 | 3.665 |
リンク 【コメント】 マラソンセッションの1枚で、「Workin’」と同様、5月の演奏が多いため、演奏技術がまだ高くなかったジョン・コルトレーンは、「Something I Dreamed Last Night」や「When I Fall in Love」のバラード曲に参加させてもらえていません。 そのため、ジョン・コルトレーンにとっては、かわいそうなアルバムです。 しかし、マイルスのトランペットと、レッド・ガーランドのピアノ演奏が素晴らしく、ジョン・コルトレーンが参加していない曲があっても、このアルバムの魅力が落ちることはありません。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
8位 | Someday My Prince Will Come | 1961年 | 3.585 |
リンク 【コメント】 バラード曲が多く収録されているアルバムであるため、マイルスのアルバムの中では、聞きやすいアルバムです。 本作は、サックスのハンク・モブレーが参加した唯一のマイルスのアルバムです。 また、サックスには、ハンク・モブレー以外に、ジョン・コルトレーンも参加しており、「Someday My Prince Will Come」と「Teo」の2曲を演奏しています。 ジョン・コルトレーンが、マイルスのアルバムに参加するのは、本作が最後のアルバムになりました。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
9位 | E.S.P. | 1965年 | 3.5 |
リンク 【コメント】 ウェイン・ショーターが初めて参加したスタジオ・アルバムです。 本作から、第2期クインテットが本格的にスタートします。 第2期クインテットのスタジオ・アルバムは、この後、「Miles Smiles」「Sorcerer」「Nefertiti」と続いていきますが、それと比較すると分かりやすく聞きやすいアルバムです。 都会の夜を感じさせる渋い大人のジャズ・アルバムです。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
10位 | On the Corner | 1972年 | 3.5 |
リンク 【コメント】 当時のマイルスは、スライ&ザ・ファミリー・ストーンを意識していたと言われており、本作は、ジャズとは全く異なり、ファンキーなストリート・ミュージックです。 トランペット・ソロはなく、マイルスは、必要以上のトランペットは吹いていません。 兎に角、リズムで押しまくっており、クラブ・ミュージックがまだ発達していなかった時代に、このような音楽を作り出していたことに凄さを感じます。 保守的なジャズが好きな人には、おすすめできるアルバムではありませんが、ヒップ・ホップやファンキーな黒人音楽が好きな人には、おすすめのアルバムです。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
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11位 | TUTU | 1986年 | 3.5 |
リンク 【コメント】 本作は、ロックシンガーのプリンスが共同プロデュースを行う予定でしたが、最終的にベーシストのマーカス・ミラーがプロデュースを行った作品です。 収録曲のほとんどの曲は、マーカスミラーが作曲しているため、マーカスミラーのカラーが色濃く出ています。 それでも、マイルスのトランペットが入ってくるとマイルス色に染めてしまうところが、マイルスの偉大さを感じます。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
12位 | 1958 Miles | 1958年 | 3.4 |
リンク 【コメント】 レッド・ガーランドとマイルスが険悪になったことにより、当時、まだ無名であったビル・エヴァンスが、初めてマイルス・バンドに参加したアルバムです。 「Little Melonae」のみ、1955年の録音であるため、レッド・ガーランドが、ピアノを演奏しています。 このメンバーで、大名盤「Kind Of Blue」の制作に突入していきますので、本作は、「Kind Of Blue」の前哨戦といった作品です。 しかし、「Kind Of Blue」のような緊張感はなく、リラックスした印象を受けます。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
13位 | Amandla | 1988年 – 1989年 | 3.375 |
リンク 【コメント】 マイルスのラスト・アルバム「Doo-Bop」は、制作途中でマイルスが亡くなってしまったため、本作がマイルスの最後のフル・スタジオ・アルバムになります。 マイルスの作った曲は、1曲もありませんが、最後のアルバムらしく、1980年代マイルスの集大成的な作品に仕上がっています。 息のあったマーカス・ミラーとの共演によって、最高の演奏を聞くことができます。 晩年のマイルスは、音楽以外に、絵画にもハマっており、本作のジャケットは、マイルスが描いた自画像になります。 マイルスの音楽性にも通じるマイルスらしい絵画に感じます。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
14位 | Nefertiti | 1967年 | 3.35 |
リンク 【コメント】 前作「Sorcerer」と同様、各メンバーが作った曲で構成されており、ウェイン・ショーターが3曲、ハービー・ハンコックが2曲、トニー・ウィリアムスが1曲と、マイルスの曲は、1曲もありません。 アルバム名にもなっている「Nefertiti」は、マイルスとウェイン・ショーターが同じメロディを繰り返す曲で、アドリブ・ソロが入っておらず、新しいジャズのスタイルが伺えます。 次作以降、マイルスは電子楽器を使用し始めますので、本作がアコースティック楽器のみで演奏された最後のアルバムです。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
15位 | Ascenseur Pour L’Echafaud | 1958年 | 3.35 |
リンク 【コメント】 映画「死刑台のエレベータ」のサウンドトラックで、マイルスは、「映像を見ながら即興で映画音楽を作った」と語っています。 レコードでは10曲収録されているアルバムですが、サウンドトラックにありがちな同じ曲を、演奏を変えて、使い回していますので、実質、曲の種類は、4曲程度しかありません。 それでも、テーマ曲は、都会の夜に似合う大人の雰囲気がある渋い曲であるため、本作の中で、何度もテーマ曲が使い回されていても、飽きることはありません。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
16位 | Seven Steps to Heaven | 1963年 | 3.35 |
リンク 【コメント】 第2期クインテットのメンバーであるハービー・ハンコック、ロン・カーター、トニー・ウィリアムスが初めて参加した作品で、ミドルテンポの3曲のみ、ハービー・ハンコックとトニー・ウィリアムスが演奏しています。(ロン・カーターは、全曲、演奏しています) それ以外の3曲は、バラード曲で、旧メンバーのヴィクター・ヘルドマンがピアノを演奏しています。 旧メンバーでの演奏は、あまり目立たないバラード曲だけに限定しており、それだけ、マイルスは、第2期クインテットのメンバーの演奏を気に入っていたことが感じとれます。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
17位 | Miles Smiles | 1966年 | 3.335 |
リンク 【コメント】 前作「E.S.P.」は、都会的で美しく、ソロイストの強いアルバムでしたが、本作は、グループの一体感が強いアルバムです。 あまり笑わないマイルスが、ジャケットで笑顔を見せているのは珍しく、マイルスが本作を気に入っていることが分かります。 本作の収録曲は、主題のメロディーがはっきりしており、主題の演奏後に、各楽器のソロに入っていくというジャズの基本をやっていますが、今までのジャズとは異なる目新しさを感じます。 ウェイン・ショーターの存在の大きさが分かるアルバムです。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
18位 | Miles Davis and the Modern Jazz Giants | 1954年 | 3.335 |
リンク 【コメント】 本作には、1954年12月24日のモダン・ジャズ・カルテットのメンバーとのセッションが収録されていますが、ピアノは、ジョン・ルイスではなく、セロニアス・モンクが演奏を行なっています。 このセッションは、マイルスとセロニアス・モンクの喧嘩セッションと言われていますが、荒れた演奏はなく、一体感のある演奏が繰り広げられています。 他にも「Bags’ Groove」が、この時に演奏されていますが、この曲は、アルバム「Bags Groove」の方に収録されました。 尚、「ラウンド・ミッドナイト」は、1954年12月24日のセッションとは別で、1956年に録音され、レッド・ガーランドがピアノを演奏しています。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
19位 | Bags Groove | 1954年 | 3.335 |
リンク 【コメント】 ソニー・ロリンズ、ミルト・ジャクソン、セロニアス・モンクなど、豪華メンバーと共演しているアルバムです。 「Bags Groove」のみ、1954年12月24日に録音されたもので、この時に録音された他の曲は、「Miles Davis and the Modern Jazz Giants」に収録されています。 この「Bags Groove」のセロニアス・モンクとのセッションは、マイルスとセロニアス・モンクが喧嘩をした(俗に言う喧嘩セッション)と言う有名な話がありますが、 実際は、喧嘩なんてされていなく、おもしろおかしく尾ひれをつけたネタのようです。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
20位 | You’re Under Arrest | 1985年 | 3.335 |
リンク 【コメント】 本作は、初のポップスのカヴァー曲を収録しており、マイケル・ジャクソンの「ヒューマン・ネイチャー」と、シンディ・ローパーの「タイム・アフター・タイム」を、インストゥルメンタルの形でカヴァーしています。 全体的に、ジョン・スコフィールドとジョン・マクラフリンのギター、ダリル・ジョーンズのエレクトリック・ベースが目立ち、ファンキーなアレンジがされています。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
21位 | Sorcerer | 1967年 | 3.285 |
リンク 【コメント】 ウェイン・ショーターが4曲、ハービー・ハンコックが1曲、トニー・ウィリアムスが1曲と各メンバーが作った曲で構成されています。 マイルスの曲は、1曲もありませんが、それでも、マイルス色の出ているアルバムです。 本作のラスト・ナンバー「Nothing Like You」だけ、1962年の録音(それ以外の曲は、1967年の録音)で、この曲だけボーカルが入っており、このアルバムの中では浮きまくっています。 なぜ、この曲を収録したのかは、???です。 この1曲のせいで、このアルバムの評価が下がってしまいました。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
22位 | In a Silent Way | 1969年 | 3.25 |
リンク 【コメント】 本作から、マイルスの本格的なヒュージョンが開始されます。 キーボードに、ジョー・ザヴィヌルが加わり、ハービー・ハンコック、チック・コリアの3名体制でキーボードが演奏され、色々なキーボードの音が、バックで渦巻いています。 次作「Bitches Brew」の前哨戦のようなアルバムですが、「Bitches Brew」のような過激さはなく、分かりやすい作品です。 そのため、「Bitches Brew」を聞く前に、本作で肩慣らしをしておくことをおすすめします。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
23位 | A Tribute to Jack Johnson | 1970年 | 3.25 |
リンク 【コメント】 本作は、「死刑台のエレベータ」以来のサウンドトラックですが、映画のために制作されたアルバムではなく、既に録音されていた曲を、プロデューサーのテオ・マセロが編集し制作したアルバムです。 前作「Bitches Brew」のヒュージョンとは異なり、ロック要素の強い分かりやすい作品です。 本作には、25分超えの曲が2曲しか収録されていませんが、その中でも、1曲目の「Right Off」は、ジョン・マクラフリンのロック調ギターが素晴らしい完成度の高い曲です。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
24位 | The Man With the Horn | 1981年 | 3.25 |
リンク 【コメント】 本作は、マイルスが6年間の引退生活から復帰した最初の作品です。 引退前の「On the Corner」や「Get Up With It」が、リズムを前面に押し出した尖った作品であったのに対して、本作は、都会的でハードボイルドな作品となっています。 当時まだ無名であったビル・エヴァンス(サックス(ジャズ・ピアニストのビル・エヴァンスとは同姓同名の別人です。))、マーカス・ミラー(ベース)、マイク・スターン(ギター)が、マイルスの新たなパートナーとして参加しています。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
25位 | Get Up With It | 1970年 – 1974年 | 3.19 |
リンク 【コメント】 本作は、マイルスのアルバムの中で、最も攻撃的で、鋭さのあるアルバムで、「Bitches Brew」のような刺激が欲しい人には、最適なアルバムです。 一度病みつきになってしまうと、抜けられなくなってしまう中毒性がありますが、 保守的なジャズを求めている人には理解に苦しむ音楽であり、世間的にも一般受けしないため、商業的には失敗しました。 それが影響したのか、本作発売以降、マイルスは、ライブを中心とした活動に移行していきます。 しかし、マイルスは、ライブ活動中に体調不良となり、6年間の引退生活を迎えることになります。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
26位 | Miles Davis Vol.3 | 1954年 | 3.165 |
リンク 【コメント】 本作は、他のBlue Noteのアルバム「Young Man With a Horn」「Miles Davis Vol.2」とは異なり、マイルスのトランペット 1ホーンの演奏であるため、マイルスの調子の良さが分かるアルバムです。 Blue Noteで発売された3枚のアルバムは、後に、「マイルス・デイヴィス・オールスターズ Vol.1、vol.2」の2枚に集約され、本作の曲は、「マイルス・デイヴィス・オールスターズ vol.2」に収録されています。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
27位 | Workin’ | 1956年 | 3.125 |
リンク 【コメント】 マラソンセッションの1枚で、5月の演奏が多いため(5月の演奏が7曲、10月の演奏が1曲)、ジョン・コルトレーンのサックスは、演奏技術がまだ高くありません。 そのためジョン・コルトレーンにとっては満足できるアルバムではありませんが、10月演奏の「Half Nelson」を聞くと、たった5ケ月の間で、ジョン・コルトレーンの演奏技術が急成長したことが分かります。 アルバム名が「Workin’」であるためか、ジャケットの背景が道路工事になっており、あまりカッコ良いジャケットとは言えず、ジャケットで損をしているように感じます。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
28位 | Miles in the Sky | 1968年 | 3.125 |
リンク 【コメント】 マイルス初のエレクトリックピアノとエレクトリックギターが使用されたアルバムです。 ここからエレクトリック・マイルスがスタートしますが、まだジャズ要素の強いアルバムです。 注目は、17分を超える「Stuff」で、この曲から、「In a Silent Way」や「Bitches Brew」へとつながっていきます。 エレクトリックピアノの音が斬新で、そこにアナログなトランペットとサックスが絡み合い、その対比が興味深く面白さがあります。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
29位 | Filles De Kilimanjaro キリマンジャロの娘 | 1968年 | 3.125 |
リンク 【コメント】 エレクトリック化の過渡期の作品で、まだ、ジャズ寄りのアルバムですが、アコースティックと電子楽器が、ちょうど良い塩梅でミックスされています。 本作の収録曲は、全曲マイルスのオリジナル曲となっています。 本作では、チック・コリア(ピアノ)とデイヴ・ホランド(ベース)が、2曲演奏しており、マイルスの新しい音楽に取り組もうという姿勢がみられます。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
30位 | Young Man With a Horn | 1952年 | 3.085 |
リンク 【コメント】 1952年当時は、10インチLP「Young Man With a Horn」として発売されました。 その後、Bule Noteの2枚目のアルバム「Miles Davis Vol.2」の曲もまとめて、「マイルス・デイヴィス・オールスターズ Vol.1」に収録されました。 本作の録音時のマイルスは、ドラッグ中毒で最悪の状態でしたが、そのことを全く感じさせない演奏を披露しています。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
31位 | Walkin’ | 1954年 | 3.0 |
リンク 【コメント】 マイルスのドラッグ中毒から立ち直った直後のアルバムで、マイルスにとっては、起死回生のアルバムになりました。 ルーシー・トンプソンと、デイブ・シルドクラウトが、サックスを演奏しています。 あまり有名なサックス奏者ではありませんが、味わい深い演奏を聞くことができます。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
32位 | Dig | 1951年 | 3.0 |
リンク 【コメント】 ジャッキー・マクレーン、ソニー・ロリンズ、アート・ブレーキーと豪華メンバーが参加していますが、マイルスのアルバムの中では、マイナーなイメージのあるアルバムです。 ジャッキー・マクレーンとソニー・ロリンズは、本作参加時は、まだ無名でしたが、その中で、マイルスがメンバーに選んだのは、先見の明があったと言えます。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
33位 | Decoy | 1984年 | 3.0 |
リンク 【コメント】 本作には、キーボード奏者のロバート アーヴィング3世とギターのジョン スコフィールドの作曲または共作が多く収録されています。 一部の曲で、ブランフォード・マルサリスが、ソプラノ・サックスを演奏しています。 前作「Star People」の続編のようなアルバムで、「Star People」よりも更にファンキーさが増し、オープニングから、チョッパー・ベース、ワウギター、アフリカン・リズムとファンキーさが全開しています。 マイルスの体調が良くなっていることが感じられる作品です。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
34位 | Sketches of Spain | 1959年 | 3.0 |
リンク 【コメント】 ギル・エヴァンス・オーケストラとの共演の3枚目にあたるアルバムで、ギル・エヴァンスとの共演作では、最も、評価の高いアルバムです。 異国情緒が溢れたアルバムで、「Miles Ahead」や「Porgy And Bess」のようなムード音楽とはまた違った雰囲気が感じられます。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
35位 | Quiet Nights | 1963年 | 2.93 |
リンク 【コメント】 ギル・エヴァンスとの共演作第4弾のアルバムです。 世間一般では、マイルスがボサノバを演奏しているアルバムで有名ですが、ボサノバの要素は少なく、純粋なボサノバの曲は、「Aos Pés da Cruz」と「Corcovado」ぐらいしかありません。 ギル・エヴァンスとマイルスは、本作の出来に不満を持っており再録音をしようと考えていたようですが、レコード会社が勝手に発売してしまいました。 しかし、それほど悪い印象はなく、私的には、ギル・エヴァンスとの共演作のアルバムの中では、最も好きなアルバムです。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
36位 | Porgy And Bess | 1958年 | 2.925 |
リンク 【コメント】 「ポーギーとベス」は、アメリカの作曲家ジョージ・ガーシュウィンが作曲した3幕からなるオペラで、ミュージカルの先駆けにもなった曲集です。 本作は、その「ポーギーとベス」を、ギル・エヴァンス・オーケストラと共演して演奏しています。 ギル・エバンズとの共演は、「Miles Ahead」に次ぐ、2枚目になります。 個人的には、「Miles Ahead」と同様、最初のうちは斬新で興味深く聴けるのですが、同じ曲調が続くため、最後の方は退屈に感じてしまいます。 ムード音楽に近いアルバムです。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
37位 | Star People | 1983年 | 2.915 |
リンク 【コメント】 マイルスの復帰作第二弾のアルバムで、マーカス・ミラーのベースが目立っている作品です。 1980年代の新たなマイルスのスタイルであるロック色の強い曲もあれば、アルバム名にもなっている「Star People」のようなジャズ・ブルースの曲もあったりと、ジャズとロックが入り混じったような作品です。 本作発売当時のマイルスは、絵画にも凝っており、ジャケットの絵は、マイルスが描いたものです。 何を描いているのか分からない不思議なジャケットです。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
38位 | Miles Davis Vol.2 | 1953年 | 2.915 |
リンク 【コメント】 ブルーノートの社長であるアルフレッド・ライオンから「1年に1回の録音を行う」という約束の中、制作された2枚目のアルバムです。 当時は、10インチLPで発売され曲数が少なかったため、CDの時代になって、ブルーノートで発売された3枚のアルバムは、「マイルス・デイヴィス・オールスターズ Vol.1、vol.2」の2枚に集約されました。 「I Waited for You」以外の曲は、「マイルス・デイヴィス・オールスターズ Vol.1」に収録され、「I Waited for You」は、「マイルス・デイヴィス・オールスターズ Vol.2」に収録されています。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
39位 | The Musings of Miles | 1955年 | 2.915 |
リンク 【コメント】 ソニー・ロリンズが隠遁生活に入ってしまい、適当なサックス奏者が見つからなかったために、マイルス 1ホーンのアルバムになっています。 サックスが入っていなくても、1ホーンで十分聴き応えのあるアルバムです。 レッド・ガーランドが初参加したアルバムですが、1ホーンで十分魅力的なアルバムになったのは、レッド・ガーランドの貢献が大きかったと感じます。 レッド・ガーランドの軽快なピアノを聞くことができます。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
40位 | Dingo | 1990年 | 2.875 |
リンク 【コメント】 本作は、マイルスが出演している映画「ディンゴ」のサウンドトラックで、ミシェル・ルグランと共同制作されました。 マイルスは、映画の中で、伝説のジャズ・ミュージシャン ビリー・クロスを演じており、ビリー・クロスの役に徹したトランペット演奏を行っています。 良質な曲が多いですが、マイルスの本来のトランペット演奏ではないことや、16曲中9曲しかマイルスはトランペットを演奏していないため、マイルスの本来の演奏ではないと理解した上で、聴いてほしいアルバムです。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
41位 | Miles Ahead | 1957年 | 2.85 |
リンク 【コメント】 ギル・エヴァンスとの共演作の最初のアルバムになります。 美しいアルバムではありますが、私的には退屈に感じるアルバムでした。 なぜ、革新的なマイルスが、ムード音楽のような曲をやろうと思ったのか不思議に感じます。 企画的にこのアルバムだけ制作したのであれば、分からなくはないですが、同じようなアルバムが、この後、3枚発売されます。 マイルスは、ギル・エヴァンスのことを尊敬していたのかもしれませんね。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
42位 | Doo-Bop | 1991年 | 2.835 |
リンク 【コメント】 本作の制作途中で、マイルスが急死してしまったため、マイルスにとっては、未完成の作品となりました。 完成していた曲は6曲だけで、マイルスの死後、イージー・モー・ビーが、マイルスの未発表のトランペット演奏を使って、本作を完成させました。 マイルスが初めてヒップホップを取り入れたアルバムで、マイルスの新境地を感じさせます。 しかし、マイルスの未完成作品であったこともあり、音楽評論家からは、低い評価が与えられました。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
43位 | Miles | 1955年 | 2.835 |
リンク 【コメント】 アルバムのサブ・タイトル「ザ・ニュー・マイルス・デイヴィス・クインテット」とあるように、第1期黄金クインテットの最初のアルバムです。 ソニー・ロリンズの代わりに、ジョン・コルトレーンが参加することになりましたが、世間一般的に、「初期のジョン・コルトレーンの演奏は、いもだ」と言われているように、 本作のジョン・コルトレーンのサックスは、イマイチな演奏がされています。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
44位 | Birth of the Cool クールの誕生 | 1950年 | 2.635 |
リンク 【コメント】 革新的なことが好きなマイルスが、クールという保守的なサウンドを作り出したというのは、意外性があります。 ただ、このアルバム以降は、クールに関心が無くなったようで、ハード・バップへと進んでいきます。 どの曲も同じような感じの曲で、アドリブがほとんどないため、あまり面白みのないアルバムだと感じています。 可もなく不可もない曲ばかりが収録されています。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
45位 | Music From Siesta | 1987年 | 2.6 |
リンク 【コメント】 本作は、アメリカのサスペンス映画「シエスタ」のサウンドトラックで、マイルスとマーカス・ミラーの共同リーダー作になります。 マーカス・ミラーがほとんどの曲の作曲、楽器演奏を行なっているため、マイルスとマーカス・ミラー共同リーダー作と言っても、マーカス・ミラー色が色濃く出ています。 全体的に、暗い曲が多く、スパニッシュな雰囲気が漂っています。 マイルスは、10曲中7曲でトランペット演奏をしていますが、控えめな演奏となっています。 |
順位 | アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|---|
46位 | Aura | 1985年 | 2.5 |
リンク 【コメント】 本作は、デンマークの作曲家でトランペット奏者のパッレ・ミッケルボーグがプロデュースし、すべての作曲と編曲はミッケルボーグが行なっています。 そのため、マイルス名義のアルバムですが、通常のマイルスのアルバムとは一線を画しています。 異様な雰囲気に包まれており、決して悪いアルバムではありませんが、マイルスのアルバムとして評価した場合は、評価を低くせざるを得ない作品です。 パッレ・ミッケルボーグの名義で、マイルスがゲスト参加している体裁で、本作を発表していたら、もっと評価が高くなっていたのではないかと感じます。 ジャケットのマイルスは、「ケバケバしい帽子を被っているな」と思っていたところ、良く見たら、帽子の回りに文字が記されているだけでした。 また、写っているマイルスは、「デコイ」のジャケット写真の別テイクが使用されており、ジャケットからも本作を重要視していないことを感じさせます。 |
次は、ランキング対象に入れていなかった「マイルス・デイヴィスのライブ・アルバム」を紹介します。
マイルス・デイヴィスのおすすめライブ・アルバム
- Miles Davis at Newport
- アルバム「Kind of Blue」発売前の1958年ニューポート・ライブの録音になります。キャノンボール・アダレイ、ジョン・コルトレーン、ビル・エヴァンス、ポール・チェンバース、ジミー・コブと、超豪華メンバーが参加しています。
- 残念なのは、ピアノの音が後ろに引っ込んでしまっていて、聞こえにくいところにあります。折角、ビル・エヴァンスが参加しているのに、宝の持ち腐れ状態になっています。しかしながら、キャノンボール・アダレイ、ジョン・コルトレーンのサックスと、マイルスのトランペットだけでも、貴重なライブ音源です。このメンバーで、名作「Kind of Blue」の制作へと突入していきます。
- At the Blackhawk
- アルバム「Someday My Prince Will Come」発売直後の1961年4月のライブ録音です。このアルバムは、スタンダード・ナンバーが目白押しで、ジャズ、ジャズしており、マイルスのライブアルバムの中では、聞きやすいアルバムです。
- マイルス以外のメンバーでは、サックス:ハンク・モブレー、ピアノ:ウィントン・ケリー、ベース:ポール・チェンバース、ドラム:ジミー・コブが参加しており、マイルスのお気に入りのメンバーなのか、マイルスは、楽しんで演奏をしているように聞こえます。
- Miles Davis at Carnegie Hall
- 上記の「At the Blackhawk」と同じメンバーに加え、ギル・エヴァンス・オーケストラが加わったアルバムです。全曲、ギル・エヴァンス・オーケストラが参加している訳ではなく、半分は、クインテット演奏によるものです。
- そのため、ギル・エヴァンスとの共演スタジオ・アルバムのようなムード音楽の雰囲気はなく、白熱の演奏が聞けます。特に、オープニングのギル・エヴァンス・オーケストラが入った「So What」は、このアルバムの聴きどころの1曲です。
- Miles Davis in Europe
- 1963年7月フランスでのライブ録音です。最初にフランス語のアナウンスが入り、「枯葉」へと続いていきます。ここでの「枯葉」は、マイルスのミュート・トランペット演奏と、サックス、ピアノの高速ソロが聴きどころです。
- サックスがジョージ・コールマンで、それ以外は、第2期クインテットのハービー・ハンコック、ロン・カーター、トニー・ウィリアムスが参加しています。意外にも、ジョージ・コールマンのサックスが、音数の多い高速な演奏をしていて、いい感じに盛り上げてくれています。
- My Funny Valentine
- 1964年2月12日ニューヨークでのライブ録音で、バラードを中心とした曲で構成されています。同日のライブでは、「Four & More」がありますが、こちらは、アップテンポを中心とした曲で構成されています。
- バラード曲が中心のため、都会的な渋さが表れており、特に、マイルスのトランペットと、ハービー・ハンコックのピアノの渋さを味わってもらいたいアルバムです。
- Four & More
- 1964年2月12日ニューヨークでのライブ録音で、アップテンポの曲で構成されています。そのため、バラード曲が好きな人には、上で紹介した「My Funny Valentine」を、おすすめしますが、こちらのアルバムも、演奏の迫力がすごいため、ぜひ聞いてもらいたい作品です。
- 1曲目の「So What」から飛ばしまくっており、最後まで一気にまくし立てていきます。息もつかせぬ演奏で、興奮したい時に最適なライブ・アルバムです。
- Miles in Tokyo
- 1964年7月にマイルスが初来日した時の東京ライブの音源です。ハービー・ハンコック、ロン・カーター、トニー・ウィリアムスの第2期クインテットのメンバに加え、サックスには、あまり知られていないサム・リバースという人が参加しています。
- このサム・リバースという人、フリー・ジャズで有名な人のようですが、この時期のマイルス・バンドのサックス奏者であったジョージ・コールマンや、これから加入するウェイン・ショーターとは違って、浮いている印象を受けます。
- Miles in Berlin
- 1964年9月のベルリンのライブで、ウェイン・ショーターがレギュラー・メンバーになって初の公式ライブ音源です。
- 既に、ウェイン・ショーターの色が出ており、オープニングの「Milestones」から、今までとは違った雰囲気を出しています。2曲目の「枯葉」も、これまた違った雰囲気でマイルスの演奏も変化しています。
- Live at the Plugged Nickel
- 1965年12月のシカゴのライブ音源で、第2期クインテットによる演奏です。このアルバムのコンプリート版は、8枚組のCDで発売されており、全部聞き通すのに、7時間半ほどかかります。
- そのため、マイルスのマニア向けのアルバムですが、このライブのマイルスの鬼気迫る白熱の演奏は素晴らしく、マイルスのマニアでなくとも、聞いてもらいたいアルバムです。
- Miles Davis at Fillmore
- 「ビッチェズ・ブリュー」発売後の1970年6月17日から6月20日までのニューヨーク・フィルモア・イーストで録音されたライブ・アルバムです。各サイドには、「曜日 + マイルス」の曲名が付けられています。
- 電子マイルスのアルバム「イン・ア・サイレント・ウェイ」や「ビッチェズ・ブリュー」の曲以外にも、ジャズ・スタンダード曲「I Fall in Love Too Easily」も収録されています。
- 本作は、マイルスのトランペットがカッコ良いのはもちろんのこと、チック・コリアとキース・ジャレットのキーボード・バトルもカッコ良く、キーボードも聞きどころのアルバムです。
- Live-Evil
- 本作は、ライブ曲が4曲、スタジオ録音の曲が4曲で構成されているアルバムです。ライブ曲は、1970年12月のワシントンD.Cのクラブ「セラー・ドアー」で演奏された曲が収録されています。
- スタジオ録音の曲も、ライブ曲も、全てファンキーな曲で、特にライブ曲は、全体の長さの85%を占めており、キース・ジャレットのキーボード、ジョン・マクラフリンのギター、マイケル・ヘンダーソンのベース、どれも、ファンキーな演奏がされています。
- スタジオ録音の曲は、ウェイン・ショーター、ハービー・ハンコック、チック・コリア、ジョー・ザヴィヌル、キース・ジャレット、ロン・カーターなど、一流ジャズ・ミュージシャンが演奏を行なっています。
- Agharta
- 「ゲット・アップ・ウィズ・イット」発売後の1975年2月1日大阪フェスティバルホールでの昼の部を収録した2枚組のアルバムです。夜の部は、「アガルタ」に収録されています。
- 本作には、即興演奏の曲、「ゲット・アップ・ウィズ・イット」の曲、「ジャック・ジョンソン」の曲で構成されており、どの曲も電子化マイルスの曲で、ジャズらしさはありません。
- 電子化マイルスらしく、ワウ・ギター、ワウ・トランペットが渦巻いており、あっちからも、こっちからもワウワウ演奏が響いています。1970年代にマイルスが目指していた音楽の頂点が、この「アガルタ」と「パンゲア」になります。
- Pangaea
- 1975年2月1日大阪フェスティバルホールでの夜の部を収録した2枚組のアルバムです。昼の部は、上で紹介した「パンゲア」に収録されています。
- 基本的には、「パンゲア」と同様、ワウ・ギター、ワウ・トランペットが中心ですが、本作の方が、ギターがハードになっています。
- Disc1に1曲、Disc2に1曲、合計2曲しか収録されいませんが、マイルスのレパートリーをメドレー演奏して1曲としてカウントしています。マイルスは、体調が不調の状態で演奏していますが、体調が不調だったとは思えないほど、迫力のある演奏がされています。
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まとめ
マイルス・デイヴィスの全スタジオ・アルバムをランキングしました。
Top5ぐらいまでは、世間一般的な評価と同じだと思っていますが、それ以降の順位のアルバムは、私的な好みが出てしまったのではないかと感じています。
特に評価を低くしてしまった「クールの誕生」や、ギル・エヴァンスとの共演アルバム4枚は、「そんなに低い順位の訳ないだろう」と思われた方も多くいるのではないかと感じています。
あくまで、私的な好みで順位づけしてしまっていますので、その点は、お許しください。
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