Ecstasy
評価: 3.8
2000年に発売された18作目のソロ・アルバムです。
「New York」から立て続けに傑作アルバムを発表してきたルー・リードですが、本作も傑作と言える出来で、ギター・リフが印象的な作品です。
「New York」「Magic and Loss」「Set the Twilight Reeling」「Ecstasy」と、それぞれ作風は異なりますが、どれも傑作であることにルー・リードの偉大さを感じます。
本作には、ローリー・アンダーソンがエレクトリック・ヴァイオリンで参加しているほか、18分にも及ぶノイジーな大作「Like a Possum」なども収録されており、聴きどころの多い作品です。
アルバム名の通り、本作を聴き終える頃には、エクスタシーの感覚になれる作品です。
Transformer
評価: 4.0
1972年に発売された2作目のソロ・アルバムで、デヴィッド・ボウイとミック・ロンソンがプロデュースを担当しています。
そのため、デヴィッド・ボウイ色が強く、デヴィッド・ボウイの名作「ジギー・スターダスト」にもどこか似た雰囲気を感じさせます。
きらびやかな世界が描かれた明るいグラム・ロックではありますが、LGBTをテーマにした曲など、歌詞には退廃的で過激な表現も見られます。
本作には、ルー・リードの代表曲である「Perfect Day」「ワイルドサイドを歩け」「Vicious」「Satellite of Love」が収録されています。
ちなみに、裏ジャケットには当時の恋人であるレイチェルが写っています。
この方は男性で、ルー・リードは自身がバイセクシャルであることを公言していました。

Berlin
評価: 4.2
1973年に発売された3作目のソロ・アルバムで、ルー・リードの最高傑作との呼び声も高い名盤です。
本作では、アリス・クーパーやピンク・フロイド、ピーター・ガブリエルなどの作品で知られるボブ・エズリンがプロデュースを担当しました。
男女の悲哀をテーマにしたコンセプト・アルバムで、絶望的な歌詞と相まって、ルー・リードの作品の中でも特に内省的で暗い仕上がりとなっています。
しかし、ボブ・エズリンのプロデュースにより、暗さの中にもドラマチックな展開が見られ、
「キャロラインのはなし」「暗い感覚」「悲しみの歌」など、出色の出来栄えを誇る楽曲が収録されています。
本作は全英チャートで初のトップ10入りを果たしました。

The Velvet Underground and Nico

評価: 4.6
1967年に発売されたヴェルヴェット・アンダーグラウンドのファースト・アルバムです。
プロデューサーはアメリカの芸術家アンディ・ウォーホルが務め、アンディ・ウォーホルの強い推薦により、シンガーソングライターで女優のニコが本作に参加しています。
本作は、あまりに時代を先取りしていたためか、発売当時の売上は5年間でわずか3万枚しか売れなかったと言われています。
ニコが歌う優しくも美しい「Femme Fatale」「I’ll Be Your Mirror」のような楽曲がある一方で、インダストリアルのようなノイズ音楽「European Son」があったりと、一筋縄ではいかない、ルー・リードの独特な世界観が表れたアルバムです。
現在では再評価され、バナナのジャケットとともにロック史に残る名盤として広く認知されています。
なお、ニコは他のメンバーに受け入れられず、本作を最後にバンドを脱退することになります。

White Light/White Heat
評価: 4.7
1968年に発売されたヴェルヴェット・アンダーグラウンドのセカンド・アルバムです。
前作に参加していたニコとプロデューサーのアンディ・ウォーホルとの関係を断ち、新たに、ボブ・ディランなどのプロデュースで知られるトム・ウィルソンを迎えて制作されました。
そのためか、前作以上に過激でハードな内容となっており、メンバーが好き放題に制作したような印象を受けます。
ジョン・ケイルによる前衛的で実験的な要素が色濃く、過激な詩とノイズが特徴的なアルバムです。
特に後半の「I Heard Her Call My Name」と「Sister Ray」では、ギターのノイズが終始鳴り響き、狂気すら感じさせます。
この時代において、このような音楽に誰もついていけなかったであろうことが想像できます。
もし1970年代後半にパンクが登場した時期に本作がリリースされていたら、もっと広く評価されていたのではないかと思える、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの最も尖ったアルバムです。
おすすめのライブ・アルバム
- Live at Max’s Kansas City
- 1972年に発売されたヴェルヴェット・アンダーグラウンドの公式ライブ・アルバムです。ルー・リードがヴェルヴェット・アンダーグラウンドを脱退する直前の1970年8月23日ニューヨーク市のパーク アベニューにあるナイトクラブで録音されました。
- モノラルのカセットテープレコーダーによる録音であるため音質は悪いですが、こじんまりとした会場の雰囲気がよく出ており、当時、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドがカルト的な存在であったことがよく分かります。
- Live MCMXCIII
- 1992年末に突如ヴェルヴェット・アンダーグラウンドが再結成されました。本作は、1993年にパリのロリンピア会場で録音されたライブ・アルバムです。
- 上で紹介した「Live at Max’s Kansas City」とは違い、録音技術が向上し音質が良く、スタジオ・アルバム以上の迫力のある演奏がされています。
- ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのベストな選曲がされているため、ベスト・アルバムとして聴くのにも最適です。また、新曲2曲(「ベルベット・ナーサリー・ライム」「コヨーテ」)が収録されているため、コア・ファンの方にも楽しめる内容となっています。
- Rock ‘n’ Roll Animal
- 1974年に発売されたルー・リードの公式ライブ・アルバムで、1973年12月21日ニューヨークのハワード・スタイン音楽アカデミーで録音さました。
- 「Lady Day」以外は、全てヴェルヴェット・アンダーグラウンド時代に作られた曲が収録されています。
- ツインリード・ギターによる派手な演奏が繰り広げられており、スタジオ・アルバムとは異なった、ごきげんなロックンロールのアレンジがされています。
- Lou Reed Live
- 「Rock ‘n’ Roll Animal」と同じ日に録音されたライブ音源で、本作はルー・リードのソロ・アルバムからの選曲が中心となっています。
- 「The Velvet Underground & Nico」から1曲、「Transformer」から3曲、「Berlin」から2曲が選曲されています。
- 「Rock ‘n’ Roll Animal」と同様、ごきげんなロックンロールのアレンジがされていますが、「Rock ‘n’ Roll Animal」よりも音質が悪いことが残念なところです。
- Live in Italy
- 1983年9月に、ヴェローナとローマで録音されたライブ・アルバムです。ルー・リードのライブ・アルバムは数多くリリースされていますが、その中でも本作は名作に位置付けられています。
- ルー・リードのヨーロッパでの人気の高さが分かるライブで、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドからソロ・アルバム「Legendary Hearts」まで、幅広く選曲されています。
- Animal Serenade
- 「The Raven」発売後の2003年ロサンゼルスのウィルターン シアターで録音されたドラムレスのライブ・アルバムです。
- ルー・リードのMCが多く収録されており、非常にリラックスした雰囲気が伝わってきます。音質が良く美しい曲からヘビーな曲まで、ルー・リードの集大成的な作品です。
その他のアルバム
- Vu
- 本作は、1984年に発売されたヴェルヴェット・アンダーグラウンドの未発表作品集です。本来は3rdアルバムと4thアルバムの間に発売される予定でしたが、契約上の問題でお蔵入りになりました。
- ヴェルヴェット・アンダーグラウンドらしい尖った曲から美しいバラードまで、未発表作品集とは思えない完成度の高いアルバムです。
- Songs for Drella
- 1990年に、ルー・リードとジョン・ケイルが、共同名義で発売したアルバムで、1987年に他界したアンディ・ウォーホルに捧げられています。
- ルー・リードとジョン・ケイルは、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの2ndアルバム以来の共演となりました。
- ベースとドラムは演奏されておらず、ピアノとギターにルー・リードのボーカルが中心の作品です。「静」と「動」がはっきりしており、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのような尖った曲も収録されています。
- LuLu
- メタリカとの共演アルバムで、本作がルー・リードの最後のスタジオ レコーディング アルバムとなりました。
- ドイツの劇作家フランク・ヴェーデキントの「ルル劇」をコンセプトにした2枚組のアルバムで、ルー・リードの語りを中心とした作品です。
- 本作はメタリカのファンから総スカンを食らい、世間一般的にも評価が低いアルバムですが、この世界観を理解できるとハマっていく中毒性の高い作品です。
おすすめのベスト・アルバム
- NYC Man
- ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの曲から、ソロ・アルバムの最新曲まで、ルー・リードの代表曲が詰まったベスト・アルバムです。
- 全31曲収録されており、本作を聴けばルー・リードの基本をおさえることができます。ルー・リード初心者の方におすすめのベスト・アルバムです。
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ルー・リードの音楽
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドも含めたルー・リードの音楽は、パンク、ロック、ノイズ、ポップス、ジャズなど様々に変化していますが、ほとんどの作品に退廃的な美しさを持っています。
それぞれの時代の初心者向け、中級者向け、上級者向けの分類は、以下の通りです。
【ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのアルバム】
- The Velvet Underground and Nico(1967年):初心者向け
- White Light/White Heat(1968年):中級者向け
- The Velvet Underground(1969年):中級者向け
- Loaded(1970年):上級者向け
【初期のソロ・アルバム】
- Lou Reed ロックの幻想(1972年):上級者向け
- Transformer(1972年):初心者向け
- Berlin(1973年):初心者向け
- Sally Can’t Dance 死の舞踏(1974年):中級者向け
- Metal Machine Music 無限大の幻覚(1975年):上級者向け
- Coney Island Baby(1976年):初心者向け
- Rock And Roll Heart(1976年):中級者向け
- Street Hassle(1978年):上級者向け
- The Bells 警鐘(1979年):上級者向け
【中期のソロ・アルバム】
- Growing Up in Public 都会育ち(1980年):上級者向け
- The Blue Mask(1982年):初心者向け
- Legendary Hearts(1983年):中級者向け
- New Sensations(1984年):上級者向け
- Mistrial(1986年):上級者向け
【後期のソロ・アルバム】
- New York(1989年):初心者向け
- Magic and Loss(1992年):初心者向け
- Set the Twilight Reeling(1996年):初心者向け
- Ecstasy(2000年):初心者向け
- The Raven(2003年):上級者向け
まとめ
最後に、ルー・リードのランキング結果をまとめます。
| 順位 | アルバム名 | 点数 |
|---|---|---|
| 1位 | White Light/White Heat | 4.7 |
| 2位 | The Velvet Underground and Nico | 4.6 |
| 3位 | Berlin | 4.2 |
| 4位 | Transformer | 4.0 |
| 5位 | Ecstasy | 3.8 |
| 6位 | New York | 3.7 |
| 7位 | Coney Island Baby | 3.6 |
| 8位 | Set the Twilight Reeling | 3.55 |
| 9位 | The Blue Mask | 3.5 |
| 10位 | Magic and Loss | 3.4 |
| 11位 | The Velvet Underground | 3.2 |
| 12位 | Legendary Hearts | 3.0 |
| 13位 | Rock And Roll Heart | 2.95 |
| 14位 | Loaded | 2.9 |
| 15位 | The Raven | 2.85 |
| 16位 | Lou Reed ロックの幻想 | 2.6 |
| 17位 | Sally Can’t Dance 死の舞踏 | 2.7 |
| 18位 | Growing Up in Public 都会育ち | 2.6 |
| 19位 | The Bells 警鐘 | 2.5 |
| 20位 | New Sensations | 2.4 |
| 21位 | Street Hassle | 2.3 |
| 22位 | Mistrial | 2.2 |
| 23位 | Metal Machine Music 無限大の幻覚 | 0.5 |
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのアルバムと、ルー・リードの初期のソロ・アルバムが、上位を占める結果となりました。
1位から4位までのアルバムは当然素晴らしいですが、5位以下の1989年以降のアルバムも、それに劣らず素晴らしいアルバムでした。
ルー・リードのソロ・アルバムは、「Transformer」「Berlin」「The Blue Mask」の3枚が有名だと思いますが、それ以外のアルバムも良作が多いため、上記のランキングを参考に多くのアルバムを聴いてもらえればと思います。
次回は、ロック界のレジェンド第10弾として、メロディーメーカーのジェフ・リン率いる エレクトリック・ライト・オーケストラの全アルバム・ランキングを行っていきたいと思います。