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エレクトリック・ライト・オーケストラ 全アルバム ランキング
前回は、Lou Reed(ルー・リード)の全アルバム ランキングをしましたので、今回は、ロック界のレジェンド第10弾として、エレクトリック・ライト・オーケストラ(E.L.O.)の全アルバム ランキングをしていきたいと思います。
ELOは、ジェフ・リンとロイ・ウッドを中心に、1970年に結成され、オーケストラやストリングスを使用したサウンドを特徴としていました。
1980年代に入ると、ストリングスからシンセサイザーに移行し、1980年代の時代にあったサウンドに変化していきます。
1980年中頃に、バンド・メンバとジェフ・リンの間で、揉め事があり、一時、バンドは、自然消滅してしまいます。
1990年から2000年代は、ジェフ・リン以外のメンバで、「Electric Light Orchestra Part II」や「「The Orchestra」とバンド名を変更し、活動はしていましたが、ヒットには恵まれませんでした。
そのような中、2014年に、ジェフ・リンが復帰し、ジェフ・リンズELOとして、活動を再開し、現在でも活動を続けています。
そんなELOの全スタジオ・アルバムを、ランキングしていきたいと思います。
ランキングは、個人的な独断と偏見で評価していますので、世間一般の評価とは異なるかもしれませんが、その点は、ご了承ください。
ELOのアルバムを聴いてみたいけど、どのアルバムから聴けば良いか分からない方、ELOのアルバムの評価や、おすすめのアルバムを知りたい方に、役立つ記事になっています。
ELO アルバムランキング
Zoom
評価: 2.6
2001年発売の12作目のアルバムで、前作「バランス・オブ・パワー」以来、15年ぶりに発売されたアルバムです。「エレクトリック・ライト・オーケストラ」名義で発売されていますが、実質、ジェフ・リンのソロ・アルバムです。そのため、1970年代や1980年代のELOのサウンドとは異なり、ギターを中心としたロック色の強いバンド・サウンドとなっています。ゲストとして、ジョージ・ハリスンやリンゴ・スター、ELOのメンバだったリチャード・タンディが参加しています。全体的に、ビートルズを感じさせるメロディアスな曲が多く収録されています。ELOとは別アルバムだと思って聞いた方が、すんなり入っていける作品です。
Secret Messages
評価: 2.7
1983年発売の10作目のアルバムで、シンセサイザーを中心とした前作「タイム」の延長線上のようなアルバムです。前作よりもギターが前に出てきたことで、AORのような作風に変化しています。本作からは、バイオリン・ソロが入ったロックンロール曲「Rock ‘N’ Roll Is King」が中ヒットしました。アルバム全体としては、ELOらしさがなくなってしまったため、ELOのアルバムの中では地味な印象を受けます。本作は、英国チャート4位と健闘しましたが、本作以降、ELOのパワーがなくなってしまい、1980年代で商業的にヒットした最後のアルバムとなってしまいました。
Balance Of Power
評価: 2.8
1986年発売の11作目のアルバムで、前作同様、シンセサイザーやサンプリングを使用した1980年代らしいアルバムです。前々作「タイム」と基本路線は同じですが、前作「シークレット・メッセージ」よりもメロディアスな曲が増えています。しかし、どの曲も同じようなアレンジがされているため、特に、目立った曲はありません。ジャケットも、過去に例を見ないほどのシンプルさで、地味な印象を受けます。本作発売後、ジェフ・リン率いるELOは、活動停止となり、ジェフ・リンは、ボブ・ディラン、ジョージ・ハリスン、トム・ペティ、ロイ・オービソンらと共に、「トラベリング・ウィルベリーズ」を結成します。
Alone in the Universe
評価: 2.9
2015年発売の13作目のアルバムで、ジェフ・リンズELO名義で発売されていることからも分かる通り、実質ジェフ・リンのソロ・アルバムになります。前作「Zoom」で、15年ぶりにELOが復活しましたが、すぐに沈黙してしまい、本作も、15年ぶりの発売となりました。前作「Zoom」は、ロック色の強い昔のELOとは異なるサウンドでしたが、本作は、昔のELOのメロディ・ラインを持つバラード曲が増え、昔のELOファンにも、受け入れることのできる作品に仕上がっています。本作には、エンジニアのスティーヴ・レイと、ジェフ・リンの娘であるローラ・リンがコーラスで参加しているだけで、ジェフ・リンがほとんどの楽器の演奏を行なっています。全英アルバムチャートで4位を記録する久々のヒットとなりました。
On the Third Day 第三世界の曙
評価: 3.0
1973年発売の3作目のアルバムで、ポップスのシンフォニック化が進んだ作品です。前作「ELO2」は、プログレッシブ・ロックのような大作主義でしたが、本作は、コンパクトな作りの曲が多く占めています。本作から、「Showdown」がシングル・カットされ、ELOの代表曲となりました。ラスト・ナンバーの「In the Hall of the Mountain King」は、クラシック作曲家のエドヴァルド・グリーグのカヴァー曲で、本作は、クラシック要素の強い作品となりました。ELOのアルバムの中では、代表曲が少ないため、地味なアルバムですが、初期ELOでしか聞くことができないクラシカルなチャレンジがされているため、面白みのある作品です。尚、本作には、T・レックスのマーク・ボランが参加しています。
Electric Light Orchestra
評価: 3.1
1971年発売の記念すべきELOのファーストアルバムです。鬼才ロイウッドが参加した唯一のアルバムで、ELOの前身バンド ムーヴ時代から温めていたクラシカルとポップの融合を追求したアルバムです。ロイ・ウッドの曲と、ジェフ・リンの曲が半々で占められており、ロイ・ウッドの曲はクラシック寄り、ジェフ・リンの曲はポップ寄りのサウンドとなっています。ロイ・ウッドは、ボーカル、チェロ、ベース、オーボエ、クラリネットなどのマルチ演奏を行なっており、天才ぶりを発揮しています。本作発売後、まもなく、ロイ・ウッドは、バンドを脱退してしまいます。尚、本作のアルバム名は、「Electric Light Orchestra」ですが、アメリカ盤のアルバム名は、「No Answer」に変更されています。
ELO2
評価: 3.2
1973年発売のセカンド・アルバムで、大作の曲が増え、プログレッシブ・ロックを感じさせるアルバムです。本作録音中に、ロイ・ウッドが脱退したため、新たに、弦楽奏者3人を加え7人体制にしたことで、ファースト・アルバムよりも弦楽が重厚になっています。ロイ・ウッドは、「In Old England Town (Boogie No. 2)」と「From the Sun to the World (Boogie No. 1)」の2曲しか参加していません。本作から、「Roll Over Beethoven」がシングル・カットされ、世界的にヒットしました。全体的にクラシックとポップスが良い塩梅でミックスされ、非常に聞きやすいアルバムです。
Time
評価: 3.3
1981年発売の9作目のアルバムで、ストリングスやオーケストラを排し、シンセサイザーを全面に押し出したアルバムです。時をテーマにしたコンセプト・アルバムで、オープニング・ナンバーからヴォーコーダが使用され、近未来的なサウンドに仕上がっています。「Twilight」は、日本のCMや、ドラマなどで使用されたことから、日本で最も人気のある曲になりました。今までのストリングスやオーケストラを使用した重厚さがなくなり、産業ロックになってしまったため、賛否両論のアルバムですが、ジェフ・リンのポップセンスは変わらず、ELOらしさが出ています。
From Out of Nowhere
評価: 3.4
2019年発売の14作目のアルバムで、これぞELOと思えるメロディアスな曲が詰まったアルバムです。1980年以降のアルバムは、迷いを感じるアルバムが多かったですが、本作で、ELOが完全に復活したと言っても良いほど、良作のアルバムです。昔のようなストリングスやオーケストラを使用したようなドラマティックな曲はありませんが、ジェフ・リンのポップセンス溢れる曲ばかり収録されており、捨て曲はありません。唯一、残念なのは、3分程度の短い曲ばかりで、アルバム全体として33分ほどしかない点です。本作は、「タイム」以来の全英チャート初登場1位を記録しました。
Eldorado
評価: 3.5
1974年発売の4作目のアルバムで、エルドラド(黄金卿)をテーマにした一大コンセプト・アルバムです。アルバム名に、「A Symphony By The Electric Light Orchestra」と副題が付いているように、本作から、本格的にオーケストラが取り入れられ始めました。本作の収録曲「見果てぬ想い」がシングル・カットされ、この曲は、米国チャートで初のTop10入りし、アメリカへの進出の足掛かりとなりました。ジェフ・リンのポップ・センスに溢れ、どの曲もメロディアスで、良曲が揃っています。本作から、ELOの黄金期を迎えていきます。
Out Of The Blue
評価: 3.8
1977年発売の7作目のアルバムで、ELOが追い求めていたストリングスとポップスの融合が、ここに極まった2枚組のアルバムです。アルバムのジャケットのUFOが象徴しているように、宇宙的な広がりを見せており、スペース・ロックと呼ばれるに相応しい作品です。メロディアスなポップな曲がアルバム全体を占め、その中でも、10曲〜13曲目(レコードで言うと、C面)は、「雨の日のコンチェルト」サイドと名付けられたコンセプト・サイドです。本作は、2枚組のアルバムにもかかわらず、全英・全米チャートで、共に第4位を記録し大ヒットしました。ELOは、本作発売後、1978年2月に初来日を果たしました。

Face the Music
評価: 3.9
1975年発売の5作目のアルバムで、自ら設立したレコード会社ジェットから発売された初のアルバムです。ポップスとクラシックがうまくミックスされているのは、前作までと同様ですが、更にポップス色が強くなり親しみやすさが増しています。オペラ的オーケストラを取り入れたオープニング・ナンバー「Fire on High」から、聴くものを圧倒させてくれます。本作からは、ディスコの要素を取り入れた「Evil Woman」が、大ヒットしました。ELOの人気を決定づけたELOの代表曲が詰まったアルバムです。尚、本作には、逆再生メッセージが随所に取り入れられています。

Discovery
評価: 4.0
1979年発売の8作目のアルバムで、シンセサイザーが多く使用され始めたアルバムです。オーケストラも使用されており、オーケストラとシンセサイザーのバランスが良く、「Shine A Little Love」「Last Train To London」「Don’t Bring Me Down」など、多くのヒット曲を生み出しました。当時の売れ路線を意識したのかディスコ調のノリの良い曲が多く収録されており、楽しめるアルバムです。次作「タイム」は、更にシンセサイザーが全面に出てくるため、ストレングスやオーケストラを使用したアルバムは、本作が最後になります。本作も、もちろん大ヒットし、全英チャートでは5週連続1位、米国チャートでは、Top5を記録しました。

A New World Record オーロラの救世主
評価: 4.2
1976年発売の6作目のアルバムで、前作に引き続き、プラチナ・ディスクを獲得したELOの代表アルバムです。本作から、「Telephone Line」「Livin’ Thing」「Do Ya」が連発ヒットしました。特に、「Telephone Line」は、全世界で大ヒットした失恋ソングのバラード曲で、ELOの楽曲の中でも、名バラード曲に位置付けることができます。クラシック要素は減退し、ロック、カントリー、バラード、ソウルと一般受けする極上のポップスが満載のアルバムです。本作で、初めて、ELOのシンボルとなる煌びやかなUFOのジャケットが登場しました。
ELOのメンバ
ELOは、1965年に、ロイ・ウッドを中心に結成された「ザ・ムーブ」が母体となっており、1970年に、「エレクトリック・ライト・オーケストラ」に改名して、活動を始めました。
ELOのオリジナル・メンバーは、ロイ・ウッド、ジェフ・リン、ベヴ・ベヴァンの3名に、キーボードのリチャード・タンディと、ストリングス楽器担当を加えて活動していました。
以下に、ELOの主要メンバを紹介します。
- ジェフ・リン(ボーカル、ギター担当):ELOの中心人物で、メロディーメーカーでもあり、ELOのほとんどの曲の作詞・作曲を行っています。音楽プロデューサーとしても有名で、多くのアーティストのプロデュースを行なっています。また、ELOの活動を停止していた1980年代後期には、ジョージ・ハリスン、トム・ペティ、ボブ・ディラン、ロイ・オービソンとともに、「トラヴェリング・ウィルベリーズ」を結成して、活躍していました。
- ロイ・ウッド(ボーカル、ギター、チェロ担当):ELOの最初期のメンバで、ELOの前身バンド「ザ・ムーブ」からのメンバでした。ELOの2ndアルバム「Electric Light Orchestra II」の録音途中で、ELOを脱退し、その後、「ウィザード」を結成したり、ソロ活動で活躍しています。ジェフ・リンと同様、メロディーメーカーで、多数のヒット曲を生み出しました。また、10以上にわたる楽器を演奏できるマルチプレイヤーでもあります。
- ベヴ・ベヴァン(ドラム担当):ロイ・ウッドと同様、ELOの最初期のメンバで、ELOの前身バンド「ザ・ムーブ」からのメンバでした。ELOでは、11作目のアルバム「Balance of Power」まで参加しました。1980年代後半には、活動を停止していたELOの復活を試み、ジェフ・リン抜きで、「ELO Part II」を結成し、2枚のスタジオ・アルバムを発表しました。ELO以外では、ブラック・サバスのツアー・メンバーとして活躍していた時期もありました。
- リチャード・タンディ(キーボード担当):最初期のELOのライブでは、ベースを演奏していましたが、その後、キーボードに変更し、ELOの中核を成す重要な役割を担っていました。ジェフ・リンの右腕となる存在で、ELOの復活アルバム「Zoom」には、唯一のELOメンバとして参加したことからも、ジェフ・リンが信頼している人物であることが分かります。
ELOの音楽
ELOの音楽は、時代ごとに、1970年代の「ストリングスとオーケストラを使用したプログレッシブ・ポップ」、1980年代の「シンセサイザーを多用したディスコ、ポップ」、2000年代の「ロック」に分けることができます。
ELOの最盛期は、1970年代の「プログレッシブ・ポップ」時代であり、多くのヒット曲が、この時代に制作されました。
そのため、まずは、ELOの魅力を知るには、1970年代の最盛期のアルバムから聞いていくことを、おすすめします。
ELOがどのような音楽を目指していたのかが分かるかと思います。
各時代のアルバムの初心者向け、中級者向け、上級者向けの分類は、以下の通りです。
【プログレッシブ・ポップのアルバム】
- Electric Light Orchestra(1971年):上級者向け
- Electric Light Orchestra II(1973年):上級者向け
- On The Third Day 第三世界の曙(1973年):中級者向け
- Eldorado(1974年):初心者向け
- Face the Music(1975年):初心者向け
- A New World Record オーロラの救世主(1976年):初心者向け
- Out of the Blue(1977年):初心者向け
- Discovery(1979年):初心者向け
【ディスコ、ポップのアルバム】
- Time(1981年):初心者向け
- Secret Messages(1983年):上級者向け
- Balance of Power(1986年):中級者向け
【ロックのアルバム】
- Zoom(2001年):上級者向け
- Alone In The Universe(2015年):中級者向け
- From Out Of Nowhere(2019年):初心者向け
その他のアルバム
- Xanadu
- 1980年発売のオリビア・ニュートン・ジョン主演映画「ザナドゥ」のサウンドトラックです。ELOは、前半の5曲を担当、後半5曲は、オリビア・ニュートン・ジョンが担当しています。
- ELOが担当している5曲では、オリビア・ニュートン・ジョンがボーカルをとっている「ザナドゥ」が大ヒットし、オリビア・ニュートン・ジョンのライブの定番曲となりました。
- Electric Light Orchestra Live
- 2001年「ZOOM」リリース時のロサンゼルスのCBS Television Cityで行われた2夜連続ライヴを収録したアルバムです。1970年代から1980年初期のヒット曲を中心に選曲がされています。
- 「Zoom」発表後、ELOは、15年ぶりとなる北米ツアーを計画していましたが、CDの売り上げは伸びず、ツアーは中止となりました。そのため、本作は、この時代の貴重なライブ・アルバムです。
- The Essential: Electric Light Orchestra
- 2003年発売のベスト・アルバムで、2003年版と2011年版があります。2011年版は、37曲入り2枚組であるため、2011年版の方をおすすめします。
- ELOのベスト・アルバムは多数出ていますが、本作は、曲数が多く、ヒット曲満載であるため、ELOの基本を押さえるのには最適なベスト・アルバムです。
- 収録曲は、年代順に並べられており、アルバム「バランス・オブ・パワー」までの曲が、万遍なく選曲されています。
まとめ
最後に、ELOのランキング結果をまとめます。
順位 | アルバム名 | 点数 |
---|---|---|
1位 | A New World Record オーロラの救世主 | 4.2 |
2位 | Discovery | 4.0 |
3位 | Face the Music | 3.9 |
4位 | Out Of The Blue | 3.8 |
5位 | Eldorado | 3.5 |
6位 | From Out of Nowhere | 3.4 |
7位 | Time | 3.3 |
8位 | ELO2 | 3.2 |
9位 | Electric Light Orchestra | 3.1 |
10位 | On the Third Day 第三世界の曙 | 3.0 |
11位 | Alone in the Universe | 2.9 |
12位 | Balance Of Power | 2.8 |
13位 | Secret Messages | 2.7 |
14位 | Zoom | 2.6 |
1970年代の「ストリングスとオーケストラを使用したプログレッシブ・ポップ」時代のアルバムが、上位を独占する結果となりました。
ELOのアルバムは、どのアルバムも、メロディアスでポップなアルバムであるため、外れはありませんが、ELOの音楽には、やはり、ストリングスとオーケストラが一番合っていると思っています。
2019年発売の最新作「From Out of Nowhere」が、良作で合ったため、今後の新作も、楽しみに待っていたいと思います。
次回は、ロック界のレジェンド第11弾として、イーグルスの全アルバム ランキングをしていきたいと思います。