THE DANCING SUN
評価: 3.65
1994年に発売された25作目のアルバムで、実験色の強い作品です。
本作のジャケットは横尾忠則がデザインしており、そのジャケットの印象通り、全体的にサイケデリックな雰囲気が漂っています。
コンセプトを持たないため、各曲はバラエティに富んでおり、アラビア風のエキゾチックな「砂の惑星」や、カントリー風の「Lonesome Cowboy」など、一筋縄ではいかない楽曲が多く収録されています。
驚くことに、これほど実験色の強い作品でありながら、ユーミンのオリジナルアルバムとしては最大の売上である200万枚を記録しました。
この売上を支えた要因として、ドラマ「君といた夏」の主題歌「Hello, my friend」や、NHK連続テレビ小説で使用された「春よ、来い」が収録されていたことが挙げられます。
U-miz
評価: 3.7
1993年に発売された24作目のアルバムで、1990年代に入ってパッとしないアルバムが続いていましたが、久々の傑作となった作品です。
本作には特定のコンセプトはなく、さまざまなタイプの曲がごった煮のように収録されており、そのバラエティの豊かさが逆に新鮮さを感じさせます。
「夏の夜の夢」は、ドラマ「誰にも言えない」で使用されたこともあり、オリコン週間シングルチャートで1位を記録し、ミリオンセラーとなりました。
「夏の夜の夢」以外にも、ジャジーで大人の雰囲気漂う「この愛にふりむいて」、リズミカルで元気いっぱいの「11月のエイプリルフール」、哀愁感あふれる「July」など、良曲が多数収録されています。
1990年代のユーミンのアルバムの中では、間違いなくNo.1の作品です。
ひこうき雲
評価: 3.75
1973年に発売されたユーミンの記念すべきデビューアルバムです。
バック・バンドには、細野晴臣、鈴木茂、林立夫、松任谷正隆らによるキャラメル・ママのメンバーが全面的に参加しています。
本作には、シングル曲「返事はいらない」や「きっと言える」が収録されており、ユーミンの初々しい歌声を楽しむことができます。
なかでも、アルバムタイトルにもなっている「ひこうき雲」は秀逸な一曲で、ユーミンの小学生時代の同級生の死をモチーフにしたこの曲は、感動的な歌詞が印象的です。
全体的に、1970年代初頭らしいアコースティックな楽曲が多く、ユーミンのシンガー・ソングライターとしての才能が存分に発揮されています。
発売当初はほとんど売れませんでしたが、1975年に「あの日にかえりたい」が大ヒットしたことをきっかけに再発され、売上が急上昇しました。
悲しいほどお天気
評価: 3.8
1979年に発売された8作目のアルバムで、穏やかなシティ・ポップを基調とした作品です。
本作には、ユーミンの楽曲の中でも特に人気の高い「DESTINY」が収録されています。
この曲は、1980年代後半から1990年代前半に放映されたテレビドラマ「季節はずれの海岸物語」で使用され、多くの人に知られることとなりました。
私自身も、このドラマで「DESTINY」を聴いてユーミンのファンになった一人です。
その他にも、ジャコビニ流星群をテーマにした「ジャコビニ彗星の日」、盛岡で人気のある「緑の町に舞い降りて」、フジテレビ系ドラマの主題歌となった「悲しいほどお天気」など、穏やかで魅力的な楽曲が多数収録されています。
A GIRL IN SUMMER
評価: 3.85
2006年に発売された33作目のアルバムで、夏の海をコンセプトにした作品です。
波の音が効果音として挿入されており、自然と海を感じさせますが、夏のギラギラした暑さというよりも、涼しげな夏を感じるアルバムです。
2002年に発売された「Wings of Winter, Shades of Summer」も涼しげな夏を感じさせるアルバムでしたが、
「Wings of Winter, Shades of Summer」はあっさりとした夏の涼しさであるのに対し、本作はもう少しコッテリとした夏の涼しさを感じさせます。
本作には、ディック・リーらアジア各国の4人のアーティストと共に制作した「Smile again」が収録されており、この曲でユーミンは初めて紅白歌合戦に出場しました。
昨晩お会いしましょう
評価: 3.9
1981年に発売された11作目のアルバムで、角川映画「ねらわれた学園」の主題歌「守ってあげたい」が収録されています。
この曲は、当時の歌番組「ザ・ベストテン」や「ザ・トップテン」で上位にランクインし、「第1回日本作曲大賞」では大賞を受賞したこともあり、この曲でユーミンを知った人も多いのではないでしょうか。
「守ってあげたい」以外にも、神戸を舞台にした「タワー・サイド・メモリー」や、ユーミンのライブの定番曲「カンナ8号線」など、良曲が揃っています。
本作から17年間にわたり、17枚連続でアルバム1位を記録し、ユーミンの快進撃が始まりました。
ジャケットは英国の有名アート集団・ヒプノシスが手がけており、写っている後ろ姿の女性はユーミンだと思われがちですが、ユーミン本人ではなく、ユーミンに似たモデルが起用されています。
MISSLIM
評価: 3.95
1974年に発売された2作目のアルバムで、前作同様、バック・バンドにはキャラメル・ママのメンバーが参加しているほか、シュガーベイブ(山下達郎や大貫妙子など)のメンバーもコーラスで参加しています。
前作がアコースティックな作風だったのに対し、本作はアレンジが重厚になり、よりポップなアルバムに仕上がっています。
「やさしさに包まれたなら」や「海を見ていた午後」、「12月の雨」など、派手にヒットした曲はありませんが、ユーミンの隠れた名曲が多く収録されています。
また、「あなただけのもの」のようなファンキーな曲も収録されており、ユーミンの音楽の幅の広さが感じられます。
ちなみに、アルバム名の「MISSLIM」は「MISS SLIM」の造語です。

PEARL PIERCE
評価: 4.0
1982年に発売された12作目のアルバムで、ホーン・セクションを大胆に取り入れたシティ・ポップ全開の作品です。
曲ごとに異なるキャラクターの女性を設定し、その女性の日常のドラマを描くことで、日本のシティ・ポップが持つ都会的な雰囲気に満ちています。
そのため、特に女性の共感を得やすいアルバムとなっています。
本作にはシングルとして発売された曲はありませんが、「真珠のピアス」や「DANG DANG」など、ユーミンの定番曲が収録されています。
アルバム全体として非常に充実しており、この時代のユーミンの絶好調ぶりがよくわかります。
1980年代のユーミンの最高傑作の一枚です。

14番目の月
評価: 4.2
1976年に発売された4作目のアルバムで、ユーミンの独身時代最後の作品です。
前作「COBALT HOUR」と同様、ユーミンの最高傑作の一枚といえます。
この時期のユーミンは非常に充実しており、本作はオリコン・チャートで初めて1位を獲得しました。
また、このアルバムから松任谷正隆がプロデュースを担当するようになり、その影響かアレンジが豪華になり、シティ・ポップの色合いが強く出ています。
本作の中では、中央道のドライブを描いた胸キュン・ソング「中央フリーウェイ」が最も有名ですが、その他の楽曲もユーミン節が炸裂しており、捨て曲のない充実したアルバムです。

COBALT HOUR
評価: 4.5
1975年に発売された3作目のアルバムで、荒井由実時代を代表する、最高傑作と呼べる名盤です。
ギターやキーボードが華やかな「COBALT HOUR」から始まり、1stアルバムや2ndアルバムとは異なる雰囲気を感じさせます。
2曲目には、荒井由実時代の中で最も有名な名曲「卒業写真」が収録されています。
この曲はもともとハイ・ファイ・セットに提供された曲で、卒業式の定番ソングとして広く知られるようになりました。
その他にも、映画やドラマでたびたび使用される「ルージュの伝言」、オールディーズ風のサウンドで夏の風景を感じさせる「何もきかないで」、シンプルで美しいバラード曲「航海日誌」など、名曲が詰まっています。
その他のアルバム
- 水の中のASIAへ
- 本作は1981年発売の4曲入りEPですが、なぜかユーミンの11枚目のオリジナル・アルバムとしてカウントされています。EPであるため、公平性を保つ観点から、当ランキングからは除外しました。
- ジャカルタ、香港、大連といった街を舞台にした楽曲が収録されています。「HONG KONG NIGHT SIGHT」は、ユーミンの夫である松任谷正隆が作曲しており、シティ・ポップを感じさせる良曲です。
- アルバムのジャケットはシンガポールで撮影されており、ユーミンの着物姿を見ることができる唯一のアルバムです。
- Yuming Compositions: FACES
- 2003年発売のセルフカバーアルバムとしてリリースされた作品です。セルフカバーと言いながら、南佳孝、呉田軽穂、GAZEBOなど、ユーミンのオリジナル曲ではない楽曲も収録されています。
- 全体的に音質が良く、GAZEBOの「雨音はショパンの調べ」や松田聖子の「瞳はダイアモンド」など、オリジナル曲とは異なるアレンジで、ユーミン・ワールドへと誘ってくれます。
- ユーミンのアルバムには未収録の荒井由実時代の名曲「『いちご白書』をもう一度」が収録されており、この曲だけでも、本作を聴く価値があります。
おすすめのベスト・アルバム
- 日本の恋と、ユーミンと。
- デビュー40周年を記念して発売された3枚組のオールタイム・ベスト・アルバムです。荒井由実時代の曲も含め、ユーミンの40年間のヒット曲が詰まっています。
- ユーミンのアルバムは膨大な数があるため、ユーミン初心者の方は、このベスト・アルバムから聴き始めることをおすすめします。ユーミンの魅力が、この一枚に凝縮されています。
- 本作のラスト曲には、ユーミンが最も影響を受けた英国のバンド、プロコル・ハルムのヒット曲「青い影」のカバーが収録されています。
- ユーミンからの、恋のうた。
- デビュー45周年を記念して発売された3枚組のベスト・アルバムで、先に紹介したベスト・アルバム「日本の恋と、ユーミンと。」に収録されなかった曲が選ばれています。
- 「日本の恋と、ユーミンと。」が表のベスト・アルバムだとすれば、本作は裏のベスト・アルバムと言えます。
- ユーミン初心者の方は、まず「日本の恋と、ユーミンと。」を聴き、ユーミンの曲をもっと知りたい場合に本作を聴くと、ユーミンの基本をしっかり押さえることができます。
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まとめ
最後に、ユーミンのランキング結果をまとめます。
| 順位 | アルバム名 | 点数 |
|---|---|---|
| 1位 | COBALT HOUR | 4.5 |
| 2位 | 14番目の月 | 4.2 |
| 3位 | PEARL PIERCE | 4.0 |
| 4位 | MISSLIM | 3.95 |
| 5位 | 昨晩お会いしましょう | 3.9 |
| 6位 | A GIRL IN SUMMER | 3.85 |
| 7位 | 悲しいほどお天気 | 3.8 |
| 8位 | ひこうき雲 | 3.75 |
| 9位 | U-miz | 3.7 |
| 10位 | REINCARNATION | 3.65 |
| 11位 | VOYAGER | 3.6 |
| 12位 | REINCARNATION | 3.55 |
| 13位 | VIVA! 6×7 | 3.5 |
| 14位 | Wormhole | 3.45 |
| 15位 | Wings of Winter, Shades of Summer | 3.4 |
| 16位 | DA・DI・DA | 3.35 |
| 17位 | NO SIDE | 3.3 |
| 18位 | SURF&SNOW | 3.25 |
| 19位 | 時のないホテル | 3.2 |
| 20位 | そしてもう一度夢見るだろう | 3.15 |
| 21位 | ダイアモンドダストが消えぬまに | 3.1 |
| 22位 | Road Show | 3.05 |
| 23位 | LOVE WARS | 3.0 |
| 24位 | Delight Slight Light KISS | 2.95 |
| 25位 | OLIVE | 2.9 |
| 26位 | 流線形’80 | 2.85 |
| 27位 | Cowgirl Dreamin’ | 2.8 |
| 28位 | KATHMANDU | 2.75 |
| 29位 | 紅雀 | 2.7 |
| 30位 | 宇宙図書館 | 2.65 |
| 31位 | POP CLASSICO | 2.6 |
| 32位 | スユアの波 | 2.55 |
| 33位 | 深海の街 | 2.5 |
| 34位 | Frozen Roses | 2.45 |
| 35位 | 天国のドア | 2.4 |
| 36位 | ALARM à la mode | 2.35 |
| 37位 | TEARS AND REASONS | 2.3 |
| 38位 | DAWN PURPLE | 2.25 |
| 39位 | acacia | 2.2 |
ユーミンのアルバムは良作が非常に多く、ランキング付けは大変でしたが、荒井由実時代のアルバム2枚を1位・2位にランク付けしました。
TOP10には、1970年代、1980年代、1990年代、2000年代の各時代のアルバムがランクインしたことから、ユーミンのアルバムにはどの時代にも名作が存在していることが分かるかと思います。
ユーミンは50年以上にわたり音楽活動を続けていますが、アルバムの売上が一度も落ちることなく、現在も精力的に活躍していることには驚かされます。
間違いなくユーミンは日本を代表するシンガー・ソングライターであり、今後も日本を代表するミュージシャンとして活躍し続けてほしいと願っています。
次回は、ユーミンの対抗馬、中島みゆきさんの全アルバム・ランキングを行っていきたいと思います。