ダイアモンドダストが消えぬまに
評価: 3.1
1987年発売の18作目のアルバムで、純愛3部作の最初のアルバムになります。
打ち込みが増え、サウンドが、1990年代に近づいていることが感じられます。
そのためか、演奏に煌びやかさが出てきて、聞きやすい作品に仕上がっています。
アルバム・タイトル名にもなっている「ダイアモンドダストが消えぬまに」は、南半球でのクリスマスを描いた曲で、「恋人がサンタクロース」や「BLIZZARD」など、ユーミンの冬の定番曲が新たに加わりました。
また、三菱自動車のCMや、映画「波の数だけ抱きしめて」で使用された「SWEET DREAMS」も有名曲で、打ち込みサウンドが上手く取り入れられています。
当時の最先端のサウンドを味わうことができるアルバムです。
そしてもう一度夢見るだろう
評価: 3.15
2009年発売の34作目のアルバムで、前作「A GIRL IN SUMMER」から、約3年ぶりとユーミンにしては比較的長いインターバルで発売されたアルバムです。
本作は、旅をコンセプトにしていることもあってか、NHK「探検ロマン世界遺産」のテーマソングや、タンゴ調のナンバー「Bueno Adios」などが収録されており、今までのユーミンのアルバムとは一味違う趣に仕上がっています。
本作の特筆すべきことは、加藤和彦とデュエットしている「黄色いロールスロイス」で、1985年に、1度限りのサディスティック・ミカ・バンドが復活し、
ユーミンがボーカルに加わった「サディスティック・ユーミン・バンド」を彷彿させるようなロックンロールを展開しています。
レトロ感漂うジャケットも、旅を感じさせる味わい深さがあります。
時のないホテル
評価: 3.2
1980年発売の9作目のアルバムで、英国の「ブラウンズ・ホテル」で撮影されたジャケットのようにヨーロッパの雰囲気が漂う作品です。
スパイ、戦争、病気、自殺など、ヘヴィーなテーマを取り扱った曲が多く、全体的に暗く重厚感のあるアルバムとなっています。
明るい曲は、オープニング・ナンバーの「セシルの週末」ぐらいで、その他は、どんよりとした重い曲で占められています。
特に、「コンパートメント」では、睡眠薬自殺をテーマにしており、本作の中では最も暗く、また、ユーミンのオリジナル曲の中では、最長の演奏時間を持っています。
ダークなアルバムであるため、好き嫌いが分かれそうですが、重い中にも、美メロが多いため、ユーミンのアルバムの中でも、人気のあるアルバムです。
昨晩お会いしましょう
評価: 3.25
1981年発売の11作目のアルバムで、角川映画「ねらわれた学園」の主題歌「守ってあげたい」が収録されているアルバムです。
この曲は、当時の歌番組「ザ・ベストテン」や「ザ・トップテン」で、上位にランクインしたり、「第1回日本作曲大賞」で大賞を受賞したりしたため、この曲でユーミンのことを知った人も多いのではないでしょうか。
「守ってあげたい」以外にも、神戸を舞台にした「タワー・サイド・メモリー」や、ユーミンのライブの定番曲「カンナ8号線」など良曲が揃っています。
本作から、17年間、17枚連続で、最高位1位を記録し、ユーミンの快進撃が始まりました。
本作のジャケットは、英国の有名アート集団ヒプノシスが手がけており、ジャケットに写っている後ろ姿の女性は、ユーミンだと思われている人が多いかと思いますが、
ユーミンではなく、ユーミンに似たモデルが起用されています。
SURF&SNOW
評価: 3.3
1980年発売の10作目のアルバムで、前作「時のないホテル」での暗くヘヴィーなアルバムから打って変わって、ユーミンらしいアメリカナイズされた明るいアルバムです。
前半は夏を、後半は冬をイメージされた曲が収録されており、一般的には、夏の曲よりも冬の曲の方が人気があります。
それは、映画「私をスキーに連れてって」で使用された「恋人がサンタクロース」と「サーフ天国、スキー天国」が収録されているためで、ユーミンの定番曲だけでなく、クリスマスの定番曲としても人気があります。
変わったところでは、「恋人と来ないで」で、岡田真澄とデュエットしています。
ユーミンのポップな曲を聞きたい人に、おすすめのアルバムです。
NO SIDE
評価: 3.35
1984年発売の15作目のアルバムで、前々作「REINCARNATION」、前作「VOYAGER」のような派手な演奏は控えめになり、シックな印象を持つ作品です。
本作では、ラグビーの試合終了後の感情を歌った「ノーサイド」、ビリー・ジョエルのヒット曲「アップタウン・ガール」をもじった「ダウンタウン・ボーイ」、
「恋人がサンタクロース」や「サーフ天国、スキー天国」と並ぶユーミンの冬の定番曲「BLIZZARD」が有名曲です。
これらの必殺曲が、2曲目〜4曲目に集中して収録されているために、5曲目以降の曲が弱い印象を持ちます。
それでも、ユーミンのソングライターの才能が満ち溢れているアルバムです。
DA・DI・DA
評価: 3.4
1985年発売の16作目のアルバムで、日本がバブルで浮かれていた時代にマッチした明るくエレガントなアルバムです。
アルバム名の「DA・DI・DA」は、フランス語かと思い、意味を調べたところ、ユーミンの口から出てきたフレーズで特に意味はありませんでした。
JR東海・東海道新幹線のCMで使用された「シンデレラ・エクスプレス」や、中東の雰囲気のある「BABYLON」、フレンチ・ポップな「青春のリグレット」など、旅行に行く時のようなウキウキ感が出てくるアルバムです。
1980年代のユーミンの最も勢いのあった時代を象徴するアルバムです。
Wings of Winter, Shades of Summer
評価: 3.45
2002年発売の31作目のアルバムで、1980年に発売された「SURF&SNOW」の続編のようなアルバムです。
「SURF&SNOW」は、冬と夏のリゾート地ををコンセプトとしていましたが、本作は、冬の曲はなく、夏のリゾート地をコンセプトとしています。
ボサノヴァ調の曲を基軸としており、ヒュージョンのような夏の爽やかさを感じさせる心地よい作品です。
ユーミンの有名曲は収録されていませんが、アルバム全体として統一感があり、夏のドライブに最適です。
残念なのは、7曲しか収録されておらず、33分と短いことで、もう少し曲を増やして欲しかったかなと感じています。
それでも、2000年代のユーミンのアルバムとしては、良作のアルバムです。
VIVA! 6×7
評価: 3.5
2004年発売の32作目のアルバムで、前作「Wings of Winter, Shades of Summer」の爽やかさを残しつつ、渋谷系のサウンドを取り込んだアルバムです。
渋谷系というとピチカート・ファイブを思い浮かべますが、「太陽の逃亡者」では、初期のピチカート・ファイブのボーカル 田島貴男とデュエットしていることもあり、渋谷系の雰囲気が出ています。
その他にもストリングスを多用した渋谷系を感じさせる曲が多く収録されています。
全体的に、オールディーズを彷彿させるジャケットのようにお洒落な作品で、
フランス映画「男と女」をイメージした曲(「霧の中の影」)も収録されていることから、ヨーロッパの雰囲気も感じさせます。
MISSLIM
評価: 3.55
1974年発売の2作目のアルバムで、前作と同様、バック・バンドには、キャラメル・ママのメンバが参加していることに加え、シュガーベイブ(山下達郎や大貫妙子など)のメンバーもコーラスで参加しています。
前作がアコースティックな作品だったのに対して、本作は、アレンジが重厚になり、よりポップなアルバムに仕上がっています。
「やさしさに包まれたなら」や「海を見ていた午後」「12月の雨」など、派手にヒットした曲はありませんが、ユーミンの隠れた名曲が多く収録されています。
また、「あなただけのもの」のようなファンキーな曲も収録されており、ユーミンの音楽の幅の広さが分かります。
ちなみに、アルバム名の「MISSLIM」は、「MISS SLIM」の造語になります。
次は、10位 → 1位 です。