宇宙図書館
評価: 2.65
2016年に発売された37作目のアルバムで、ポップな要素は減り、内省的でシンプルなサウンドに変化した作品です。
映画やCM、ドラマで使用された楽曲が大半を占めていることもあり、本作は1997年発売の「Cowgirl Dreamin’」以来、19年ぶりにオリコンチャート1位を記録しました。
一般受けするタイプのアルバムではありませんが、1位を記録したことから、ユーミンの実力の高さを改めて感じさせられます。
本作には、ギターがハードな曲も収録されており、映画「真田十勇士」の主題歌「残火」では、ハードロックのようなギターソロが展開されています。
ユーミンの音楽性が大きく変化しており、これまでのポップな世界観とは異なる一面を垣間見ることができます。
紅雀
評価: 2.7
1978年に発売された5作目のアルバムで、結婚後、松任谷由実名義としてリリースした最初の作品です。
前々作「COBALT HOUR」や前作「14番目の月」が絶好調だったのに対し、本作は非常に地味で、ユーミンのアルバムの中でもほとんど話題に上らない作品です。
さらに本作にはヒット曲がないことも、地味な印象を与えています。
ジャケットからはオリエンタルな雰囲気が漂っていますが、実際にはボサノバやラテン系など、カフェ・ミュージックのような内容に仕上がっています。
唯一「ハルジョオン・ヒメジョオン」がシングル・カットされましたが、大きなヒットには至りませんでした。
荒井由美から松任谷由美へと変わる過渡期のアルバムと捉えるのがよい作品です。
KATHMANDU
評価: 2.75
1995年に発売された26作目のアルバムで、エキゾチシズムを強く意識した作品です。
アルバム名の「カトマンドゥ」はネパールの首都・カトマンズを指しており、その名のとおり無国籍的な雰囲気が漂っています。
スパニッシュ風の「輪舞曲(ロンド)」、アンデス風の「Take me home」、バグパイプを用いたアイルランド風の「Broken Barricade」、尺八を取り入れた民謡調の「Weaver of Love」など、民族音楽を基盤にした楽曲がずらりと並びます。
このような民族音楽のテイストが好きな人にはおすすめできる一方、ユーミンのポップスだけに興味がある人には馴染みにくい作品で、聴き手を選ぶアルバムといえます。
Cowgirl Dreamin’
評価: 2.8
1997年に発売された27作目のアルバムで、シンセサイザーを極力排し、生楽器の演奏を前面に出した作品です。
特にギターを中心とした曲が多く、海外のギタリストを5人起用しています。
そのためポップス色は薄まり、ロック色の強いアルバムに仕上がっています。
本作には、1976年に三木聖子へ提供した「まちぶせ」のセルフカバーが収録されています。
この曲はユーミンの作品の中でも名曲とされており、1981年には石川ひとみがカバーして大ヒットしました。
そのほか、ドラマ「ひとり暮らし」の主題歌としてヒットした「最後の嘘」も収録されています。
1981年発売のアルバム「昨晩お会いしましょう」から続いてきたアルバムチャート連続1位の記録は、本作が最後となりました。
流線形’80
評価: 2.85
1978年に発売された6作目のアルバムで、この作品あたりから荒井由実時代のサウンドから、松任谷由美としての新しいサウンドへと変化し始めています。
際立つ曲とそうでない曲の差がより明確になった点にも変化が表れており、本作では「埠頭を渡る風」が際立っていますが、その他の楽曲は全体的に地味な印象を受けます。
とはいえ、山下達郎がバックコーラスを務める「真冬のサーファー」や、来生たかおとのデュエット曲「Corvett 1954」など、特徴的な楽曲も収録されています。
本作からは「埠頭を渡る風」と「入江の午後3時」がシングルとして発売されましたが、どちらも当時は大きなヒットには至りませんでした。
全体として哀愁のある曲が多く、冬の情景が感じられるアルバムです。
OLIVE
評価: 2.9
1979年に発売された7作目のアルバムで、1974年からコーラス・アレンジャーとして参加していた山下達郎が、最後に関わった作品です。
本作ではシングルカットされた曲が「帰愁」しかなく、松任谷由実の楽曲の中でも比較的知られていない曲が多く収録されています。
しかし、大人の雰囲気が漂う楽曲が多く、渋いユーミンを味わえる良質なアルバムです。
特に、しっとりとしたバラード「青いエアメイル」、シティポップ色の強い「最後の春休み」、そして多くのアーティストにカバーされている「冷たい雨」などは、ユーミンの隠れた名曲と言えます。
また、ファッション雑誌のようなスタイリッシュなジャケットデザインも魅力の一つです。
Delight Slight Light KISS
評価: 2.95
1988年に発売された19作目のアルバムで、ユーミンが後に純愛3部作と呼んだシリーズの2作目にあたります。
本作は発売からわずか1か月余りで100万枚を突破し、オリコン年間チャートでユーミンとして初めて1位を記録しました。
前作「ダイアモンドダストが消えぬまに」と同様に打ち込みを多用しており、全体として非常に聴きやすい作品であったことが、大ヒットにつながった一因だと思われます。
特に「リフレインが叫んでる」は、CMやドラマで使用されたこともあり、シングルカットされていないにもかかわらず、ユーミンの楽曲の中でも知名度の高い曲となりました。
全体的に最先端のサウンドを取り入れながらも、落ち着きと成熟を感じさせるアルバムです。
LOVE WARS
評価: 3.0
1989年に発売された20作目のアルバムで、純愛3部作の最後を飾る作品です。
1980年代最後のアルバムとなる本作は、前々作「ダイアモンドダストが消えぬまに」、前作「Delight Slight Light KISS」の延長線上に位置し、打ち込みを多用した当時最先端のユーミン・ポップスを味わうことができます。
ユーミンの「オールナイト・ニッポン」をモチーフにした「Valentine’s RADIO」や、ライブの定番曲となった「WANDERERS」などの元気なナンバーに加え、
しっとりとしたバラード「心ほどいて」、シンプルで温かなウエディングソング「ANNIVERSARY」といった良曲も収録されています。
前作に続き、本作も年間チャート1位を獲得し、大ヒットとなりました。
Road Show
評価: 3.05
2011年に発売された35作目のアルバムで、映画やドラマ、ゲームなどで使用された楽曲が多く収録されたエンターテインメント性の高い作品です。
スローテンポ、ミドルテンポの落ち着いた曲が中心ですが、映画「ブレードランナー」に登場するアンドロイド、レイチェルに捧げた「今すぐレイチェル」や、
オルケスタ・デ・ラ・ルスに提供したラテン系の「太陽と黒いバラ」など、アッパーな楽曲も散りばめられています。
1971年に作曲家としてデビューしてから40年が経ってもなお衰えを見せないシンガーソングライターとしての才能に敬服しつつ、安心して聴けるアルバムです。
ダイアモンドダストが消えぬまに
評価: 3.1
1987年に発売された18作目のアルバムで、純愛3部作の最初の作品になります。
打ち込みが増え、サウンドが1990年代に近づいていることが感じられます。
そのためか、演奏に煌びやかさが加わり、より聴きやすい作品に仕上がっています。
アルバムタイトルにもなっている「ダイアモンドダストが消えぬまに」は、南半球でのクリスマスを描いた曲で、「恋人がサンタクロース」や「BLIZZARD」など、ユーミンの冬の定番曲に新たに加わりました。
また、三菱自動車のCMや映画「波の数だけ抱きしめて」で使用された「SWEET DREAMS」もよく知られた曲で、打ち込みサウンドがうまく取り入れられています。
当時の最先端のサウンドを味わうことができるアルバムです。
次は、20位 → 11位 です。