Yes(イエス)全アルバムランキング
5大プログレバンドであるイエスのアルバムを、「1969年-1980年」と「1981年以降」で、ランキング付けしましたので、ここで、1つのランキングにまとめたいと思います。
各アルバムの詳細は、以下の関連記事を参照してみて下さい。
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イエスのアルバムを聴いてみたいけど、どのアルバムから聴けば良いか分からない方、イエスのアルバムの評価や、おすすめのアルバムを知りたい方に、役立つ記事になっています。
評価アルバム
以下が、今回の評価アルバムです。
発売年 | アルバム名 |
---|---|
1969年 | Yes イエス・ファースト・アルバム |
1970年 | Time and a Word 時間と言葉 |
1971年 | The Yes Album イエス・サード・アルバム |
1971年 | Fragile こわれもの |
1972年 | Close to the Edge 危機 |
1973年 | Tales from Topographic Oceans 海洋地形学の物語 |
1974年 | Relayer |
1977年 | Going for the One 究極 |
1978年 | Tormato |
1980年 | Drama |
1983年 | 90125 ロンリー・ハート |
1987年 | Big Generator |
1991年 | Union 結晶 |
1994年 | Talk |
1996年,1997年 | Keys to Ascension、Keys to Ascension2 * |
1997年 | Open Your Eyes |
1999年 | The Ladder |
2001年 | Magnification |
2011年 | Fly from Here |
2014年 | Heaven & Earth |
2021年 | The Quest |
*ライブ録音とスタジオ録音の両方が収録されているため、ランキング付けするにあたっては、スタジオ録音の曲だけを評価しています。
アルバム ランキング
順位 | アルバム名 | コメント | 評価点 |
---|---|---|---|
1位 | Close to the Edge 危機 | イエスの最高傑作のアルバムで、このアルバムを聴いてしまうと他のイエスのアルバム全てが霞んで聞こえてしまうほどの素晴らしいアルバムです。最高のメンバ、最高の演奏技術、最高のメロディ・曲構成・様式美と、欠点がないアルバムで、宇宙のような壮大さを感じさせます。 リンク | 5.0 |
2位 | Relayer | イエスの中心人物であったリック・ウェイクマンが脱退して、パトリック・モラーツが加入したアルバムです。そのためか、キーボードの音が少なくなり、ギターが前面に出てきて、スティーヴ・ハウのギター演奏が遺憾なく発揮されたアルバムです。メンバの演奏技術が最高潮に達し迫力が半端ないアルバムです。 リンク | 4.0 |
3位 | Fragile こわれもの | イエスのプログレッシブ・ロックを確立したアルバムです。このアルバムから、リック・ウェイクマンが参加し、その影響でクラシックの要素が多分に入っています。そのことが、最もよく表れているのが、「Cans and Brahms」で、この曲は、ブラームスの交響曲第4番第3楽章をキーボード演奏した曲です。このアルバムは、各メンバの演奏技術披露のためのソロ曲が中心で、次作「危機」の前哨戦のようなアルバムです。オープニング・ナンバー「Roundabout」は、シングル・カットされ、大ヒットしたイエスの代表曲です。 リンク | 4.0 |
4位 | Tales from Topographic Oceans 海洋地形学の物語 | 2枚組4曲という大作志向が強い難解なアルバムであるため、理解できるまでは、良さが分からない作品です。キーボードのリック・ウェイクマンは、この長く難解な曲に嫌気がさし、イエスを脱退してしまいます。しかし、何度も聴いていくうちに、毎回色々な発見があり、良さが分かってくるスルメ的なアルバムです。そのため、数回聴いて挫折してしまった人は、良さが分かるまで聴いてもらいたいアルバムです。 リンク | 3.5 |
5位 | Magnification | 1997年からイエスに参加していたキーボディスト イゴール・コロシェフが解雇されたために、このアルバムには、キーボードが入っていませんが、その代わりにオーケストラが使用されています。その選択が功を成し、今までになく迫力のある壮大な曲が増えました。1990年以降のイエスのアルバムは、あまり評価されずマイナーなアルバムばかりですが、このアルバムは、1970年代の全盛期のアルバムに匹敵し、イエス好きな人は、聴いて損はないアルバムです。 リンク | 3.3 |
6位 | Keys to Ascension、Keys to Ascension 2 | ライブとスタジオアルバムが混在しているアルバムで、「Keys to Ascension」には、新曲が2曲、「Keys to Ascension 2」には、新曲が5曲収録されています。ジョン・アンダーソン、クリス・スクワイア、スティーヴ・ハウ、リック・ウェイクマンの黄金メンバで制作されただけあって、1970年代イエスのプログレッシブ・ロックを彷彿させるアルバムです。 リンク | 3.2 |
7位 | Going for the One 究極 | 前作「Relayer」で脱退したリック・ウェイクマンが復帰したアルバムですが、プログレッシブ・ロック全盛期のようなサウンドではなくなり、メロディアスで分かりやすい曲が増えています。ポップスの入ったプログレッシブ・ロックアルバムで、難解な大作の曲はないため、イエス初心者の入門アルバムとしては、最適なアルバムです。 リンク | 3.0 |
8位 | Fly from Here | 1980年発売のアルバム「ドラマ」に参加していたバグルスのトレヴァー・ホーンとジェフ・ダウンズが、再び参加して制作されたアルバムです。ボーカルは、イエスのコピーバンドをやっていたベノワ・ディヴィッドが採用されています。アルバムの前半の組曲「Fly From Here PartⅠ〜Ⅴ」が、このアルバムの聴きどころであり、壮大な作品です。 リンク | 3.0 |
9位 | Time and a Word 時間と言葉 | イエスのセカンド・アルバムで、アート・ロックと呼ばれているアルバムです。ファースト・アルバムの延長線上にありますが、オーケストラや管楽器を導入して、クラシックとの融合を図ったアルバムです。商業的には失敗したものの、オーケストラや管楽器の導入は、革新的であり、壮大さを感じます。 リンク | 2.9 |
10位 | Drama | ジョン・アンダーソンと、リック・ウェイクマンが脱退し、代わりにバグルスのトレヴァー・ホーンとジェフ・ダウンズが加わったアルバムです。ボーカルは、ジョン・アンダーソンではないため、イエスのアルバムの中では、マイナーなアルバムですが、各楽曲の質は高く、トレヴァー・ホーンのボーカルがジョン・アンダーソンのボーカルに酷似しているため、違和感なく聞けるアルバムです。 リンク | 2.8 |
11位 | The Yes Album イエス・サード・アルバム | このアルバムから、プログレッシブ・ロックに変化し、演奏技術も向上していきます。「I’ve Seen All Good People」や「Starship Trooper」は、イエスのライブで度々演奏されており、イエスを代表するアルバムの1枚です。このアルバムから、商業的に成功し始めていきます。 リンク | 2.8 |
12位 | Talk | トレヴァー・ラビン主体の90125イエスのメンバで制作されたアルバムです。今までの90125イエスでは見られなかった15分の大作(「エンドレス・ドリーム」)も収録されています。全体的にポップスで聞きやすいアルバムですが、商業的には失敗し、その結果、トレヴァー・ラビンは、イエスから解雇されてしまいます。しかし、アルバム自体は、レベルの高い優れたアルバムです。 リンク | 2.8 |
13位 | The Ladder | イエスには珍しく分かりやすい明るいポップな曲が多いアルバムです。10分ほどの大作「Homeworld」や、南国を感じさせる曲など、バラエティ豊かな聞き応えのある作品です。安易な売れ路線の曲に走らず、芸術性の高いアルバムでもあります。 リンク | 2.7 |
14位 | Yes イエス・ファースト・アルバム | イエスのファーストアルバムで、ジャケットとは裏腹に、重い曲が多く、昔のハードロックに近い曲や、フージョン系の曲が収録されています。まだ、スティーブ・ハウが加入する前のアルバムであるため、プログレッシブ・ロックのギターとは異なりますが、ハード・ロックなギター演奏を聞くことができます。 リンク | 2.7 |
15位 | Tormato | 「危機」や「海洋地形学の物語」のような大作の曲はなく、短い曲で構成されています。「Future Times」と「Release, Release」ぐらいが、プログレッシブ・ロックさを感じますが、あとは、ポップな曲ばかりが収録されています。特に、「Don’t Kill The Whale」や「Arriving UFO」は、今までのイエスでは考えられないくらいの分かりやすいキャッチーな作品です。そのため、イエスのアルバムの中では、あまり評判が良くないアルバムです。 リンク | 2.5 |
16位 | The Quest | スティーブ・ハウ プロデュースということもあり、ギターが前面に出てきています。また、オーケストラの使用により、壮大なサウンドになっていますが、1970年代のプログレッシブ・ロックのような緊迫感はなく、癒しを感じさせるアルバムです。 リンク | 2.5 |
17位 | Big Generator | 90125イエスの2作目にアルバムです。前作「90125」以上にトレヴァー・ラビン色が強くなり、1970年代イエスのサウンドは全く感じられません。しかし、前作「90125」よりも魅力的な曲が増え、まとまりのあるアルバムです。イエスとは別バンドだと思って聞けば、悪いアルバムではありません。前作よりもロック色が強くなっています。 リンク | 2.4 |
18位 | Heaven & Earth | このアルバムは、イエスのオリジナル・メンバーであったクリス・スクワイアが、2015年に他界してしまったため、クリス・スクワイアの遺作となってしまいました。ジョン・アンダーソンは参加していませんが、ジョン・アンダーソンにそっくりなボーカリストを採用しているため、違和感は感じません。緊迫感がなく、落ち着いた癒しのサウンドに変化しています。 リンク | 2.2 |
19位 | 90125 | 南アフリカ共和国出身のギタリスト トレヴァー・ラビンが初めて参加したアルバムです。1曲目の「ロンリー・ハート」は、イエス唯一の全米Billboard Hot 100の1位になるなど、当時はかなり有名になったアルバムです。しかし、サウンドの変化が急すぎたことと、「ロンリー・ハート」以外は、話題に上がらない曲ばかりであったことから、アルバム全体としては、駄作に感じる作品です。 リンク | 2.0 |
20位 | Union 結晶 | 90125イエスと、旧メンバのイエスが、和解し、合体して制作されたアルバムです。和解したといっても、確執があったのか、あまりまとまりのあるアルバムとは言えません。実際、90125イエスと、旧イエスのメンバが全員、一緒に演奏している曲はなく、イエスとは関係のない曲も収録されています。90125イエスの曲と、そうではない曲で分けられており、このアルバムでは、90125イエスの曲の方が優れているように感じます。 リンク | 1.8 |
21位 | Open Your Eyes | トレヴァー・ラビンも、リック・ウェイクマンも参加していないことから、今までのイエスの特徴はなく、ギター中心のロック・アルバムに仕上がっています。元TOTOのメンバであったスティーヴ・ポーカロがキーボードで参加していますが、あまりキーボードは目立っていません。テンポの良い曲が多いですが、魅力的な曲がなく、評判の悪いアルバムです。 リンク | 1.5 |
イエスの音楽の楽しみ方
イエスは、メンバ変動が激しく、時代によって、アート・ロック、プログレッシブ・ロック、ポップス、ロック、癒し系プログレッシブ・ロックと、様々なジャンルに変化しています。
まずは、自分の好きなサウンドから聞いていくのが良いかと思いますが、プログレッシブ・ロック色の強い「こわれもの」や「危機」から聞いていくのが王道で間違いないかと思います。
各時代ごとの大まかな区分けは、以下の通りです。
1969年 – 1970年 :アート・ロック
1971年 – 1980年 :プログレッシブ・ロック
1981年 – 1997年 :ポップス、ロック
1999年 – 2021年 :癒し系プログレッシブ・ロック
各ジャンルの初心者向け、中級者向け、上級者向けの分類は、以下の通りです。
【アート・ロックなアルバム】
- Yes イエス・ファースト・アルバム(1969年):上級者向け
- Time and a Word 時間と言葉(1970年):中級者向け
【プログレッシブ・ロックなアルバム】
- The Yes Album イエス・サード・アルバム(1971年):中級者向け
- Fragile こわれもの(1971年):初心者向け
- Close to the Edge 危機(1972年):初心者向け
- Tales from Topographic Oceans 海洋地形学の物語(1973年):上級者向け
- Relayer(1974年):上級者向け
- Going for the One 究極(1977年):初心者向け
- Drama(1980年):上級者向け
- Keys to Ascension、Keys to Ascension2(1996年,1997年):中級者向け
【ポップス、ロックなアルバム】
- Tormato(1978年):中級者向け
- 90125 ロンリー・ハート(1983年):初心者向け
- Big Generator(1987年):中級者向け
- Union 結晶(1991年):上級者向け
- Talk(1994年):中級者向け
- Open Your Eyes(1997年):上級者向け
【癒し系プログレッシブ・ロックなアルバム】
- The Ladder(1999年):中級者向け
- Magnification(2001年):中級者向け
- Fly from Here(2011年):中級者向け
- Heaven & Earth(2014年):上級者向け
- The Quest(2021年):上級者向け
まとめ
5大プログレバンドの中では、22枚と一番多くのスタジオ・アルバムを発表しており、今でも、アルバムを制作し続けています。
現在は、クリス・スクワイア氏がお亡くなりになってしまったために、オリジナル・メンバは誰もイエスに残っていませんが、イエスの意思を引き継いで、これからも素晴らしいアルバムを制作し続けていってほしいと思っています。
次回は、5大プログレッシブ・ロックバンドのアルバムランキング第四弾として「EL&P」の全アルバムランキングをしていきたいと思います。