Santana IV
評価: 3.5
2016年に発売された24作目のアルバムで、1971年発売の「Santana III」の続編として制作されました。
メンバーも、当時のグレッグ・ローリー、ニール・ショーン、マイク・カラベロ、マイケル・シュリーブらが参加しており、1970年代初頭のサウンドを再現しています。
当時のメンバーが再集結して演奏しているだけでも聴く価値があり、ファンにとっては非常に嬉しいアルバムです。
ただし、「Santana III」ほどのメロディアスさや迫力はないため、やや散漫な印象を受ける部分もあります。
それでも、サンタナ初期のラテン・ロックを楽しめる点は大きな魅力です。
売上も好調で、全米チャート5位を記録するヒットとなりました。
Spirits Dancing In The Flesh
評価: 3.55
1990年に発売された16作目のアルバムで、インストゥメンタル曲とボーカル曲で構成された作品です。
1980年代のサンタナは、1970年代に活躍した多くのアーティストと同様、時代に合わせた売れ線を意識しすぎた結果、精彩を欠く作品が続いていました。
1990年代に入って最初の本作では、そうした1980年代の方向性に決別し、「スーパーナチュラル」へと繋がっていく新たな音楽性の土台を築いています。
ボーカル曲では最先端のリズムを取り入れたハードロックを展開する一方、インストゥメンタル曲は1970年代のサンタナ作品に見られたジャズ/フュージョン系のサウンドに回帰しており、質の高い楽曲が揃っています。
商業的には依然として低迷していたものの、1980年代とは明らかに異なる新たな変化が感じられ、今後のサンタナに期待を抱かせる一枚となりました。
Shaman
評価: 3.6
2002年に発売された19作目のアルバムで、前作「スーパーナチュラル」と同様に、ゲスト・アーティストとのコラボレーションを中心とした作品です。
さすがに「スーパーナチュラル」ほどの爆発的ヒットとはなりませんでしたが、それでも本作は全米チャート1位を記録し、シングルカットされた「ザ・ゲーム・オブ・ラヴ」も全米チャート5位のヒットとなりました。
本作では、「スーパーナチュラル」以上に多彩なジャンルのアーティストとコラボしており、ポップス、ヒップホップ、ロック、ラテン、フラメンコなど、非常にバラエティ豊かな楽曲が揃っています。
それでも、どの曲でもサンタナのギターがしっかりと存在感を示しており、アルバム全体の核として機能しています。
「スーパーナチュラル」と本作は、サンタナの長いキャリアの中でも、世界的に最も注目を浴びた時期の作品であり、その期待に十分応えた名作といえるアルバムです。
Africa Speaks
評価: 3.65
2019年に発売された25作目のアルバムで、タイトル通りアフリカ音楽を取り入れた作品です。
アフリカ、ジャズ、ラテンをミックスしたようなサウンドはとてもユニークで、サンタナにしか作りだせない世界観を築き上げています。
その意味では非常に革新的なアルバムですが、ラテン・ロック色は薄いため、サンタナのラテン音楽を期待している人には物足りなく感じられるかもしれません。
ボーカルはスペイン人歌手のブイカが担当しており、その歌声はスペインというよりもアフリカを感じさせます。
音楽評論家からの評価も高く、全米チャートでは3位を記録しました。
カルロス・サンタナが70歳を超えても、なお進化を続けていることには、驚嘆せずにはいられません。
Santana
評価: 3.7
1969年に発売されたサンタナのファースト・アルバムで、ラテン・ロックというジャンルを世に知らしめた作品です。
カルロス・サンタナは1960年代後半から伝説的なライブを重ね、メキシコの天才ギタリストとして注目を集めていました。
そのカルロス・サンタナが、グレッグ・ローリーやマイケル・シュリーヴらとともにサンタナを結成し、本作を発表しました。
本作はインストゥルメンタル曲が半数を占めており、インスト曲・ボーカル曲ともにラテンのリズムを基調とした陽気でエネルギッシュなサウンドが特徴です。
その中でも、シングルカットされた「イヴィル・ウェイズ」は全米チャート9位のヒットを記録しました。
アルバム自体もビルボード200に2年以上チャートインし、最高位4位を記録する大ヒットとなりました。
個人的なおすすめは、ウッドストック・フェスティバルでも演奏された「ソウル・サクリファイス」で、カルロス・サンタナの情熱的なギターと、マイケル・シュリーヴの圧巻のドラムが堪能できます。
Milagro
評価: 3.8
1992年に発売された17作目のアルバムで、ジャズの帝王マイルス・デイヴィスと、コンサート・プロモーターであったビル・グラハムに捧げられた作品です。
前作「Spirits Dancing In The Flesh」は、1980年代のポップ寄りの作風から脱却し、ジャズ/フュージョン路線へ回帰した良作でしたが、本作ではその方向性がさらに深化し、より完成度の高いアルバムとなっています。
内容は、1970年代前半の「キャラバンサライ」〜「不死蝶」といったフュージョン期の名作にも匹敵し、カルロス・サンタナのギターの真髄を存分に味わえます。
しかしながら、商業的には本作も振るわず、サンタナの作品群の中でもあまり知られていないアルバムとなってしまいました。
もっと多くの人に聴かれるべきサンタナの隠れた名盤です。
Abraxas 天の守護神
評価: 4.0
1970年に発売されたセカンド・アルバムで、ブルース時代のフリートウッド・マックのカバー「ブラック・マジック・ウーマン」を収録した作品です。
「ブラック・マジック・ウーマン」は全米チャート4位のヒットとなり、アルバム自体も全米チャート1位を記録し、これにより、サンタナの知名度は一気に高まりました。
陽気なラテンのリズムと、カルロス・サンタナの泣きのギターは一見ミスマッチのようにも思えますが、両者がシナジーを生み、哀愁と華麗さを併せ持つ絶妙なサウンドを生み出しています。
また、本作の印象的なジャケットは、後にマイルス・デイヴィス、ハービー・ハンコック、EW&Fなどのアルバムアートでも知られるマティ・クラーワインが手がけています。

Supernatural
評価: 4.2
1999年に発売された18作目のアルバムで、ゲスト・アーティストとのコラボレーションを中心とした作品です。
カルロス・サンタナは本作の制作にあたり、ポップなラジオ向けの作品を目指し、アリスタ・レコードと契約しました。
その戦略が功を奏し、本作は世界的な大ヒットとなり、3000万枚以上のセールスを記録し、さらに、グラミー賞では史上最多クラスとなる9部門を受賞する快挙を成し遂げました。
シングルカットされた「スムース」は全米チャートで12週連続1位、「マリア・マリア」も10週連続1位を獲得するなど、いずれも大ヒットしました。
前作「Milagro」が傑作でありながら売上が伸びなかったことが嘘のように、サンタナは一気に世界的再ブレイクを果たしました。
この成功には宣伝効果もあったと思われますが、ポップスとサンタナのギターが見事に融合し、一般層に広く受け入れられる作品となったことが最大の要因だと言えます。
「スムース」はサザンオールスターズを思わせる雰囲気もあり、日本でも大ヒットしました。

Santana III
評価: 4.4
1971年に発売された3作目のアルバムで、後にジャーニーの中心メンバーとなるギタリスト、ニール・ショーンが初参加し、ツイン・リード・ギター体制となった作品です。
次作以降、サンタナはジャズ/フュージョン色を強めていくため、ラテンとロックが融合した初期サンタナらしい作風のアルバムは本作が最後となります。
その意味で、1st・2ndアルバムの集大成ともいえる内容で、さらにラテン・パーカッションの強化や、ツイン・リード・ギターによる重厚さが加わり、より聴きやすく仕上がっています。
本作も全米チャート1位を獲得しましたが、その後1999年の「スーパーナチュラル」まで、サンタナが全米チャート1位を獲得することはありませんでした。
このことからも、本作発表時が初期サンタナの絶頂期と言えます。

Caravanserai

評価: 4.5
1972年に発売された4作目のアルバムで、サンタナがフュージョンの音楽へと大きく舵を切った最初の作品です。
前作まではハードなギターを主体としたラテン・ロックを展開していましたが、本作ではサウンドが大幅に変化し、インストゥルメンタル曲を中心とした芸術性の高い音楽へと昇華されています。
本作はフュージョンの名作と呼べる完成度を誇りますが、従来のラテン・ロック色が薄いため、聴く人を選ぶ作品でもあります。
サンタナにラテン・ロックを求めない、フュージョン系の音楽が好きな方には特におすすめできる一枚です。
音楽性の変化により売上は伸び悩み、全米チャート8位止まりとなりましたが、コンセプト・アルバムのような統一感を持つ名盤です。
なお、本作を最後にグレッグ・ローリーとニール・ショーンが脱退し、後に2人はジャーニーを結成することになります。
その他のおすすめアルバム
- Power of Peace
- 2017年に発売された、アイズレー・ブラザーズとの共同制作によるアルバムで、全曲カバー曲で構成されています。
- アイズレー・ブラザーズの持つR&Bと、サンタナのラテン要素がどのように融合するのか興味をそそられましたが、実際にはラテン色はほとんどなく、R&Bやソウル色が強い仕上がりとなっています。
- 荒削りな部分もありますが、サンタナとアーニー・アイズレーによるギターの絡みが大きな聴きどころで、その点だけでも十分に楽しめるアルバムです。
- Sentient
- 2025年に発売されたサンタナの回顧録的アルバムで、3曲の未発表曲が収録されています。ソウル、R&B、フュージョンを中心とした構成で、音質も良く非常に聴きやすい作品に仕上がっています。
- Run DMCのダリル・マクダニエルズ、スモーキー・ロビンソン、マイケル・ジャクソン、マイルス・デイヴィスなど、大物アーティストとのコラボ曲も収録されています。
- 特に、他界してしまったマイケル・ジャクソンやマイルス・デイヴィスとの共演曲は、非常に貴重な音源として注目されます。
- Live At The Fillmore ’68
- 1968年12月19日~22日にフィルモア・ウェストで行われたコンサートの模様を収録したライブ・アルバムです。
- 1stアルバム「Santana」の発売より8か月前の貴重なライブ音源で、最初期のカルロス・サンタナのギターの魅力を存分に味わうことができます。ハードロック色の強いギター演奏が堪能でき、古い音源ながら音質も良好です。
- 1stアルバム「Santana」には収録されていない曲も演奏されており、サンタナのコアファン向けのアルバムと言えます。
- Lotus ロータスの伝説
- 1973年7月に大阪厚生年金会館で行われたキャラバンサライ・ツアーの模様を収録した2枚組(レコードだと3枚組)のライブ・アルバムです。
- 「キャラバンサライ」「ウェルカム」「天の守護神」からの選曲が中心ですが、新曲が5曲も収録されており、お得感のある作品です。
- オープニング・ナンバー「メディテーション」では、音楽ではなく、日本語での黙祷と1分間の沈黙が収録されており、そこから一気に怒涛のカルロス・サンタナのギターが炸裂します。音質も良好で、サンタナのライブの熱気を存分に味わえる、良質なライブ・アルバムです。
- Sacred Fire – Live in South America
- 1993年5月にメキシコシティで行われたコンサートの模様を収録したライブ・アルバムです。
- サンタナ初期の3枚のアルバム「サンタナ」「天の守護神」「サンタナIII」からの選曲が中心ですが、お馴染みの「君に捧げるサンバ」や「哀愁のヨーロッパ」も、もちろん演奏されています。
- キラキラしたシンセサイザーの音が時代を感じさせますが、サンタナのライブ・アルバムの中では、聴きやすくサンタナ初心者の方にもおすすめできるアルバムです。
- Corazón – Live from Mexico: Live It to Believe It
- 2013年12月に地元メキシコで行われたキックオフ・イベントの模様を収録したライブ・アルバムです。ラテン全開のスタイルはアルバム「コラソン」と同様に、本ライブも陽気で元気になれる演奏が楽しめます。
- アルバム「コラソン」にも参加していたグロリア・エステファンやミゲルなど豪華ゲストも参加しており、「スーパーナチュラル」以降のゲスト・アーティストとのコラボレーション作品が好きな人にはうってつけのライブ・アルバムです。
おすすめのベスト・アルバム
- Ultimate Santana ヴェリー・ベスト・オブ・サンタナ
- 2007年発売のサンタナのベスト・アルバムで、ゲスト・アーティストとのコラボレーション・アルバム「スーパーナチュラル」「シャーマン」「オール・ザット・アイ・アム」からの選曲を中心に構成されています。
- サンタナ最初期のアルバム「サンタナ」「天の守護神」「サンタナIII」からの曲や、日本で特に人気の高い「哀愁のヨーロッパ」も収録されているため、サンタナ初心者の人におすすめのベスト・アルバムです。
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サンタナの音楽
サンタナの音楽は、大きく分けると「ラテン・ロック」と、インストゥルメンタルを中心とした「フュージョン」、そしてどちらにも属さない「ロック」に分けることができます。
どのアルバムも質の高い作品ばかりですが、サンタナを知るには、まず「ラテン・ロック」から聴き始めることをおすすめします。
それぞれの区分けしたアルバムの初心者向け、中級者向け、上級者向けの分類は、以下の通りです。
【ラテン・ロックのアルバム】
- Santana(1969年):初心者向け
- Abraxas 天の守護神(1970年):初心者向け
- Santana III(1971年):初心者向け
- Amigos(1976年):初心者向け
- Festival(1976年):中級者向け
- Moonflower(1977年):中級者向け
- Zebop!(1981年):初心者向け
- Beyond Appearances(1985年):上級者向け
- Supernatural(1999年):初心者向け
- Shaman(2002年):初心者向け
- All That I Am(2005年):中級者向け
- Corazón(2014年):中級者向け
- Santana IV(2016年):中級者向け
- Blessings and Miracles(2021年):中級者向け
【フュージョンのアルバム】
- Caravanserai(1972年):初心者向け
- Welcome(1973年):中級者向け
- Borboletta 不死蝶(1974年):中級者向け
- Spirits Dancing In The Flesh(1990年):中級者向け
- Milagro(1992年):中級者向け
- Shape Shifter(2012年):上級者向け
【ロックのアルバム】
- Inner Secrets 太陽の秘宝(1978年):上級者向け
- Marathon(1979年):上級者向け
- Shango(1982年):上級者向け
- Freedom(1987年):上級者向け
- Guitar Heaven: The Greatest Guitar Classics of All Time(2010年):上級者向け
- Africa Speaks(2019年):上級者向け
まとめ
最後に、サンタナのランキング結果をまとめます。
| 順位 | アルバム名 | 点数 |
|---|---|---|
| 1位 | Caravanserai | 4.5 |
| 2位 | Santana III | 4.4 |
| 3位 | Supernatural | 4.2 |
| 4位 | Abraxas 天の守護神 | 4.0 |
| 5位 | Milagro | 3.8 |
| 6位 | Santana | 3.7 |
| 7位 | Africa Speaks | 3.65 |
| 8位 | Shaman | 3.6 |
| 9位 | Spirits Dancing In The Flesh | 3.55 |
| 10位 | Santana IV | 3.5 |
| 11位 | Amigos | 3.45 |
| 12位 | Borboletta 不死蝶 | 3.4 |
| 13位 | Welcome | 3.35 |
| 14位 | All That I Am | 3.3 |
| 15位 | Zebop! | 3.25 |
| 16位 | Moonflower | 3.2 |
| 17位 | Blessings and Miracles | 3.1 |
| 18位 | Corazón | 3.05 |
| 19位 | Shape Shifter | 3.0 |
| 20位 | Festival | 2.9 |
| 21位 | Guitar Heaven: The Greatest Guitar Classics of All Time | 2.85 |
| 22位 | Freedome | 2.8 |
| 23位 | Shango | 2.6 |
| 24位 | Marathon | 2.55 |
| 25位 | Inner Secrets 太陽の秘宝 | 2.5 |
| 26位 | Beyond Appearances | 2.4 |
サンタナのフュージョン・アルバム「キャラバンサライ」を1位に選びましたが、ラテン・ロックが好きな方は、「サンタナ」「天の守護神」「サンタナIII」あたりを上位に挙げるかもしれません。
サンタナのアルバムは数が多いため、初めて聴く方はまずベスト・アルバムから入り、徐々に自分の好みに合うアルバムを楽しんでいくのも良いか思います。
上記のランキングを参考に、ぜひ多くのサンタナのアルバムを楽しんでもらえればと思っています。
次回は、ロック史上最高のギタリスト ジミ・ヘンドリックスの全アルバム・ランキングを行っていきたいと思います。
サンタナのグッズ紹介
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