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プロコル・ハルムの中期アルバム 紹介・評価
前回のプロコル・ハルムの初期のアルバムの紹介・評価に引き続き、
今回は、中期の1971年〜1975年のアルバム(「Broken Barricades」「Grand Hotel」「Exotic Birds And Fruits」「Procol’s Ninth」)を紹介・評価していきたいと思います。
評価点は、個人的な独断と偏見で、各曲に点数をつけて、評価していますので、世間一般の評価とは異なるかもしれませんが、その点は、ご了承ください。
プロコル・ハルムのアルバムを聴いてみたいけど、どのアルバムから聴けば良いか分からない方、
プロコル・ハルムのアルバムの評価や、おすすめのアルバムを知りたい方に、役立つ記事になっています。
評価結果
評価結果は以下の通りです。
No | 作品 | 評価点(10点満点) |
---|---|---|
1 | Broken Barricades | 6.38点 |
2 | Grand Hotel | 7.56点 |
3 | Exotic Birds And Fruits 異国の鳥と果物 | 6.67点 |
4 | Procol’s Ninth | 5.20点 |
評価の詳細は、以下を参照ください。
評価詳細
Broken Barricades
No | 曲名 | 感想 | 評価点 |
---|---|---|---|
1 | Simple Sister | オープニング・ナンバーは、前作「Home」に引き続き、ハード・ロック色の強いブルース調の曲です。重くハードなギターに、後半から、オーケストラが絡んできて、迫力満点の曲です。 | 8点 |
2 | Broken Barricades | 曲名のような攻撃的な要素はなく、美しいピアノとキーボード中心の曲です。ゲイリー・ブルッカーの美しくも素朴なボーカルが特徴的です。 | 6点 |
3 | Memorial Drive | シンプルなギター・リフが特徴のブルース ハードロックの曲です。この時代に流行った英国のブルース ハード・ロックを踏襲したような曲です。 | 7点 |
4 | Luskus Delph | ピアノとストリングス中心の美しいバラード曲で、ストリングスの導入は、今後のプロコル・ハルムのクラシックとポップの融合へと繋がっていきます。 | 7点 |
5 | Power Failure | 軽快なアップテンポのドラム中心の曲で、長いドラムソロが入っています。 | 5点 |
6 | Song for a Dreamer | ジミーヘンドリックスに捧げられた曲で、ジミ・ヘンドリクスをリスペクトしていたロビン・トロワーのギターが爆発しています。ジミーヘンドリックスの真似と言えば、その通りですが、ハード・ロック好きには、好印象の曲です。 | 7点 |
7 | Playmate of the Mouth | ピアノとギターを中心とした泥臭いブルース・ナンバーで、終始、ギターが活躍しています。 | 6点 |
8 | Poor Mohammed | 覚えやすいギター・リフが特徴のハードロック ナンバーです。プロコル・ハルムのボーカルは、ハード・ロックに似つかないイメージがありますが、この曲のボーカルは、低音を聞かせて、ハードロックしています。 | 5点 |
平均点 | 6.4点 |
前作「ホーム」のハード・ロック路線をさらに推し進めた作品で、プロコル・ハルムのアルバムの中では、最もハード・ロックしているアルバムです。ロビン・トロワーは、ジミ・ヘンドリクスのフォロワーということもあり、ジミヘンのギターを彷彿させる演奏をしています。
今後のプロコル・ハルムのサウンドを予感させるストリングスを使用した曲も収録されています。
Grand Hotel
No | 曲名 | 感想 | 評価点 |
---|---|---|---|
1 | Grand Hotel | オープイング・ナンバーは、コーラス、オーケストラを使用した壮大な曲で、このアルバムの特徴をよく表しています。「Home」「Broken Barricades」と続いたハード・ロック路線のアルバムではないことが分かります。 | 10点 |
2 | Toujours l’amour | 綺麗なピアノのイントロから、一気に、ハードなギターが登場してきますが、「Home」「Broken Barricades」のようなハードさはありません。 | 7点 |
3 | A Rum Tale | ピアノ中心のワルツ風のキャッチーなバラード曲です。プロコル・ハルムのバラード曲の中では、トップに位置付けられる曲です。 | 9点 |
4 | TV Caesar | この曲もピアノ中心のキャッチーなバラード曲です。ストリングス、オーケストラが使用され、「ロックとクラッシックの融合」が感じられます。 | 8点 |
5 | A Souvenir of London | アコギ、マンドリ、トイ・ドラムを使用した滑稽な曲で、サーカスに似合いそうな曲です。 | 6点 |
6 | Bringing Home the Bacon | オルガンとギターを前面に出したブルース調の作品です。このアルバムの中では、最もハードな曲です。 | 6点 |
7 | For Liquorice John | この曲も美しいメロディを持つバラード曲です。欲を言えば、盛り上がりに欠けるため、もうひと捻り欲しかったかなとは思います。 | 7点 |
8 | Fires (Which Burnt Brightly) | 女性のスキャットの入った暗めのバラード曲です。繰り返される暗めのメロディが、耳に残ります。この女性のスキャットを聞くと、ネスカフェのコーヒーのCM曲ダバダを思い出してしまいます。 | 8点 |
9 | Robert’s Box | ラスト・ナンバーは、ピアノとオルガンを中心とした明るめのタンゴを感じさせる曲です。ラストは、ギター、オルガン、オーケストラを一斉に配し、壮大なエンディングを迎えます。 | 7点 |
平均点 | 7.6点 |
ギターのロビン・トロワーが脱退したことで、前作のハードロック路線とは異なり、「ロックとクラシックの融合」が最も色濃く出ているアルバムです。
プロコル・ハルムの最高傑作の作品であり、ジャケットのように英国紳士的な気品のある円熟したサウンドを楽しめます。オーケストラを配したことで、壮大なアルバムに仕上がっています。
Exotic Birds and Fruit 異国の鳥と果物
No | 曲名 | 感想 | 評価点 |
---|---|---|---|
1 | Nothing but the Truth | オープニング・ナンバーは、陽気なソウルを感じさせる曲で、オーケストラを使用した前作「Grand Hotel」とはまた違った魅力があります。 | 8点 |
2 | Beyond the Pale | アルバム名のように、エキゾチックな異国の地を感じさせる曲で、サーカスの行脚に似合いそうな曲です。 | 8点 |
3 | As Strong as Samson | ピアノとオルガンが中心であるため、昔のプロコル・ハルムを感じさせます。ゲイリー・ブルッカーの力強い歌声が印象的な、哀愁のあるバラード曲です。 | 7点 |
4 | The Idol | オルガンの音が切ない、昔のプロコル・ハルムを感じさせるブルース・ロック調のバラード曲です。後半には、泣きのギターソロが聞けます。 | 8点 |
5 | The Thin End of the Wedge | メロディがなく、ヘビーなピアノと破壊的なギターが、世紀末を感じさせる不気味な曲です。 | 6点 |
6 | Monsieur R. Monde | 「Home」「Broken Barricades」のようなヘビーさはありませんが、このアルバムの中では、最もハードロックしている曲です。 | 6点 |
7 | Fresh Fruit | 口笛、陽気なピアノ、カリンバ、動物の鳴き声が入り、最も南国を感じさせる軽快な曲です。 | 5点 |
8 | Butterfly Boys | ピアノ、ギター中心の明るいカントリー、ブルース・ロック調の曲で、明るい気分にさせてくれます。 | 6点 |
9 | New Lamps for Old | ラスト・ナンバーは、「オルガン中心の美しいメロディを持つ「青い影」」を彷彿させるバラード曲です。 | 6点 |
平均点 | 6.7点 |
ブルースを基調にしながらも、アルバム名のように、どこかエキゾチックさを感じるアルバムです。
「Live In Concert With Edmonton Symphony Orchestra」と「Grand Hotel」のアルバムがオーケストラを使用した壮大な作品でしたが、本作は、昔の素朴なカントリー・ブルースのバンド サウンドに戻りました。それでも、英国的でドラマチックな雰囲気のある作品です。
Procol’s Ninth
No | 曲名 | 感想 | 評価点 |
---|---|---|---|
1 | Pandora’s Box | オープニング・ナンバーは、マリンバやフルートを取り入れたエキゾチックな曲です。前作「異国の鳥と果物」よりもサウンドがまろやかになり、ポップな曲です。 | 5点 |
2 | Fools Gold | ピアノ中心の美しいバラードで曲です。奥から聞こえてくるオルガンやブラスに哀愁を感じます。途中で、ハードな泣きのギター・ソロが聞けます。 | 6点 |
3 | Taking the Time | しっとりしたブルース調の曲です。ブラスを導入しているために、少しエロチックに感じます。 | 6点 |
4 | The Unquiet Zone | イントロのクラヴィネットが、スティビー・ワンダーを彷彿させ、全体的に、ファンキーな曲です。70年代のソウルを感じさせます。 | 6点 |
5 | The Final Thrust | レゲエを取り入れたポップな曲です。スローテンポのピアノソロが、南国を感じさせます。 | 6点 |
6 | I Keep Forgetting | このアルバムのプロデューサー ジェリー・レイバー、マイク・ストーラーの作品です。今までのプロコル・ハルムとは異なり、ブラス全開のファンキーな曲です。 | 5点 |
7 | Without a Doubt | レゲエを感じさせるリズムやブラスを取り入れており、新たなプロコル・ハルムを感じさせる曲ですが、少しまとまりにかけるように感じます。 | 4点 |
8 | The Pipers Tune | オルガンの入った昔のプロコル・ハルムを感じさせる曲ですが、昔の勢いが無くなっていることを感じさせます。 | 6点 |
9 | Typewriter Torment | 70年代後半から80年代初頭に流行ったキャッチーなハードロックの雰囲気のある曲です。 | 5点 |
10 | Eight Days A Week | ビートルズのカヴァー曲です。なぜ、この曲を選曲したのかは不明ですが、このアルバムの中では、浮いているように感じます。ゲイリー・ブルッカーのボーカルもこの曲には合わないように感じます。 | 3点 |
平均点 | 5.2点 |
「スタンド・バイ・ミー」「ハウンド・ドッグ」「監獄ロック」などで有名なジェリー・レイバー、マイク・ストーラーをプロデューサーに迎え入れて制作されたアルバムです。そのため、ブラスを入れたファンキーな曲や、レゲエの曲など、新しい試みが見られるアルバムです。
プロコル・ハルムのアルバムとしては初めて、カヴァー曲を収録しており、「Eight Days A Week」は、ビートルズのカヴァー曲です。プロコル・ハルムは、このアルバムから、ポップ路線に舵を切っていきます。
まとめ
プロコル・ハルムの一番脂が乗っている中期のアルバム4枚を紹介・評価しました。
プロコル・ハルムのアルバムでは、この時期のアルバムが絶頂期の作品だと思っていますが、なぜか、サブスクには登録がありません。
しかし、プロコル・ハルムのアルバムを知るには、この時期のアルバムは外せませんので、レンタルか購入して聞くことをおすすめします。
今後、サブスクに登録されることを期待していたいと思います。
次回は、後期のアルバム(「Something Magic」〜「Novum」)を、紹介・評価していきたいと思います。
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