プロコル・ハルム 全アルバムランキング
2022年2月19日にお亡くなりなったプロコル・ハルムのフロントマン ゲイリー・ブルッカー氏を偲んで、プロコル・ハルムの全アルバムを、3回に渡り、別記事で評価しましたので、ここで、1つのランキングにまとめました。
各アルバムの詳細は、以下の関連記事を参照してみて下さい。
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プロコル・ハルムのアルバムを聴いてみたいけど、どのアルバムから聴けば良いか分からない方、プロコル・ハルムの評価を知りたい方に、役立つ記事になっています。
評価アルバム
以下が、今回の評価アルバムです。
発売年 | アルバム名 |
---|---|
1967年 | Procol Harum 青い影 |
1968年 | Shine On Brightly 月の光 |
1969年 | A Salty Dog |
1970年 | Home |
1971年 | Broken Barricades |
1973年 | Grand Hotel |
1974年 | Exotic Birds And Fruits 異国の鳥と果物 |
1975年 | Procol’s Ninth |
1977年 | Something Magic 輪廻 |
1991年 | The Prodigal Stranger 放蕩者達の絆 |
2003年 | Well’s on Fire |
2017年 | Novum 乙女は新たな夢に |
アルバム ランキング
順位 | アルバム名 | コメント | 評価点 |
---|---|---|---|
1位 | Grand Hotel | ギターのロビン・トロワーが脱退したことで、前作のハードロック路線とは異なり、「ロックとクラシックの融合」が最も色濃く出ているアルバムです。プロコル・ハルムの最高傑作の作品であり、ジャケットのように英国紳士的な気品のある円熟したサウンドを楽しめます。オーケストラを配したことで、壮大なアルバムに仕上がっています。 リンク | 3.8 |
2位 | Exotic Birds And Fruits 異国の鳥と果物 | ブルースを基調にしながらも、アルバム名のように、どこかエキゾチックさを感じるアルバムです。前々作「Live In Concert With Edmonton Symphony Orchestra」と前作「Grand Hotel」のアルバムがオーケストラを使用した壮大な作品でしたが、このアルバムは、昔の素朴なカントリー・ブルースのバンド サウンドに戻りました。それでも、英国的でドラマチックな雰囲気のある作品です。 リンク | 3.4 |
3位 | Shine On Brightly 月の光 | 前作「Procol Harum」は、アメリカ志向の素朴なカントリー、ブルース調の曲が多かったですが、このアルバムは、スケール・アップして、派手さが増しました。オルガンとピアノが中心ですが、ギターが攻撃的になり、ハードさが出てきているのが特徴です。ラスト・ナンバーの「In Held ‘Twas in I」は、組曲の構成で、プログレッシブ・ロックを感じさせます。 リンク | 3.2 |
4位 | Broken Barricades | 前作「ホーム」のハード・ロック路線をさらに推し進めた作品で、プロコル・ハルムのアルバムの中では、最もハード・ロックしているアルバムです。ロビン・トロワーは、ジミ・ヘンドリクスのフォロワーということもあり、ジミヘンのギターを彷彿させる演奏をしています。今後のプロコル・ハルムのサウンドを予感させるストリングスを使用した曲も収録されています。 リンク | 3.2 |
5位 | A Salty Dog | このアルバムをプロコル・ハルムの最高傑作にあげる人が多いアルバムです。細野晴臣、松本隆、ユーミンらも名盤にあげています。細野晴臣のソロ・アルバム「トロピカル・ダンディー」のジャケットは、このアルバムのジャケットをパロディにしています。英国の伝統的な船乗りの唄「シー・シャンティ」をモチーフにしたトータル・アルバムですが、それほど海を感じさせず、カントリー・ブルース調の曲が多いのが特徴です。海を感じさせるのは、オープニング・ナンバーのかもめの鳴き声ぐらいです。 リンク | 3.0 |
6位 | Home | オリジナル・メンバーのマシュー・フィッシャーと、デイヴィッド・ナイツが脱退し、代わりに、元パラマウンツのクリス・コッピングが参加したアルバムです。マシュー・フィッシャーのキーボードが消えたために、ギター中心のハードな作品に仕上がっています。プロコル・ハルムのサウンドが心機一転されたアルバムです。かっこいい曲が多いですが、意味不明なジャケットが、そのかっこよさを台無しにしてしまっています。 リンク | 3.0 |
7位 | Something Magic 輪廻 | オーケストラやオルガンが復活し、プロコル・ハルムのクラシカルな壮大さを感じさせる作品です。このアルバムで、一旦、プロコル・ハルムは解散してしまうため、プロコル・ハルムの最後の輝きを示したアルバムです。このアルバムの中では、後半の組曲「The Worm & the Tree」が最大の聴きどころで、プログレッシブ・ロックを感じさせる壮大な作品です。 リンク | 3.0 |
8位 | The Wells On Fire | 前作「The Prodigal Stranger」と同様、黄金期のメンバーであるゲイリー・ブルッカー、マシュー・フィッシャー、キース・リードが集結して制作されたアルバムです。残念なのは、ロビン・トロワーが参加していおらず、ハードなギターが聞けないことです。ロック、ブルースの曲が増え、昔のプロコル・ハルムのサウンドを、近代的にしたようなアルバムです。往年のプロコル・ハルム ファンでも、魅力を感じる作品に仕上がっています。 リンク | 2.9 |
9位 | Procol Harum 青い影 | 代表曲である「青い影」は、当時のイギリス版には収録されていませんでした。そのためか、「青い影」は、このアルバムの中では、少し浮いた感じがします。このアルバムは、プロコル・ハルムの特徴であるクラシカルで荘厳なイメージは感じられず、アメリカ志向のサウンドが特徴の作品です。 リンク | 2.9 |
10位 | Novum 乙女は新たな夢に | 2017年発売のプロコル・ハルムのラストアルバムです。ブルースとバラードを中心としたプロコル・ハルムらしい作品です。美しいジャケットは、過去のアルバムのジャケット(「青い影」の女性、「月の光」の時計、「ホーム」の星、「異国の鳥と果物」の鳥と果物)をモチーフにしています。 リンク | 2.7 |
11位 | Procol’s Ninth | 「スタンド・バイ・ミー」「ハウンド・ドッグ」「監獄ロック」などで有名なジェリー・レイバー、マイク・ストーラーをプロデューサーに迎え入れて制作されたアルバムです。そのため、ブラスを入れたファンキーな曲や、レゲエの曲など、新しい試みが見られるアルバムです。プロコル・ハルムのアルバムとしては初めて、カヴァー曲を収録しており、「Eight Days A Week」は、ビートルズのカヴァー曲です。プロコル・ハルムは、このアルバムから、ポップ路線に舵を切り、失速していくことになります。 リンク | 2.6 |
12位 | The Prodigal Stranger 放蕩者達の絆 | オリジナル・メンバーであるマシュー・フィッシャーやロビン・トロワーなどが集結し、「輪廻」から実に14年ぶりに発表されたアルバムです。オルガンを多用していますが、昔のプロコル・ハルムのサウンドとは異なり、AORを感じさせる作品です。悪いアルバムではありませんが、あまり印象に残らない作品です。ゲイリー・ブルッカーのボーカルを味わうためのアルバムです。 リンク | 2.5 |
まとめ
プロコル・ハルムのアルバムは、大きく分けると、ブルースのアルバム、ハードロックのアルバム、AORのアルバムに分けられます。
アルバムによって、サウンドは異なるものの、共通しているのは、ゲイリー・ブルッカー氏のボーカルが魅力的であることです。
プロコル・ハルムは、「青い影」があまりにも有名であるため、その他の曲は、あまり知られていないように思えます。
「青い影」以外にも、多くの優れた作品がありますので、この記事を参考に、プロコル・ハルムの魅力を感じ取ってもらえればと思います。