Anti-Heroine
評価: 3.2
1993年発売の12作目のアルバムで、「LOVE NEVER TURNS AGAINST」から続いているポップ路線の頂点に位置付けられる傑作アルバムです。
前作「TOMORROW」は、明るいポップな曲が多かったですが、本作は、大人びたバラード曲が多く収録されています。
英語の曲が増え、海外進出を狙っていたことが伺えます。
シングル・カットされた「Cry For The Moon」は、ドラマでも使用された曲で、浜田麻里の曲の中では、「Return to Myself」に次ぐ、有名曲です。
本作は、「Return to Myself」以来のオリコンチャート1位を記録しました。
RAINBOW DREAM
評価: 3.3
1985年発売の4作目のアルバムです。
前作「MISTY LADY」と同様、メロディアス・ハード・ロックなアルバムで、前作よりも更にパワーアップしていることが分かります。
本作から、6作目のアルバム「Promise in the History」まで、B’zの松本孝弘がギターを担当しています。
新たな試みとして、サヴァイヴァーと、ゲーリー・ムーアの曲をカヴァーしており、特に、ゲーリー・ムーアの「Love,Love,Love」は、メタル調の松本孝弘のギター・ソロが光っています。
本作の中で、浜田麻里のボーカルの凄さが分かるのは、ハードな疾走曲「Love Magic」「Free Way」と、壮大な美しいバラード曲「Hearty My Song」です。
全体的に、松本孝弘のギターのカッコ良さが目立つアルバムです。
Blue Revolution
評価: 3.4
1985年発売の5作目のアルバムで、浜田麻里のヘビーメタルなシャウト・ボーカルが全編に聞ける作品です。
オープニングから、怒涛のハードロックが続いていきますが、後半は、今後のポップ路線に変更していくことを予感させるポップな曲が収録されています。
前作以上にキーボードの使用が多くなり、特に、「Empty Heart」は、壮大なキーボードを中心としたバラード曲です。
本作では、ビートルズやハートのカヴァー曲を取り上げており、ビートルズの「Helter Skelter」は、浜田麻里のハードロックなボーカルを堪能することができます。
初期の浜田麻里のヘビーメタル、ハードロック路線の一つの頂点に位置付けられるアルバムです。
Sense Of Self
評価: 3.5
2003年発売の17枚目のアルバムで、ギターと一緒に写っている浜田麻里のジャケットから分かるように、ギター中心のハードロック色の強い作品です。
1990年代に流行ったグランジを彷彿させる重いギターに、浜田麻里の高音のシャウトボーカルがキマっています。
ハードロックな曲ばかりでなく、ピアノとストリングスの美しいバラード曲「Stardust」のような曲も収録されています。
キャッチーさは薄くなりましたが、初期のHR/HM路線の好きな人には、満足できるアルバムです。
Persona
評価: 3.6
1996年発売の13枚目のアルバムで、前作「Anti-Heroine」の大人の熟練したポップを、更に押し進め、AORな浜田麻里の曲を聞くことができるアルバムです。
浜田麻里のアルバムの中では、サブスクにも登録がなく、かなり邪険な扱いをされているように感じますが、なぜ、このアルバムが取り上げられないのか不思議なぐらい素晴らしい作品です。
アメリカの有名なジャズ・ギタリスト リー・リトナーが参加していることもあり、バック・ミュージシャンの演奏は洗練されています。
捨て曲のないアルバムで、その中でも、シングル・カットされた「Hey Mr. Broken Heart」と「Antique」が素晴らしく、「Hey Mr. Broken Heart」は爽やかなポップス、「Antique」は、哀愁漂うバラード曲とサウンドは対照的ですが、ともに、浜田麻里のボーカルの良さが十二分に発揮されています。
本作は、オリコンチャート2位を記録しました。
Mission
評価: 3.7
2016年発売の22枚目のアルバムで、前作「Legenda」と比べるとHR/HM色が弱まり、バラード曲が増えたアルバムです。
バラード曲といっても、昔のポップ路線の甘いバラード曲ではなく、パワーバラード曲が多くを占めています。
その代表曲が「Dystopia」で、この曲は、ロマンチックな構成の壮大なパワーバラード曲です。
演奏陣は、お馴染みのマイケル・ランドゥ、今回初参加のMR. BIGのメンバ ビリー・シーン、高崎晃など、相変わらずの豪華メンバが参加しています。
ポップス時代の勢いが戻り、オリコンチャートで11位を記録しました。
Aestetica
評価: 3.8
2010年発売の20作目のアルバムで、ラウドネスの高崎晃がギターで参加していることもあり、ヘビーメタル色の強い作品に仕上がっています。
オープニングから、浜田麻里のシャウト・ボーカルが炸裂しており、1曲目の「Stay Gold」は、シンフォニックを使用した壮大なドラマチック曲、2曲目「Somebody’s Calling」は、浜田麻里のシャウト・ボーカルにぴったりなパワーメタル曲と、この2曲だけで、本作の凄さが分かります。
ヘビー・メタルの曲ばかりではなく、浜田麻里らしいバラード曲「Stella」や、中期の浜田麻里のポップスの要素を持った「Crescendo」など、メタルな曲とポップな曲が、バランスよく配置されています。
浜田麻里のアルバムの中で、傑作アルバムの1枚です。
Soar
評価: 3.9
2023年発売の24作目のアルバムで、重厚なサウンドと、浜田麻里のシャウト・ボーカルが凄く、迫力のあるアルバムに仕上がっています。
ギターの音が重厚になり、近年のアルバムと同様、ヘビーな曲が前半に多く収録されています。
ジャケットの浜田麻里は、相変わらず美しいですし、ボーカルも衰えず若々しい声ですし、とても、60歳を超えた人が作ったアルバムとは思えません。
最近のHR/HM路線に回帰したアルバムは、歳を重ねるごとに、パワーアップしているように感じます。
参加ミュージシャンは、マイケル・ランドウ、高崎晃に加え、マイケル・ロメオやISAOなど、豪華メンバが参加しています。
毎回、新作が発表される度に驚かされますが、今回のアルバムも、今まで以上に驚かされる作品です。
Gracia
評価: 4.0
2018年発売の23作目のアルバムで、ヘビーメタルな曲とソフトな曲がはっきり分かれている作品です。
デビュー35周年を迎えて制作されたアルバムということもあって、今までの浜田麻里の集大成的な作品となっています。
ヘビーメタルな曲は、過去のアルバムにはないぐらいのヘビーさがあり、浜田麻里のシャウト・ボーカルは、言わずもがな凄いものがあります。
ソフトな曲は、今までのポップな作品を豪華にしたような曲が多く、どの曲も聞き応えがあります。
本作を聞くと、浜田麻里のファンであり続けたことが良かったなと感じることができます。
1996年発売「Persona」以来22年ぶりとなるオリコン・チャートTOP10入りをしました。
Legenda
評価: 4.2
2012年発売の21作目のアルバムで、前作「Aestetica」と同様、ラウドネスの高崎晃がギターで参加しています。
前作「Aestetica」は、ポップな曲や、バラード曲も多く収録されていましたが、本作は、全編、HR/HMの曲で占められています。
そのため、浜田麻里のシャウト・ボーカルを全編で聞くことができます。
通常、ボーカリストは、歳とともに、衰えていくものですが、浜田麻里のボーカルは、若い時よりも、更にパワーアップしています。
特に、「Crimson」の浜田麻里のシャウト・ボーカルが凄すぎて、最初から最後まで、鳥肌ものです。
浜田麻里のアルバムの中では、文句なしの最高傑作であり、日本のメタル界の中でも、名盤に値する作品です。
ライブ・アルバム
- MAGICAL MYSTERY“MARI”
- 浜田麻里の唯一の公式ライブ・アルバムです。「RAINBOW DREAM」発売後の1985年に行った全国ツアーの中からのライブ音源になります。
- 浜田麻里の初期のアルバムからのベストな選曲がされており、ライブでも、浜田麻里のボーカルは健在であることを証明してくれています。特に、ラスト・ナンバーの「DON’T CHANGE YOUR MIND」は、スタジオ・アルバムに負けじ劣らずのシャウト・ボーカルを聞くことができます。
おすすめのベスト・アルバム
- Light For The Ages – 35th Anniversary Best ~Fan’s Selection
- 浜田麻里のベスト・アルバムは多数発売されていますが、このベスト・アルバムは、浜田麻里の35周年を記念して、ファン投票による上位40曲を収録した究極のベスト・アルバムです。
- 初期の時代から、最近の時代までの浜田麻里の人気曲が目白押しで、浜田麻里の基本を押さえるには、最適のベスト・アルバムです。音質も良好です。
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浜田麻里の音楽
浜田麻里のアルバムは、HR/HMのハードなアルバム、ポップなアルバム、AORのアルバムに、大きく分けることができます。
ここまで、時代によって、サウンドが異なるアーティストは珍しく、しかも、どのアルバムも、浜田麻里のボーカルが際立っています。
どのアルバムも浜田麻里のボーカルを堪能することができますが、アルバムによってサウンドが大きく異なりますので、自分の好みの音楽によって、向き不向きが出てくるかと思います。
それぞれの区分けの初心者向け、中級者向け、上級者向けの分類は、以下の通りです。
【HR/HMのハードなアルバム】
- Lunatic Doll〜暗殺警告(1983年):中級者向け
- ROMANTIC NIGHT〜炎の誓い(1983年):初心者向け
- MISTY LADY(1984年):中級者向け
- RAINBOW DREAM(1985年):初心者向け
- Blue Revolution(1985年):初心者向け
- PROMISE IN THE HISTORY(1986年):中級者向け
- Sense Of Self(2003年):中級者向け
- elan(2005年):中級者向け
- Aestetica(2010年):初心者向け
- Legenda(2012年):初心者向け
- Mission(2016年):中級者向け
- Gracia(2018年):初心者向け
- Soar(2023年):初心者向け
【ポップなアルバム】
- IN THE PRECIOUS AGE(1987年):上級者向け
- LOVE NEVER TURNS AGAINST(1988年):上級者向け
- Return to Myself(1989年):初心者向け
- COLORS(1990年):初心者向け
- TOMORROW(1991年):中級者向け
- Sur lie(2007年):中級者向け
【AORのアルバム】
- Anti-Heroine(1993年):初心者向け
- Persona(1996年):初心者向け
- Philosophia(1998年):上級者向け
- Blanche(1998年):上級者向け
【どれにも属さないアルバム】
- marigold(2002年):上級者向け
まとめ
最後に、浜田麻里さんのランキング結果をまとめます。
順位 | アルバム名 | 点数 |
---|---|---|
1位 | Legenda | 4.2 |
2位 | Gracia | 4.0 |
3位 | Soar | 3.9 |
4位 | Aestetica | 3.8 |
5位 | Mission | 3.7 |
6位 | Persona | 3.6 |
7位 | Sense Of Self | 3.5 |
8位 | Blue Revolution | 3.4 |
9位 | RAINBOW DREAM | 3.3 |
10位 | Anti-Heroine | 3.2 |
11位 | MISTY LADY | 3.1 |
12位 | marigold | 3.05 |
13位 | elan | 3.0 |
14位 | Philosophia | 2.95 |
15位 | Blanche | 2.9 |
16位 | PROMISE IN THE HISTORY | 2.85 |
17位 | Sur lie | 2.8 |
18位 | ROMANTIC NIGHT〜炎の誓い | 2.75 |
19位 | Lunatic Doll〜暗殺警告 | 2.7 |
20位 | Return to Myself | 2.65 |
21位 | IN THE PRECIOUS AGE | 2.6 |
22位 | COLORS | 2.55 |
23位 | LOVE NEVER TURNS AGAINST | 2.5 |
24位 | TOMORROW | 2.4 |
浜田麻里さんのアルバムのランキング付けをしましたが、最近のアルバム5枚が、上位を独占しました。
普通のアーティストは、歳とともに、音楽も衰えていき、惰性でアルバムをリリースすることが多くなりますが、浜田麻里さんは、いまだに進化しており、昔の勢いのあったアルバムにも負けない、素晴らしいアルバムを発表し続けています。
次作も、きっと素晴らしいアルバムをリリースしてくれるかと思っています。
次回は、浜田麻里さんに負けず劣らずのボーカリスト 黒猫 率いる陰陽座の全アルバム ランキングをしていきたいと思います。
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