陰陽座 全アルバム ランキング
前回は、浜田麻里 全アルバム ランキングをしましたので、今回は、浜田麻里と比較されることの多い黒猫が所属するバンド陰陽座の全アルバム ランキングをしていきたいと思います。
陰陽座は、「妖怪ヘビーメタル」をコンセプトとした独特の世界観を持つバンドです。
一貫して、和を全面に出し、歌詞は古語・漢語を多用して、妖怪や日本の武将をテーマにした音楽を展開しています。
メンバは、瞬火、黒猫、招鬼、狩姦と、本名を名のらず、和風な名前がつけられています。
また、メンバは、平安装束や袴などの和装で統一しており、徹底して日本の古風さを出しています。
陰陽座の音楽は、基本的に、ヘビーメタルですが、その中に、日本の演歌が入っていたり、日本的な美しいバラード曲があったりと、和風のヘビーメタルを特徴としています。
ボーカルは、瞬火、黒猫のツイン・ボーカルが多いですが、最近は、黒猫のボーカルを主体とした曲が多く占めています。
現在までに、15枚のスタジオ・アルバムを発表しています。
そんな陰陽座の全スタジオ・アルバムを、ランキングしていきます。
ランキングは、個人的な独断と偏見で評価していますので、世間一般の評価とは異なるかもしれませんが、その点は、ご了承ください。
陰陽座のアルバムを聴いてみたいけど、どのアルバムから聴けば良いか分からない方、陰陽座のアルバムの評価や、おすすめのアルバムを知りたい方に、役立つ記事になっています。
陰陽座 アルバムランキング
魑魅魍魎

評価: 2.7
2008年発売の8枚目のアルバムで、妖怪をテーマにした作品ですが、初期の陰陽座のようなドロドロとした妖怪メタルな曲はなく、ポップな曲が多く収録されています。前半は、印象的な曲が少なく物足りなさを感じますが、後半の「鬼一口」から、一気に盛り上がり、疾走する「鬼一口」、組曲に匹敵する大作「道成寺蛇ノ獄」、バラード曲「鎮魂の歌」と続いていきます。そして、ラスト・ナンバーの「にょろにょろ」は、インパクトのある曲名ですが、「舞いあがる」よりも更にポップなアイドル路線の歌謡曲です。無難な出来のアルバムですが、メタル路線が好きな陰陽座ファンには、物足りなさを感じるかもしれません。
鳳翼麟瞳

評価: 2.8
2003年発売の4作目のアルバムで、サード・アルバムまでとは異なり、キャッチーでポップな曲が増えた作品です。完成度は高いですが、ドロドロとした妖怪メタルではなくなってしまったため、賛否両論がありそうなアルバムです。瞬火のボーカルが減り、一般受けする黒猫のボーカルを全面に押し出しており、黒猫が、メタル、バラード、アニメソング、ポップス、何でもこなしてしまう凄いボーカリストであることが分かります。シングル・カットされた「焔之鳥~鳳翼天翔」と「妖花忍法帖」は、一般受けするポップなメタルですが、更にそのポップさを上回るのが、ラスト・ナンバー「舞いあがる」です。この曲は、アニメ・ソング、アイドルのような曲で、やりすぎ感があり、問題作として扱われています。陰陽座の転換点となるアルバムです。
迦陵頻伽

評価: 2.9
2016年発売の13作目のアルバムで、陰陽座の円熟味を感じさせる作品です。悪く言うと、マンネリ化してきている印象は拭えず、マンネリ化を避けるために、シンフォニックを加えるなど四苦八苦しているようにも感じます。それでも、20年近く活動している中で、これだけの質の高いアルバムを発表し続けられていることが、陰陽座の凄いところです。「ろくろ首」や、「砂かけ婆」「人魚」などの妖怪を取り扱っている曲が収録されていますが、昔のようなドロドロした妖怪メタルではなく、ポップなヘビーメタルなサウンドを展開しています。このアルバムの中では、砂かけ婆をモチーフにした「御前の瞳に羞いの砂」が、砂かけ婆を独自に解釈した歌詞が面白く、おすすめの曲です。
鬼哭転生

評価: 3.0
1999年発売の陰陽座の記念すべきデビュー・アルバムです。まだ、荒削りな演奏であったり、黒猫のボーカルが100%発揮されていないなど、完璧な作品ではありませんが、「妖怪ヘビーメタル」をコンセプトとした陰陽座 独特の世界観がすでに確立されています。オープニングの「眩暈坂」のイントロのヘビーなギターリフを聞いただけで、他のありきたりなヘビー・メタルバンドとは一線を画すバンドであることが分かります。瞬火の曲が多くを占めていますが、黒猫作曲の「氷の楔」と「陰陽師」も、このアルバムの中で光っています。「氷の楔」は、和のテイスト満載の雪女を取り扱った切ないバラード曲、「陰陽師」は、アニメ・ソングを感じさせるメロディック・スピードメタル曲で、ともに、陰陽座の代表曲となっている作品です。すごいバンドが登場してきたことを感じさせるアルバムです。
魔王戴天

評価: 3.05
2007年発売の7枚目のアルバムで、パワーメタルやスラッシュメタルな曲が多くを占めており、「魔王戴天」のアルバム名に相応しい作品です。全曲、作詞作曲が瞬火であるため、瞬火色の強いアルバムで、瞬火、黒猫ともに激しくヘビーメタルしています。特に、黒猫のボーカルは、低音のビブラートを効かせて、ヘビーメタルな曲にもマッチした歌声を聞かせてくれています。メロディアスな曲が減ってしまいましたが、唯一「接吻」は、メロディアスな哀愁のあるバラード曲で、歌謡曲にも通じそうな黒猫の美しいボーカルが聞きどころの作品です。「キス」ではなく「接吻」という曲名が、陰陽座らしさを感じます。陰陽座のアルバムの中で、最も売り上げの多かったアルバムです。
雷神創世

評価: 3.1
2014年発売の12作目のアルバムで、「風神界逅」と2枚同時発売されました。「風神界逅」は、メロディアスなポップな曲が多かったのに対して、このアルバムは、雷をイメージして作られたことからハードなメタル曲が多く収録されています。「風神界逅」も、このアルバムも黒猫のボーカルが中心となっていますが、メタル曲が多いこのアルバムは、瞬火のボーカルの曲をもう少し入れてほしかったかなとも感じます。演歌を感じさせる「夜歩き骨牡丹」「天狗笑い」や、ピアノと黒猫のボーカルが美しいバラード曲「蜩」など、メタル曲とは一味違った曲も収録されています。メタル路線の陰陽座が好きな人には、「風神界逅」よりもこちらのアルバムの方が適しています。
風神界逅

評価: 3.15
2014年発売の11作目のアルバムで、「雷神創世」と2枚同時発売されました。「雷神創世」は、ハードなメタル曲が多かったのに対して、このアルバムは、アルバム名の通り、風を感じさせる爽やかなキャッチーな曲が多く収録されています。オープニング・ナンバーのインストゥルメタル曲「風神」から、爽やかさが表れています。メロディアスな曲が多いですが、決して柔になった訳ではなく、疾風や暴風を感じさせる激しいハード・ナンバーも収録されています。「雷神創世」は、メタル路線の陰陽座が好きな人向けのアルバムでしたが、このアルバムは、ポップ路線の陰陽座が好きな人でも、メタル路線の陰陽座が好きな人でも、ともに楽しめるアルバムです。
龍凰童子

評価: 3.2
2023年発売の15作目のアルバムで、前作「覇道明王」から、4年半ぶりに発表されたアルバムです。2020年2月のツアー中に、黒猫が突発性難聴を発症し、陰陽座の活動が休止されていましたが、黒猫が見事復帰され、久々のアルバムを発表してくれました。黒猫の病気復帰後のアルバムであるため、黒猫のボーカルが心配でしたが、そんな心配を吹き飛ばす見事なボーカルで、更にパワーアップしたように感じられます。前作「覇道明王」のメタル路線の演奏と黒猫のメロディアスなボーカルが聞きどころの作品です。まずは、陰陽座が活動を再開でき、新作を発表できたことに感謝したいアルバムです。
金剛九尾

評価: 3.25
2009年発売の9作目のアルバムで、9本の尾をもつキツネの妖怪「九尾の狐」をモチーフにしたアルバムです。今までのオープニング・ナンバーは疾走曲で始まるのが恒例でしたが、このアルバムのオープニング・ナンバー「獏」は、キラキラした爽やかな曲で、今までのアルバムとの違いを感じさせます。また、泣きのブルース調のギターが聞ける「挽歌」など、新機軸の曲が収録されています。新しい陰陽座を感じさせるアルバムですが、ヘビーメタルの疾走曲「孔雀忍法帖」や、組曲「九尾」、お祭り曲「喰らいあう」などは、今までの陰陽座の曲を集大成したような作品です。全体的にポップなアルバムで、ヘビーメタルが苦手な人でも、問題なく聞けるアルバムです。
覇道明王

評価: 3.3
2018年発売の14作目のアルバムで、ここ最近のアルバムでは、最もハードで、パワーメタルしているアルバムです。アルバム名や真っ黒なジャケットからも、メタル路線であることが伺えます。全曲、作詞作曲が瞬火であるため、瞬火色の強い作品ですが、瞬火のボーカルが少なく、ほとんどの曲を黒猫が歌っています。全曲ヘビーな曲であるため、欲を言えば、1曲はバラード曲を入れてもらいたかったかなとは思いますが、ヘビー・メタルのアルバムとしては、パワフルで非常に完成度の高いアルバムです。しかし、万人受けする作品ではないため、ポップ路線の陰陽座が好きな人には、不向きなアルバムです。
次は、5位 → 1位 です。
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