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John Coltrane(ジョン・コルトレーン)アルバムの紹介・評価|1965年
前回は、John Coltraneの1962-64年のアルバムの紹介・評価を行いましたので、
今回は、その後のアルバム「Quartet Plays」「Transition」「Ascension」「Sun Ship」の紹介・評価をしていきたいと思います。
「Quartet Plays」と「Transition」は、フリー・ジャズが芽生え始めたアルバムですが、完全にフリー・ジャズ化していないため、まだ聴きやすい作品です。
「Ascension」と「Sun Ship」は、フリー・ジャズがさらに進んだアルバムで、特に「Ascension」は、ジョン・コルトレーンのアルバムの中でも最も難解な問題作とされ、ダブル・カルテットによる集団即興で演奏されています。
そんな4枚のアルバムを、今回、紹介・評価していきたいと思います。
評価点は、個人的な独断と偏見で各曲に点数をつけて評価していますので、世間一般の評価とは異なるかもしれませんが、その点はご了承ください。
ジョン・コルトレーンのおすすめのアルバムを知りたい方や、ジョン・コルトレーンのアルバムの評価を知りたい方に、役立つ記事になっています。
評価結果
評価結果は以下の通りです。
| No | 作品 | 評価点(10点満点) |
|---|---|---|
| 1 | Quartet Plays | 7.0点 |
| 2 | Transition | 6.67点 |
| 3 | Ascension | 3.0点 |
| 4 | Sun Ship | 6.2点 |
評価の詳細は、以下の通りです。
評価詳細
| アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
|---|---|---|
| Quartet Plays | 1965年 | 7.0点 |
【各楽曲の評価】
1. Chim Chim Cheree(評価点:9点)
アメリカの実写アニメーション・ミュージカル・ファンタジー映画「メリー・ポピンズ」の主題歌です。
ジョン・コルトレーンはソプラノ・サックスで演奏しているため、コルトレーンの十八番である「My Favorite Things」の二番煎じのような印象も受けますが、
「My Favorite Things」に負けないほど、音数の多い高速で迫力のある演奏を聴かせています。
ジョン・コルトレーンは、マッコイ・タイナーのピアノとエルヴィン・ジョーンズのドラムの上をうねるように、ソプラノ・サックスを吹き上げています。
2. Brazilia(評価点:8点)
イントロは、小刻みなドラムに乗せて、ジョン・コルトレーンの静かなサックスが入ってきます。
その後、ピアノが加わると、明るめでポップな演奏が繰り広げられていきます。
後半になると、ジョン・コルトレーンのサックスが暴走するように激しさを増し、それに合わせてエルヴィン・ジョーンズのドラムも白熱していきます。
3. Nature Boy(評価点:6点)
アメリカのジャズ・シンガー、ナット・キング・コールが歌って有名になった曲です。
最初は「Nature Boy」のメロディーが忠実に再現されていますが、徐々にジョン・コルトレーンのサックスが暴走するような展開になっていきます。
後半は、ベースもピアノもジョン・コルトレーンに呼応するように激しさを増し、崩れながら進んでいくフリー・ジャズらしさが出ています。
4. Song of Praise(評価点:5点)
前半は、テンポがはっきりしないベースの演奏がひたすら続いていきます。
ベースのソロが終わったあと、ジョン・コルトレーンの渋く重苦しいサックスが入ってきます。
他の曲に比べると、ジョン・コルトレーンのサックスはそれほど高速ではなく、比較的わかりやすい演奏をしています。
【アルバム全体のコメント】
名作「至上の愛」に続くスタジオ・アルバムで、有名曲「Chim Chim Cheree」や「Nature Boy」が収録されています。
ジョン・コルトレーンはサックスを吹きまくり、暴走気味とも言える演奏を展開しており、フリー・ジャズへと近づいていることがうかがえます。
完全にフリー・ジャズではないため、まだ聴きやすさは保たれています。
ジョン・コルトレーンの迫力ある演奏が聴きどころのアルバムです。
【参加メンバー】
John Coltrane:tenor sax, soprano sax
McCoy Tyner:piano
Art Davis:bass
Jimmy Garrison:bass
Elvin Jones:drums
| アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
|---|---|---|
| Transition | 1965年 | 6.67点 |
【各楽曲の評価】
1. Transition(評価点:6点)
ブルース調の曲で、ジョン・コルトレーンのサックスは、最初は穏やかに演奏されていますが、いつも通り次第に白熱し、高速で音数の多い演奏へと変化していきます。
キレのある鋭いフレーズで、ひたすら吹きまくっています。
マッコイ・タイナーのピアノ・ソロの後に入るジョン・コルトレーンのサックスは、フリー・ジャズ色の強い演奏になっています。
それに比べると、マッコイ・タイナーのピアノは、伝統的で安定感のある演奏を聴かせています。
2. Dear Lord(評価点:8点)
とても美しいバラード曲です。
フリー・ジャズ色の強い曲に挟まれているため、さらにその美しさが際立って聴こえます。
ジョン・コルトレーンのサックスも暴走することなく、甘く穏やかな演奏がされているため、逆にこのアルバムの中では新鮮に感じられます。
Track1とTrack3の清涼剤のような存在になっている曲です。
3. Suite(評価点:6点)
イントロは、「これから激しくなっていくから準備していろよ」と語りかけてくるような、不気味な雰囲気で始まります。
その後、サックスもドラムもピアノも、徐々に乱れながら暴走していきます。
Track1の「Transition」ではジョン・コルトレーンのサックスが中心となって暴走していましたが、この曲では、それに呼応するようにメンバー全員が激しく乱れた演奏を繰り広げています。
【アルバム全体のコメント】
ジョン・コルトレーンのサックスは、キレのあるシャープな音でひたすら吹きまくり、まともな演奏と暴走する演奏が入り混じっています。
これまでの高速で音数の多い演奏に加え、フリー・ジャズの要素が入り込んできており、フリー・ジャズ的な演奏と分かりやすい演奏とのバランスが取れたアルバムです。
フリー・ジャズが苦手な人でも、このアルバムまでは理解でき、ついていけるのではないかと思います。
【参加メンバー】
John Coltrane:tenor sax
McCoy Tyner:piano
Jimmy Garrison:bass
Elvin Jones:drums
| アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
|---|---|---|
| Ascension | 1965年 | 3.0点 |
【各楽曲の評価】
1. Ascension(評価点:3点)
このアルバムを最初に聴いたときの感想は、「なんてうるさい音楽なんだろう。もう二度と聴かないだろう。」というものでした。
その後しばらくして、もしかすると最初に理解できなかったのは、まだ自分のジャズに対する知識が浅かったからではないかと思い、再び聴いてみました。
2回目に聴いたときの感想は、「みんなが自分勝手に演奏していて、まとまりがないなあ」でした。
1回目も2回目も良い印象がなかったものの、この記事を書くために3回目の視聴をしてみました。
3回目の感想は、「全体的にはまとまりがないけれど、一応ソロ演奏があったりして、調和を図ろうと頑張っているのかもしれない」というものでした。
このアルバムは難解すぎて、何度も聴きたいとは思いませんが、3回目にしてようやく面白さが少し分かり始めた気がします。
一般的には、おすすめしにくいアルバムです。
【アルバム全体のコメント】
本作は、良い言葉で言えば集団即興ですが、悪い言葉で言えば、まとまりのない騒々しい集団音楽とも言えます。
フレディ・ハバードやアーチー・シェップなどの著名なジャズ・ミュージシャンが参加していますが、ジョン・コルトレーンのアルバムの中でも、最も衝撃的な問題作と言えます。
なお、このアルバムはエディションIとエディションⅡに分かれています。エディションIが最初に発売され、その後、エディションⅡの音源に差し替えられ、しばらくの間はエディションⅡで発売され続けていました。
【参加メンバー】
John Coltrane:tenor sax
Pharoah Sanders:tenor saxophone
Archie Shepp:tenor saxophone
Freddie Hubbard:trumpet
Dewey Johnson:trumpet
Marion Brown:alto saxophone
John Tchicai:alto saxophone
McCoy Tyner:piano
Jimmy Garrison:bass
Art Davis:bass
Elvin Jones:drums
| アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
|---|---|---|
| Sun Ship | 1965年 | 6.2点 |
【各楽曲の評価】
1. Sun Ship(評価点:6点)
小刻みに繰り返されるジョン・コルトレーンのサックスで始まり、その後に高速のマッコイ・タイナーのピアノ・ソロが展開されます。
ジョン・コルトレーンのサックスは、フリー・ジャズの様相を呈しており、難解な曲に仕上がっています。
一方、マッコイ・タイナーのピアノは高速ではあるものの、まだ完全にフリー・ジャズの領域までは達していません。
2. Dearly Beloved(評価点:7点)
話し声から始まる曲で、ジョン・コルトレーンのサックスは、フリー・ジャズ化せず比較的わかりやすく演奏されています。
逆に、マッコイ・タイナーのピアノはフリー・ジャズの様相を呈しています。
そこに激しいドラムも加わり、緊張感のある演奏になっています。
3. Amen(評価点:7点)
ジョン・コルトレーンの単純なメロディーから始まり、徐々に激しさを増していく曲です。
激しいマッコイ・タイナーのピアノ・ソロの後に入るジョン・コルトレーンのサックスは凄まじく、怒りを込めて演奏しているようにも感じられます。
この演奏は、凡人には理解しがたい領域に達しているような気がします。
4. Attaining(評価点:6点)
ドラム中心の曲で、ジョン・コルトレーンのスロー・テンポのサックスを背景に、激しいドラムが終始演奏されています。
ジョン・コルトレーンのサックスはそれほど目立たず、ドラムとピアノ・ソロが曲の大半を占めています。
ジョン・コルトレーンのサックスは暴走せず、比較的わかりやすい演奏を行っています。
5. Ascent(評価点:5点)
ジミー・ギャリソンのベースを大きく取り上げた曲です。
冒頭から約6分近くにわたり、ジミー・ギャリソンのベース・ソロが展開されます。
後半になるとジョン・コルトレーンのサックスが加わり、フリー・ジャズ化した演奏が繰り広げられていきます。
【アルバム全体のコメント】
このアルバムはフリー・ジャズへと傾倒しており、激しく難解な演奏が繰り広げられています。
各曲のつながりは特になく、独立した楽曲で構成されています。
アルバム「バラード」のような甘い演奏をするジョン・コルトレーンはここにはおらず、フリー・ジャズにおけるジョン・コルトレーンの音楽が確立された作品です。
【参加メンバー】
John Coltrane:tenor saxophone
McCoy Tyner:piano
Jimmy Garrison:bass
Elvin Jones:drums
まとめ
今回は、1965年に発表されたジョン・コルトレーンのアルバムの中から、4枚の作品を紹介・評価してきました。
「至上の愛」以降のジョン・コルトレーンのアルバムはフリー・ジャズ化が進み、ジャズ初心者にとっては難解な作品が増えていきました。
特に「Ascension」は、理解しづらく、騒々しい音楽にしか聴こえない人も多いのではないでしょうか。
1965年以降のアルバムは、ジョン・コルトレーンのコアなファン向けの作品と言えます。
次回は、残りの1965年のスタジオ・アルバムの紹介・評価を行っていきたいと思います。
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