John Coltrane(ジョン・コルトレーン)アルバムの紹介・評価|1958年

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John Coltrane 1958年アルバム(“Settin’ the Pace” “Black Pearls” “Standard Coltrane” “Stardust”)の紹介・評価

前回は、ジョン・コルトレーンの最初期のアルバム(“Coltrane” “Traneing In” “Blue Trane” “Soultrane”)の紹介、評価を行いましたので、今回は、その後のアルバム(“Settin’ the Pace” “Black Pearls” “Standard Coltrane” “Stardust”)の紹介・評価をしていきたいと思います。

今回取り上げる4枚のアルバムは、”Settin’ the Peace”、”Black Pearls”が、ミドル・テンポ、アップ・テンポ中心の作品で、”Standard Coltrane”、”Stardust”が、スロー・テンポ中心の作品です。

これらの4枚のアルバムは、ジョン・コルトレーンのアルバムの中では、マイナーなアルバムに属しますが、どれも良作なアルバムです。

評価点は、個人的な独断と偏見で、各曲に点数をつけて、評価していますので、世間一般の評価とは異なるかもしれませんが、その点は、ご了承ください。

ジョン・コルトレーンのおすすめのアルバムを知りたい方や、ジョン・コルトレーンのアルバムの評価を知りたい方に、役立つ記事になっています。

評価結果

評価結果は以下の通りです。

No作品評価点(10点満点)
1Settin’ the Pace6.5点
2Black Pearls6.0点
3Standard Coltrane6.25点
4Stardust6.0点

評価の詳細は、以下の通りです。

評価詳細

Settin’ the Pace

No曲名感想評価点
1I See Your Face Before Meアーサー・シュワルツ作曲の甘いバラード曲です。一聴して、レッド・ガーランドだとわかるピアノから始まり、その後、ジョン・コルトレーンのとろけるような甘いサックスが演奏されていきます。途中のピアノ・ソロも、レッド・ガーランドらしさが出ています。この曲は、マイルス・ディヴィスのアルバム「The Musings of Miles」にも収録されており、そこでも、レッド・ガーランドがピアノを演奏しています。8点
2If There Is Someone Lovelier Than Youイントロのジョン・コルトレーンのサックスは、バラード調で演奏されていますが、徐々に、サックスの音数が増えていき激しくなっていきます。途中、ミドルテンポの明るめのピアノ・ソロと、ベース・ソロが入ります。6点
3Little Melonaeこの曲は、ジャッキー・マクレーンの作曲で、ミドルテンポの風変わりな作品です。最初に、ベース・ソロとレッド・ガーランドの軽快なピアノ・ソロが続いた後、ジョン・コルトレーンの激しいサックスが入ってきます。5点
4Rise ‘n’ Shineジョン・コルトレーンは、サックスの音域を上へ下へと吹きまくっており、ジョン・コルトレーンのサックスの凄さが味わえる曲です。レッド・ガーランドのピアノ・ソロも、ポール・チェンバースのベースも高速に演奏されています。7点
平均点6.5点

 「Soultrane」の1ケ月半後に、同一メンバで吹き込まれたアルバムです。「Soultrane」は有名なアルバムですが、本作は、ほとんど知られていないアルバムです。有名曲があまり収録されていないからかもしれません。
 知名度は低いですが、「Soultrane」と同様、バラード曲、ミディアム・テンポの曲、アップ・テンポの曲と、バラエティー豊かなアルバムです。

(メンバ)
John Coltrane:tenor sax
Red Garland:piano
Paul Chambers:bass
Art Taylor:drums

Black Pearls

No曲名感想評価点
1Black Pearlsジョン・コルトレーンのオリジナル曲です。イントロは、小編成のバンドを感じさせますが、その後のジョン・コルトレーンのサックス・ソロが凄まじく、超高速で吹きまくっています。6点
2Lover, Come Back to Meミュージカル映画「ニュームーン」の主題歌で、「恋人よ我に帰れ」の邦題で親しまれています。「この曲、こんなに速かったっけ?」と思わせるほど、ジョン・コルトレーンは、高速にサックスを演奏しています。ジョン・コルトレーンのサックスだけでなく、ドナルド・バードのトランペット、レッド・ガーランドのピアノ全てが高速に演奏されています。

7点
3Sweet Sapphire Blues主題がなく、各メンバがソロを展開しているだけの曲です。ジョン・コルトレーン以外のメンバは、冷静なソロを演奏していますが、ジョン・コルトレーンのサックスだけ、どこ吹く風と高速で突っ走っています。5点
平均点6点

 後期のジョン・コルトレーンのように、物凄い勢いで高速のサックスを吹きまくっているアルバムです。他のメンバの演奏と比較すると、サックスだけが浮きまくっています。
 ジョン・コルトレーンの気迫溢れる演奏が聞きどころのアルバムです。

(メンバ)
John Coltrane:tenor sax
Donald Byrd:trumpet
Red Garland:piano
Paul Chambers:bass
Art Taylor:drums

Standard Coltrane

No曲名感想評価点
1Don’t Take Your Love From Meヘンリー・モネが、1941年に作詞・作曲した恋の歌で、ミルドレッド・ベイリーが歌って有名になった曲です。甘いメロディで、ジョン・コルトレーンのとろけるようなサックスを聞くことができます。レッド・ガーランドのピアノ・ソロも甘い演奏がされています。7点
2I’ll Get Byフレッド・アーラートの作曲のビリー・ホリデーが取り上げて有名になった作品で、映画「追憶」でも使用されていた曲です。ミドルテンポのスウィンギーな曲ですが、ジョン・コルトレーンは、速く軽快にサックスを演奏しています。6点
3Spring Is Hereミュージカル映画「I Married an Angel」で使用された曲で、フランク・シナトラが歌ったことで有名になりました。ミドルテンポのスウィンギーな曲で、最初の主題は、ジョン・コルトレーンとウィルバー・ハーデンのユニットで演奏され、そのあと、ウィルバー・ハーデン、レッド・ガーランド、ジョン・コルトレーンのソロと続いてきます。5点
4Invitationブロニスラウ・ケイパー作曲のスタンダード曲で、アート・ブレイキーやジョー・ヘンダーソンなども取り上げている曲です。ジョン・コルトレーンは、ブロニスラウ・ケイパーの曲をよく取り上げています。バラード曲ですが、1曲めの「Don’t Take Your Love From Me」のバラードとは違い、ハード・ボイルドな男らしいバラード曲です。7点
平均点6.3点

 プレスティッジ・レコードとの契約消化のために制作されたアルバムで、渋めのスタンダード・ナンバーを集めたアルバムです。
 同じ日に、本作の収録曲4曲以外に、もう4曲録音されており、そのうちの2曲は、「Bahia」に、もう2曲は、「Stardust」に収録されました。

(メンバ)
John Coltrane:tenor sax
Wilbur Harden:trumpet
Red Garland:piano
Paul Chambers:bass
Jimmy Cobb:drums

Stardust

No曲名感想評価点
1Stardustホーギー・カーマイケルの有名なスタンダード曲です。ジョン・コルトレーンは、骨太でスローテンポにサックスを演奏しています。ウィルバー・ハーデンは、フリューゲルホルンを演奏しています。6点
2Time After Time映画「It Happened in Brooklyn」のために、ジュール・スタインが作曲したスタンダード曲です。この曲は、ジョン・コルトレーンのワンホーンで、1曲目の「Stardust」よりも明るく軽快に演奏されています。5点
3Love Thy Neighborこのアルバム唯一のアップテンポの曲です。スローテンポの曲ばかりだと、飽きがきてしまいますが、この曲により、メリハリがつきました。ウィルバー・ハーデンのトランペット、レッド・ガーランドのピアノ、ポール・チェンバースのベースソロが入っています。6点
4Then I’ll Be Tired of Youアーサー・シュワルツ作曲のポップチューンですが、この曲もスローテンポのバラードな演奏がされています。若き時代のフレディ・ハバードが、トランペットを吹いています。7点
平均点6.0点

 4曲中3曲がスローテンポで演奏されており、バラード集というよりも、スローテンポの曲を集めたセッション集といった印象を受けるアルバムです。
 特にアレンジといえるアレンジはなく、原曲を忠実に演奏しています。

(メンバ)
John Coltrane:tenor sax
Wilbur Harden:flugelhorn,trumpet
Freddie Hubbard:trumpet
Red Garland:piano
Paul Chambers:bass
Jimmy Cobb:drums
Arthur Taylor:drums

まとめ

1958年のジョン・コルトレーンのリーダー作、4枚を紹介・評価しました。

今回取り上げた4枚のアルバムは、ジョン・コルトレーンのアルバムの中ではマイナーなアルバムですが、味わい深いアルバムだと思っています。

ジョン・コルトレーンの成長過程を理解する上で、一聴に値する作品ですので、この機会に、聞いてみてはいかがでしょうか。

次回は、1958,1959年のアルバム(“Bahia” “Coltrane Time” “Bags & Trane” “Giant Steps”)を紹介・評価していきます。

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