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Bill Evans(ビル・エヴァンス)アルバムの紹介・評価|1956-59年
前回紹介しましたビル・エヴァンス スコット・ラファロとのトリオ アルバムに引き続き、ビル・エヴァンスのアルバムを紹介・評価していきたいと思います。
今回は、ビル・エヴァンスの最初期のアルバム「New Jazz Conceptions」「Everybody Digs Bill Evans」「On Green Dolphin Street」「The Ivory Hunters」を紹介します。
ビル・エヴァンスのピアノは、初期のアルバムから美しさが表れているため、初期のアルバムだからといって、完成度が低いことはありません。
当時の録音状態によっては、音質が悪いアルバムもありますが、それでも、ビル・エヴァンスのピアノの美しさは出ています。
ビル・エヴァンスのアルバムは、スコット・ラファロとのトリオ アルバムの人気がありすぎて、他のアルバムが敬遠されてしまっている印象があります。
しかし、今回紹介・評価するアルバムも、素晴らしい作品であるため、ぜひこの記事を参考に、これらのアルバムを聞いてもらえたらと思います。
評価点は、個人的な独断と偏見で採点していますので、世間一般の評価とは異なるかもしれませんが、その点は、ご了承ください。
ビル・エヴァンスのおすすめのアルバムを知りたい方や、ビル・エヴァンスのアルバムの評価や、おすすめのアルバムを知りたい方に、役立つ記事になっています。
評価結果
評価結果は以下になりました。
No | 作品 | 評価点(10点満点) |
---|---|---|
1 | New Jazz Conceptions | 5.91点 |
2 | Everybody Digs Bill Evans | 6.67点 |
3 | On Green Dolphin Street | 5.5点 |
4 | The Ivory Hunters | 5.83点 |
評価の詳細は、以下の通りです。
評価詳細
アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|
New Jazz Conceptions | 1956年 | 5.91点 |
リンク 【各楽曲の評価】 1. I Love You(評価点:6点) この曲は、コール・ポーターの作曲で、ビル・エヴァンスの軽やかな演奏でスタートします。 まだ、この時の演奏は、ビル・エヴァンスのロマンティックさは表れていませんが、アップテンポで明るくなれる曲です。 2. Five(評価点:5点) ビル・エヴァンスのオリジナル曲で、構成やリズムが面白い作品です。 どことなく、セロニアス・モンクの曲調に似ています。 3. I Got It Bad (And That Ain’t Good)(評価点:6点) デューク・エリントンの有名なジャズ スタンダード曲です。 1曲目、2曲目と異なり、スローテンポで始まり、ビル・エヴァンスのロマンティックさが表れた作品です。 4. Conception(評価点:6点) ジョージ・シアリングの作曲で、躍動感溢れるピアノ・ソロが聞ける作品です。 ビル・エヴァンスは、あまりピアノのテクニックをひけらかすことは少ないですが、ここでのピアノ・ソロは、テクニックを見せつけています。 5. Easy Living(評価点:7点) ラルフ・レインガー作曲で、同名の映画で使用されたジャズ・スタンダードのバラード曲です。 ビル・エヴァンスがお得意とするロマンティシズム溢れた作品です。 6. Displacement(評価点:4点) ビル・エヴァンスのオリジナル曲ですが、ピアノ・ソロが最初から最後まで続き、どこが主題なのかが分かりにく曲です。 7. Speak Low(評価点:6点) クルト・ヴァイル作曲のポピュラーソングで、ブロードウェイミュージカル「ヴィナスの接吻」 で使用された作品です。 ミドルテンポの曲で、ビル・エヴァンスの軽やかなピアノ・タッチの演奏を聞くことができます。 8. Waltz for Debby(評価点:8点) ビル・エヴァンスのオリジナル曲の中で、最も有名な作品です。 ビル・エヴァンスのお兄さんの娘デビィのために書き下ろされた曲で、とても可愛らしいワルツ曲です。 ベースとドラムはなく、ピアノのみの演奏です。 9. Our Delight(評価点:5点) Jazzピアニスト タッド・ダメロンの作曲で、タッド・ダメロンの曲の中でも優れた楽曲の1つです。 ベースが前面に出てきており、ベースが活躍している作品です。 10. My Romance(評価点:6点) このアルバムの中では、最もビル・エヴァンスのロマンティシズムが表れている作品です。 ベースとドラムはなく、ピアノのみの演奏です。 残念のは、音質があまり良くないことです。 11. No Cover, No Minimum(評価点:6点) ビル・エヴァンスのオリジナル曲で、スローテンポのブルース調の作品です。 ビル・エヴァンスの渋い演奏を聞くことができます。 【アルバム全体のコメント】 ビル・エヴァンスの記念すべき初リーダー・アルバムです。 まだ、ビル・エヴァンスのピアノは、発展途上といった印象を受けます。 ビル・エヴァンスのロマンティシズムが表れている曲は少なく、アップテンポの軽やかな曲が多いのが特徴です。 【参加メンバー】 Bill Evans:Piano |
アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|
Everybody Digs Bill Evans | 1958年 | 6.67点 |
リンク 【各楽曲の評価】 1. Minority(評価点:5点) ジジ・クライシスの作曲で、マイナー調の曲です。 ビル・エヴァンスのピアノの音数は、少なめで、派手さはありません。 2. Young and Foolish(評価点:7点) アルバート・ヘイグ作曲の美しいバラード曲で、ビル・エヴァンスの甘美な演奏を聞くことができます。 ビル・エヴァンスの演奏は、バラード曲がよく似合います。 3. Lucky to Be Me(評価点:7点) この曲もバラード曲で、後に、トニー・ベネットとの共演のアルバム「Together Again」にも収録されている曲です。 ビル・エヴァンスのロマンティシズムが表れている作品です。 4. Night and Day(評価点:6点) コール・ポーター作詞・作曲によるスタンダード・ナンバーの一つであり、数多くの歌手によって録音されてきた作品です。 ここでは、ドラムとピアノの絡み合った演奏を聞くことができます。 5. Tenderly(評価点:8点) ウォルター・グロス作曲の人気のジャズ・スタンダード曲です。 「Waltz for Debby」や「Hoe My Heart Sings!」と同様、ビル・エヴァンスがお得意としているワルツ風の作品です。 6. Peace Piece(評価点:10点) ビル・エヴァンスのオリジナル曲で、このアルバムは、この曲のためにあると言っても良いぐらいの素晴らしい作品です。 ビル・エヴァンスのピアノのみの演奏ですが、ピアノのキラキラ感がよく表れています。 7. What Is There to Say?(評価点:7点) ジェリー・マリガン作曲のスローテンポのバラード曲で、ビル・エヴァンスのロマンティシズムが発揮されている作品です。 8. Oleo(評価点:5点) ソニー・ロリンズ作曲のジャズ・スタンダード曲です。 アップテンポの曲で、軽快なビル・エヴァンスのピアノとサム・ジョーンズのベースの演奏を聞くことができます。 9.Epilogue(評価点:5点) ビル・エヴァンスのオリジナル曲で、ピアノのみの演奏の40秒足らずの短い曲です。 【アルバム全体のコメント】 初リーダー・アルバムの前作「New Jazz Conceptions」とは異なり、アップテンポの曲が少なく、バラード中心のアルバムです。 このアルバムは、水に反映した光のようなキラキラしたピアノが特徴で、特に「Peace Piece」のキラキラ感は、眩しさを感じるほどの素晴らしいで楽曲です。 【参加メンバー】 Bill Evans:Piano |
アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|
On Green Dolphin Street | 1959年 | 5.5点 |
リンク 【各楽曲の評価】 1. You and the Night and the Music(評価点:5点) アーサー・シュワルツが作曲したスタンダード曲です。 ミドルテンポのピアノから、ベース、ドラムのソロが展開されていきます。 原曲に忠実で、あまり、ビル・エヴァンスのロマンティシズムは出ていません。 2. My Heart Stood Still(評価点:6点) アップテンポの軽やかな曲で、途中ドラムのソロが入りますが、終始ピアノ・ソロが続きます。 ビル・エヴァンスが大好きな「サンタが街にやってくる」のメロディが一瞬入ります。 3. On Green Dolphin Street(評価点:6点) ブロニスラウ・ケイパーが作曲した作品で、1958年にマイルス・デイビスが録音した後に、ジャズ・スタンダード曲になりました。 ビル・エヴァンスは、原曲を忠実に演奏しています。 4. How Am I to Know?(評価点:5点) ベースが軽快な曲で、ベースに合わせて、ピアノも軽快に演奏されています。 この曲は、マイルス・デイビスのアルバム「miles」でも取り上げられています。 5. Woody ‘n’ You(評価点:5点) ディジーガレスピーの作曲で、ジャズ・スタンダード曲です。 ディジーガレスピーらしい激しいアップテンポの曲です。 この曲も、マイルス・デイビスが取り上げており、アルバム「Relaxin’」に収録されています。 6. Loose Bloose(評価点:6点) ビル・エヴァンスのオリジナル曲で、この曲のみギターやサックスが入っています。 後に、同じ曲名のアルバム「Loose Bloose」が発売されます。 【アルバム全体のコメント】 原曲に忠実な曲が多く、可もなく不可もなく無難な出来のアルバムで、ジャズ初心者の人向けの作品です。 ビル・エヴァンスは、このアルバムを気に入らなかったのか、16年間お蔵入りされました。 ジャケットは、ビル・エヴァンスのアルバムの中で最も美しさが表れています。 【参加メンバー】 Bill Evans:Piano |
アルバム名 | 発売年 | 評価点 |
---|---|---|
The Ivory Hunters | 1959年 | 5.83点 |
リンク 【各楽曲の評価】 1. Honeysuckle Rose(評価点:6点) このアルバムは、ビル・エヴァンスとボブ・ブルックマイヤーの2台のピアノで演奏されているため、ビル・エヴァンスのピアノの美しさのみを楽しむアルバムではありません。 この曲は、2台のピアノとベースの絡み合いを楽しめるダンス・ナンバーです。 2. As Time Goes By(評価点:7点) 言わずと知れた映画「カサブランカ」の主題歌です。 1台のピアノは主題を、もう1台のピアノはバックで主題を盛り上げるような演奏がされています。 3. The Way You Look Tonight(評価点:6点) この曲も、映画(有頂天時代)の主題歌で、アカデミー歌曲賞を受賞している有名な曲です。 色々なアーティストがカヴァーしていますが、フランク・シナトラやビング・クロスビーが歌っている曲が有名です。 スイングしたアップテンポの曲で、ここでは、2台のピアノが絡み合ってスイングしています。 4. It Could Happen to You(評価点:5点) ミュージカル映画「And the Angels Sing」で使用されたスタンダード曲です。 1台のピアノソロが終始続きますが、時々、もう1台のピアノがバックで、調和を外した演奏をしています。 5. The Man I Love(評価点:5点) ガーシュインの曲で、バラード風のイントロから、アップテンポのドラムとベースが入り、アップテンポのピアノ演奏に変化してきます。 6. I Got Rhythm(評価点:6点) この曲もガーシュイン作曲のジャズ・スタンダード曲です。 2台のピアノは、あまり調和は感じられず、お互い自由にピアノを演奏しています。 【アルバム全体のコメント】 ビル・エヴァンスとボブ・ブルックマイヤーの2台のピアノ演奏が、面白いアルバムです。 ステレオでは、右チャネルが、ビル・エヴァンスで、左チャネルが、ボブ・ブルックマイヤーの演奏で別れています。 トロンボーン演奏者であるボブ・ブルックマイヤーがピアノ演奏をしていることも珍しく興味深いアルバムです。 【参加メンバー】 Bill Evans:Piano |
まとめ
ビル・エヴァンスの最初期のアルバム4枚を紹介・評価しましたが、「Everybody Digs Bill Evans」が最も点数の高い結果になりました。
それは、ビル・エヴァンスが得意とするバラード曲が多いことと、美しさ溢れる「Peace Piece」が収録されていることで、評価点が高くなりました。
他の3枚のアルバムも、平均点以上で、決して悪いアルバムではありませんので、一聴してもらいたいアルバムです。
次回は、1961-62年のアルバムを紹介・評価をしていきたいと思います。
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