高橋幸宏 全アルバム ランキング
1980年代に一世風靡したYMOのメンバの1人である高橋幸宏さんが、2023年1月11日に、脳腫瘍により併発した誤嚥性肺炎のため、お亡くなりになりました。
高橋幸宏さんは、YMO以外にも、サディスティック・ミカ・バンドや、スケッチ・ショウ、METAFIVEなどのバンド活動に加え、ソロ活動など、多くの音楽活動に携わってきました。
音楽活動以外では、ファッション・デザイナーでも活躍しており、最近では、そのファッション・センスの良さから、素敵なおじさまの印象がありました。
このような多才な人が他界してしまい、とても残念でなりませんが、今回は、追悼の意味を込めて、高橋幸宏さんのソロアルバムの全アルバム ランキングをしていきたいと思います。
ランキングは、個人的な独断と偏見で評価していますので、世間一般の評価とは異なるかもしれませんが、その点は、ご了承ください。
高橋幸宏のアルバムを聴いてみたいけど、どのアルバムから聴けば良いか分からない方、高橋幸宏のアルバムの評価や、おすすめのアルバムを知りたい方に、役立つ記事になっています。
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評価アルバム
以下が、今回の評価アルバムです。
発売年 | アルバム名 |
---|---|
1978年 | サラヴァ! |
1980年 | 音楽殺人 |
1981年 | Neuromantic ロマン神経症 |
1982年 | What, Me Worry? ボク、大丈夫!! |
1983年 | 薔薇色の明日 |
1984年 | Wild & Moody |
1985年 | Once A Fool ―遥かなる想い― |
1986年 | …Only When I Laugh …笑っている時だけ |
1988年 | EGO |
1990年 | Broadcast From Heaven |
1991年 | A Day In The Next Life |
1992年 | Life Time, Happy Time |
1994年 | MR.YT |
1995年 | Fate Of Gold |
1996年 | Portrait With No Name |
1997年 | A Sigh of Ghost |
1998年 | A Ray Of Hope |
1999年 | The Dearest Fool |
2006年 | Blue Moon Blue |
2009年 | Page By Page |
2013年 | Life Anew |
サウンド・トラックのアルバムは対象外にしています。
アルバム ランキング
順位 | アルバム名 | コメント | 評価点 |
---|---|---|---|
1位 | What, Me Worry? ボク、大丈夫!! | このアルバムは、ニューウェーブとポップスに実験要素を加えたような作品で、前作「NEUROMANTIC」と並んで、高橋幸宏の最高傑作の1枚です。このアルバムの中で、最も秀逸な曲は、坂本龍一作曲の「回想(FLASHBACK)」で、この曲は元々CMで使用されており、坂本龍一の楽曲の中でも、名曲に値する作品です。その他、高橋幸宏のオリジナル曲である「It’s Gonna Work Out」や「サヨナラ」「使いすてハート」は、高橋幸宏のライブの定番曲になっています。ジョージ・ハリソンのカヴァー曲「It’s All Too Much」も収録されています。 | 4.1 |
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2位 | 薔薇色の明日 | アルバム名とは異なり、高橋幸宏のアルバムの中では、少し暗めのアルバムですが、高橋幸宏のポップスセンスが全開している作品です。このアルバム以前の高橋幸宏のアルバムには、細野晴臣や坂本龍一が提供した曲が入っていましたが、このアルバムには収録されていません。カヴァー曲も高橋幸宏らしいセンスある選曲で、ブライアン・フェリーの「This Island Earth」と、バート・バカラックの「The April Fools」をカヴァーしています。その他、ライブの定番曲「My Bright Tomorrow」や、「6月の天使」「Good Time」など、素晴らしい曲が多く収録されています。 | 3.8 |
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3位 | 音楽殺人 | YMOの初期サウンドに近く、YMOにおいての高橋幸宏の位置付けが分かるアルバムです。「レゲエ」や「モータウン」「サーフ・サウンド」など、多彩な楽曲が収録されており、どの曲もポップスセンス溢れる曲ばかりです。YMOのメンバはもちろん、鮎川誠や加藤和彦など豪華ゲストが参加しています。尚、「Blue Colour Worker」は細野晴臣が、「School Of Thought」は坂本龍一が提供した曲です。「The Core Of Eden」は、YMOのワールドツアーの中でも演奏されました。 | 3.7 |
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4位 | サラヴァ! | 高橋幸宏のファースト・ソロ・アルバムで、フランスの音楽を素材とした作品です。このアルバム発売時の高橋幸宏は、若干26歳ではありましたが、大人びたおしゃれな音楽で、高橋幸宏のロマンチストぶりが発揮されています。このアルバムの中では、坂本龍一作曲のフュージョン系の「Elastic Dummy」や、高橋幸宏作曲のロマンチックな「Sarava!」「Sunset」がおすすめ曲です。高橋幸宏のお気に入りのアルバムだったのか、2018年に、歌だけを再録音した「Saravah Saravah!」が発売されました。 | 3.5 |
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5位 | NEUROMANTIC | YMOの「BGM」の時期に作られたアルバムであるため、「BGM」のサウンドに近いものがありますが、「BGM」のような暗さはなく、「BGM」を明るくして、ポップスを加えたような作品です。ロキシー・ミュージックのアンディ・マッケイやフィル・マンザネラ、エンジニアのスティーブ・ナイなど、海外のアーティストもゲスト参加しています。このアルバムでも、坂本龍一と細野晴臣が、曲を提供しています(「Grand Espoir」が細野晴臣、「Curtains」が坂本龍一の曲です)。このアルバムの中では、「Drip Dry Eyes」と「Something In The Air」が、突出して素晴らしい曲で、高橋幸宏のライブの定番曲になっています。 | 3.5 |
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6位 | A Ray Of Hope | このアルバムは、3ケ月ごとに立て続けにリリースされたミニアルバム「A Sigh of Ghost」「Pulse(スティーブ・ジャンセンとのユニット)」の集大成的なアルバムです。上の2枚のミニアルバムは、ドラムンベース主体の作品でしたが、このアルバムは、ドラムンベースの曲だけでなく、ポップな曲が多く収録されています。また、高橋幸宏のアルバムの中では、お馴染みの「ジョージ・ハリソン」のカヴァー曲(「I Need You」))も、収録されています。高橋幸宏の後期のアルバムの中では、傑作アルバムです。 | 3.4 |
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7位 | The Dearest Fool | コンシピオ・レーベルの最後のアルバムであり、「Portrait With No Name」から取り入れてきたドラムンベース サウンドの最後のアルバムでもあります。ドラムンベース サウンドのラストということで、ほぼ全ての曲が、派手な打ち込みサウンドになっています。高橋幸宏のソロ・アルバムの中では、最もテクノしており、YMOのサウンドに近いため、YMOの高橋幸宏しか知らない人には、入りやすいアルバムだと思います。 | 3.3 |
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8位 | Once A Fool ―遥かなる想い― | 前作「Wild & Moody」とは、打って変わり、高橋幸宏のセンチメンタルな一面が出ているアルバムです。このアルバムのイントロ・ナンバーである「遙かなる想い」「冬のシルエット」は、自然を感じさせ、美しさが溢れています。トッド・ラングレンのカヴァー曲「I Saw The Light」は、カヴァー曲として定番ですが、高橋幸宏のセンスの良さが分かる選曲です。このアルバムは、捨て曲がなく、どの曲も素晴らしいですが、特に「今日の空」は、高橋幸宏の曲の中でも上位に位置する名曲です。 | 3.3 |
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9位 | A Sigh of Ghost | 前作「Portrait With No Name」から取り入れ始めたドラムンベースを更に発展させ、当時流行していたジャングルビートを多用したダンス系のアルバムです。6曲しか収録されていないミニアルバムですが、この後、同じようなサウンドのアルバムを、3ケ月ごとにリリースしていきます。カヴァー曲は収録されておらず、全曲、高橋幸宏のオリジナル曲です。 | 3.2 |
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10位 | Fate Of Gold | このアルバムに先行して、東京スカパラダイスオーケストラとの共演作「ウォーターメロン」がシングル発売され、このアルバムでも、東京スカパラダイスオーケストラとの共演作「Flash Light」が収録されています。その他、「The April Fools」以来のバート・バカラックのカヴァー曲「The Look Of Love」や、竹中直人に提供した「メルシィ・僕」をセルフ・カヴァーするなど、話題性のある作品です。前作までの軽いポップなアルバムと比較すると、ロック色が強くなっています。 | 3.1 |
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11位 | Portrait With No Name | ドラムンベース風の曲が増え、音が近代化されたことを感じるアルバムです。カヴァー曲が多く、「Hole in My Shoe」は、トラフィック、「I’ll Be Home」は、ランディー・ニューマン、「どんないいこと」は、スマップのカヴァー曲です。スマップの曲をカヴァーしているのは面白い選曲ですね。前作「Fate Of Gold」と同様、竹中直人に提供した曲(「おいしい水」)を、セルフ・カヴァーしています。ポップスなアルバムですが、全体的に、しんみりとした大人の作品です。 | 3.0 |
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12位 | Wild & Moody | YMO散開後の初のソロ・アルバムで、高橋幸宏のソロ・アルバムの中では、最も尖ったアルバムです。アルバム名のようにワイルドで、ビートが効いた洋楽志向の作品です。尖ったアルバムではありますが、ニール・ヤングのカヴァー曲「Helpless」や、ライブの定番曲「The Price To Pay」のような、高橋幸宏らしいロマンチックな曲も収録されています。このアルバムを聴くと、高橋幸宏の音楽性の広さが分かります。 | 2.9 |
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13位 | Life Anew | 2013年発売のラスト・アルバムになります。このアルバムは、前作までのエレクトロニカのアルバムではなく、バンド演奏のアルバムで、高橋幸宏は、ボーカルとドラムに徹しています。バンド演奏ということもあり、温かみのある爽やかな作品です。このアルバムは、高橋幸宏が還暦を迎えた記念に制作されたアルバムですが、とても還暦には思えない若々しさを感じます。良作のアルバムだっただけに、このアルバムがラストになってしまったことは、とても残念でなりません。 | 2.8 |
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14位 | Blue Moon Blue | 前作「The Dearest Fool」から、約7年ぶりに発売されたソロアルバムで、この7年の間は、細野晴臣と組んだバンド「スケッチ・ショウ」で、活動を行なっていました。そのため、このアルバムは、「スケッチ・ショウ」のエレクトロニカのサウンドに近く、エレクトロニカに高橋幸宏の静かなボーカルが重なりあい、心地よく聞ける作品です。収録曲「Walking to the Beat」は、「Wild & Moody」に収録されていた曲で、リメイクして再録音されています。 | 2.7 |
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15位 | MR.YT | YMOの再生(再結成)の翌年に発売されたアルバムですが、その影響はほとんど感じられず、いつものポップなアルバムです。イントロ・ナンバーのドラムンベース風のビートルズのカヴァー曲「TaxMan」は、異質な雰囲気が出ていますが、それ以外の曲は、いつもの高橋幸宏らしいラブ・ソングと切ない曲で構成されています。今回は、洋楽のカヴァー曲だけではなく、演歌歌手 三橋美智也の「星屑の町」をカヴァーしています。 | 2.6 |
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16位 | Life Time, Happy Time | 「大人の純愛をテーマにした」という高橋幸宏の言葉通り、純真さが表れているアルバムです。イントロ・ナンバーの「元気ならうれしいね」が象徴しているように、少し恥ずかしくなるような歌詞の明るいラブ・ソング中心のアルバムです。ジャパン時代からの旧友であるスティーブ・ジャンセンが作詞している曲も収録されています。前作「A Day In The Next Life」の、しんみりとした雰囲気とは異なり、このアルバムは、とにかく明るくなれる作品です。 | 2.5 |
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17位 | EGO | イントロ・ナンバーであるビートルズのカヴァー曲「Tommorow Never Knows」から、高橋幸宏らしくない異質さを感じるアルバムです。前半は、メロディアスさがあまりなく、淡々と進んでいきますが、後半から高橋幸宏らしいメロディアスさが出てきます。アイスハウスのアイヴァ・デイヴィス との共作「Dance Of Life」や、鈴木慶一作詞の「Yes」「Left Bank」、音楽プロデューサー 生田朗に捧げた「Sea Changes」など、良質な作品が揃っています。 | 2.4 |
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18位 | …Only When I Laugh …笑っている時だけ | 前作「Once A Fool ―遥かなる想い―」の延長線上のアルバムですが、こちらのアルバムの方が、女性のバック・コーラスが入ったりと、サウンドが軽くなりました。聞きやすいアルバムですが、印象に残らない曲が多いように感じます。その中でも、センチメンタルな「Weekend」と、Starbuckのカヴァー曲「Moonlight Feels Right」がおすすめ曲で、特に、「Moonlight Feels Right」は、高橋幸宏のカヴァー曲の中でも、最もセンスの良い選曲だと思っています。 | 2.3 |
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19位 | Broadcast From Heaven | このアルバムあたりから、YMOの面影がなくなり、J-Popに近いサウンドに変わっていきます。そのため、YMOファンだった人達も、このアルバムあたりから、高橋幸宏のアルバムを聞かなくなっていったのではないかと思います。しかし、YMOの時代から時が経ち、今、改めて聞いてみると、YMOと違ったポップセンスを感じさせてくれるアルバムです。このアルバムの中では、ライブの定番曲である「1%の関係」や、しんみりとした冬の情景を感じさせてくれる「4:30amのイエティ」がおすすめ曲です。 | 2.2 |
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20位 | Page By Page | 前作「Blue Moon Blue」から始まったエレクトロニカ路線を継承したアルバムですが、前作よりもアンビエント要素が強くなった作品です。淡々と曲が進んでいくため、つまらなさを感じる人もいるかと思います。しかし、派手さを求めず、このサウンドの心地良さを味わえるようになると、魅力が感じられる作品です。恒例のビートルズのカヴァー曲も収録されていますが、今回は、ジョージ・ハリソンの曲ではなく、ジョン・レノン作「You’ve Got To Hide Your Love Away」を取り上げています。 | 2.1 |
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21位 | A Day In The Next Life | J-Popらしさが少し薄れ、センチメンタルな大人のラブ・ソングを中心としたアルバムです。ラブ・ソングは、いつもの高橋幸宏らしさが出ていますが、ラブ・ソング以外に、反戦ソングが収録されているため、いつになく切実さを感じる作品になっています。また、高橋幸宏 初のクリスマス・ソング(「X’mas Day In The Next Life」)が収録されいます。定例のカヴァー曲は、ニール・ヤングの「Only Love Can Break Your Heart」を取り上げています。 | 2.0 |
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その他のおすすめアルバム
- IT’S GONNA WORK OUT 〜LIVE 82-84〜
- YMO活動期の高橋幸宏のライブ音源を集めた作品で、4枚組とかなりのボリュームがあります。高橋幸宏 黄金期のライブ音源であるため、高橋幸宏ファンには必聴のアルバムです。
- YMOの曲も演奏しており、「KEY」と「CUE」が選曲されています。欲を言えば、「「Nice Age」を加えて欲しかったな」と感じます。
- Disc1,2は、「What, Me Worry」発売後の新宿厚生年金会館のライヴ音源、Disc3は、「薔薇色の明日」発売後の渋谷公会堂のライブ音源(1984年に発売された公式ライブ・アルバム「tIME aND pLACE」のデジタルリマスター版です)、Disc4は、82年のLIVE映像作品「BOYS WILL BEBOYS」と、83年の映像作品「新青年」から選曲された音源です。
- One Fine Night ~60th Anniversary Live~
- 2012年、還暦を迎えた際に、Bunkamuraオーチャードホールで行われたライブ・アルバムです。高橋幸宏の35年の音楽活動の中から、ベストな選曲がされており、高橋幸宏のベスト・アルバムとしても最適な作品です。
- ゲストが豪華で、細野晴臣、鈴木慶一、原田知世、小原礼、高野寛などが参加しています。坂本龍一が参加していれば最高でしたが、坂本龍一はスケジュール上参加できませんでした。
- このアルバムの中では、高橋幸宏のファースト ソロ・アルバム「Saravah!」から、初めてライブ演奏した「Sunset」と「Saravah!」が、聴きどころです。
- LIVE2018 SARAVAH SARAVAH!
- このアルバムは、2018年東京国際フォーラムで行われたファースト ソロ・アルバム「Saravah!」を完全再現したライブ・アルバムです。
- 「Saravah!」の曲以外に、スタジオ・アルバムには収録されていない「Maji」が演奏されています。この曲は、1985年のライブ以来、33年ぶりに披露され曲です。
まとめ
高橋幸宏さんの全スタジオ・ソロ・アルバムを、紹介・評価し、ランキングを行いました。
高橋幸宏さんのソロ・アルバムは、低迷期も一時期ありましが、ポップセンス溢れる才能豊かなアルバムばかりでした。
日本を代表するミュージシャンを失ってしまったことは、とても残念でなりません。
ご冥福をお祈りしつつ、高橋幸宏さんの制作されたアルバムは、これからも大切にして、愛聴していきたいと思います。
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YMO活動期のソロ作品 アルバムランキング前回は、YMOの全アルバムランキングを行いましたので、今回は、YMOの活動と並行して発売された各メンバのソロ作品のアルバムランキングを行っていきたいと思います。この時期の3人のソロ作品は[…]