Good to Be Bad
評価: 3.6
2008年発売の11作目のアルバムで、前作「Restless Heart」から約11年ぶりに発売されたアルバムです。
70年代のホワイトスネイクと80年代のホワイトスネイクの良いどころ取りをしたような作品で、「サーペンス・アルバス」のようなサウンドを求めている人には、最適なアルバムです。
久々の全英チャート トップ10入りしていますが、全米チャートでは62位と振るいませんでした。
もし、本作が、「サーペンス・アルバス」の次作品だったとしたら、全米チャートでも、大ヒットしたと思えます。
それだけ、充実したアルバムです。
Slide It In
評価: 3.8
1984年発売の7作目のアルバムで、前作「Saints & Sinners」よりも、更にメロディアスになりゴージャスになった作品です。
ドラムが、イアン・ペイスから、コージー・パウエルに変更され、ドラミングもパワフルになっています。
次作以降は、派手な一般受けするハード・ロックを展開していきますので、ホワイトスネイク伝統のブルージーなサウンドのアルバムは、これが最後になります。
そのため、本作は、円熟味が増し、ブルージー・サウンドの集大成な作品に仕上がっています。
米国でも成功し始めており、米国チャート40位を記録しました。
Whitesnake 白蛇の紋章〜サーペンス・アルバス
評価: 4.2
1987年発売の8作目のアルバムで、全世界で大ヒットし1980年代を代表するアルバムです。
デイヴィッド・カヴァデールが、喉のポリープの手術を受けたことで、声が通るようになり、高音を出しまくっています。
また、ジョン・サイクスのギターが、冴えまくり、ド派手になりました。
前作までのホワイトスネイクとの違いは、ポップな要素を大胆に取り込むことにより華やかさが増したことです。
ただ、ブルージーなサウンドからの突然の変化であったため、批判も少なからずあり、
レッド・ツェッペリンのロバート・プラントは、このアルバムを、「レッド・ツェッペリンの模倣」だと批判しています。
それでも、本作は、完成度が高く、ハード・ロック史に輝く名盤であることには間違いありません。
英国チャートでは8位、米国チャートでは2位を記録しました。
その他のおすすめアルバム
- The Purple Album
- 本作は、デイヴィッド・カヴァデールが、1973年から1976年に在籍していたディープ・パープルの楽曲を、セルフカヴァーしたアルバムです。
- 技術進歩により、1970年代の音よりも音質ががよくなったことや、派手なハード・ロックのアレンジがされているため、ディープ・パープル時代の同曲を聞いたことがある人でも楽しめるアルバムになっています。
- Live…in the Heart of the City
- ホワイトスネイクのブルース色の強かった時代のライブ・アルバムです。Disc1は、1980年6月のロンドン公演、Disc2は、1978年11月のロンドン公演からのライブ音源です。
- 録音状態が良いためライブの迫力が十分に伝わってきます。デイヴィッド・カヴァデールのボーカルも、艶があり安定しています。初期のホワイトスネイク ファンは、必聴ライブ・アルバムです。
- Starkers in Tokyo
- 1997年「Restless Heart」のプロモーションで来日した時に、録音されたライブ・アルバムです。デイヴィッド・カヴァデールとエイドリアン・ヴァンデンバーグの2人だけのアコースティック・ライブです。
- アコースティックであるため、ハードロックではありませんが、デイヴィッド・カヴァデールのブルージーな渋いボーカルが堪能できます。「サーペンス・アルバス」「Slip of the Tongue」「Restless Heart」からの選曲が中心で、ディープ・パープルの曲「Soldier of Fortune」も演奏されています。
- Live at Donington 1990
- アメリカナイズされた派手なハード・ロックを展開していた時期(「Slip of the Tongue」のワールドツアーに伴う1990年8月)のライブ・アルバムです。DVDも発売されていますが、画質が、あまりよくありません。
- スティーヴ・ヴァイとエイドリアン・ヴァンデンバーグのギターが派手で、派手なハードロックが好きな人には、おすすめのアルバムです。
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ホワイトスネイクのメンバ
ホワイトスネイクは、元々、デイヴィッド・カヴァデールのソロ・アルバムから発展して結成されたバンドであるため、デイヴィッド・カヴァデールのワンマン・バンドと言ってもよく、メンバ交代が頻繁に行われました。
ディープ・パープルのメンバであるジョン・ロード、イアン・ペイス、ドン・エイリーが、参加していたこともありました。
多数のメンバがホワイトスネイクに参加しているため、デイヴィッド・カヴァデールのみ簡単に紹介します。
デイヴィッド・カヴァデールは、「ディープ・パープル」のボーカリスト募集に応募し、ディープ・パープル3代目のボーカリストとしてデビューしました。
ディープ・パープルでは、「Burn」「Stormbringer」「Come Taste the Band」の3枚のアルバムに参加し、今までのディープ・パープルのボーカリスト イアン・ギランとは違ったブルージーな渋いボーカルで、人気を博しました。
ディープ・パープルを脱退した後は、ミッキー・ムーディー(ギター)と組んで、ソロ・アルバム「White Snake」「Northwinds」を発売し、ホワイトスネイクが形成されていきます。
ホワイトスネイクのデビュー・ミニアルバム「Snakebite」は、David Coverdale’s Whitesnake名義で発売していることから、デイヴィッド・カヴァデールのソロから、ホワイトスネイクに発展していったことが分かります。
ディープ・パープル、ホワイトスネイク以外では、レッド・ツェッペリンのギタリスト ジミー・ペイジと組んで、「Coverdale-Page」を発売したこともありました。
余談ですが、ジミー・ペイジが、デイヴィッド・カヴァデールと組んだことに対しては、レッド・ツェッペリンのボーカリスト ロバート・プラントは快く思っていなかったようです。
デイヴィッド・カヴァデールのボーカルは、ブルージーな渋い歌声ですが、ハイトーン・ボーカルも多いことが特徴です。
男気のある女性にモテそうなデイヴィッド・カヴァデールのルックスですが、ディープ・パープル加入時は、「太っており、ニキビ面で服のセンスも最悪であったことから、ダイエットし美容整形を受けることを、ディープ・パープル加入の条件にされていた」との逸話があります。
現在でも、ホワイトスネイクを中心にライブ活動を行い、活躍しています。
ホワイトスネイクの音楽
ホワイトスネイクの音楽は、大きく、「サーペンス・アルバス」を境に、それよりも前は、「ブルース色の強いサウンド」、それ以降は、「アメリカナイズされた派手なハード・ロックのサウンド」に分けることができます。
そのため、「サーペンス・アルバス」以降のアルバムしか知らない人にとっては、ブルース色の強いアルバムは、地味に感じて、つまらないと感じるかもしれません。
逆に、「サーペンス・アルバス」発売前からのホワイトスネイク ファンには、アメリカナイズされた派手なハード・ロックは、産業ロックに聞こえて、嫌悪感を持つかもしれません。
ホワイトスネイクを聞いたことがない人には、まずは、一般受けする「アメリカナイズされた派手なハード・ロック」のアルバムから聞いていくことを、おすすめします。
その後、ホワイトスネイクのアルバムをもっと聞きたくなったなった場合は、ブルース色の強い初期のアルバムを聞いていくのが良いかと思います。
それぞれの初心者向け、中級者向け、上級者向けの分類は、以下の通りです。
【ブルース色の強いアルバム】
- Snakebite(1978年):上級者向け
- Trouble(1978年):中級者向け
- Lovehunter(1979年):中級者向け
- Ready an’ Willing フール・フォー・ユア・ラヴィング(1980年):初心者向け
- Come an’ Get It(1981年):初心者向け
- Saints & Sinners(1982年):中級者向け
- Slide It In(1984年):初心者向け
- Restless Heart(1997年):中級者向け
【アメリカナイズされた派手なハード・ロックなアルバム】
- Whitesnake 白蛇の紋章〜サーペンス・アルバス(1987年):初心者向け
- Slip of the Tongue(1989年):中級者向け
- Good to Be Bad(2008年):初心者向け
- Forevermore(2011年):中級者向け
- Flesh & Blood(2019年):中級者向け
まとめ
最後に、ホワイトスネイクのランキング結果をまとめます。
順位 | アルバム名 | 点数 |
---|---|---|
1位 | Whitesnake 白蛇の紋章〜サーペンス・アルバス | 4.2 |
2位 | Slide It In | 3.8 |
3位 | Good to Be Bad | 3.6 |
4位 | Ready an’ Willing フール・フォー・ユア・ラヴィング | 3.5 |
5位 | Come an’ Get It | 3.4 |
6位 | Forevermore | 3.3 |
7位 | Slip of the Tongue | 3.2 |
8位 | Flesh & Blood | 3.1 |
9位 | Trouble | 3.0 |
10位 | Restless Heart | 2.9 |
11位 | Saints & Sinners | 2.8 |
12位 | Lovehunter | 2.7 |
13位 | Snakebite | 2.6 |
ホワイトスネイクは、「サーペンス・アルバス」の印象が強烈であったため、他のアルバムが不当に評価されている印象を受けます。
「サーペンス・アルバス」以外にも、ブルース色の強いアルバムや、2000年以降の最近のアルバムでも、良作が多くあります。
ホワイトスネイクのアルバムで、「サーペンス・アルバス」しか聞いたことがない方は、上記のランキングを参考に、多くのアルバムを聞いてもらえればと思います。
次回は、映画「ボヘミアン・ラプソディ」で話題になったフレディ・マーキュリーの在籍していたクイーンの全アルバム ランキングをしていきたいと思います。
ホワイトスネイクのグッズ紹介
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