Queen(クイーン)全アルバム ランキング
前回は、Whitesnake(ホワイトスネイク)の全アルバムランキングをしましたので、今回は、世界的に有名なQueen(クイーン)を紹介・評価していきたいと思います。
クイーンは、近年、フレディ・マーキュリーの自伝映画「ボヘミアン・ラプソディ」が公開され話題になったことから、改めて、その存在を世界に知らしめました。
クイーンは、1971年に結成され、初期は、純粋にハードロックを行っていましたが、その後、オペラの要素を加えたクイーン独特のサウンドを築きあげていきます。
1980年代に入ると、クイーンは、更にサウンドを変化させ、一般受けする分かりやすいディスコやポップスへシフトし、常に、最前線で活躍を続けました。
クイーンは、ボーカリストであるフレディ・マーキュリーの存在が大きく、ハード・ロックには似つかわしくないオペラ的なボーカルを特徴としていました。
しかし、フレディ・マーキュリーは、HIVに感染し、1991年11月24日に、帰らぬ人となりました。
現在でも、ボーカルにアダム・ランバートを迎えて、クイーンは、活動を続けていますが、実質、1991年11月24日で、クイーンは消滅したと考えるのが妥当だと思っています。
そんなクイーンの全スタジオ・アルバムを、ランキングしていきます。
ランキングは、個人的な独断と偏見で評価していますので、世間一般の評価とは異なるかもしれませんが、その点は、ご了承ください。
クイーンのアルバムを聴いてみたいけど、どのアルバムから聴けば良いか分からない方、クイーンのアルバムの評価や、おすすめのアルバムを知りたい方に、役立つ記事になっています。
クイーン アルバムランキング
Hot Space

評価: 2.2
1982年発売の9作目のアルバムで、ディスコ路線を押し進め、ブラック・コンテンポラリー化した作品です。1曲目の「Staying Power」から、ホーンが大胆に導入されているため、これが「クイーンの曲?」と、誰しもが感じるかと思います。それだけ、このアルバムは、今までのクイーンとは異なる異質なアルバムです。前作「The Game」でのサウンドの変化が、世間に受け入れられたために、ちょっと調子に乗りすぎてしまった印象を受けます。クイーンらしい曲は、ジョン・レノンに捧げた「Life Is Real」と、デヴィッド・ボウイとの共作「Under Pressure」ぐらいしかありません。当然、このアルバムは不評で、商業的に失敗したことから、今後、この路線を押し進めていくことはありませんでした。
The Works

評価: 2.6
1984年発売の10作目のアルバムで、前作「Hot Space」を反省したのか、前々作「The Game」に近いサウンドに戻ったアルバムです。シングルカットされた「Radio Ga Ga」「I Want to Break Free」「It’s a Hard Life」「Hammer to Fall」は、各メンバがそれぞれ作った曲で、全曲ヒットしたため、メンバ全員が、優れたヒット・ソングライターであることが証明されました。全体的に、1980年代を感じさせる作品で、テクノ調の「Radio Ga Ga」や「Machines」など、1980年代の売れ路線に馴染んでいこうという姿勢が垣間見れます。ちなみに、アメリカのシンガー「レディー・ガガ」の名前は、この「Radio Ga Ga」をもじっています。
Jazz

評価: 2.7
1978年発売の7作目のアルバムです。バラエティー豊かな作品ですが、クイーンのアルバムの中では、印象が薄いように感じます。1曲目の「Mustapha」は、アラビア語やペルシャ語で歌われたアラビアン風のロックで、風変わりな印象を受けます。また、「Bicycle Race」は、クイーンの代表曲の1曲ですが、「俺の自転車に乗りたいんだ」という歌詞や、自転車のチャリンチャリンの音は、おバカ・ソングに聞こえてしまいます。そんなユニークな作品もありながら、ハードロック全開の「Fat Bottomed Girls」や、元気溢れる「Don’t Stop Me Now」などの名曲も収録されています。ちなみに、「Jazz」というアルバム名から、ジャズ風のアルバムのような印象を受けますが、ジャズ風の曲はなく、「Jazz」という言葉の本来の「喧騒」や「狂騒」を意味しています。
Queen 戦慄の王女

評価: 2.8
1973年発売のクイーンの記念すべきファースト・アルバムです。他のバンドとは異なる曲構成を持っており、クイーンの独自性が表れている作品です。今では信じられませんが、このアルバム発売当時は、英国の批評家から、かなりの酷評を受けていました。今までのハード・ロックには見られなかった「クラシック要素を取り入れたドラマティックな曲構成」が、批評家には理解できず、酷評されていたのではないかと想像します。しかし、一般の聴衆からは、批評家のような冷たい扱いはされておらず、NME誌の人気投票で、「国内新人部門」2位を獲得しています。クイーンのアルバムの中では、あまり取り上げられることの少ない作品ですが、既に、クイーンのオーラが出ているアルバムであるため、一聴の価値があります。
Made In Heaven

評価: 2.9
1995年発売の14作目のアルバムで、フレディ・マーキュリーの死後発売された最後のスタジオ・アルバムです。「The Miracle」の後にレコーディングされた未発表曲と、各メンバの過去のソロ作品に収録されていた曲で構成されています。そのため、アルバムの統一感がなく、寄せ集め的な印象を受けます。しかし、バラード曲中心のアルバムであるため、美しさに溢れており、寄せ集め的であっても、各楽曲の質はとても高く感じます。フレディ・マーキュリーが海(湖?)に向かって手を挙げているジャケットや、1曲目「It’s a Beautiful Day」、2曲目「Made in Heaven」だけで、泣けてきます。フレディ・マーキュリー最後の贈り物のアルバムです。
A Kind of Magic

評価: 3.0
1986年発売の11作目のアルバムで、2本の映画のサウンドトラック用に書かれた7曲を、新たにオリジナル・アルバム用として再録音し、新曲を2曲加えたアルバムです。昔のハードロックの重さはなく、一般受けるポップな曲が多く収録されています。1980年代のクイーンのアルバムの中では、良質なアルバムですが、昔のクイーンのオペラ的なハード・ロックが好きな人には、物足りなさを感じるのも事実です。その中でも、「Who Wants to Live Forever」は、昔のクイーンのように壮大なドラマチックな曲であるため、昔のクイーンが好きな人にもおすすめの曲です。このアルバム発売後の大規模なツアーが、フレディ・マーキュリーが参加した最後のツアーとなってしまいます。
The Miracle

評価: 3.1
1989年発売の12作目のアルバムで、近代的なサウンドを導入しつつ昔のクイーンのハード・ロックを感じさせる作品です。フレディ・マーキュリーは、このアルバムの製作中に、自分がHIVに感染していることをメンバーに告白したと言われており、そのためか、メンバーの一体感が感じられるアルバムです。昔のクイーンを彷彿させるハードロックな「I Want It All」「Was It All Worth It」、ダンス・ナンバー「The Invisible Man」、カリビアン風の「Rain Must Fall」、フレディ・マーキュリーの悲痛が表れている「Scandal」など、クイーンのアルバムの中では、最もバラエティ豊かなアルバムです。
A Day at the Races 華麗なるレース

評価: 3.2
1976年発売の5作目のアルバムで、ジャケットから分かるように「オペラ座の夜」の続編のようなアルバムです。初のセルフプロデュース作品であることから、「オペラ座の夜」にあった緊張感が薄れ、リラックスした余裕を感じさせる作品です。クイーンのメンバは、親日家で知られており、そのためか、ラスト・ナンバー「手をとりあって」は、日本語で歌われています。その他、最もハードロックしている「Tie Your Mother Down」や、オペラ要素の強いバラード曲「Somebody to Love」は、クイーンのライブの定番曲になっています。また、「The Millionaire Waltz」は、クラシック的なワルツを取り入れた隠れた名曲です。「オペラ座の夜」が表の名盤だとすると、このアルバムは裏の名盤です。
News of the World 世界に捧ぐ

評価: 3.3
1977年発売の6作目のアルバムで、クイーンの代表曲「We Will Rock You」と「We Are the Champions」が収録されているアルバムです。この2曲だけでも、このアルバムを聴く価値がありますが、この2曲が目立ちすぎているため、他の曲が、あまり目立たない印象を受けます。それでも、メロディの美しいバラード曲「Spread Your Wings」や、ムーディーなブルース曲「My Melancholy Blues」など、良曲が収録されています。3曲目の「Sheer Heart Attack」は、同名のサード・アルバム「Sheer Heart Attack」に収録予定でしたが、その時には、未完成の状態であったため、このアルバムに収録されました。全体的に、この時代に勃興したパンクを意識したのか、シンプルなロック・アルバムとなっています。
The Game

評価: 3.4
1980年発売の8作目のアルバムで、今までシンセサイザーの使用を頑なに拒否していたクイーンが、シンセサイザーを取り入れて制作したアルバムです。サウンドも、今までの大作主義から、シングル向けのポップな曲が増えています。時代に合わせて、フレキシブルに対応したことによって、商業的に大成功を収めました。シングル曲としては、ロカビリー風の「Crazy Little Thing Called Love」と、ベースラインが特徴のディスコ・ナンバー「Another One Bites the Dust」が、初の全米No.1を獲得しました。このアルバムは、商業ロックになってしまい、往年のクイーン・ファンは受け入れ難い作品かもしれません。しかし、70年代のサウンドをそのまま引きずっていたら、クイーンは1980年代に生き残れなかったかもしれませんので、このサウンドの変化は正解だったと思っています。このアルバムから、フレディ・マーキュリーは、短髪にし、髭をはやすイメージ・チェンジも行っています。
Innuendo

評価: 3.6
1991年発売の13作目のアルバムで、フレディ・マーキュリー存命時にリリースされた最後のアルバムです。フレディ・マーキュリーがHIVに感染して死が近くなっていることなど、全く感じさせない、完成度の高いアルバムです。クイーンのアルバムの中で、最もフレディ・マーキュリーのボーカルの凄さが分かる作品で、フレディ・マーキュリー存命時のラスト・アルバムに相応しい作品になりました。全体的に、1970年代にハード・ロックをやっていたクイーンのサウンドに近く、往年のクイーン・ファンにも納得できるアルバムです。この傑作なラスト・アルバムを聞くと、フレディ・マーキュリーが亡くなってしまったことが、大変残念でなりません。ラスト・ナンバー「The Show Must Go On」は、フレディ・マーキュリーの死を思うと、涙なくして聞けない名曲です。
次は、3位 → 1位 です。
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