スライ&ザ・ファミリー・ストーン 全アルバム ランキング|おすすめアルバム


Fresh

前作「暴動」に比べると、音がシンプルになり、分かりやすい曲が増えたわね。
kat
「暴動」の延長線上のアルバムだけど、「暴動」ほどの革新性はなく、地味な印象を受けるね。

評価: 3.5

1973年発売の6枚目のアルバムで、「Stand!」「暴動」に続く、スライ&ザ・ファミリー・ストーンの黄金期3部作の3枚目にあたるアルバムです。

サウンドは、「暴動」の延長線上のファンキーなアルバムですが、「暴動」のような次から次へと色々な音が湧き上がってくるようなことはなく、地味で静かな演奏がされています。

珍しいところでは、映画「知りすぎていた男」でドリス・デイが歌っていた「ケ・セラ、セラ」がカヴァーされています。

この「ケ・セラ、セラ」は、オリジナル曲よりもスローテンポで、バラード調のアレンジがされていますので、オリジナル曲と聞き比べるのも面白いかと思います。

本作から唯一シングル・カットされた「If You Want Me to Stay」は、後に、レッド・ホット・チリ・ペッパーズにカヴァーされることになります。

地味ながらも後世へ影響を与えたアルバムです。


Stand!

ファンキーな曲が多く、全体的にまとまりのあるアルバムだわね。
kat
1960年代の名盤に、必ず上がってくるアルバムだね。ファンクのリズムとベースが全面に押し出されていて、1960年代のファンクを形作ったアルバムだね。

評価: 3.8

1969年発売の4枚目のアルバムで、ダイナミックで躍動的なファンキーの曲が増えている一方、「Stand!」や「Everyday People」のような分かりやすくキャッチーな曲も収録されています。

「Everyday People」は、シングル・カットされ、1969年のビルボード年間チャート5位を記録し、ゴールド・ディスクを獲得しました。

ファンクとロックの融合が、一旦、このアルバムで結実し、更に次作「暴動」へと深みにはまっていきます。

「暴動」はキャッチーな曲が少なく、理解に時間を要しますが、本作は、分かりやすく1960年代のファンクを極めたアルバムです。

ファンキーな曲では、「Don’t Call Me Nigger, Whitey」や「I Want to Take You Higher」がおすすめです。


There’s a Riot Goin’ On 暴動

分かりやすい曲は、「ファミリー・アフェアー」と「ラニン・アウェイ」ぐらいしかなく、その他の曲は、私には難しく感じたわ。
kat
斬新すぎるアルバムだから、理解するのに時間を要するね。何度も聞いていくうちに色々な発見ができ、じわじわと良さが分かるスルメ的なアルバムだね。

評価: 4.0

1971年発売の5枚目のアルバムで、今までに聞いたことのない斬新な楽器の使い方がされているアルバムです。

ビートの効いたリズム、ワウワウなギター、ファンキーなベースと次から次へと楽器の音が湧き上がってきます。

そのため、最初は、この音に慣れていないと理解が難しいかと思います。

政治的な要素も強く、当時の黒人のアフリカ回帰への支持や、黒人と白人の融合と友好化の失敗に対する絶望感など、悲しみと怒りに溢れています。

歌詞も内向きな曲が多く、特に、「Family Affair」は、家族の崩壊を綴っています。

本作発売当時は、理解できない人が多かったようで、衝撃度はかなりのものだったと想像できます。

しかし、本作は後世へ与えた影響は大きく、プリンスなど多くのアーティストに影響を与えました。

衝撃度の大きい、名盤です。

その他のアルバム

    Live at the Fillmore East October 4th & 5th

  • ヒット曲「Everyday People」を発表する直前の1968年 ニューヨーク フィルモア イーストで行われた2日間のライブを収めた4枚組のアルバムです。
  • スタジオ・アルバムには収録されていないアレサ・フランクリンの「Won’t Be Long」のカヴァー曲が、聞きどころです。
    The Woodstock Experience

  • スタジオ・アルバム「Stand!」との抱き合わせの2枚組アルバムで、Disc2は、1969年8月 ウッド・ストック2日目の深夜3時からのライブ全貌を収録しています。
  • Disc2の1曲目「M’Lady」からハイテンションで、歓声がもの凄く、当時の人気が伺えます。音質も良く、スライ&ザ・ファミリー・ストーンの迫力ある演奏が聞けます。
    I’m Back! Family & Friends

  • 2011年発売のスライ&ザ・ファミリー・ストーンのスタジオ・アルバムとされていますが、過去の曲をリミックスした曲が大半を占めています。
  • スライ&ザ・ファミリー・ストーンのベスト・アルバムとして、捉えた方が良いアルバムです。
    Essential

  • スライ&ザ・ファミリー・ストーンの2枚組のベスト・アルバムで、1960年代、1970年代のスライ&ザ・ファミリー・ストーンの代表曲が凝縮されているアルバムです。
  • スライ&ザ・ファミリー・ストーンの名作「暴動」と「フレッシュ」からの選曲が多いですが、マイナーなアルバムからも選曲されており、スライ&ザ・ファミリー・ストーンを知るには、最適なベスト・アルバムです。


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スライ&ザ・ファミリー・ストーンのメンバ

スライ&ザ・ファミリー・ストーンは、スライ・ストーンを中心としたバンドで、トランペッターが女性、ドラマーが白人という異色のメンバーからスタートしています。

スライ・ストーンのドラッグ中毒によって、メンバ崩壊に陥り、1975年1月に、一旦、解散してしまいますが、その後、復活して、メンバ交代を繰り返しながら、アルバムを制作してきました。

スライ&ザ・ファミリー・ストーンのオリジナル・メンバを以下に紹介します。

  • スライ・ストーン(ボーカル・キーボード・ハーモニカなど担当)
    スライ&ザ・ファミリー・ストーンは、実質、スライ・ストーンのワンマン・バンドでした。
    マルチ奏者で、「暴動」以降のアルバムでは、大半の楽器を1人で演奏して、マルチ録音することが多くなります。
    才能ある人ですが、スライ&ザ・ファミリー・ストーンが売れ始めてきた頃から、ドラッグに浸ってしまい、バンドも音楽の才能も崩壊してしまいます。
  • フレディ・ストーン(ギター、ボーカル担当)
    スライ・ストーンの弟で、スライ&ザ・ファミリー・ストーンが1975年に解散した後、モータウン・レコードと短い契約をしていましたが、現在は、牧師に転職しています。

  • ローズ・ストーン(キーボード、ボーカル担当)
    スライ・ストーンの妹で、スライ&ザ・ファミリー・ストーンが1975年に解散した後、バック・セッションとして、マイケル ジャクソン、フィッシュ、リンゴ スターなどのレコーディングに参加していた時期がありました。
    現在は、フレディ・ストーンの教会で、音楽をやっています。

  • シンシア・ロビンソン(トランペット、ボーカル担当)
    スライ・ストーンとは、高校時代の友人でした。
    スライ・ストーンの兄弟たちは、1970年代中旬に、スライ&ザ・ファミリー・ストーンを脱退しますが、シンシア・ロビンソンだけ最後まで残ります。
    ロックの殿堂入りした最初のトランペッターでもあります。
    2015年に癌で他界しました。
  • ラリー グラハム(ベース担当)
    シンシア・ロビンソンの親戚で、1972年にスライ&ザ・ファミリー・ストーンを脱退します。
    脱退後は、自分自身のバンドを組んだり、ソロで活動しており、1980年代には、ヒット曲も出しています。
  • グレッグ・エリコ(ドラム担当)
    1971年にスライ&ザ・ファミリー・ストーンを脱退してしまいますが、その後は、ウェザー・レポート、デヴィッド、ボウイ、サンタナなど錚々たるミュージシャンと共演しています。
    現在でも、音楽活動を続けています。

スライ&ザ・ファミリー・ストーンの音楽

スライ&ザ・ファミリー・ストーンは、ジェームス・ブラウンが築いたファンクの基礎を発展させ、ダンス・ミュージックとファンクを結びつけるなど、ファンクの可能性を広げていきました。

スライ&ザ・ファミリー・ストーンのアルバムは、全て、ファンクなアルバムであるため、全アルバムを聞くことで、ファンクの歴史・変貌が分かりす。

もし、スライ&ザ・ファミリー・ストーンのファンクに興味を持てれば、ジェームス・ブラウンや、同時期のジョージ・クリントン率いるファンカデリックやパーラメントを聞いていくのもおすすめします。

スライ&ザ・ファミリー・ストーンのアルバムの初心者向け、中級者向け、上級者向けの分類は、以下の通りです。

  • A Whole New Thing 新しい世界(1967年):上級者向け
  • Dance to the Music(1968年):中級者向け
  • Life(1968年):中級者向け
  • Stand!(1969年):初心者向け
  • There’s a Riot Goin’ On 暴動(1971年):中級者向け
  • Fresh(1973年):初心者向け
  • Small Talk(1974年):中級者向け
  • High on You(1975年):初心者向け
  • Heard You Missed Me(1976年):中級者向け
  • Back on the Right Track(1979年):上級者向け
  • Ain’t But the One Way(1983年):中級者向け

映画「スライ・ストーン」

2015年に、スライ・ストーンの半生を描いたドキュメンタリー映画「スライ・ストーン」が公開されました。

本作には、スライ&ザ・ファミリー・ストーンの過去のコンサート映像は、もちろんのこと、メンバであったシンシア・ロビンソンやラリー グラハムが、スライ・ストーンのことを語ったインタビューが収録されています。

また、スライ・ストーンと親交のあったジミー・ヘンドリックスの音声や、ファンカデリックのジョージ・クリントンの映像が収録されていたりと、とても貴重な映像を見ることができます。

後半は、長年雲隠れを行なっていたスライ・ストーンが姿を現し、マネージャーのジェリー・ゴールドスタインの詐欺横領で訴え勝訴する過程を、スライ・ストーンのインタビューとともに物語られています。

そのスライ・ストーンの姿が、悲しいほどに老けており、ドラッグの恐ろしさがよく分かります。

現在、U-NEXTで、動画配信されていますので、スライ・ストーンに興味がある人には、ぜひ、みてもらいたい映画です。

U-NEXTのスライ・ストーンの詳細は、こちらです。
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*本ページの情報は2024年3月現在のものです。最新の配信状況は U-NEXT サイトにてご確認ください。

まとめ

最後に、スライ&ザ・ファミリー・ストーンのランキング結果をまとめます。

順位アルバム名点数
1位There’s a Riot Goin’ On 暴動 4.0
2位Stand! 3.8
3位Fresh 3.5
4位Small Talk 3.0
5位Dance to the Music 2.9
6位High on You 2.8
7位Ain’t but the One Way 2.7
8位Heard Ya Missed Me, Well I’m Back 2.6
9位Life 2.5
10位A Whole New Thing 新しい世界 2.4
11位Back on the Right Track 2.2

スライ&ザ・ファミリー・ストーンの黄金期のアルバム「Stand!」「暴動」「Flesh」が、上位を占める結果になりました。

この3枚のアルバムは、革新的なアルバムで、ファンクの発展に寄与し、後世に影響を及ぼしました。

しかし、その後は、スライ・ストーンのドラッグ中毒により、アルバム制作が滞り、最近では、アルバム制作はなされていません。

映画「スライ・ストーン」で描かれていたマネージャーとの訴訟の勝訴で500万ドルを得てからのスライ・ストーンの消息は不明です。

また、雲隠れしながら、音楽を、毎日作っているのでしょうか。

次回は、私の好きなアシッド・ジャズのジャンルから、ブラン・ニュー・ヘヴィーズの全アルバム ランキングをしていきたいと思います。

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