Rush(ラッシュ)全アルバム ランキング|名盤、おすすめ アルバムの紹介

第10位
Test For Echo

ken
前作「Counterparts」と同様、グランジのアルバムだな。前作よりも聞きやすくなっているな。
kat
グランジ路線を更に進化させ、ラッシュらしいメロディアスさとポップさが加わったアルバムだね。

評価: 3.2

1996年発表の16作目のアルバムで、前作「Counterparts」と同様、グランジ色の強い作品です。

前作よりもモダンさが加わったため、聞きやすさが増しています。

グランジ的な「Driven」「Dog Years」、メロディアスで爽やかな「The Color of Right」、ヘビーでダークな「Time and Motion」、パワーバラード曲「Resist」など、バラエティー豊かな曲が収録されています。

ジャケットの人型の石は、イヌクシュクと言われており、カナダの先住民族のシンボルとして扱われいるものです。

どことなく、最近のドリーム・シアターを彷彿させるジャケットに感じます。

本作は、米国チャートで5位を記録しました。

第9位
Clockwork Angels

ken
ラッシュのラスト・アルバムは、ラストに相応しくヘビーでグルーヴィーなアルバムになったな。
kat
ラスト・アルバムで、こんなに勢いのあるアルバムを制作できたことに、驚きだね。

評価: 3.3

2012年発表の19作目にして、ラッシュのラスト・アルバムで、今までの集大成のような作品です。

本作は、「ディストピアのスチームパンクにインスピレーションを得た世界」を舞台にしたラッシュ初のトータル・コンセプトアルバムで、ラッシュのアルバムの中で、最もヘビーで、グルーヴィーな作品に仕上がっています。

1974年のデビューアルバムから、本作まで、ラッシュは、19枚のスタジオ・アルバムを発売していますが、アルバムごとに進化し、マンネリ化せずにここまで活動し続けたことに感服してしまいます。

本作は、そんなラッシュの38年間の最終到着点となったアルバムです。

第8位
Snakes & Arrows

ken
疾走曲はないが、落ち着いたヘビーなアルバムで、味わい深さがあるな。
kat
インパクトの強い曲が、あまりないから、地味に感じるけど、聴き込めば聴き込むほど、良さが出てくるアルバムだね。

評価: 3.4

2007年発表の18作目のアルバムで、ニック・ラスキュリネッツを共同プロデューサーに迎え入れ、前作「Vapor Trails」から5年ぶりに発売されたアルバムです。

ミドル・テンポのヘビーな曲が多く、一見、地味に感じますが、随所にラッシュらしさを感じ、聴き込めば、聴き込むほど、味の出てくる作品です。

インストゥルメンタルの曲が、過去最多の3曲収録されており、そのうち、「Malignant Narcissism」は、グラミー賞の最優秀ロック・インストゥルメンタル・パフォーマンス賞にノミネートされました。

全体的に落ち着いており、2000年代の時代にあったサウンドのアルバムです。

第7位
Vapor Trails

ken
初期のラッシュのようなハードロック路線に戻ったアルバムだな。ギターリフがヘビーになったな。
kat
初期のラッシュよりもヘビーになり、ヘビー・メタルに近いアルバムだね。それでも、ラッシュらしい聞きやすさがあるね。

評価: 3.5

2002年発表の17作目のアルバムで、キーボードを廃し、HR/HM色の強い作品です。

本作は、前作「Test For Echo」から、6年ぶりに発売されましたが、このブランク期間に、ニール・パートは、娘と妻を失う悲劇に見舞われ、バイクでの自己セラピーの旅に出ていました。

本作は、そのような悲劇に見舞われた後に発表された作品とは思えないほどのパワフルな仕上がりとなっています。

初期のラッシュに原点回帰しているアルバムとも言われていますが、初期の作品以上に、ハードになり、ヘビー・メタルに近いサウンドに変化しています。

尚、本作は、オリジナル版をメンバーが不満に思っていたため、2013年にリミックス版が発売され、現在は、こちらのリミックス版の方が有名となっています。

第6位
Caress of Steel 鋼の抱擁

ken
ラッシュの大作主義であるプログレッシブ・ハードロックを、全面に押し出したアルバムだな。
kat
2曲の組曲が印象的で、次作「西暦2112年」の土台を作り上げたアルバムだね。

評価: 3.6

1975年発表の3作目のアルバムで、大作指向が強まったアルバムです。

本作には、2曲の組曲が収録され、そのうち1曲は、後半(レコードだとB面)全体を占めています。

前作「夜間飛行」は、純粋なハードロック路線と、プログレッシブ・ハードロック路線の中間のような作品でしたが、本作は、プログレッシブ・ハードロック路線の色合いを更に強め、次作「西暦2112年」の布石となる初期ラッシュの重要な位置付けを持つアルバムとなりました。

小曲の中には、「Bastille Day」のようなヘビー・メタルを感じさせる曲も収録されています。

ラッシュのアルバムといえば、次作「西暦2112年」が取り上げられることが多いですが、本作も、ラッシュを知る上では、外せないアルバムです。

第5位
Permanent Waves

ken
今までのプログレッシブ・ハードロックとは違ったポップな曲が増えたな。
kat
1980年代に入り、ジェネシスやエイジアなどと同様、ラッシュも、コンパクトな分かりやすい曲が増えたね。

評価: 3.7

1980年発表の7作目のアルバムで、アメリカ、カナダ、イギリスで、プラチナ・ディスクを獲得し、ラッシュ・ブームを巻き起こしたアルバムです。

今までのプログレッシブ・ロック色の強い大作主義を減らし、コンパクトに曲をまとめ、ポップにしたことで、一般受けする分かりやすいアルバムとなりました。

元々、ラッシュの曲は、メロディアスだったのですが、大作の曲が多かったために、敬遠されていた印象がありました。

それが本作では、1980年代を先取りしたようなコンパクトな作風になったために、一気に、ラッシュの存在が世界に知られることになりました。

本作には、いつも通り、組曲(「Natural Science」)が収録されていますが、この曲も、9分弱といつもよりもコンパクトにアレンジされています。

第4位
Hemispheres 神々の戦い

ken
前作「A Farewell to Kings」の延長線上のアルバムで、大作主義のラッシュが聴けるアルバムだな。
kat
オープニング・ナンバーの「Cygnus X-1 Book II」は、前作の「Cygnus X-1, Book I」の続編にあたる曲だね。

評価: 3.8

1978年発表の6作目のアルバムで、「2112」「A Farewell to Kings」と続いてきた近未来モノの完結にあたる作品です。

前作「A Farewell to Kings」の「Cygnus X-1, Book I: The Voyage」が、to be continue… で終了していたため、本作のオープニング・ナンバーは、その続きである「Cygnus X-1 Book II: Hemispheres」が収録されています。

この曲は、前作と同様、組曲形式の6部構成となっている18分超の壮大な曲です。

この曲以外の注目曲は、10分弱のインストゥルメンタル曲「La Villa Strangiato」で、後のアルバム「Moving Pictures」のインストゥルメンタル曲「YYZ」に負けじ劣らずのラッシュの傑作インストゥルメンタル曲です。

本作までが、ラッシュの大作主義のプログレッシブ・ハードロック時代で、次作以降、ラッシュは、売れ路線のポップスに変化していきます。


A Farewell to Kings

ken
このアルバムは、シンセサイザーを取り入れたことで、宇宙的な広がりを見せたな。
kat
「Cygnus X-1 Voyage」は、宇宙船ロシナンテ号の物語をテーマにしているから、宇宙を感じさせる壮大な曲だね。

評価: 3.9

1977年発表の5作目のアルバムで、初の英国録音、初のシンセサイザーを導入したアルバムです。

本作でも、大作が2曲(「Xanadu」「Cygnus X-1, Book I: The Voyage」)収録されており、共に、神秘的で壮大なスケールを誇っています。

「Cygnus X-1, Book I: The Voyage」は、スペース・オペラのような曲で、次作「神々の戦い」のオープニング・ナンバーに引き継がれていきます。

その他の注目曲は、ポップで爽やかな「Closer to the Heart」で、ラッシュのライブの定番曲になっています。

全体的にシンセサイザーが多く使用されたことで、更に、プログレッシブ・ロック色が強まったアルバムです。


2112 西暦2112年

ken
前半を占める組曲「2112」で、ラッシュのプログレッシブ・ハードロックが極まったな。
kat
前半の「2112」だけでなく、後半の小曲も落ち着いた良曲で、粒揃いなアルバムだね。

評価: 4.2

1976年発売の4作目のアルバムで、初期ラッシュの出世作であり、プログレッシブ・ハードロックを確立した名盤です。

本作の聞きどころは、前半(レコードだとA面)全体を占める「2112」で、この曲は、女性SF作家アイン・ランドの小説を元にした組曲です。

静と動が激しく、ゲディー・リーのシャウト・ボーカル、ニール・パートの激しいドラミング、アレックス・ライフソンのアグレッシブなギターと、どれをとっても圧巻な演奏で、圧倒されてしまいます。

後半は、5曲の小曲で構成されており、落ち着いた楽曲が多く収録されています。

ちなみに、ジャケットに描かれているレッド・スターは、今後のラッシュのシンボル・マークとなりました。


Moving Pictures

ken
ラッシュの演奏技術が凄く、ラッシュの最高傑作のアルバムだな。
kat
コンパクトな曲が増え、1980年代プログレッシブ・ロックの中でも最高峰のアルバムだね。

評価: 4.4

1981年発売の8作目のアルバムで、ラッシュの最高傑作の呼び名の高いアルバムです。

前作「Permanent Waves」の延長線上のアルバムですが、前作よりも音質が向上し、重量感が増しています。

オープニング・ナンバーの「Tom Sawyer」から、4曲目「Limelight」までは、息もつかせぬ怒涛のスピード感溢れる演奏で、圧倒させられてしまいます。

全体的に、コンパクトな曲が増えましたが、昔のプログレッシブ・ハードロック路線のラッシュが好きな人向けに、10分超の「The Camera Eye」も収録されています。

米国では、発売4週目で、プラチナ・ディスクを獲得する大ヒット作となりました。

おすすめのライブ・アルバム

    All The World’s A Stage 世界を翔けるロック

  • 「西暦2112年」発売後の1976年のカナダツアーの模様を収録したライブ・アルバムです。初期のアルバム(1stアルバム「閃光のラッシュ」〜4thアルバム「西暦2112年」)から、万遍なく選曲がされています。
  • ロックの最小単位である3名によるパワフルな演奏と、ゲディー・リーの全盛期のボーカルを聞くことができ、近年の落ち着いたラッシュとは異なったエネルギッシュなライブ・アルバムです。
    Exit…Stage Left ラッシュ・ライヴ〜神話大全

  • 本作は、1980年6月のパーマネント ウェイブス・ツアーと、1981年3月のムービング ピクチャーズ・ツアーの音源が収録されているライブ・アルバムです。
  • 「Moving Pictures」までのベストな選曲がされており、スタジオ・アルバムを忠実に再現しています。とても3人で演奏しているとは思えないほどの演奏技術力を誇っています。
    A Show Of Hands ラッシュ・ライヴ〜新約・神話大全

  • 本作は、1988年のホールド ユア ファイア・ツアーと、1986年のPower Windowsツアーの音源が収録されているライブ・アルバムです。
  • ほとんどの曲が、1980年代の曲で、シンセサイザー中心のポップス時代のラッシュが好きな人向けのアルバムです。ポップス時代のラッシュが嫌いな人でも、演奏技術が凄いため、一聴の価値があります。
    Rush in Rio

  • Vapor Trails ツアーにおける2002年11月のリオ・デ・ジャネイロ マラカナ・スタジアム公演を録音した3枚組のライブ・アルバムです。DVDも発売されています。
  • 初期のアルバムから、「Vapor Trails」までのオールタイム ベストの選曲がされており、聴きどころ満載のライブ・アルバムです。観客の歓声がもの凄く、ラッシュがブラジルでこれほどまでに人気だったことに驚きます。
    Clockwork Angels Tour

  • 2012年から2013年にかけて行われた「Clockwork Angels Tour」の模様を収録した3枚組のライブ・アルバムです。DVDやブルーレイも発売されています。
  • 9人編成の小オーケストラが加わり、3人トリオとは、また違った迫力のある演奏を聞くことができます。ゲディー・リーは、落ち着いたボーカルに変化しています。

その他のアルバム

    Feedback

  • デビュー・アルバムから30周年を記念して発売された2004年発売のEPです。収録曲は、全て、メンバーが影響を受けた1960年代のアーティストのカヴァー曲で構成されています。
  • ザ・フー、ヤードバーズ、バッファロー・スプリングフィールド、クリームなど、有名なアーティストの曲をカヴァーしています。ハードロック仕立てのセンスの良いアレンジが光っています。


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ラッシュのメンバー

ラッシュは、結成当時から、ボーカル兼ベース、ギター、ドラムの3名体制でしたが、ボーカル兼ベースと、ギターは、途中でメンバー交代がされています。

メンバー交代後の1974年から2015年の解散まで、ゲディー・リー、アレックス・ライフソン、ニール・パートの固定メンバーで活動しました。

以下に、この3名のメンバーを紹介します。

  • ゲディー・リー(ボーカル、ベース担当)

    ボーカル兼ベースの担当ですが、キーボードも演奏するマルチ・プレーヤーです。

    ボーカルは、ハイトーンが特徴で、「魔女」「鶏の首を絞めた声」と言われるように、非常に特徴的な歌声をしています。

    ラッシュでの活動がほとんどですが、他のバンドのアルバムの制作に関わったり、ゲスト参加もしています。

    珍しいところでは、元読売巨人のウォーレン・クロマティのバンドにもゲスト参加したことがありました。


  • アレックス・ライフソン(ギター担当)

    ラッシュ結成当初から在籍していた唯一のメンバーです。

    高度なギター・テクニックの持ち主で、ディレイなどのエフェクター等も効果的に使用して演奏を行っています。

    ラッシュ以外では、ソロ・アルバムを1枚発表しています。

    音楽活動以外では、画家、俳優、航空機操縦士の資格、共同レストラン・オーナーなど、手広く活動を行っています。


  • ニール・パート(ドラム担当)

    水平方向360度にセットされたドラムと、力強いドラミングが特徴の凄腕のドラマーです。

    また、読書家であったことから、ラッシュのほとんどの曲の作詞を手がけており、その歌詞は、文学的で難解であることが特徴です。

    私生活では、愛娘を交通事故で、さらに妻を癌で相次いで失うという悲劇があり、そのショックで一時的に姿をくらましてしまい、ラッシュが存続危機に見舞われたこともありました。

    残念ながら、2020年に、悪性脳腫瘍で他界しました。

ラッシュの音楽

ラッシュの音楽は、時代によって、大きく、「ハードロック」、「プログレッシブ・ハードロック」、「ポップス」、「AOR」、「グランジ」、「ヘビー・ロック」に分けることができます。

ラッシュ初心者の方は、自分の好みのジャンルから入っていくのが良いかと思いますが、「プログレッシブ・ハードロック」、「ポップス」のアルバムから聞いていけば、間違いはありません。

それぞれの区分けしたアルバムの初心者向け、中級者向け、上級者向けの分類は、以下の通りです。

【ハードロックのアルバム】

  • Rush 閃光のラッシュ(1974年):上級者向け
  • Fly By Night 夜間飛行(1975年):中級者向け

【プログレッシブ・ハードロックのアルバム】

  • Caress Of Steel 鋼の抱擁(1975年):中級者向け
  • 2112 西暦2112年(1976年):初心者向け
  • A Farewell To Kings(1977年):初心者向け
  • Hemispheres 神々の戦い(1978年):中級者向け

【ポップスのアルバム】

  • Permanent Waves(1980年):初心者向け
  • Moving Pictures(1981年):初心者向け
  • Signals(1982年):上級者向け
  • Grace Under Pressure(1984年):中級者向け
  • Power Windows(1985年):上級者向け
  • Hold Your Fire(1987年):初心者向け

【AORのアルバム】

  • Presto(1989年):上級者向け
  • Roll The Bones(1991年):上級者向け

【グランジのアルバム】

  • Counterparts(1993年):中級者向け
  • Test For Echo(1996年):中級者向け

【ヘビー・ロックのアルバム】

  • Vapor Trails(2002年):中級者向け
  • Snakes & Arrows(2007年):中級者向け
  • Clockwork Angels(2012年):中級者向け

まとめ

最後に、ラッシュのランキング結果をまとめます。

順位アルバム名点数
1位Moving Pictures 4.4
2位2112 西暦2112年 4.2
3位A Farewell to Kings 3.9
4位Hemispheres 神々の戦い 3.8
5位Permanent Waves 3.7
6位Caress of Steel 鋼の抱擁 3.6
7位Vapor Trails 3.5
8位Snakes & Arrows 3.4
9位Clockwork Angels 3.3
10位Test For Echo 3.2
11位Counterparts 3.1
12位Hold Your Fire 3.0
13位Grace Under Pressure 2.9
14位Fly By Night 夜間飛行 2.8
15位Roll The Bones 2.75
16位Power Windows 2.7
17位Signals 2.6
18位Rush 閃光のラッシュ 2.55
19位Presto 2.5

1970年代のプログレッシブ・ハードロック時代と1980年代のポップス時代のアルバムが上位を占めましたが、ラッシュのアルバムは、どのアルバムも質が高く、ハズレのアルバムはありません。

そのため、自分の好きなジャンルのアルバムから聞き始め、最終的には、全アルバムを聞いてもらえればと思っています。

全アルバムを聞くと、ラッシュの変貌とその凄さが分かるかと思います。

次回は、ラッシュに影響を受けたプログレッシブ・ヘビーメタル バンドであるドリーム・シアターの全アルバム ランキングをしていきたいと思います。

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