The Rolling Stones, Now!
評価: 2.9
1965年発売の3作目のアルバムで、R&Bのカヴァー曲とオリジナル曲4曲で構成されています。
サウンドは、かなり黒人音楽寄りになり、ローリング・ストーンズの目指している音楽性がはっきり表れています。
ローリング・ストーンズのアルバムの中では、マイナーなアルバムですが、ウィリー・ディクスン作のブルース・カヴァー曲「Little Red Rooster」は、英国で1位を獲得し、ローリング・ストーンズのライブで、頻繁に演奏される有名曲となりました。
ブルースやR&Rをローリング・ストーンズなりに消化しており、初期のローリング・ストーンズの音楽性を知るには、適したアルバムです。
Out Of Our Heads
評価: 2.95
1965年発売の4作目のアルバムで、カヴァー曲が半分、オリジナル曲が半分の構成で、オリジナル曲の比重が大きくなったアルバムです。
オリジナル曲では、「サティスファクション」が最も有名ですが、それ以外にも、ベスト・アルバムに収録されることの多い「The Last Time」「Play With Fire」が収録されています。
カヴァー曲では、オーティス・レディングの「That’s How Strong My Love Is」や、バート・ラッセルの「Cry To Me」が秀逸曲です。
ローリング・ストーンズ初の全米チャート1位を記録し、ローリング・ストーンズの地位を確立した初期の傑作アルバムです。
Tattoo You 刺青の男
評価: 3.0
1981年発売の18作目のアルバムで、短期間で新作を発表しなければならない事情から、未発表曲をリミックスするなどして、仕上げられたアルバムです。
そのため、1970年代に作られた曲が多く含まれています。
珍しいところでは、ジャズ界で有名なサックス奏者ソニー・ロリンズが参加しています。
本作の中では、1990年初の日本公演のオープニング曲でもあった「Start Me Up」が、有名曲で、1981年のアメリカ・ツアーから一貫して演奏され続けている名曲です。
米国で9週連続1位となり、1980年代を代表するアルバムです。
Blue & Lonesome
評価: 3.1
2016年発売の25作目のアルバムで、ローリング・ストーンズ初のカヴァー・アルバムです。
カヴァー曲は、全てブルース・ナンバーで、ローリング・ストーンズの1960年代のアルバムに原点回帰したアルバムだと言えます。
スタジオ・ライブ感覚で、わずか3日間で制作されており、キース・リチャーズがリード・ボーカルの曲は、1曲も収録されていません。
このようなスタイルからも、ローリング・ストーンズの初期のアルバムに原点回帰していることが分かります。
レッド・ツェッペリンもカヴァーした「I Can’t Quit You Baby」が収録されており、レッド・ツェッペリンとは全く異なるアレンジがされています。
「Voodoo Lounge」以来の全英チャート1位を記録しました。
It’s Only Rock’n Roll
評価: 3.15
1974年発売の14作目のアルバムで、アルバム名通り、ロックンロールしているサウンドで、ローリング・ストーンズがロック・バンドになることを宣言しているような作品です。
久々のモータウンのカヴァー曲であるテンプテーションズの「Ain’t Too Proud to Beg」や、初のレゲエ要素を取り入れた「Luxury」など、ロックンロールではない曲も収録されています。
本作の中では、「It’s Only Rock’n Roll」ぐらいしか、有名曲はありませんが、個人的には、哀愁を感じさせる「Time Waits for No One」が、おすすめ曲です。
本作発売後、ミック・テイラーは、バンドを脱退します。
Hackney Diamonds
評価: 3.2
2023年発売の26作目のアルバムで、ポップなロックンロールの曲が詰まっているアルバムです。
ローリング・ストーンズのアルバムの中でも、非常に聞きやすいアルバムですが、その中でも、昔のローリング・ストーンズを感じさせるブルースやアメリカ南部の泥臭さを持った曲もあり、往年のローリング・ストーンズ ファンにも楽しめる作品です。
それにしても、本作発売時のミック・ジャガーは80歳、キース・リチャーズは79歳、ロン・ウッドは76歳と、アラエイティーのお爺ちゃんバンドとは思えない迫力のある演奏を行っています。
特に、ミック・ジャガーのボーカルは全く衰えておらず、このまま90歳になっても活躍していそうな期待を持たせてくれます。
音質も良く、期待以上の上質なアルバムです。
Aftermath
評価: 3.25
1966年発売の6作目のアルバムで、今までのアルバムに必ず含まれていたカヴァー曲が1曲も収録されておらず、全曲ジャガー/リチャーズのオリジナル曲で占められいてるアルバムです。
また、今までのギターやハーモニカだけではなく、マリンバ、ダルシマーなどの楽器が初めて使用され、音楽的にも幅が広がっていることが分かります。
米国版と英国版で若干、収録曲が変わっていますが、本作の中では、「Mother’s Little Helper」や「Under My Thumb」が、有名曲です(米国版では、「Mother’s Little Helper」ではなく、「Paint It, Black」が収録されています)。
また、注目曲として、11分にも及ぶ大作「Goin’ Home」が収録されています。
全英チャート1位、全米チャート2位を記録しました。
Goats Head Soup 山羊の頭のスープ
評価: 3.3
1973年発売の13作目のアルバムで、ローリング・ストーンズが初めてジャマイカで録音したアルバムです。
ジャケットから分かるように、黒魔術的な要素があり、今までのローリング・ストーンズのアルバムとは異なった雰囲気を持っています。
本作の中では、「悲しみのアンジー」が最も有名な曲で、本作が発売された1973年は、ローリング・ストーンズ初の日本公演が中止となってしまったことと重なり、悲嘆した日本人の心を癒してくれました。
「悲しみのアンジー」以外にも、「Coming Down Again」や「Winter」などバラード曲が多く収録されています。
本作も、全米、全英ともに1位を記録しました。
Some Girls 女たち
評価: 3.35
1978年発売の16作目のアルバムで、ディスコ・サウンドを取り入れたオープニング・ナンバー「Miss You」が賛否両論を呼んだ話題作です。
1970年代の時流に乗ったディスコ・サウンドは、意外にも、ローリング・ストーンズのサウンドにマッチしています。
この「Miss You」の話題性が大きかったため、他の曲の印象が薄いですが、テンプテーションズのカヴァー曲「Just My Imagination (Running Away with Me」や、キース・リチャーズの逮捕劇からの復帰作「Before they make me run」、ソウル系のバラード曲「Beast of Burden」など良作が揃っています。
1970年代最後のアルバムに相応しい作品です。
本作以降、1980年代のローリング・ストーンズは、勢いが失速していくことになります。
Steel Wheels
評価: 3.5
1989年発売の21作目のアルバムで、今までのローリング・ストーンズのラフな音作りがなくなり、緻密に音作りがされたアルバムです。
本作のツアーで、初めて日本公演が行われたため、当時は、本作の収録曲「Rock and a Hard Place」が、日本のCMで、頻繁に流れていました。
そのため、本作は、日本で馴染み深いアルバムとなり、日本では、ローリング・ストーンズのアルバムの中で最も売れたアルバムになりました。
1980年代の低迷期が嘘のように、パワフルなローリング・ストーンズのサウンドを聞くことができます。
ハードな曲が多く、ローリング・ストーンズのアルバムの中では、最もハード・ロックしています。
次は、5位 → 1位 です。