椎名林檎 全アルバム ランキング
前回は、BLANKEY JET CITY(ブランキー・ジェット・シティ)の全アルバム ランキングをしましたので、今回は、「ブランキー・ジェット・シティの中心人物であった浅井健一さん(愛称「ベンジー」)のファン」と公言している椎名林檎さんの全アルバム ランキングをしていきたいと思います。
椎名林檎さんは、ミュージック・ビデオや、歌声、林檎という名前などから、強烈なインパクトがあります。
特に、ミュージック・ビデオでは、「本能」での看護婦姿や、「罪と罰」でのマリリン・マンソン風のメイクなど、見るものに、圧倒的な存在感を示しています。
椎名林檎さんの本名は、椎名裕美子さんと言い、「子供のころは、恥ずかしがり屋で、顔が赤くなっていた」ことや、「ドラマーからバンド活動を開始したため、ビートルズのリンゴ・スターをもじっている」ことが林檎の由来と言われています。
椎名林檎さんは、ソロ活動と並行して、東京事変のバンド活動も行っています。
そのため、椎名林檎さんのアルバムは、多数あるような印象がありますが、実際、椎名林檎さんのソロ・アルバムは、現在までに6枚しか発表していません。
今回、椎名林檎さんの6枚のソロ・アルバムに加え、セルフ・カヴァーのアルバムや、カップリングのアルバムも含め、ランキングしていきたいと思います。
ランキングは、個人的な独断と偏見で評価していますので、世間一般の評価とは異なるかもしれませんが、その点は、ご了承ください。
椎名林檎のアルバムを聴いてみたいけど、どのアルバムから聴けば良いか分からない方、椎名林檎のアルバムの評価や、おすすめのアルバムを知りたい方に、役立つ記事になっています。
椎名林檎 アルバムランキング
逆輸入 〜港湾局〜
評価: 2.8
2014年に、デビュー15周年企画として発売された初のセルフ・カヴァーアルバムです。PUFFY、SMAP、TOKIOなどに提供した曲をセルフ・カヴァーしていますが、有名な曲は少ないため、椎名林檎の新曲として聞くことができるアルバムです。このアルバムの中では、栗山千明に提供した「青春の瞬き」が秀逸で、椎名林檎のバラード曲の中でも、ベスト3には入る名曲だと思っています。「青春の瞬き」だけでも、このアルバムを聞く価値があります。その他では、ジャジーな「望遠鏡の外の景色」や、カッティング・ギターが印象的な「真夏の脱獄者」、可愛らしさ溢れる「カプチーノ」がおすすめ曲です。
逆輸入 〜航空局〜
評価: 2.9
2017年発売の「逆輸入 〜港湾局〜」に続く、セルフ・カヴァーアルバムです。「逆輸入 〜港湾局〜」と同様、シングルやドラマの主題歌、CMソングなど他の歌手へ提供してきた曲を、椎名林檎自身がセルフ・カヴァーしています。「逆輸入 〜港湾局〜」との違いは、編曲者が、11人から、4人に減っていることです。音楽は、オーケストラやブラス・セクションを使用したジャジーな曲が多いことが特徴です。本作のおすすめは、オープニングの2曲「人生は夢だらけ」と「おいしい季節」で、「人生は夢だらけ」は、かんぽ生命のCMソングで、「おいしい季節」は明治チョコレートのCMソングで使用されましたので、聞いたことがある人が多いのではないでしょうか。東京スカパラダイスオーケストラと共演した「真夜中は純潔」のようなビッグ・バンド形式の椎名林檎が好きな人におすすめのアルバムです。
日出処
評価: 3.0
東京事変が解散してから初となる2014年発売のソロ・アルバムです。本作には、アルバム未収録だった2009年から2014年までに発表されたシングル曲と、新曲が半々で収録されています。椎名林檎らしいダークな曲はもちろん収録されていますが、今回は、ジャケットのように明るく元気になれる曲が多いことが特徴です。2014年度のFIFAワールドカップブラジル大会のサッカー関連番組のテーマ曲となった「NIPPON」が収録されいることで、更に明るさが増しています。ジャケットの椎名林檎は、昔から変わらない美しさがあります。
加爾基 精液 栗ノ花
評価: 3.1
2003年発売のサード・アルバムで、前作までのぶっ飛んだ椎名林檎は影を潜め、大人のアルバムに仕上がっているアルバムです。前作までは、「バンド演奏による一発録り」が主体でしたが、本作では、ストリングスや民族楽器、打ち込みなど、精密な音作りがされています。「ドツペルゲンガー」では、全編打ち込みがされており、椎名林檎の新境地が感じられます。過激なアルバム名とは異なり、本作から、椎名林檎のジャジーな音楽性が表れ始めていきます。1st、2ndアルバムのような衝撃的なアルバムを求めている人には、物足りなさを感じるかもしれませんが、クオリティの高いアルバムです。
三毒史
評価: 3.2
2019年発売の純粋なソロ・アルバムとしては、6作目にあたるアルバムです。本作では、偶数曲に、宮本浩次、トータス松本、向井秀徳、浮雲、櫻井敦司などの豪華男性ボーカルとのデュエット曲が収録されています。ここまで、デュエット曲を入れるのであれば、椎名林檎が大ファンの「ベンジー」とのデュエット曲を入れて欲しかったかなとも思います。本作は、人の善心を害する三種の煩悩とされる「貪」、「瞋」、「癡」の「三毒」をテーマにしていることから、日本的な曲が多く、お経で始まるオープニングは、異様な雰囲気を醸し出しています。本作の注目曲は、2015年にシングルで発売された「長く短い祭」で、椎名林檎の曲の中で、最も人気のある楽曲です。全体的に、カッコ良い曲が多く、ノリの良いアルバムです。
三文ゴシップ
評価: 3.4
2009年発売の純粋なソロ・アルバムとしては、4作目にあたるアルバムです。1st、2ndアルバムに比較すると、かなり丸くなった印象を受けます。このアルバムでは、10組ほどの編曲者が参加していたり、Mummy-DをフィーチャーしたHip-Hopを取り入れたりと前作までのソロ・アルバムとは、趣が異なっています。また、「密偵物語」は、「真夜中は純潔」の続編にあたる曲で、初の他者(Jack Brown)による作詞を取り入れています。収録曲は、ロック、ジャズ、ラテン、ヒップホップなどのジャンルを取り入れ、バラエティ豊かなアルバムですが、全体的に、ビッグ・バンドを使用したキャパレー風の曲が多い印象を受けます。椎名林檎の進化が見られる上質な作品です。

私と放電
評価: 3.5
2008年に発売されたアルバムで、シングルのカップリング曲などのアルバム未収録曲を集めた2枚組のアルバムです。カッブリング曲と言っても、単なる寄せ集め集ではなく、カッブリング曲とは思えない質の高い曲ばかりが収録されています。本作は、椎名林檎の10年間の軌跡が分かり、裏ベスト・アルバムとして聴くのに最適なアルバムです。オープニング・ナンバーのキャッチーな「すべりだい」から、ノックアウトされてしまいます。ジャジーな曲や、癒しの曲、バラード曲、巻き舌・金切り声のシャウト曲などが収録されており、椎名林檎の魅力が詰まっているアルバムです。

無罪モラトリアム
評価: 4.0
1999年発売の椎名林檎の記念すべき衝撃的なデビュー・アルバムです。可愛らしい椎名林檎のジャケットとは裏腹に、巻き舌と、金切り声のシャウト・ボーカルは、椎名林檎の不良性が表れた独特なものであり、意味不明な文語的な歌詞も、独自性が出ています。十代のころに書き溜めていた楽曲で構成され、「バンド演奏による一発録り」がされていますが、完成度は非常に高い作品です。アルバム発売前に、シングル・カットされていた「幸福論」「歌舞伎町の女王」「丸の内サディスティック」「ここでキスして。」は、もちろん素晴らしいですが、美しいバラード曲「茜さす 帰路照らされど・・・」や「同じ夜」など、どの曲も椎名林檎の世界観が表れています。このサウンドで、170万枚を超えるミリオンセラーを記録したことにも、驚きを感じます。

勝訴ストリップ
評価: 4.2
2000年発売のセカンド・アルバムで、前作「無罪モラトリアム」よりも、更に、巻き舌、金切り声のシャウト・ボーカルがぶっ飛び、パワーアップしたアルバムです。シングル・カットされた「本能」「ギブス」「罪と罰」のミュージック・ビデオが、強烈だったことから、本作もその強烈さを引きずっています。「罪と罰」では、椎名林檎が大ファンの浅井健一(ベンジー)が、ギターと歯笛で参加しています。歌詞は、前作よりも難解になっており、「弁解ドビュッシー」や「病床パブリック」といった、??? な曲名が付けられています。ちなみに、「弁解ドビュッシー」は、「ドビュッシーを好きなことに説明とか弁解なんかあるのかよ」というところから付けられています。このアルバムも、大ヒットし、250万枚以上を売り上げ、ダブルミリオンを記録しました。
椎名林檎の音楽
椎名林檎のアルバムは、大きく分けると、初期の「巻き舌、金切り声のシャウト・ボーカル」のぶっ飛んだアルバムと、中期以降のブラス・セクションを多用したジャジーなアルバムに分けることができますが、どのアルバムも、メロディアスな曲が多いことが特徴です。
どのアルバムから聞いていっても、問題はありませんが、初期のアルバムの方が人気があり、椎名林檎が唯一無二の存在であることが分かります。
各アルバムの初心者向け、中級者向け、上級者向けの分類は、以下の通りです。
- 無罪モラトリアム(1998年):初心者向け
- 勝訴ストリップ(2000年):初心者向け
- 加爾基 精液 栗ノ花(2003年):中級者向け
- 私と放電(2008年):初心者向け
- 三文ゴシップ(2009年):中級者向け
- 逆輸入 〜港湾局〜(2014年):上級者向け
- 日出処(2014年):中級者向け
- 逆輸入 〜航空局〜(2017年):上級者向け
- 三毒史(2019年):中級者向け
その他のアルバム
- 唄ひ手冥利〜其ノ壱〜
- 2002年発売の椎名林檎初の2枚組のフル・カヴァーアルバムです。椎名林檎は、「勝訴ストリップ」発売後、妊娠・出産による1年近くの活動休止期間に入っていたことから、復帰のための肩慣らしとして、本作を発売しました。
- 歌謡曲、ジャズ、ボサノヴァ、ビートルズ、クラシックなど、椎名林檎が幼少時に聴いてきた曲をカヴァーしています。椎名林檎のセンスの良い選曲がされています。
- 蜜月抄
- 2013年発売の椎名林檎初のライブ・ベストアルバムで、過去の椎名林檎のライブから、厳選された曲が収録されています。そのため、曲によって、音質はまちまちで、あまり音質は良いとは言えません。
- 初期のアルバム「無罪モラトリアム」「勝訴ストリップ」「加爾基 精液 栗ノ花」からの選曲が中心であるため、初期の椎名林檎が好きな人には、おすすめのライブ音源です。
- ニュートンの林檎 〜初めてのベスト盤〜
- 2019年発売の椎名林檎初の2枚組のベスト・アルバムです。1998年から2019年までに発売されたシングルやアルバムから選曲された椎名林檎の究極のベスト・アルバムです。
- 椎名林檎のヒット曲が満載で、このアルバムさえ聞けば、椎名林檎の基本を押さえることができます。椎名林檎の純粋なソロ・アルバムだけではなく、セルフ・カヴァーアルバム「逆輸入 〜港湾局〜」「逆輸入 〜航空局〜」からも選曲されているため、お得なベスト・アルバムです。
まとめ
最後に、椎名林檎のランキング結果をまとめます。
順位 | アルバム名 | 点数 |
---|---|---|
1位 | 勝訴ストリップ | 4.2 |
2位 | 無罪モラトリアム | 4.0 |
3位 | 私と放電 | 3.5 |
4位 | 三文ゴシップ | 3.4 |
5位 | 三毒史 | 3.2 |
6位 | 加爾基 精液 栗ノ花 | 3.1 |
7位 | 日出処 | 3.0 |
8位 | 逆輸入 〜航空局〜 | 2.9 |
9位 | 逆輸入 〜港湾局〜 | 2.8 |
椎名林檎さんのアルバム・ランキングを行いましたが、初期のアルバムが、上位を独占する結果となりました。
椎名林檎さんは、ジャンルを問わない柔軟さを持ち合わせており、最近は、ビッグバンドのジャズ寄りの大人のアルバムが多くなってきています。
そのため、最近のアルバムは、初期のような衝撃はなく、落ち着いたアルバムに変化してきています。
衝撃度は少ないですが、最近のアルバムも質の高いアルバムであるため、椎名林檎さんのアルバムは、全部聞くことをおすすめします。
次回は、椎名林檎さんが結成したバンド 東京事変の全アルバム ランキングをしていきたいと思います。
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