東京事変 全アルバム ランキング
前回は、椎名林檎さんの全アルバム ランキングをしましたので、今回は、椎名林檎さんが結成したバンド 東京事変の全アルバム ランキングをしていきたいと思います。
椎名林檎さんは、3rdアルバム「加爾基 精液 栗ノ花」を発表後、音楽活動へのモチベーションが無くなってしまい、引退を考えていました。
そこで、椎名林檎さんは、「メンバーたちのために書き下ろすつもりで曲を書けば意欲が湧くのではないか」と考えて、東京事変を結成しました。
その目論見は、成功し、椎名林檎さんは、引退することなく、現在でも音楽活動を続けています。
東京事変は、椎名林檎さんの曲以外に、東京事変のメンバが書き下ろした曲も多く、椎名林檎さんのアルバムとは違った魅力があります。
そんな東京事変の全アルバムのランキングをしていきたいと思います。
ランキングは、個人的な独断と偏見で評価していますので、世間一般の評価とは異なるかもしれませんが、その点は、ご了承ください。
東京事変のアルバムを聴いてみたいけど、どのアルバムから聴けば良いか分からない方、東京事変のアルバムの評価や、おすすめのアルバムを知りたい方に、役立つ記事になっています。
東京事変 アルバムランキング
深夜枠
評価: 2.4
東京事変が2012年に解散後、企画物として、シングルのカップリング曲を集めたアルバムです。そのため、アルバムの統一感はなく、寄せ集め的な印象は拭えません。しかし、新曲2曲(「ハンサム過ぎて」と「ただならぬ関係」)が収録されていたり、東京事変ファンに人気の高いバラード曲「落日」が収録されているため、企画物だからと言って、聞かないのはもったいないアルバムです。ちなみに、ジャケットのアニメは、イラストレーターであるNEINの「あき」という人が描いており、ジャケットの女の子は「むてきちゃん」と名前がついています。
娯楽 (バラエティ)
評価: 2.5
2007年発売の3作目のアルバムで、全曲、椎名林檎以外のメンバが作曲(伊澤一葉が1曲、浮雲が7曲、伊澤一葉が5曲を作曲)しているアルバムです。椎名林檎の作った曲と比較すると、残念ながら、奥深さがなく薄っぺらな曲が多くなってしまいました。また、椎名林檎の持つ世界観が無くなってしまっており、アルバム自体、あまり面白みがありません。その中でも、映画「魍魎の匣」のエンディングテーマ曲となった「金魚の箱」、亀田誠治の作曲の「私生活」、シングル・カットされた「キラーチューン」が、良曲であるため、なんとか、このアルバムの面目を保っています。椎名林檎のファンとして、本作を聞くと肩透かしを食らってしまいますので、東京事変の個々のメンバの曲を聴いてみたい人向けのアルバムです。
音楽
評価: 2.7
2021年発売の6作目のアルバムで、東京事変 復活後の最初のアルバムになります。東京事変は、2012年に解散をしましたが、2020年1月1日に、突然、「再生」を発表し、活動を再開しました。椎名林檎は、3曲作曲に携っており、2曲は、椎名林檎のみの作曲、1曲は、浮雲との共作となっています。全体的に、ファンク、ジャズ色が強く、派手な曲が少ない地味な印象を持ちます。しかし、聞けば聞くほど、味が出てくるアルバムで、熟練した東京事変の音楽を聞くことができます。椎名林檎の2019年発売の「三毒史」と同じく、奇数曲に、男性ボーカルを入れている構成となっています(「三毒史」は、偶数曲に、男性ボーカルが参加しています)。東京事変 再生後の最初のアルバムとしては、良作なアルバムです。尚、初回限定版には、3曲入り「赤の同盟」のCDが付属しています。
スポーツ
評価: 2.8
2010年発売の4作目のアルバムで、前作「娯楽 (バラエティ)」には椎名林檎の作曲した曲はありませんでしたが、本作では、4曲作曲に携っています。2曲は、椎名林檎のみの作曲、2曲は、伊澤一葉との共作となっています。前作「娯楽 (バラエティ)」の曲は、椎名林檎が作曲した曲との違いが明確で、あまりにも落差がありすぎましたが、本作では、椎名林檎以外のメンバが作曲した曲も、良曲が増えています。伊澤一葉の作曲のアカペラが美しい「生きる」と、浮雲の作曲のメランコリックな「極まる」が良曲です。椎名林檎が作曲した2曲(江崎グリコのCMで使用された「勝ち戦」と、「能動的三分間」)は、当然素晴らしい曲で、特に、「能動的三分間」は、東京事変初となるチャート首位を獲得しました。椎名林檎のファンが聞いても、納得できるアルバムです。

教育
評価: 3.2
2004年発売の東京事変のデビュー・アルバムで、椎名林檎のアルバム「無罪モラトリアム」や「勝訴ストリップ」のようなロック色の強いアルバムです。H是都Mが作曲した曲が3曲収録されているため、「椎名林檎以外の曲ってどうなのよ?」と最初は懸念を持っていましたが、杞憂に終わりました。特に、デビュー・シングルとなった「群青日和」は、椎名林檎の曲と間違えるくらいに、椎名林檎の色が出ているカッコ良いロックな作品です。椎名林檎の曲は、もちろん素晴らしく、昭和を感じさせる「遭難」、ドラマチックな展開がされる「駅前」、美しいバラード曲「夢のあと」が、特に、おすすめ曲です。尚、オープニング・ナンバーの「林檎の唄」は、椎名林檎のシングル曲「りんごのうた」をロック調のアレンジにし直して再収録しています。

大発見
評価: 3.5
2011年発売の5作目のアルバムで、これまでの東京事変の集大成的なアルバムです。全14曲のうち、椎名林檎の作った曲が3曲、東京事変のメンバとの共作が4曲収録されており、「娯楽 (バラエティ)」や「スポーツ」に比較すると、椎名林檎の曲の比重が多くなっています。本作アルバム発売後、東京事変は、一旦解散してしまうため、東京事変のメンバも、本作を今までのまとめのアルバムとして制作していることが伺えます。パラエティ豊かな作品で、東京事変らしいポップ・ロックな「新しい文明開化」、ヘヴィーな「絶対値対相対値」「禁じられた遊び」、アダルトな雰囲気漂う「かつては男と女」、そして、本作の目玉曲「天国へようこそ」で、圧倒的なフィナーレを迎えます。椎名林檎が意図していたバンドとの一体感が、最も体現できた作品です。

大人(アダルト)
評価: 3.8
2006年発売のセカンド・アルバムで、ロック色の強かった前作「教育」とは異なり、アルバム名の通り、大人の落ち着いたアルバムに仕上がっています。ギターの晝海幹音と、キーボードのH是都Mが、多忙のために、東京事変を脱退し、新たに伊澤一葉と浮雲の2人を迎え入れて制作されました。前作と同様、3曲は、椎名林檎以外のメンバが作曲していますが、椎名林檎の曲に見劣りしなほどの良曲となっています。ロック、ジャズ、ファンク、ボサノヴァなど、色々なジャンルが混じっていますが、混沌とした印象はなく、逆に、まとまりを感じさせてくれるアルバムです。本作では、「化粧直し」「修羅場」「手紙」がおすすめで、曲名も音楽も、大人を感じさせてくれます。
東京事変のメンバ
東京事変は、結成まもなく、キーボードのH是都M と、ギターの晝海幹音の脱退がありましたが、その後は、固定メンバで活動を行なっています。
以下に、東京事変のメンバーを紹介します。
- 椎名林檎(ボーカル、ギター担当):東京事変の中心人物で、ソロ活動でも知れ渡った日本を代表するシンガーソングライターです。椎名林檎のボーカルは、巻き舌と、金切り声のシャウト・ボーカルが独特ですが、東京事変では、この「巻き舌、金切り声」の歌声はほとんどなく、まともな歌声を披露しています。本名は、椎名裕美子と言い、「子供のころは、恥ずかしがり屋で、顔が赤くなっていた」ことや、「ドラマーからバンド活動を開始したため、ビートルズのリンゴ・スターをもじっている」ことが林檎の由来と言われています。
- 浮雲(ギター担当):本名は、長岡亮介と言い、東京事変では、浮雲という名義でクレジットされています。東京事変と並行して、ロック・バンド「ペトロールズ」でリード・ボーカルとギターを担当しています。椎名林檎のアルバムのレコーディングにも参加しています。
- 亀田誠治(ベース担当):日本の音楽プロデューサー・作詞家・作曲家・編曲家・ベーシストであり、数多くのアーティストやアイドル、女優などのプロデュースやアレンジを手掛けている有名な人物です。椎名林檎のアルバムにも、アレンジャーとベーシストとして参加しています。
- 伊澤一葉(キーボード担当):本名は、伊澤啓太郎と言い、東京事変では、伊澤一葉の名義でクレジットされています。東京事変と並行して、ロック・バンド「あっぱ」や「the HIATUS」に、キーボディストとして参加しています。セッション・ミュージシャンとしても活躍しており、柴咲コウ、由紀さおり、aikoなど、有名なアーティストの楽曲に参加しています。
- 刄田綴色(ドラム担当):本名は、畑利樹と言い、東京事変では、刄田綴色という名義でクレジットされています。日本のドラマー、パーカッショニストで、東京事変参加前は、インディーズバンド「scope」の活動や、サポートドラマーとして椎名純平・川口大輔・中島美嘉などのライブやレコーディングに参加していました。東京事変に参加して、メジャーデビューを果たします。
東京事変の音楽
「東京事変は、椎名林檎の作った曲をバンドで演奏しているだけ」と捉えている人もいるかもしれませんが、3rdアルバム以降、東京事変のメンバが多くの曲を作曲し、東京事変のメンバの個性が表れていきます。
各アルバムの初心者向け、中級者向け、上級者向けの分類は、以下の通りです。
- 教育(2004年):初心者向け
- 大人(アダルト)(2006年):初心者向け
- 娯楽 (バラエティ)(2007年):上級者向け
- スポーツ(2010年):中級者向け
- 大発見(2011年):初心者向け
- 深夜枠(2012年):上級者向け
- 音楽(2021年):中級者向け
その他のアルバム
- 東京コレクション
- 2012年発売の東京事変 初のライブ・アルバムです。元々、椎名林檎が「ベスト・アルバム嫌い」でしたが、東京事変の解散を機に、本作のベストライブ・アルバムが制作されました。本作には、新曲「三十二歳の別れ」も収録されています。
- 東京国際フォーラム、Zepp Tokyo、名古屋センチュリーホールなどからのライブ音源であるため、音質にばらつきがありますが、東京事変のベストな選曲がされています。また、椎名林檎の曲「丸ノ内サディスティック」も演奏がされています。
- color bars
- 東京事変解散直後の2012年に発売された東京事変 初のEPで、メンバー全員がそれぞれ作曲した新曲を、1曲ずつ収録した作品です。そのため、椎名林檎が好きな人向けではなく、個々のメンバが好きな人向けの作品です。
- 椎名林檎のボーカル以外に、作曲者自らがボーカルを担当していることが特徴的で、「怪ホラーダスト」では伊澤一葉が、「ほんとのところ」では刄田綴色が、単独でボーカルを担当しています。
- ニュース
- 東京事変 再生後の2020年に発売された2作目のEPで、「color bars」と同様、メンバー全員がそれぞれ作曲した新曲を、1曲ずつ収録した作品です。
- 「color bars」と異なるところは、全曲 椎名林檎がボーカルに関わっていることです。全曲、良曲ですが、伊澤一葉作曲のジャジーな「うるうるうるう」と、椎名林檎作曲の「名探偵コナン 緋色の弾丸」の主題歌にもなった「永遠の不在証明」が、おすすめ曲です。
- 総合
- 2021年発売の東京事変の2枚組ベストアルバムで、シングル曲、EP、アルバムの楽曲から選曲されており、2023年時点でのオールタイム・ベストアルバムです。
- Disc1、Disc2の1曲目には、新曲も収録されており、東京事変のコア・ファンから、東京事変の初心者の人まで楽しめる究極のベスト・アルバムです。
まとめ
最後に、東京事変のランキング結果をまとめます。
順位 | アルバム名 | 点数 |
---|---|---|
1位 | 大人(アダルト) | 3.8 |
2位 | 大発見 | 3.5 |
3位 | 教育 | 3.2 |
4位 | スポーツ | 2.8 |
5位 | 音楽 | 2.7 |
6位 | 娯楽 (バラエティ) | 2.5 |
7位 | 深夜枠 | 2.4 |
今回、東京事変のアルバム・ランキングを行うにあたり、東京事変のアルバムを改めて聴き直したところ、椎名林檎さんの曲以外にも、東京事変のメンバが作った曲も良曲が多いことが、再認識できました。
それは、東京事変のベスト・アルバム「総合」に、東京事変のメンバが作った曲が多く収録されていることからも、分かります。
2020年に、東京事変は再生され、これからも多くの良作を発表していくかと思っていますので、今後も、東京事変の新作が発表される都度、上記のランキングに追加していきたいと思います。
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