Rainbow(レインボー)全アルバム ランキング
前回は、Deep Purple(ディープ・パープル)の全アルバムランキングをしましたので、今回は、リッチー・ブラックモアが、ディープ・パープル脱退後に結成したRainbow(レインボー)の全アルバムランキングをしていきたいと思います。
レインボーは、実質、リッチー・ブラックモアのソロ・プロジェクト的な要素が強く、ディープ・パープルと同様、アルバムごとに、メンバー交代を繰り返してきました。
その中でも、ロニー・ジェイムス・ディオと、コージー・パウエルが参加していた時期が、最強ラインナップで、このメンバで制作したアルバム「虹を翔る覇者」と「バビロンの城門」は、様式美のあるハードロックで、レインボーの中で、最も人気の高いアルバムです。
その後は、メンバ交代を繰り返しながら、アメリカ進出のために、アメリカナイズされたポップなハードロックを展開していくことになります。
そんなレインボーの全スタジオ・アルバムを、ランキングしていきます。
ランキングは、個人的な独断と偏見で評価していますので、世間一般の評価とは異なるかもしれませんが、その点は、ご了承ください。
レインボーのアルバムを聴いてみたいけど、どのアルバムから聴けば良いか分からない方、レインボーのアルバムの評価や、おすすめのアルバムを知りたい方に、役立つ記事になっています。
レインボー アルバムランキング
Stranger in Us All 孤高のストレンジャー

評価: 2.8
1995年発売の8作目のアルバムで、リッチー・ブラックモアが、2度目のディープ・パープルの脱退を機に、レインボーを再結成し、12年ぶりに制作したアルバムです。前作「Bent Out of Shape」から、リッチー・ブラックモア以外は、メンバーが一新されました。1970年代、1980年代のアルバムのような緊迫感は無くなり、ノビノビとした印象を持つアルバムです。全曲無難な出来で、あまり特筆すべき曲はありませんが、唯一「Black Masquerade」が、昔のレインボーらしい様式美があり、おすすめ曲です。不思議なことに、このアルバムは、全米、全英では見向きもされませんでしたが、日本、フィンランド、スウェーデンなどで、好成績を残しました。
Straight Between The Eyes 闇からの一撃

評価: 2.9
1982年発売の6作目のアルバムで、アメリカ進出を狙った売れ路線のサウンドであるためか、一般的に、駄作と言われているアルバムです。レインボーのアルバムの中では、下位の位置付けになってしまいますが、それでも、1曲目「Death Alley Driver」から、失速曲で飛ばしまくっており、決して駄作のアルバムではありません。2曲目「Stone Cold」も、哀愁を帯びたバラード曲で、素晴らしい曲です。全体的に、メロディアスな曲が多い作品です。アメリカ進出への狙い通り、このアルバムは、全米30位と好成績を残しました。
Ritchie Blackmore’s Rainbow 銀嶺の覇者

評価: 3.0
1975年発売のファースト・アルバムで、ロニー・ジェイムス・ディオがいたバンド エルフのメンバと共に制作されたアルバムです。当時、リッチー・ブラックモアが、ディープ・パープルのメンバとの対立によって、ディープ・パープルを脱退し、ソロ名義でレインボーを結成しました。そのため、このアルバムは、アルバム名から分かる通り、リッチー・ブラックモアのソロ・プロジェクト的な要素の強いアルバムです。サウンドは、デイヴィッド・カヴァデールが参加した第3期ディープ・パープルに近く、ブルース・ロック色の強いアルバムです。レインボーのアルバムの中では、あまり人気のないアルバムですが、ディオのボーカルが凄く、オープニング・ナンバーの「Man on the Silver Mountain」から、ディオのボーカルが光っています。
Bent Out Of Shape ストリート・オブ・ドリームス

評価: 3.2
1983年発売の7作目のアルバムで、レインボーのアルバムの中では、最もメロディアスなアルバムです。ハード・ロックさは、かなり薄れていますが、名バラード曲「Can’t Let You Go」「Street of Dreams」が収録されており、この2曲だけでも、聴く価値のあるアルバムです。ジョー・リン・ターナーの歌唱力が最も良く分かるアルバムです。このアルバム発売後、ディープ・パープルが再活動することになり、一旦、レインボーは、解散してしまいます。最後のレインボーのアルバムとしては、上出来のアルバムです。
Difficult to Cure アイ・サレンダー

評価: 3.3
1981年発売の5作目のアルバムで、コジー・パウエルが脱退し、ボーカルが、グラハム・ボネットから、ジョー・リン・ターナーに代わって制作されたアルバムです。前作「Down to Earth」から取り入れたポップ路線を更に進化させ、キャッチーな曲が増えています。シングル・カットされたオープニング・ナンバー「I Surrender」は、哀愁感のあるポップなバラード曲で、レインボーの作品の中では、最も有名な曲です。ポップな曲ばかりではなく、ハード・ロックの疾走曲「Spotlight Kid」や、哀愁漂う泣きのギターが素晴らしいインストゥルメンタル曲「Maybe Next Time」など、聞きどころの多い作品です。ラストは、レインボー流にアレンジされたベートヴェンの第九で締め括られます。

Down to Earth

評価: 3.4
1979年発売の4作目のアルバムで、ボーカルに、グラハム・ボネット、キーボードに、ドン・エイリー、プロデューサーに、ディープ・パープルのロジャー・クローヴァーを迎え入れて制作されたアルバムです。前作「Long Live Rock ‘n’ Roll Rainbow」が、米国チャートでは89位と振るわなかったために、アメリカ進出を図るべく、アメリカナイズされたポップなハード・ロック路線に、サウンドを変化させました。通常、サウンドを一気に変化させると失敗してしまうバンドが多い中、このアルバムは、失敗作にならず、前作までのパワーを持ったままメロディアスさが加わり、一般受けする良作のアルバムに仕上がりました。

Long Live Rock ‘n’ Roll Rainbow バビロンの城門

評価: 3.8
1978年発売の3作目のアルバムで、黄金時代のメンバ(リッチー・ブラックモア、ロニー・ジェイムス・ディオ、コージー・パウエル)で制作された第2弾のアルバムです。前作「Rising」と同様、素晴らしい曲の詰まった傑作アルバムですが、前作とは違って、シンプルなハード・ロック アルバムに仕上がっています。リッチー・ブラックモアの印象的なギターと、歌メロが素晴らしく、特に、「Kill the King」は、スピード感溢れる疾走曲で、レインボーを語る上では外せない名曲です。その他にも、オリエンタルな雰囲気のある「Gates of Babylon」、美しいバラード曲「Rainbow Eyes」など、前作と同様、名曲が多く収録されています。

Rainbow Rising 虹を翔る覇者


評価: 4.2
1976年発売のセカンド・アルバムで、前作「Ritchie Blackmore’s Rainbow」に参加していたエルフのメンバは、ディオ以外、全員解雇され、メンバを一新して制作されたアルバムです。その中でも、ジェフ・ベック・グループにも参加していたことのあるドラマーのコジー・パウエルの加入が、このアルバムを更にパワフルにしました。このアルバムの中では、後半の「Stargazer」と「A Light in the Black」が、ドラマチックな展開がされる壮大な様式美のある曲で、最も聴きどころのある作品です。この2曲以外にも、幻想的な「Tarot Woman」や、哀愁のある「 Run With the Wolf」など、捨て曲のない素晴らしいアルバムで、レインボーのアルバムの中で、最も人気のあるアルバムです。
レインボーのメンバ
レインボーは、ディープ・パープル同様、メンバ変動が激しいバンドであったため、主要のメンバだけ、紹介します。
- リッチー・ブラックモア(ギター担当): レインボーの創始者であり、レインボーの中心人物です。ディープ・パープルのメンバとの確執により、ディープ・パープルを脱退し、レインボーを結成しました。音楽は、ハード・ロックにクラシック要素を取り入れ、様式美の強い曲が多いのが特徴です。レインボー、ディープ・パープル以外にも、ブラックモアズ・ナイトを結成して活動をしています。
- ロニー・ジェイムズ・ディオ(ボーカル担当): 元々は、エルフというバンドに所属していましたが、リッチー・ブラックモアに見出され、「銀嶺の覇者」「虹を翔る覇者」「バビロンの城門」の3枚のアルバムに参加しました。レインボー以外では、ブラック・サバスに一時的に参加していましたが、トラブル・メーカーであることから、レインボーも、ブラック・サバスも追い出される形で、脱退してしまいます。残念ながら、2010年に癌でお亡くなりになりました。
- コジー・パウエル(ドラム担当): ジェフ・ベック・グループ、マイケル・シェンカー・グループ、ホワイト・スネーク、EL&Pなど、多数のバンドを渡り歩いたドラマーで、レインボーのアルバムでは、「虹を翔る覇者」「バビロンの城門」「Down to Earth」に参加しました。ロック・ドラムヒーローの先駆者として知られますが、残念ながら、1998年に自動車事故でお亡くなりになりました。
- ロジャー・グローヴァー(ベース担当、プロデューサー): ディープ・パープルのメンバでもあり、ディープ・パープルでもベースを担当しています。ディープ・パープルでは、第3期ディープ・パープル時代に解雇されてしまいますが、1979年リッチー・ブラックモアの誘いにより、レインボーに加入しました。レインボーでは、プロデューサーとしても活躍しました。
- ジョー・リン・ターナー(ボーカル担当): 元々は、ファンダンゴというバンドに所属し、オールマン・ブラザーズ・バンドや、ビーチ・ボーイズなど、有名なバンドとツアーに回っていたこともありました。リッチー・ブラックモアに見出され、レインボーでは、「Difficult to Cure」「Straight Between the Eyes」「Bent Out of Shape」の3枚のアルバムに参加しました。
レインボーの音楽
レインボーの音楽は、大きく、「様式美の時代」と「アメリカナイズされたポップな時代」に分けられます。
レインボーのアルバムは、ハズレがなく、どのアルバムから聞いても満足できますが、分かりやすいアルバムを聴きたい場合は、「アメリカナイズされたポップな時代」のアルバムをおすすめします。
各時代のアルバムの初心者向け、中級者向け、上級者向けの分類は、以下の通りです。
【様式美のアルバム】
- Ritchie Blackmore’s Rainbow 銀嶺の覇者(1975年):上級者向け
- Rising 虹を翔る覇者(1976年):初心者向け
- Long Live Rock ‘n’ Roll バビロンの城門(1978年):中級者向け
【アメリカナイズされたポップなアルバム】
- Down To Earth(1979年):初心者向け
- Difficult To Cure アイ・サレンダー(1981年):中級者向け
- Straight Between The Eyes 闇からの一撃(1982年):上級者向け
- Bent Out Of Shape ストリート・オブ・ドリームス(1983年):中級者向け
【その他】
- Stranger in Us All 孤高のストレンジャー(1995年):上級者向け
その他のおすすめアルバム
- On Stage
- 1976年12月16日の日本武道館公演とドイツでの公演からピックアップされたライブ・アルバムで、ディープ・パープルの「Made In Japan」に並ぶ、ライブ・アルバムの名盤です。
- ファースト・アルバム「Ritchie Blackmore’s Rainbow」からの選曲が主体ですが、「Kill the King」が、スタジオ・アルバム発売前に先行して演奏されています。ディープ・パープルの曲(「Mistreated」)も演奏しています。
- レインボーのライブでお馴染みの「虹の彼方に」のイントロから、「Kill the King」が始まりますが、その時点で、アドレナリンが出まくり、圧倒されてしまいます。
- Finyl Vinyl
- このアルバムは、シングルのカップリング(B面)曲と、歴代シンガーをフィーチャーしたライブ・テイク曲をまとめたコンピレーション・アルバムです。
- ライブ・テイクのほとんどが、ジョー・リン・ターナーのテイク曲が占めています。各曲スタジオ版よりも迫力があるため、このアルバムを聞くと、レインボーは、ライブ映えするバンドであったことが分かります。
- Catch the Rainbow
- ファースト・アルバム「銀嶺の覇者」から、「Bent Out Of Shape」までの曲を、時代順に収録した2枚組のベスト・アルバムです。
- レインボーの有名曲が網羅され、ベストな選曲がされているため、レインボーの初心者向けのベスト・アルバムです。歴代のボーカリストの歌声を比べながら楽しむことができます。
まとめ
最後に、レインボーのランキング結果をまとめます。
順位 | アルバム名 | 点数 |
---|---|---|
1位 | Rainbow Rising 虹を翔る覇者 | 4.2 |
2位 | Long Live Rock ‘n’ Roll Rainbow バビロンの城門 | 3.8 |
3位 | Down to Earth | 3.4 |
4位 | Difficult to Cure アイ・サレンダー | 3.3 |
5位 | Bent Out Of Shape ストリート・オブ・ドリームス | 3.2 |
6位 | Ritchie Blackmore’s Rainbow 銀嶺の覇者 | 3.0 |
7位 | Straight Between The Eyes 闇からの一撃 | 2.9 |
8位 | Stranger in Us All 孤高のストレンジャー | 2.8 |
レインボーは、リッチー・ブラックモアがディープ・パープルを脱退した後の一時的なサブ・バンドのイメージが強いですが、全アルバム、質が高く、ディープ・パープルのアルバムと比較しても、劣ることはありません。
アルバム数が8枚と、数は少ないですが、どのアルバムも素晴らしいため、上記のランキングを参考に、全アルバムを聞いてもらえればと思います。
次回は、第3期ディープ・パープルのボーカリスト デイヴィッド・カヴァデール率いるホワイトスネイクの全アルバム ランキングをしていきたいと思います。