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ラフマニノフ ピアノ協奏曲の紹介・評価|ラフマニノフのピアノ作品ランキング
クラッシックの作曲家第三弾として、今回から、ラフマニノフのピアノ作品集の紹介・評価をしていきたいと思います。
ラフマニノフは、ピアノ演奏において、優れたヴィルトゥオーソ(楽器演奏において、技巧や能力が名人、達人の域に達した人物)であったため、ラフマニノフ作曲のピアノ作品は、高度なピアノ演奏技術を必要とします。
初めて私が、ラフマニノフの作品を聴いたのは、ピアノ協奏曲第2番でした。
当時、音大に通っている友人が、「ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を、コンサートで聞いてみたい」と言っていたことがあり、そんなに良い曲なのかと興味を持ち、ピアノ協奏曲第2番を聴いてみました。
友人が言っていた通り、この曲は、私の知っているクラシックの曲の中でも、上位に位置する素晴らしい曲でした。
そこからラフマニノフに、はまっていきました。
ちなみに、ラフマニノフのピアノ協奏曲は、映画でも使用されることが多く、ピアノ協奏曲第2番は、古い映画「逢びき」や「旅愁」「七年目の浮気」で、ピアノ協奏曲第3番は、「シャイン」で使用されています。
ラフマニノフは、クラシックの中では、近代に位置付けられますが、作品は、ドビュッシーやラベルなどのように革新的ではなく、保守的な甘美でロマンティックな曲が多いことが特徴です。
そんなラフマニノフの作品を、紹介・評価をしいきたいと思います。
まずは、ピアノ協奏曲(第1番〜第4番)を紹介していきます。
評価点は、個人的な独断と偏見で採点していますので、世間一般の評価と違うところもあるかもしれませんが、その点、ご了承ください。
ラフマニノフの曲を聞いてみたい方、ラフマニノフのピアノ曲の評価や、おすすめの曲を知りたい方に、役立つ記事になっています。
評価結果
評価結果は、以下の通りになりました。
作品 | 評価(10点満点) |
---|---|
ピアノ協奏曲第1番 | 6.33点 |
ピアノ協奏曲第2番 | 9.33点 |
ピアノ協奏曲第3番 | 7.33点 |
ピアノ協奏曲第4番 | 6.00点 |
評価の詳細は、以下の通りです。
評価詳細
ピアノ協奏曲第1番
No | 曲名 | 感想 | 評価点 |
---|---|---|---|
1 | 第1楽章 | 冒頭は、派手なオーケストラとピアノから始まりますが、すぐに落ち着き、美しいオーケストラに変わっていきます。終始、速く激しい技巧的なピアノ演奏が続きます。オーケストラとピアノのバランスがよく、ピアノだけが目立っているわけではなく、オーケストラも、程良くブレンドされています。 | 6点 |
2 | 第2楽章 | 第1楽章とは異なり、終始、静かな演奏で美しい作品です。ピアノ協奏曲第2番 第2楽章に通じるような雰囲気があります。ピアノ中心の曲ですが、オーケストラが入ってくるタイミングが良く、オーケストラの音が、ピアノの演奏を引立たせてくれています。 | 6点 |
3 | 第3楽章 | 冒頭は、第1楽章以上に、オーケストラとピアノの演奏が派手で、軍隊行進曲のような雰囲気があります。ピアノは、高速で目まぐるしく演奏されますが、中間部では、ゆったりとして、オーケストラとピアノの美しさが出てきます。末尾は、オーケストラとピアノの激しさが戻って、終了していきます。 | 7点 |
平均点 | 6.3点 |
ラフマニノフがモスクワ音楽院在学中に、卒業試験のために書いた作品です。そのためか、後に、大幅に改訂され、現在の姿になっています。
ラフマニノフのピアノ協奏曲は第2番と第3番が有名すぎて、第1番はマイナーなイメージがありますが、有名にならないのが不思議なくらい傑作な作品です。ラフマニノフは、この曲を好んでいなかったため、有名にならなかったのかもしれません。
ピアノ協奏曲第2番
No | 曲名 | 感想 | 評価点 |
---|---|---|---|
1 | 第1楽章 | 暗くゆったりとした男らしいオーケストラに、ピアノが絡んでくる冒頭から、聞き手を魅了させます。中間部は、ピアノが美しくも激しく、それに呼応して、オーケストラが盛り上げてきます。格別なメロディで、ラフマニノフの曲の素晴らしさが集約されています。 | 10点 |
2 | 第2楽章 | ピアノ協奏曲第2番は、ラフマニノフの曲の中でも有名な作品ですが、この第2楽章は、映画などでも使用されているため、特に有名な作品です。この曲の美しさは、恋愛映画で使用したくなるほどのロマンチックさがあります。冒頭のピアノとそれに絡んでくるオーケストラの美しさは、感動を与えてくれます。 | 10点 |
3 | 第3楽章 | 祭りをイメージしてしまうような華やかなオーケストラから始まります。第1楽章、第2楽章に比較すると、マイナーな曲で、美しさは薄れますが、ラストに一瞬表れる甘美的なオーケストラのメロディが印象に残ります。 | 8点 |
平均点 | 9.3点 |
映画、ドラマ、フィギアスケートなどに使用されることの多い作品で、ラフマニノフの曲の中では最も有名な作品です。
なぜ、映画やドラマなどで使用したくなるのかは、一聴してみれば、納得できるかと思います。特に、第2楽章は筆舌に尽くし難い美しさがあります。
ピアノ協奏曲第3番
No | 曲名 | 感想 | 評価 |
---|---|---|---|
1 | 第1楽章 | オーケストラの短い前奏に乗って、第1主題のピアノが演奏されます。この第一主題は、激しいピアノの中にも、哀愁を帯びていています。その後、美しい単独のオーケストラが演奏され、第2主題のピアノが演奏されていきます。ラフマニノフのピアノ協奏曲の楽章の中では、最も長い曲で、15分程の演奏時間になります。 | 8点 |
2 | 第2楽章 | ピアノ協奏曲第1番、第2番と同様、この第2楽章は、終始、静かな演奏で美しい曲です。最初は、ピアノの演奏はなく、オーケストラだけが、静かに演奏されます。中間部では、迫力のあるオーケストラと、力強くも美しいピアノが演奏されていきます。ピアノとオーケストラの盛り上がりが素晴らしい曲です。 | 7点 |
3 | 第3楽章 | 冒頭は、激しい行進曲風のオーケストラとピアノから始まります。第2主題から、ピアノの複雑なメロディが、目まぐるしく展開していき、末尾は、オーケストラとピアノの激しい演奏で終了します。ピアノの演奏技術の高い曲です。 | 7点 |
平均点 | 7.3点 |
ラフマニノフのピアノ協奏曲の中では、最も、ピアノの演奏技術が必要とされている作品であり、激情なピアノ演奏が展開されます。
オーストラリアのピアニスト デイヴィッド・ヘルフゴットの半生を描いた映画「シャイン」で、このピアノ協奏曲第3番が演奏されており、演奏終了後、デイヴィッド・ヘルフゴットは、精神に異常をきたし、失神してしまいます。それだけ、ピアノ協奏曲第3番のピアノは尋常ではない難しさを持っているのだと思います。
ピアノ協奏曲第4番
No | 曲名 | 感想 | 評価 |
---|---|---|---|
1 | 第1楽章 | 行進曲のような壮大で迫力のあるオーケストラと高速なピアノから始まります。この曲は、近代クラシックの要素が入ってきて、分かりづらいメロディが増えたように思えます。そのため、近代クラシックに慣れていない人には、困惑するかもしれません。この曲も、ピアノ演奏技術の高い曲です。 | 7点 |
2 | 第2楽章 | 静かなピアノとオーケストラから始まるのは、ピアノ協奏曲第1番〜第3番の第2楽章と同様ですが、中間部では、唐突とオーケストラとピアノの激しい演奏が入ってきます。曲構成も、複雑化しています。 | 6点 |
3 | 第3楽章 | オーケストラとピアノの激しい始まりから、目まぐるしく曲が展開されていきます。そのため、第1楽章、第2楽章以上に、理解が難しい曲です。末尾の迫力のあるオーケストラとピアノが、印象的な作品です。 | 5点 |
平均点 | 6.0点 |
この作品は、スクリャービンやジャズの影響を受けているようで、ピアノ協奏曲第1番〜第3番とは作風が異なり、あまり評価は高くありません。ラフマニノフ自身も、納得していない作品で、何回か大幅な改訂がされています。
近代クラッシックの要素を持っているため、今までのラフマニノフの美しいメロディーを期待して聞くと、肩透かしを食らいます。複雑な曲構成で、分かりづらいメロディが多い作品ではありますが、個人的には、世間一般に言われているほど悪い作品とは感じず、所々に、ラフマニノフらしいメロディを持っています。
まとめ
ラフマニノフのピアノ協奏曲1番〜4番を紹介・評価してきました。
ラフマニノフのピアノ協奏曲は、チャイコフスキーの形式を追っており、1900年台初頭の時代においては、時代錯誤しているとの批判もあります。
しかし、いつの時代に作られた曲かは関係なく、楽曲自体は、とても素晴らしい作品です。
特に、ピアノ協奏曲第2番は、クラシック音楽を知る上では、聞いておかなければならない名曲だと思っています。
次回は、ラフマニノフのピアノ協奏曲「パガニーニの主題による狂詩曲」や「連弾曲」を、紹介・評価していきたいと思います。
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