Empire

評価: 3.5
1990年に発売された4作目のアルバムで、クイーンズライクのアルバムの中でも最も売れた作品です。
前作「オペレーション:マインドクライム」が壮大なコンセプト・アルバムであったのに対し、本作はシンプルな小作品の楽曲で構成されています。
そのため、ヘビーメタルやプログレッシブ・ロックの大作が苦手な人でも、問題なく聴くことができます。
一方で、小曲の寄せ集めのような印象もあり、アルバム全体としてのまとまりは薄いと感じられます。
それでも、「Jet City Woman」「Empire」「Silent Lucidity」の3曲はクイーンズライク屈指の名曲で、特に名バラード「Silent Lucidity」はシングルカットされ、全米チャート9位を記録しました。
クイーンズライク初心者にも最適なアルバムです。
Operation: Mindcrime II

評価: 3.6
2006年に発売された9作目のアルバムで、名盤「オペレーション:マインドクライム」の続編にあたるコンセプト・アルバムです。
物語は、主人公ニッキーが18年の刑期を終えたところから始まり、ドクターXへの復讐を描く内容となっています。
「オペレーション:マインドクライム」が非常に高く評価されていたため、続編の制作にはクイーンズライクのメンバーから反対がありましたが、ジェフ・テイトが強引に押し切り、本作を発表しました。
結果として、「オペレーション:マインドクライム」を超える作品にはなりませんでしたが、ここ数年のグランジ色の強かったアルバムと比べると、十分に満足できる内容です。
特に8曲目から11曲目にかけて描かれるニッキーとドクターXの対決シーンは、「オペレーション:マインドクライム」に劣らない迫力があります。
ドクターX役はロニー・ジェイムズ・ディオが担当しており、10曲目「The Chase」ではジェフ・テイトとディオの共演は、鳥肌が立つほどのカッコ良さを楽しめます。
本作は、久々に全米チャートで高順位を記録しました。

Promised Land

評価: 3.7
1994年に発売された5作目のアルバムで、ヘビーメタルの要素は減少し、新たなクイーンズライクの一面を感じさせる作品です。
当時、グランジが世の中を席巻していたこともあり、グランジの影響を感じさせる楽曲も収録されています。
発売当時は評論家から酷評されましたが、「オペレーション:マインドクライム」とは異なるプログレッシブな魅力があり、音質も向上しており、今では傑作と評価できるアルバムです。
全体的にダークでシリアスな作風であり、ジェフ・テイトのボーカルも抑え気味のため派手さはありませんが、大人の深みを感じさせる作品となっています。
全米チャートでは初登場3位と、クイーンズライクのアルバムの中で最高順位を記録しました。

Rage for Order 炎の伝説

評価: 3.8
1986年に発売されたセカンド・アルバムで、プログレッシブ・メタルを確立した作品です。
次作「オペレーション:マインドクライム」が名盤であるため、本作はクイーンズライクのアルバムの中では地味な印象を受けます。
しかし、その地味さとは裏腹に完成度は高く、「オペレーション:マインドクライム」の前哨戦のような位置づけのアルバムです。
随所でシンセサイザーを使用し、複雑な構成の曲が増えたことから、最初はとっつきにくさを感じるかもしれませんが、聴き込むほどにジワジワと良さが分かるスルメ盤です。
当時のクイーンズライクのメンバーのルックスはヴィジュアル系バンドのようであり、本作もそのルックスに負けない、メロディアスさを備えています。

Operation: Mindcrime


評価: 4.9
1988年に発売された3作目のアルバムで、クイーンズライクの最高傑作にして、ヘビーメタル界に燦然と輝く名盤です。
RUSHの作品で知られるピーター・コリンズがプロデュースを担当しています。
本作は、当時の腐敗した社会に幻滅したニッキーが、政治指導者の暗殺者として革命グループに関わることになるという物語をテーマにしたコンセプト・アルバムであり、ロック・オペラです。
前作「Rage for Order」がややとっつきにくいスルメ盤だったのに対し、本作は一撃必殺の作品で、1回聴いただけでも名盤であることが分かります。
一曲一曲が名曲で、映画のように壮大でドラマティックな展開が続きます。
イントロのSEからラストの「Eyes of a Stranger」まで、ダレることなく一気に聴かせる、まさに究極のアルバムです。
その他のアルバム
- Queensrÿche Expanded Edition
- 1983年に自主制作した4曲入りのEPに、1984年8月5日東京 日本青年館で行われたライブを10曲加えたアルバムです。
- EPの4曲は自主制作のため、音はよくありませんが、新人とは思えぬ迫力のあるボーカルと演奏が収められています。自主制作にも関わらず、異例の売上を記録し、クイーンズライクのメジャーデビューのきっかけを作りました。
- この時代のクイーンズライクは、アイアン・メイデンやジューダス・プリーストを意識した正統派のヘビーメタルを展開しており、ジェフ・テイトのボーカルは、ロブ・ハルフォード顔負けのハイトーン・ボーカルを披露しています。
- Frequency Unknown
- クイーンズライクのボーカルであるジェフ・テイトが、クイーンズライクのメンバーと対立し、2012年に、クイーンズライクから解雇されました。本作は、解雇直後にジェフ・テイト主導のバンドが、クイーンズライクの名前を使用して発表したアルバムです。
- トッド・ラ・トゥーレをボーカルに迎え入れた新生クイーンズライクは、ヘビーメタルに回帰しましたが、ジェフ・テイトのクイーンズライクは、「Q2K」や「トライブ」の流れをくむグランジのサウンドを維持しています。
- Operation: Livecrime
- 本作は、1991年5月に、ミルウォーキーのマディソンとウィスコンシン州ラクロスの「エンパイア」ツアーの模様を収録したライブ・アルバムです。
- クイーンズライクの名盤「オペレーション:マインドクライム」の全曲を再現しており、ミュージカルや映画を見ているようなドラマチックな演奏が披露されています。
- 演奏もボーカルも、スタジオ・アルバムと遜色のない出来で、一気にエンディングまで聴くことができます。
- Live Evolution
- ワシントン州シアトルのムーア劇場で行われた2001年7月27日と28日のライブを収録したアルバムです。Dsic1の前半は、自主制作EP(Queensrÿche)、1stアルバム、2ndアルバムといった古いアルバムからの選曲が多く、ヘビーメタルのクイーンズライクを聴くことができます。
- 全体的に、「オペレーション:マインドクライム」からの選曲が多く、「Promised Land」からの選曲が少ないのは、残念なことでした。
- The Art of Live
- 「トライブ」発売後の2003年のツアーを収録したライブ・アルバムです。本作は、CDとDVDで発売され、DVDには、ドリーム シアターと共演した曲(ピンク・フロイドの「Comfortably」とサ・フーの「Won’t Get Fooled Again」)が収録されています。
- 前半は、「トライブ」からの選曲が多く、後半は、「エンパイア」と「オペレーション:マインドクライム」からの選曲が多いため、グランジのクイーンズライクとプログレッシブ・メタルのクイーンズライクの両方を楽しむことができます。
- Mindcrime at the Moore
- 2006年10月にシアトルのムーアシアターで行われたクイーンズライクの「オペレーション: マインドクライム II」ツアーの模様を収録したライブ・アルバムです。
- 「オペレーション: マインドクライム」と「オペレーション: マインドクライム II」の全曲が再現されており、スタジオ・アルバムよりも迫力のあるアレンジが施されています。
- 役者を使った演出がされており、メタル・ミュージカルと言えるライブとなっています。DVDも発売されていますので、映像で見ることもおすすめします。
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クイーンズライクのメンバー
クイーンズライクは、ジェフ・テイト、マイケル・ウィルトン、クリス・デガーモ、エディ・ジャクソン、スコット・ロッケンフィールドの5名で結成されました。
しかし、クイーンズライクはメンバー間の対立により入れ替わりが激しく、現在はマイケル・ウィルトンとエディ・ジャクソンの2名しかオリジナル・メンバーは残っていません。
以下に、クイーンズライクのオリジナル・メンバーを紹介します。
- ジェフ・テイト(ボーカル担当):
クイーンズライクの最重要人物で、凄まじいハイ・トーン ボーカルを得意とする凄腕のボーカリストです。
ワンマンの性格なのか、メンバーの意見を聞かずにアルバムを制作することもあり、クイーンズライクのメンバーと対立し、2012年に、クイーンズライクから解雇されてしまいました。
解雇を不服として裁判沙汰となり、バンドの使用権をめぐって、一時期、ジェフ・テイト主導のクイーンズライクと、その他のメンバーのクイーンズライクが2つ存在していた時期がありました。
その後、バンド名をクイーンズライクからオペレーション・マインドに変更し、アルバムを数枚発表しています。
- クリス・デガーモ(ギター担当):
クイーンズライクには、1980年〜1998年まで在籍しました。
クイーンズライク脱退後も、一時的に、クイーンズライクのアルバムに参加しました。
クイーンズライクの脱退理由は、「クイーンズライク以外の音楽の追求を行いたい」というものでした。
クイーンズライクでは、多くの曲を提供しており、特に「オペレーション:マインドクライム」の収録曲「I Don’t Believe in Love」では、グラミー賞の最優秀メタル・パフォーマンス賞にノミネートされました。
クイーンズライク脱退後はパイロットに転向しますが、音楽の仕事ではアリス・イン・チェインズのアルバムに参加したこともありました。
- マイケル・ウィルトン(ギター担当):
現在でも、クイーンズライクに在籍し活躍しています。
ギターを鞭打つように弾くために、ウィップ(鞭打つ)というニックネームが付いています。
クリス・デガーモがいた時代は、リズムギターの演奏をしていましたが、クリス・デガーモ脱退後は、クリス・デガーモのギターソロを引き継ぎ、ライブでギターソロを演奏するようになりました。
クイーンズライク以外では、アリス・イン・チェインズのメンバーなどとサイド・バンドを組んで、数枚アルバムを発表しています。
- エディ・ジャクソン(ベース担当):
現在でも、クイーンズライクに在籍し活躍しています。
ベースの演奏は指で弾くことが通常ですが、クイーンズライクのスタジオ・アルバムでは、ピックを使って演奏することが多くあります。
アルバムのジャケットや、ライナーノーツにいたずら書きをすることでも知られています。
- スコット・ロッケンフィールド(ドラム担当):
クイーンズライクのメンバーの中では、最もクイーンズライク以外の活動が多い人物です。
クイーンズライク以外では、サイド・バンド「スレイヴ・トゥ・ザ・システム」やソロ、起業家など、幅広く活動を行なっています。
クイーンズライクでは、2017年に息子が誕生したことに伴い活動を休止し、そのまま休止状態が続いています。
クイーンズライクの音楽
クイーンズライクのアルバムは、大きく、ヘビー・メタル、プログレッシブ・メタル、グランジに分けることができます。
グランジのアルバムは、世間一般的に評判が悪いため、クイーンズライクの初心者の人には、プログレッシブ・メタルのアルバムから聴き始めることをおすすめします。
それぞれの区分けしたアルバムの初心者向け、中級者向け、上級者向けの分類は、以下の通りです。
【ヘビー・メタルのアルバム】
- The Warning(1984年):中級者向け
- Rage for Order 炎の伝説(1986年):初心者向け
- Take Cover(2007年):中級者向け
- Queensrÿche(2013年):中級者向け
- Condition Hüman(2015年):中級者向け
- The Verdict 評決(2019年):中級者向け
- Digital Noise Alliance(2022年):中級者向け
【プログレッシブ・メタルのアルバム】
- Operation: Mindcrime(1988年):初心者向け
- Empire(1990年):初心者向け
- Promised Land(1994年):上級者向け
- Operation: Mindcrime II(2006年):初心者向け
【グランジのアルバム】
- Hear in the Now Frontier(1997年):上級者向け
- Q2K(1999年):上級者向け
- Tribe(2003年):中級者向け
- American Soldier(2009年):中級者向け
- Dedicated to Chaos(2011年):上級者向け
まとめ
最後に、クイーンズライクのランキング結果をまとめます。
| 順位 | アルバム名 | 点数 |
|---|---|---|
| 1位 | Operation: Mindcrime | 4.9 |
| 2位 | Rage for Order 炎の伝説 | 3.8 |
| 3位 | Promised Land | 3.7 |
| 4位 | Operation: Mindcrime II | 3.6 |
| 5位 | Empire | 3.5 |
| 6位 | The Verdict 評決 | 3.4 |
| 7位 | Condition Hüman | 3.3 |
| 8位 | Queensrÿche | 3.2 |
| 9位 | The Warning | 3.1 |
| 10位 | Digital Noise Alliance | 3.0 |
| 11位 | American Soldier | 2.9 |
| 12位 | Take Cover | 2.8 |
| 13位 | Tribe | 2.7 |
| 14位 | Hear in the Now Frontier | 2.5 |
| 15位 | Q2K | 2.4 |
| 16位 | Dedicated to Chaos | 2.0 |
「オペレーション:マインドクライム」がダントツの1位となりました。
クイーンズライクと言えば、「オペレーション:マインドクライム」を思い浮かべるくらいに、クイーンズライクの代名詞となっています。
その他のアルバムは、「オペレーション:マインドクライム」がずば抜けているために、地味な印象があります。
しかし、その他のアルバムも良作が多いため、上記のランキングを参考に、多くのクイーンズライクのアルバムを聴いてもらえればと思います。
次回は、スウェーデン出身のプログレッシブ・メタル・バンド、ペイン・オヴ・サルヴェイションの全アルバム・ランキングを行っていきたいと思います。
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