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Paul McCartney(ポール・マッカートニー)全アルバム ランキング
前回は、Carole King(キャロル・キング)の全アルバム ランキングをしましたので、
今回は、ロック界のレジェンド第16弾として、Paul McCartney(ポール・マッカートニー)の全アルバム ランキングをしていきたいと思います。
ポール・マッカートニーは、ご存知の通り、ビートルズの中心人物で、ジョン・レノンと共に、多くの優れた楽曲を世に送り出しました。
ビートルズ解散後は、ソロ活動とともに、妻リンダ・マッカートニーと元ムーディー・ブルースのデニー・レインの3人を中心にウィングスを結成し、多くの名作を発表しました。
1980年初頭に、ウィングスが解散した後は、定期的にソロ・アルバムを発表し、現在でも、精力的に活動を行なっています。
これまでに制作した楽曲は、500曲以上あり、ギネス世界記録に「ポピュラー音楽史上最も成功した作曲家」として掲載されています。
そんなポール・マッカートニーの名盤の紹介や評価をしていきたいと思います。
ランキングは、個人的な独断と偏見で評価していますので、世間一般の評価とは異なるかもしれませんが、その点は、ご了承ください。
ポール・マッカートニーのアルバムを聴いてみたいけど、どのアルバムから聴けば良いか分からない方、
ポール・マッカートニーのアルバムの評価や、名盤、おすすめのアルバムを知りたい方に、役立つ記事になっています。
評価点の基準
評価点の基準は、以下の通りです。
評価点 | 基準 |
---|---|
1.0 〜 2.0 | 駄作のアルバム |
2.0 〜 3.0 | 普通のアルバム |
3.0 〜 4.0 | 良作のアルバム |
4.0 〜 4.5 | 最高傑作のアルバム |
4.5 〜 | 歴史的名盤 |
ポール・マッカートニー アルバムランキング
Press To Play
評価: 2.3
1986年発売のポール・マッカートニーの6作目のソロ・アルバムで、ポール・マッカートニーの音楽の転換点となったアルバムです。
1984年に発売されたサウンドトラック「ヤァ!ブロード・ストリート」が、失敗作であったため、ポール・マッカートニーは、新たな音楽性を見出すために、ポリスやフィル・コリンズなどのプロデューサーで有名なヒュー・パジャムを起用して、本作を制作しました。
収録曲13曲中8曲が、10CCのギタリストのエリック・スチュワートとの共作となっているため、ポール・マッカートニーのメロディー・メーカーの才能が影を潜め、魅力的な曲は、ほとんど収録されていません。
唯一、「オンリー・ラヴ・リメインズ」ぐらいが、美しいバラード曲で、印象に残る曲です。
全英チャート8位、全米チャート30位と、ポール・マッカートニーのアルバムの中で、最も売れなかったアルバムとなりました。
McCartney
評価: 2.4
1970年発売のポール・マッカートニー初のソロ・アルバムです。
ビートルズ脱退後、わずか1週間で本作を発表しており、ビートルズ脱退の反響の効果により、全米チャート1位を記録しました。
これに対し、ジョン・レノンは、「グループからの脱退宣言をアルバムの宣伝に利用した」と非難しました。
そのような事情からか、本作からシングル・カットされた曲はなく、また、ポール・マッカートニーの有名曲は「Maybe I’m Amazed」ぐらいしかないために、ポール・マッカートニーのアルバムの中では、地味な印象を受けます。
全体的に、アコースティックの曲が多く、ポール・マッカートニーは全ての楽器を演奏するマルチ・プレーヤーぶりを発揮しています。
McCartney II
評価: 2.5
1980年発売のポール・マッカートニーの3作目のソロ・アルバムで、ポール・マッカートニーらしくないテクノを取り入れたアルバムです。
1980年に、ポール・マッカートニーは、ウィングスの来日公演を行う予定でしたが、成田空港の税関でドラッグ不法所持で逮捕され、その後、ウィングスは解散することになりました。
本作は、ウィングス解散後の初めてのポール・マッカートニーのアルバムで、1stアルバム「McCartney」と同様、ポール・マッカートニーが殆どの楽器を一人で演奏しています。
本作の注目曲は、「カミング・アップ」と「フローズン・ジャップ」で、「カミング・アップ」は、先行シングルとして発売され、全英チャート2位を記録するヒットになりました。
「フローズン・ジャップ」は、YMOの影響を感じさせる曲で、日本の蔑称として使われる言葉「ジャップ」を曲名に使用していることから、
日本で逮捕されたことを恨んで制作されたのではないかと言われていました。(実際は、ポール・マッカートニーはそのような意図はなかったようです。)
全体的に、実験色が強く、ポール・マッカートニーの優しいメロディアスな曲を期待して聞くと、肩透かしを食らいます。
Wild Life
評価: 2.6
1971年発売のウィングスのファースト・アルバムです。
ポール・マッカートニーは、ビートルズ解散後、「McCartney」と「RAM」の2枚のソロ・アルバムを発表しましたが、音楽評論家からは評判が良くありませんでした。
以前からバンドで活動を行いたかったポール・マッカートニーは、この機に、妻リンダ・マッカートニーと、元ムーディー・ブルースのデニー・レインと共に、ウィングスを結成しました。
本作は、3日間で録音を完成させていることから、一発録りの曲が半数を占め、荒削りな仕上がりとなっています。
また、独自性をアピールした曲が多く、実験色の強い作品になっています。
ウィングスのアルバムの中では、地味な部類に属しますが、クセになる曲が多く、このサウンドにハマってしまうと抜けられなくなる中毒性があります。
Off the Ground
評価: 2.65
1993年発売のポール・マッカートニーの8作目のソロ・アルバムで、前作「Flowers in the Dirt」の続編にあたるアルバムです。
本作の一部の曲は、「Flowers in the Dirt」に収録できなかったアウトテイクのもので、エルヴィス・コステロとの共作曲が含まれています。
ポール・マッカートニーは、「Flowers in the Dirt」発売後、大規模なワールド・ツアーを実施し、ビートルズ解散後、初の来日公演を行いました。
本作は、その時のツアー・バンドのメンバーで制作され、基本的に一発録りがされており、ライブ感覚のバンド・サウンドになっています。
本作から「オフ・ザ・グラウンド」と「カモン・ピープル」がシングル・カットされましたが、共にヒットしませんでした。
しかし、アルバム自体は、統一感があるため、アルバム全体として聞いてもらいたい作品です。
RAM
評価: 2.7
ポール・マッカートニー&リンダ・マッカートニー名義で発売された1971年発売の2作目のソロ・アルバムです。
前作「McCartney」では、ポール・マッカートニーが、1人で楽器演奏を行なっていましたが、本作では、外部のミュージシャンが多数参加しています。
そのため、様々な楽器が使用され、サウンドの重圧が増しています。
ポール・マッカートニーのボーカルも、「Too Many People」のようなソフトで優しい歌声から、「Monkberry Moon Delight」での地声まで、幅広い声域を聞くことができます。
本作から、「Uncle Albert/Admiral Halsey」がシングル・カットされヒットしました。
ビートルズのように、一聴してすぐに良さが分かる曲は少なく、何度も聴いていくうちに、良さが分かってくるスルメ的なアルバムです。
London Town
評価: 2.75
1978年発売のウィングスの6枚目のアルバムで、デニー・レインの曲が5曲収録されており、デニー・レイン色の強いアルバムです。
デニー・レインの曲は優れているものの、メロディー・メーカーであるポール・マッカートニーの曲と比較すると、地味に感じます。
本作から、「しあわせの予感(With a Little Luck)」「別れの時(With a Little Luck)」「たそがれのロンドン・タウン(London Town)」がシングル・カットされ、
ポール・マッカートニーらしい優しいバラード曲「しあわせの予感」が、全米チャート1位を記録しました。
私的には、「ガールフレンド」がおすすめ曲で、この曲は、後のアルバム「パイプス・オブ・ピース」の収録曲「ソー・バッド」の原型を感じます。
Red Rose Speedway
評価: 2.8
1973年発売のウィングスのセカンド・アルバムです。
前作ウィングスの1stアルバムが、個性を出しすぎてしまったためか、音楽評論家から酷評を受け、売上もイマイチの結果でした。
そのため、本作は、ポール・マッカートニーの名を付けた「ポール・マッカートニー&ウイングス」で発売され、レコーディングも半年をかけ、気合いの入った作品となりました。
本作の目玉曲は、ポール・マッカートニーの妻リンダに向けたラブ・ソング「マイ・ラブ」で、
この曲は、シングル・カットされ、全米チャート4週連続1位を記録する大ヒットになりました。
ポール・マッカートニーの多数のバラード曲の中でも屈指の名曲です。
ラスト4曲は、ビートルズの「アビイ・ロード」と同様、未完成の短い曲をつないだメドレー形式で作られています。
Memory Almost Full 追憶の彼方に〜メモリー・オールモスト・フル
評価: 2.85
2007年発売のポール・マッカートニーの12作目のソロ・アルバムで、世界的コーヒー・チェーン「スターバックス・エンターテイメント」のレーベル「ヒア・ミュージック」に移籍後初のアルバムです。
アルバム名の通り、多くの曲は、ポール・マッカートニーの「子供の頃の思い出」「リバプールの思い出」「そして過ぎ去った夏の思い出」など、回想的なもので、記憶を頼りに描かれています。
前作「Chaos and Creation in the Backyard」は、歳相応の落ち着いたアルバムでしたが、本作は、明るいポップな曲が多く、前作よりも若返った印象を受けます。
そのためか、売上も好調で、全米チャート3位、全英チャート5位を記録しました。
NEW
評価: 2.9
2013年発売のポール・マッカートニーの13作目のソロ・アルバムで、4名の若手プロデューサーを起用して制作されたアルバムです。
この4名の若手プロデューサーの中に、ジャイルズ・マーティンがおり、この方は、ビートルズのほぼ全作品のプロデューサーを務め「5人目のビートルズ」と呼ばれたジョージ・マーティンの息子です。
本作のオープニング・ナンバー「Save Us」が、ハードロックの曲であるため、もしかしたら、ハードロック路線のアルバムかと勘ぐりましたが、
オープニング・ナンバー以外は、いつものポール・マッカートニーの音楽でした。
本作の収録曲の中には、ポール・マッカートニーの自伝的な曲が含まれており、有名になる前の過去を描いた「On My Way to Work」や、
ジョン・レノンと過ごした過去を回想した「Early Days」などがあります。
前作「Memory Almost Full」と同様、本作も売上が好調で、全米チャート、全英チャートともに3位を記録しました。
Wings at the Speed of Sound
評価: 3.0
1976年発売のウィングスの5枚目のアルバムです。
過去のウィングスの4枚のアルバムのほとんどの曲は、ポール・マッカートニーが、リード・ボーカルを担当していましたが、
本作は、バンド・メンバー(デニー・レイン、ジミー・マカロック、ジョー・イングリッシュ、リンダ・マッカートニー)が、アルバム収録曲のうち5曲、リード・ボーカルを担当しています。
ウィングスは、ポール・マッカートニーのワンマン・バンドではないことを示そうとしたことが伺われますが、
残念ながら、バンド・メンバーのリード・ボーカルの曲は地味で、ポール・マッカートニーの歌声には敵わないことが分かります。
本作の中では、シングル・カットされた「幸せのノック(Let ‘Em In)」と「心のラヴ・ソング(Silly Love Songs)」が、ウィングスの代表曲であり、秀逸曲です。
本作は、全米チャート7週間1位を記録し、ポール・マッカートニーのアルバムの中で、最も1位を記録したアルバムとなりました。
Egypt Station
評価: 3.1
2018年発売のポール・マッカートニーの14作目のソロ・アルバムで、「Opening Station」で始まり「Station II」で終わることからも分かる通り、駅にまつわるコンセプト・アルバムです。
前々作「Memory Almost Full」と前作「NEW」が、明るく若返ったアルバムでしたが、今作は、熟練した歳相応のサウンドに戻っています。
かと言って、「Chaos and Creation in the Backyard」ほど内省的にならず、聞きやすさがあります。
ポール・マッカートニー初の全米チャート初登場1位を記録し、全英チャートでは3位を記録しました。
尚、本作のジャケットの絵は、ポール・マッカートニーが描いています。
音楽も絵も、76歳にして、このクォリティの高さは、天才としか言いようがありません。
次は、10位 → 1位 です。
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