Nirvana(ニルヴァーナ)全アルバム ランキング
前回は、Queen(クイーン)の全アルバム ランキングをしましたので、今回から、グランジのバンドの紹介・評価をしていきたいと思います。
まずは、グランジの先駆者として知られているNirvana(ニルヴァーナ)の全アルバム ランキングをしていきます。
グランジとは、ロックのジャンルの1つで、1989年頃からアメリカ・シアトルを中心に勃発したオルタナティヴ・ロックの一つです。
パンクやハード・ロックを組み合わせたような荒々しいサウンドが特徴です。
ニルヴァーナは、1991年に発表したアルバム「ネヴァーマインド」の収録曲である「Smells Like Teen Spirit」を大ヒットさせ、グランジの最盛期を作り上げました。
しかし、ニルヴァーナの中心人物であったカート・コバーンが1994年に自殺してしまい、ニルヴァーナは解散、グランジも、それに合わせて衰退していきます。
そのため、グランジというジャンルは、ニルヴァーナを中心に、歩んでいったとも言えます。
ニルヴァーナの活動時期が、1987年から1994年と短い期間であったため、オリジナル・アルバムは、3枚しかありません。
今回は、この3枚のアルバム以外に、未発表曲・別テイク集のコンピレーション・アルバムも加え、ランキングしていきたいと思います。
ランキングは、個人的な独断と偏見で評価していますので、世間一般の評価とは異なるかもしれませんが、その点は、ご了承ください。
ニルヴァーナのアルバムを聴いてみたいけど、どのアルバムから聴けば良いか分からない方、ニルヴァーナのアルバムの評価や、おすすめのアルバムを知りたい方に、役立つ記事になっています。
ニルヴァーナ アルバムランキング
Incesticide

評価: 3.0
1992年発売のインディーズ時代のシングル、B面曲、未発表曲やカバー曲などを集めたコンピレーション・アルバムです。そのため、アルバム全体としての統一感はありませんが、パンキッシュな曲、ヘビーな曲、ポップで聞きやすい曲などが、ごった煮されており、バラエティー豊かなアルバムです。1曲1曲のクォリティーが高く、特に、ヘビーなギターから始まるオープニング・ナンバー「Dive」や、シングル曲にもなったパンキッシュな「Sliver」、唸るベースとカッティング・ギターが印象的な「Hairspray Queen」など、カッコ良い曲が詰まっています。ちなみに、印象的なアルバム・ジャケットは、カート・コバーンがデザインしたものです。ニルヴァーナを知る上では、外せないアルバムです。

Bleach

評価: 3.2
インディーレーベル「サブ・ポップ」から発売された1989年発売のニルヴァーナのファースト・アルバムで、製作費用は約600ドル、たったの3日間で制作されたアルバムです。それにも関わらず、どの曲も完成度が高く、既に、ニルヴァーナらしさが出ています。ニルヴァーナのアルバムの中では、最もダークでヘビーな作品ですが、カート・コバーンが、当時つきあっていた彼女に送った「About a Girl」のような聞きやすいポップな曲も収録されています。尚、後にフー・ファイターズを結成するデイヴ・グロールは、このアルバム制作時は、正式メンバではなく、サポート・ドラマーであったため、数曲しか参加していません。

In Utero

評価: 3.6
1993年発売の3作目のアルバムで、前作「ネヴァーマインド」とは異なり、ポップさがなくなり、よりアンダーグラウンドの要素が強くなったアルバムです。そのため、「ネヴァーマインド」が一般受けするサウンドに対して、本作は、マニア向けのダークでヘビーなサウンドに仕上がっています。カート・コバーンの当時の精神状態が苦痛に満ちていたことが分かる痛々しい曲が多いのが特徴です。カート・コバーンが、1994年4月にショットガンで自殺をしてしまったために、本作が、ニルヴァーナのラスト・アルバムになってしまいました。「ネヴァーマインド」と対に、聴いて欲しいアルバムです。

Nevermind


評価: 4.0
1991年に発売されたセカンド・アルバムで、アンダーグラウンドなサウンドを残しつつ、ポップさを兼ね備えているため、一般大衆にも受け入れられたアルバムです。全世界で3000万枚以上売り上げたモンスターアルバムで、グランジの中だけに留まらず、1990年代のロック界全体としても、最重要アルバムに位置付けられる作品です。オープニング・ナンバーの「Smells Like Teen Spirit」が、本作の全てを物語っており、「世界はどんなに最低だい?」という歌詞は、カートコバーンの怒りが凝縮されています。今後も、本作は、歴史的なアルバムとして、後世に引き継がれていくアルバムだと思っています。最近では、ジャケットの「プールの中の裸の赤ちゃん」が、大人になり、「児童ポルノ」の名目で、ニルヴァーナを提訴したことが話題になりました。音楽以外にも話題に事欠かないアルバムです。
ニルヴァーナのメンバ
ニルヴァーナは、カート・コバーンとクリス・ノヴォセリックによって結成され、当初は、ドラムが固定せず、流動的でしたが、最終的に、デイヴ・グロールが固定メンバとなりました。
以下に、メンバー3人を紹介します。
- カート・コバーン(ボーカル、リードギター担当):ニルヴァーナの中心人物で、グランジ界においても最重要人物です。怒りに満ちたボーカルと、左利きのギターを使用していることが特徴的です。子供時代は、内向的で、引きこもりがちな少年だったようで、音楽からも、孤独で神経質なところが感じられます。少年時代からうつ病の持病を持っており、その影響もあるのか、「ネヴァーマインド」の成功で、精神的に病んでしまい、薬物依存症にも苦しみ、自殺してしまいます。
- デイヴ・グロール(ドラム担当):最初のニルヴァーナのドラマーは、チャド・チャニングでしたが、メンバ間の不仲により脱退、後任のドラマとして迎え入れられました。現在は、フー・ファイターズの中心人物として活躍しています。ニルヴァーナ加入前は、アメリカのパンク・バンド スクリームに加入していました。スクリーム解散後、ニルヴァーナのオーディションを受け、ニルヴァーナに加入します。カート・コバーンとは対照的に、明るく誠実な性格の人物です。
- クリス・ノヴォセリック(ベース担当): クロアチア系アメリカ人で、弟が、カート・コバーンと友人であったことから、ニルヴァーナへの結成へ繋がっていきます。ニルヴァーナ結成当初は、カート・コバーンがドラム、クリス・ノヴォセリックが、ギターとボーカルを担当していました。ニルヴァーナ解散後は、いくつかのバンドを結成したり、フー・ファイターズにゲスト参加したりしています。
その他のアルバム
- MTV Unplugged in New York
- カート・コバーンの死後に発売された1993年11月18日のニューヨーク・ソニースタジオで録音されたライブ・アルバムです。アコースティック演奏であるため、カート・コバーンの歌声は、穏やかで、スタジオ・アルバムのような怒りに満ちていません。
- ニルヴァーナの楽曲以外に、デヴィッド・ボウイや、ミート・パペッツなどのカヴァー曲も取り上げています。カート・コバーンの優しい一面が垣間見れるアルバムです。
- From the Muddy Banks of the Wishkah
- 1989年から1994年までのライブ音源から、クリス・ノヴォセリックが、良質な音源を選曲したライブ・アルバムです。
- 「MTV Unplugged in New York」とは異なり、このライブ・アルバムは、カート・コバーンの荒々しいボーカルを聴くことができます。ニルヴァーナのベストな選曲がされているため、ニルヴァーナのベスト・アルバムとして聞くにも最適なアルバムです。
- With the Lights Out
- ニルヴァーナの未発表曲、ライブ音源、デモ曲などを寄せ集めた4枚組ボックスセットアルバムです。曲によっては、音が割れていて、音質は良くありません。ニルヴァーナのマニア向けのアルバムです。
- 貴重な音源が多く収録されており、特に、スタジオ・アルバム未収録の「Sappy」や、レッド・ツェッペリンのカヴァー曲「Heartbreaker」「移民の歌」は、このアルバムでしか聞けない音源です。
まとめ
私が初めてニルヴァーナを知ったのは、みなさんと一緒かもしれませんが、「ネヴァーマインド」のアルバムでした。
当時のレコード、CD屋には、このアルバムが大々的に宣伝されおり、どんな音楽なのかも知らず、その宣伝効果で購入してみました。
「Smells Like Teen Spirit」を聴いて、衝撃を受け、ニルヴァーナは、お気に入りのバンドとなりましたが、一発屋のイメージがあり、他のニルヴァーナのアルバムの深堀りはしていませんでした。
しかし、最近になって、他の2枚のアルバム「ブリーチ」「イン・ユーテロ」が気になり、聴いてみたところ、2枚とも素晴らしいアルバムで、もっと早くに聴いておけばよかったと後悔しました。
私と同じように、「ネヴァーマインド」しか聞いたことがない方は、ぜひ、このランキングを参考に、他のアルバムも聞いてみてほしいと思っています。
次回は、ニルヴァーナの対抗馬であったパール・ジャムの全アルバム ランキングをしていきたいと思います。