Motley Crue(モトリー・クルー) 全アルバム ランキング
前回は、Aerosmith(エアロスミス)の全アルバムランキングをしましたので、今回は、LAメタル・バンド Motley Crue(モトリー・クルー)の全アルバム ランキングをしていきたいと思います。
モトリー・クルーは、グラマラスなメイクに、バッド・ボーイズのイメージが強く、実際、アルコール、ドラッグ、暴力問題が、常につきまとっていたバンドでした。
そのようなバンドイメージとは裏腹に、音楽は、メロディアスで、キャッチーなハード・ロックを特徴としています。
モトリー・クルーは、色々なアーティストにも影響を与えており、特に有名なのは、5作目のアルバム「Dr. Feelgood」が、メタリカの傑作アルバム「ブラック・アルバム」に影響を及ぼしたと言われています。
そんなモトリー・クルーの全アルバムの紹介と評価をしていきたいと思います。
ランキングは、個人的な独断と偏見で評価していますので、世間一般の評価とは異なるかもしれませんが、その点は、ご了承ください。
モトリー・クルーのアルバムを聴いてみたいけど、どのアルバムから聴けば良いか分からない方、モトリー・クルーのアルバムの評価や、おすすめのアルバムを知りたい方に、役立つ記事になっています。
モトリー・クルー アルバムランキング
Generation Swine

評価: 2.4
1997年発売の7作目のアルバムで、前作「Mötley Crüe」が商業的に失敗してしまったために、ジョン・コラビが解雇され、ヴィンス・ニールが戻ってきました。オリジナル・メンバー4人が揃い、本作が本当の新生モトリー・クルーと言えるアルバムです。前作「Mötley Crüe」の延長線上のようなサウンドで、インダストリアルやグランジの要素が強い作品に仕上がっています。時代の流れに合わせて、サウンドを変化させてしまったため、往年のモトリー・クルー ファンには、評判の悪いアルバムです。
New Tattoo

評価: 2.5
2000年発売の8作目のアルバムで、オリジナル・メンバーであるドラマーのトミー・リーが脱退し、ランディ・カスティロを迎えて制作されたアルバムです。前作「Generation Swine」のグランジなサウンドから、初期のモトリー・クルーのLAメタル サウンドに戻りました。しかし、発売前に、初期のサウンドに戻るとの触れ込みがあり、期待が大きかった分、がっかり感が大きかったアルバムです。アルバム自体はそれほど悪くはないのですが、全盛期のモトリー・クルーと比べると、パワーがなく、キラーチューンもなく、全体的に無難な曲を揃えた印象を持ちます。
Theatre of Pain

評価: 2.6
1985年発売の3作目のアルバムで、薬物やアルコール中毒で、メンバ全員ボロボロの中、制作されたアルバムです。そのためか、地味な曲が多く、モトリー・クルーのメンバーも本作を気に入っていないようです。本作の中では、ファースト・シングルカットされたブラウンズヴィル・ステイションのカバー曲「Smokin’ in the Boys Room」と、名バラード曲「Home Sweet Home」の2曲が、話題にされることが多く、それ以外の曲は、ほどんど、取り上げられることがありません。そのため、全体的に、地味な印象を受けます。
Mötley Crüe

評価: 2.7
1994年発売の6作目のアルバムです。ボーカルのヴィンス・ニールが突然、バンドを解雇されてしまい、新ボーカリスト ジョン・コラビを迎え入れて制作されたアルバムです。今までのモトリー・クルーのサウンドが、一新され、モダン・ヘヴィーで、グランジ的なアルバムになりました。前作「Dr. Feelgood」が素晴らしかったことの反動で、発売当時は、かなり酷評をされていました。しかし、今までのモトリー・クルーとは別バンドととらえて聞けば、全く悪くないアルバムです。商業的にも失敗してしまい、本作で、ジョン・コラビは解雇されてしまいます。
Saints of Los Angeles

評価: 2.8
2008年発売の9作目のアルバムで、2023年の時点では、モトリー・クルーのラスト・アルバムになります。前作「New Tattoo」で、脱退したトミー・リーが復帰し、オリジナル・メンバで制作されたアルバムです。モトリー・クルーのアルバムは、一時期、インダストリアル、グランジの方向に向かいましたが、このラスト・アルバムは、原点回帰しました。全盛期に近い勢いがあり、バッド・ボーイズのイメージも取り戻しています。ただ、キャッチーな曲が少ないため、各楽曲はあまり印象に残らないかもしれませんが、アルバム全体としては、まとまりがあります。全米アルバムチャート第4位を記録しました。
Too Fast For Love 華麗なる激情

評価: 2.9
1982年発売のファースト・アルバムで、制作費8000ドル 1週間で制作されたアルバムです。そのため、安っぽく、荒削りなサウンドで、音質があまり良くありません。しかし、モトリー・クルーのキャッチーでメロディアスなサウンドが、全開しているアルバムです。ボーカルのヴィンス・ニールの歌声が若くて可愛いらしく、他のモトリー・クルーのアルバムの歌声とは、異なっています。本作のサウンドからは、まだバッド・ボーイズのイメージを持つことができません。グラム・ハード・ロックなアルバムです。

Girls,Girls,Girls

評価: 3.0
1987年発売の4作目のアルバムで、モトリー・クルーのアルバムの中では、最も、モトリー・クルーらしく、悪ガキの印象を持つアルバムです。次作「Dr. Feelgood」は、洗練された作品ですが、本作は、華々しく、毒のあるアルバムです。リフがカッコ良くメロディアスな「Wild Side」「Girls, Girls, Girls」と、バラード曲「You’re All I Need」がシングル・カットされ、ヒットしています。全米アルバムチャート2位を記録し、モトリー・クルーの勢いがあったことが分かります。

Shout at the Devil

評価: 3.2
1983年発売のセカンド・アルバムで、前作「Too Fast For Love」のメロディアスさを更に洗練したようなアルバムです。元々のジャケットは、黒にペンタグラムが描かれていましたが、「悪魔主義者」と批判されたため、メンバー4人のグラマラスな写真に差し替えられています。それでも、ミック・マーズの写真は、悪魔的で怖く感じてしまいます。捨て曲はなく、LAメタルらしいギター・リフを持つ曲が、目白押しの作品です。ビートルズの「ヘルター・スケルター」をカバーしており、原曲を忠実にアレンジしながらも、独特なメタル感を出しています。メロディアスな、カッコ良いメタル・アルバムです。

Dr. Feelgood

評価: 3.8
1989年発売の5枚目のアルバムで、モトリー・クルーの最高傑作のアルバムだけではなく、LAメタルを代表する傑作アルバムです。エアロスミスのスティーヴン・タイラーや、スキッド・ロウのメンバーなど豪華ゲストが参加しています。ハード・ロックな「Dr. Feelgood」から始まり、疾走曲の「Kickstart My Heart」や、パワー・バラード「Without You」、パーティー・ソング「Same Ol’ Situation (S.O.S.)」などなど、聞きどころ満載の完成度の高いアルバムです。全米アルバムチャート1位を獲得しました。
モトリー・クルーのメンバ
モトリー・クルーは、一時期、バンドを脱退するメンバもいましたが、そのメンバも復帰して、オリジナル・メンバ4人で、活動を行っています。
以下に、モトリー・クルーのメンバを紹介します。
- ヴィンス・ニール(ボーカル担当):バッド・ボーイのイメージが一番強く、私生活でも、飲酒運転で事故を起こしたり、ガンズ・アンド・ローゼズのイジー・ストラドリンを殴打するなど、破天荒な問題児でした。そのため、アルバム「Mötley Crüe」制作時は、バンドから解雇されてしまいますが、独特のバッド・ボーイ・ボーカルは、唯一無二であったため、すぐに、バンドに復帰しています。
- ミック・マーズ(ギター担当):まず、ルックスが怖く、バンド・メンバの中では、一番、悪の印象を持ちますが、実際は、シャイで優しい人であると言われています。強直性脊椎炎を患っていることから、派手なパフォーマンスができず、バンド内では地味な印象を持ちます。
- ニッキー・シックス(ベース担当):バンドのリーダーで、「ロック界の反逆児」と呼ばれています。この人も、若い時はバッド・ボーイで、ヘロインの過剰摂取により心停止を起し、生死を彷徨ったこともありました。また、「ニッキー・シックスの代わりにベースを弾いていた」と言う人物が現れ裁判沙汰になったことは有名で、その事件から、自分と分かるように刺青を入れています。
- トミー・リー(ドラム担当):1999年にバンドとの音楽性の違いにより、一時期、バンドを脱退しましたが、アルバム「Saints Of Los Angeles」で、バンドに復帰しています。派手なドラムミングが有名で、ライブでは、360度回転するドラム・セットで、演奏することもあります。また、高所のドラムセットから落下し、意識を失ったこともありました。
モトリー・クルーの音楽の楽しみ方
モトリー・クルーのサウンドを大きく分けると、初期のLAメタル、中期のグランジ、後期の原点回帰に分けられます。
初期のLAメタルの時代は、最も、バッド・ボーイズのイメージが強く、モトリー・クルーの代表曲は、この時代に作られています。
そのため、まずは、初期のLAメタルの時代のアルバムから聞いていくのが、王道かと思います。
LAメタルとは、どのような音楽なのかが、すぐに理解できます。
各区分けのアルバムの初心者向け、中級者向け、上級者向けの分類は、以下の通りです。
【LAメタルのアルバム】
- Too Fast For Love 華麗なる激情(1981年):中級者向け
- Shout At The Devil(1983年):初心者向け
- Theatre Of Pain(1985年):上級者向け
- Girls, Girls, Girls(1987年):初心者向け
- Dr. Feelgood(1989年):初心者向け
【グランジのアルバム】
- Mötley Crüe(1994年):中級者向け
- Generation Swine(1997年):上級者向け
【原点回帰のアルバム】
- New Tattoo(2000年):上級者向け
- Saints Of Los Angeles(2008年):中級者向け
その他のおすすめアルバム
- Entertainment Or Death
- 1982年〜1990年、98年、99年の2枚組ベスト・ライブ・アルバムで、年代ごとに、音質のバラつきがあります。
- 「MOTLEY CRUE」「GENERATION SWINE」「NEW TATOO」からの選曲はなく、初期モトリー・クルーのアルバムの曲が大半を占めています。Disc2は、98年〜99年のライブ音源が多く、1980年代のライブ音源に比べると衰えを感じます。
- Carnival of Sins
- 「Red, White & Cure Tour 2005」のツアーの模様を収録したライブ・アルバムです。1999年に脱退したトミー・リーも参加しており、オリジナルラインナップでの復活ライブツアーです。
- CDとDVDが発売されており、大歓声の荒々しい演奏が聞きどころのライブです。DVDもオススメで、サーカス集団や、セクシーダンサーのパフォーマスを見ることができます。
まとめ
最後に、モトリー・クルーのランキング結果をまとめます。
順位 | アルバム名 | 点数 |
---|---|---|
1位 | Dr. Feelgood | 3.8 |
2位 | Shout at the Devil | 3.2 |
3位 | Girls,Girls,Girls | 3.0 |
4位 | Too Fast For Love 華麗なる激情 | 2.9 |
5位 | Saints of Los Angeles | 2.8 |
6位 | Mötley Crüe | 2.7 |
7位 | Theatre of Pain | 2.6 |
8位 | New Tattoo | 2.5 |
9位 | Generation Swine | 2.4 |
モトリー・クルーは、1989年発売の「Dr. Feelgood」までを全盛期として、その後は、音楽性を変えていったことで衰えを感じた時期もありました。
しかし、ラスト・アルバム「Saints of Los Angeles」では、モトリー・クルーらしいLAメタルに戻り、最後の花を咲かせてくれました。
モトリー・クルーは、2015年に活動を停止しましたが、2019年に活動を再開しています。
そのため、今後、新作を発表する可能性がありますので、また、バッド・ボーイズらしい、LAメタルの新作を期待したいと思います。
次回は、ヴァン・ヘイレンの全アルバム ランキングをしていきたいと思います。