Marilyn Manson(マリリン・マンソン)全アルバム ランキング
前回は、Van Halen(ヴァン・ヘイレン)の全アルバムランキングをしましたので、今回は、インダストリアル系のMarilyn Manson(マリリン・マンソン)の全アルバム ランキングをしていきたいと思います。
マリリン・マンソンは、素行やメイクから、危険漂う変人のイメージがあります。
実際、反キリスト教を展開したり、暴行罪で裁判沙汰になったり、性的虐待の告発を受けたりと、世間を騒がせています。
しかし、性格が凶暴なのかと言うと、そうでもなく、映画やTVのインタビューでは、的を得た答えをしており、真面目で、頭が良いことが伺えます。
そのギャップの大きさから、マリリン・マンソンは、魅力的な人物に感じてしまいます。
音楽は、インダストリアルが中心ですが、ポップなアルバムや、最近では、芸術性の高いアルバムを制作しています。
そんなマリリン・マンソンの全アルバムの紹介と評価をしていきたいと思います。
ランキングは、個人的な独断と偏見で評価していますので、世間一般の評価とは異なるかもしれませんが、その点は、ご了承ください。
マリリン・マンソンのアルバムを聴いてみたいけど、どのアルバムから聴けば良いか分からない方、マリリン・マンソンのアルバムの評価や、おすすめのアルバムを知りたい方に、役立つ記事になっています。
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マリリン・マンソン アルバムランキング
The Pale Emperor

評価: 2.4
2015年発売の9作目のアルバムで、アルバム制作中に亡くなったマリリン・マンソンの母親に捧げられたアルバムです。そのためか、全体的に暗く、ブルージーな作品に仕上がっています。マリリン・マンソンも歳をとってしまったのか、昔の尖った凶暴なサウンドはなくなり、大人のサウンドになっています。昔のマリリン・マンソンが好きな人には、つまらないアルバムに感じるかと思いますが、全米チャート8位を記録し、音楽評論家からは好意的に捉えられています。曲の良さよりも、円熟したマリリン・マンソンのボーカルが聞きどころのアルバムです。
Portrait of an American Family

評価: 2.5
1994年発売のファースト・アルバムで、ブラック・サバスのファースト・アルバムのようにホラー要素の強いアルバムです。裏ジャケットに写っているマリリン・マンソンは、どことなくオジー・オズボーンに似ているように思えます。サウンドは、B級感が漂っていますが、マリリン・マンソンの骨格は、既に出来上がっています。ベースが目立つポップな「Lunchbox」や、おどおどろしい「Dope Hat」、マンソンらしいダークな「Get Your Gunn」は、マリリン・マンソンの初期の名曲です。ホラー映画を見るような楽しさがあるアルバムです。
The High End of Low

評価: 2.7
2009年発売の7作目のアルバムで、トゥイギー・ラミレズが復帰し、「Antichrist Superstar」のメンバが揃って制作されたアルバムです。しかし、「Antichrist Superstar」とは、サウンドが全く異なり、凶暴な要素はなく、ミドル・テンポの落ち着いた曲が多く収録されています。本作から、最近のマリリン・マンソンのサウンドがスタートします。本作の中では、「Pretty as a Swastika」と「Blank and White」が、昔のマリリン・マンソンの曲に近く、マリリン・マンソンのシャウト・ボーカルが聞けます。理解するのに時間を要するアルバムですが、それでも、全米チャート4位を記録しました。
Born Villain

評価: 2.8
2012年発売の8作目のアルバムで、1995年からドラマーを務めてきたジンジャー・フィッシュが脱退し、元ナイン・インチ・ネイルズのクリス・ヴレンナが参加して制作されたアルバムです。昔のようなマリリン・マンソンの凶暴なシャウト曲や疾走曲がほとんどなく、インパクトに欠けますが、前作「The High End of Low」よりは、迫力が増しています。唯一、「Murderers Are Getting Prettier Every Day」のみが疾走曲で、本作の中では、おすすめ曲です。面白いところでは、ボーナス・トラックの「You’re So Vain」で、ジョニー・デップがギターとドラムを担当しています。
Eat Me, Drink Me

評価: 2.9
2007年発売の6作目のアルバムで、ティム・スコルドがギター専任 兼 プロデューサーを担当したことから、今までのアルバムとは違い、ギターが前面に出てきたアルバムです。そのため、インダストリアル要素が薄れ、ロック色の強いアルバムです。ジャケットのマリリン・マンソンは、痩せ細っており、本作制作時のマリリン・マンソンの私生活が、苦悩に満ちていたように思えます。マリリン・マンソンのアルバムの中では、最も暗く内省的なアルバムですが、哀愁漂うメロディアスな曲が多数収録されています。全米チャート8位を記録しました。
The Golden Age of Grotesque

評価: 3.0
2003年発売の5作目のアルバムで、初期3部作のマリリン・マンソンのサウンドとは、大きく変化したアルバムです。ベースのトゥイギー・ラミレズが脱退したことや、前作「Holy Wood」が商業的に失敗したことが影響してか、デジタルビートやダンスビートを多く取り入れて、かなり聞きやすいアルバムに仕上がっています。「Antichrist Superstar」のような尖ったマリリン・マンソンは、ここにはおらず、親しみやすさを感じます。ポップなアルバムであるため、全米チャート1位を獲得しました。
We Are Chaos

評価: 3.2
2020年発売の11作目のアルバムで、マリリン・マンソン自身「リスナーのために創り上げた鏡だ」と語っているようにポップ要素の強いアルバムです。キャッチーで優しさに溢れており、一般受けする非常に聞きやすいアルバムです。マリリン・マンソンも丸くなったもので、「Antichrist Superstar」のような暴力的な音楽をやっていたことが信じられないくらいです。次作は、どのようなアルバムになるのか楽しみです。
Heaven Upside Down

評価: 3.5
2017年発売の10作目のアルバムです。最近の「Eat Me, Drink Me」〜「The Pale Emperor」のアルバムが、地味な印象でしたが、本作は、昔の勢いが戻ったアルバムです。ただ、「Antichrist Superstar」の尖った凶暴性はなく、ノイジーなサウンドに、マリリン・マンソンがシャウトしまくっている作品です。最近のマリリン・マンソンのアルバムに抵抗感があった人にも、満足できるアルバムだと思います。前作「The Pale Emperor」が、母親に捧げられたアルバムでしたが、本作は、製作中に父親が亡くなってしまったため、父親に捧げられたアルバムでもあります。全米チャート8位を記録しています。

Holy Wood (In the Shadow of the Valley of Death)

評価: 3.7
2000年発売の4枚目のアルバムで、初期3部作の1作目にあたります(3部作は、リリース順とは逆になっています)。ダークな作品ですが、3部作の中では、最も芸術性の高いアルバムです。ジャケットは、腐臭が漂っていますが、「Antichrist Superstar」ほど、腐臭漂う凶暴なサウンドではありません。マリリン・マンソンがシャウトしている曲はもちろん、アコギの曲や、美しいバラード曲も収録されており、バラエティ豊かなアルバムです。最近の芸術性の高いマリリン・マンソンのアルバムに通じるものがあります。初期3部作の集大成的なアルバムです。

Mechanical Animals

評価: 3.8
1998年発売の3枚目のアルバムで、初期3部作の2作目にあたります。打ち込みが増え、近未来的な印象を持ちます。「Antichrist Superstar」のマリリン・マンソンのボーカルは、叫びまくっていましたが、本作でのマリリン・マンソンは、メロディアスなボーカルで、歌唱力があることが分かります。ポップなアルバムであるため、「Antichrist Superstar」のサウンドが苦手な人でも、受け入れられるアルバムだと思います。「Rock Is Dead」は、映画「マトリックス」で使用されたことから、マリリン・マンソンの曲の中では、一番有名曲になりました。全体的に、デビッド・ボウイのような退廃的で妖艶なアルバムです。全米チャート初登場1位を記録しました。

Antichrist Superstar

評価: 4.0
1996年発売のセカンド・アルバムで、初期3部作の完結編にあたります。マリリン・マンソンのアルバムの中で、一番凶暴さが表れており、オープニング・ナンバーの「Irresponsible Hate Anthem」から、怒りが爆発しています。血管がブチギレてしまいそうなマリリン・マンソンのボーカルが、凄まじく、「FUCK」の言葉が、響き渡っています。「Irresponsible Hate Anthem」「The Beautiful People」「Antichrist Superstar」「1996」「The Reflecting God」など、マリリン・マンソンの代表曲が詰まっています。ジャケットと同様、腐臭が漂ってきそうな曲ばかりが収録されています。全米チャート初登場3位を記録しています。
マリリン・マンソンの人物像
マリリン・マンソンのエピソードと、個人的なマリリン・マンソンの印象を挙げていきます。
「Antichrist Superstar」のライナーノーツに、「ニューヨークのスペシャル・ギグにおいて、ライブ途中、マリリン・マンソンが突然、ドラマーのジンジャー・フィッシュをマイク・スタンドで殴りつけ、血だらけにした」との記載がありました。マリリン・マンソンの凶暴性が窺えるエピソードです。
マイケル・ムーア監督の映画「ボウリング・フォー・コロンバイン」で、マリリン・マンソンが「コロンバイン高校銃乱射事件」についてのインタビューを受けていますが、自分の置かれている状況をきちんと理解し、まともな回答をしています。これを見ると、真面目で、まともな人物であることが分かります。
マリリン・マンソンが来日した時、あるTVの取材で、女性記者が、「今日の朝は、何を食べてきたか?」との質問に、「赤ん坊を食べた」と答えていました。ユーモア・センスがあると思いましたが、取材が終わったあと、マリリン・マンソンは、この質問に対して、「くだらない質問をしてきた奴がいた」と、憤慨していました。このあたりも、真面目さが伺えます。
マリリン・マンソンの女性関係は、エヴァン・レイチェル・ウッドや、ディタ・フォン・ティースなど、綺麗な女優ばかりで、見た目とは違い、色男ぶりを発揮しています。しかし、いずれも短期間で破局しています。
マリリン・マンソンの音楽
マリリン・マンソンのサウンドは、アルバムごとに変化しているため、一概に、時代ごとに区分けすることが難くなっています。
マリリン・マンソンのアルバムの特徴としては、怒りを爆発させた凶暴な作品、近未来的な打ち込みサウンドの作品、ポップな作品、地味な暗い作品、ブルージーな作品などなど、あるため、かなり作品によって好き嫌いが出てくるかと思います。
各アルバムの初心者向け、中級者向け、上級者向けの分類は、以下の通りです。(この分類も、私的な好みで判断しています)
- Portrait of an American Family(1994年):上級者向け
- Antichrist Superstar(1996年):初心者向け
- Mechanical Animals(1998年):初心者向け
- Holy Wood (In the Shadow of the Valley of Death)(2000年):中級者向け
- The Golden Age of Grotesque(2003年):中級者向け
- Eat Me, Drink Me(2007年):中級者向け
- he High End of Low(2009年):上級者向け
- Born Villain(2012年):中級者向け
- The Pale Emperor(2012年):上級者向け
- Heaven Upside Down(2017年):中級者向け
- We Are Chaos(2020年):初心者向け
その他のおすすめアルバム
- Smells Like Children
- 「Portrait of an American Family」と「Antichrist Superstar」の間に発売されたEPで、ノイジーな実験色の強い曲が多く、ホラー映画のサントラのような作品です。
- 注目曲は、ユーリズミックスのカヴァー曲「Sweet Dreams」で、恐ろしく不気味なアレンジがされています。
- The Last Tour on Earth
- 「Mechanical Animals」発売後のライブ・アルバムで、初期のマリリン・マンソンのベストな選曲がされており、完成度の高い作品です。
- 「Antichrist Superstar」と「Mechanical Animals」からの選曲が多いですが、ファースト・アルバム「Portrait of an American Family」収録の「Lunchbox」は、スタジオ録音よりも、こちらのライブの方が、カッコ良く仕上がっています。
まとめ
最後に、マリリン・マンソンのランキング結果をまとめます。
順位 | アルバム名 | 点数 |
---|---|---|
1位 | Antichrist Superstar | 4.0 |
2位 | Mechanical Animals | 3.8 |
3位 | Holy Wood (In the Shadow of the Valley of Death) | 3.7 |
4位 | Heaven Upside Down | 3.5 |
5位 | We Are Chaos | 3.2 |
6位 | The Golden Age of Grotesque | 3.0 |
7位 | Eat Me, Drink Me | 2.9 |
8位 | Born Villain | 2.8 |
9位 | The High End of Low | 2.7 |
10位 | Portrait of an American Family | 2.5 |
11位 | The Pale Emperor | 2.4 |
やはり、初期の3部作が、優れており、上位を独占しました。
昔のマリリン・マンソンは、「アンチクライスト・スーパースター」のイメージが強かったですが、最近は、凶暴性もなくなり、良いおじさんに変化しつつあります。
アルバムの発売数が増えるにつれて、サウンドも、丸くなっていくのが、分かるかと思います。
今後の新作が、どのようなサウンドに変化していくのかが楽しみです。
次回は、マリリン・マンソンと同じような凶暴性を持っているスリップノットの全アルバム ランキングをしていきたいと思います。