Led Zeppelin(レッド・ツェッペリン)全アルバム ランキング
前回は、Slipknot(スリップノット)の全アルバムランキングをしましたので、今回から、英国のHR/HMのバンドの紹介・評価をしていきたいと思います。
まずは、伝説のハード・ロック・バンド Led Zeppelin(レッド・ツェッペリン)の全アルバムランキングをしていきます。
レッド・ツェッペリンは、世界的に有名なバンドであるため、HR/HMに興味がない人でも、名前ぐらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。
1968年に結成され、結成当初は、ヤードバーズに所属していたジミー・ペイジが結成したバンドであったため、ニュー・ヤードバーズというバンド名でした。
その後、レッド・ツェッペリンに改名し、ブルースを基調にしたハード・ロックを展開していきます。
荒削りなギター、戦闘機の如く重厚なドラム、ハイトーン・ボーカルが特徴のバンドで、特に、ドラマーのジョン・ボーナムは、ドラマー・ランキングでは、必ず1位にランクインする「すご腕」のドラマーでした。
レッド・ツェッペリンは、10年間活動し、8枚のスタジオ・アルバムを残しています。
アルバム数は少ないですが、全て、素晴らしいアルバムで、セカンド・アルバム以降は、英国チャートでは、全てNo.1、米国チャートでも、1位か2位を常にキープしていました。
そんなレッド・ツェッペリンの全スタジオ・アルバムを、ランキングしていきます。
ランキングは、個人的な独断と偏見で評価していますので、世間一般の評価とは異なるかもしれませんが、その点は、ご了承ください。
レッド・ツェッペリンのアルバムを聴いてみたいけど、どのアルバムから聴けば良いか分からない方、レッド・ツェッペリンのアルバムの評価や、おすすめのアルバムを知りたい方に、役立つ記事になっています。
レッド・ツェッペリン アルバムランキング
In Through the Out Door

評価: 3.0
1979年発売の8作目のアルバムで、レッド・ツェッペリンのラスト・アルバムになります。ハード・ロックの要素はなく、キーボード中心のマイルドな作品で、レッド・ツェッペリンとしては異質なサンバや、カントリー&ウエスタンの要素を取り入れています。レッド・ツェッペリンらしさはありませんが、それでも、英国チャート、全米チャートともにNo.1を獲得し、爆売れしてしまうところが、レッド・ツェッペリンの凄さを感じます。本作の中では、「All My Love」が、キーボード主体の美しく哀愁のあるバラード曲で、おすすめ曲です。本作発売後、ジョン・ボーナムが、急死してしまい、レッド・ツェッペリンは解散してしまいます。
Led Zeppelin III

評価: 3.5
1970年発売の3作目のアルバムで、前半は、ハード・ロック、後半は、アコースティックの曲で分かれています。アコースティックの曲が多いため、レッド・ツェッペリンのアルバムの中では、最も賛否両論のあるアルバムです。ハード・ロックの曲を期待している人には、物足りなく感じるかもしれません。しかし、ジミー・ペイジが、「大自然の中で曲作りをした」と語っているように、アコースティックの曲も、美しく味のある曲ばかりです。本作の中では、「Immigrant Song」「Celebration Day」「Since I’ve Been Loving You」が素晴らしく、特に、「Since I’ve Been Loving You」は、レッド・ツェッペリンらしいブルースの曲で、終盤のロバート・プラントのシャウト ボーカルには、鬼気迫るものがあります。英国チャート、全米チャートともにNo.1を獲得しました。
Houses of the Holy 聖なる館

評価: 3.6
1973年発売の5作目のアルバムで、本作から後期レッド・ツェッペリンがスタートします。ヘビーさは薄れてしまいましたが、メロトロンやシンセサイザーを使用した曲が増え、味わい深さが増したアルバムです。発売当時は、音楽評論家から、酷評されていたようですが、そんなアルバムでも、英国チャート、全米チャートともにNo.1を獲得していますし、全米チャートではトップ40圏内に39週とどまり、過去最長を記録しました。レッド・ツェッペリンの底力を感じさせます。本作の中では、「The Song Remains the Same」「The Rain Song」「No Quarter」が突出して、素晴らしく、レッド・ツェッペリンの代表曲になっています。特に「The Rain Song」は、メロトロンが美しく、「天国の階段」にも、引けを取らない名バラード曲です。
Led Zeppelin

評価: 3.8
1969年発売のレッド・ツェッペリンの記念すべきデビュー・アルバムです。荒削りなところはありますが、レッド・ツェッペリンのサウンドは既に出来上がっており、ブルースを中心にしたハード・ロックを展開しています。ブルース調の曲以外にも、今後、賛否両論となるアコースティック・ギターを使用した「Black Mountain Side」や、ヘビー・メタルしている「Communication Breakdown」、ドラマティックな展開の「Dazed and Confused」など、名曲が揃っています。個性の強い4名が集まって結成されたバンドらしく、完成度の高い素晴らしいデビュー・アルバムです。
Presence

評価: 4.0
1976年発売の7作目のアルバムで、ジミー・ペイジのギターが活躍しているアルバムです。後期レッド・ツェッペリンは、キーボードが重要な役割になってきていましたが、キーボードを使用せず、硬質なサウンドに仕上げています。本作は、「アキレス最後の戦い」のためにあると言っても過言ではないくらい、パワフルな曲で、レッド・ツェッペリンの中でも、上位に位置する名曲です。「アキレス最後の戦い」が優れすぎているために、他の曲の印象が薄いですが、それでも、輝きのあるアルバムです。「アキレス最後の戦い」以外では、ライブの定番になっている「Nobody’s Fault but Mine」がおすすめ曲です。英国チャート、全米チャートともにNo.1を獲得しましたが、レッド・ツェッペリンのアルバムの中では、最も少ない売上数になりました。

Physical Graffiti

評価: 4.2
1975年発売の6作目のアルバムで、レッド・ツェッペリン初の2枚組アルバムです。Disc1は、シンプルなギターリフのストレートなハードロック、Disc2は、前作「聖なる館」と同様、実験色の強い構成になっています。2枚組であるため、曲数が多いですが、どれもクォリティが高く、捨て曲は、1曲もありません。ライブの定番曲になっている「Kashmir」は、今までのレッド・ツェッペリンの曲とは異なり、中東のオリエンタルな曲で、映画アメリカ版「GODZILLA」で、この曲のイントロのリフが使われていました。ゴジラの登場にぴったりな曲です。色々なタイプの曲が収録されており、ごった煮の印象を持ちますが、不思議と一体感を感じさせます。さしずめ、レッド・ツェッペリン版ホワイト・アルバムといったところでしょうか。本作も当然、英国チャート、全米チャートともにNo.1を獲得しました。

Led Zeppelin IV


評価: 4.3
1971年発売の4作目のアルバムで、レッド・ツェッペリンのアルバムの中では、最も売れたアルバムです。アルバム名は、「Led Zeppelin IV」と名付けられることが多いですが、実際は、本作には、アルバム名がつけられていません。本作の中では、「天国の階段」が最も語られることが多く、イントロの美しいアコースティックなギターから、後半に向けてハード・ロックしていく曲構成は、レッド・ツェッペリンの魅力が全て詰まっています。終盤のロバート・プラントのシャウトも魅力的です。その他にも、ギター・リフが印象的な「Black Dog」、カヴァー曲の定番「Rock and Roll」、ライブでの定番曲「Misty Mountain Hop」、アコギの美しい「Going to California」など、素晴らしい曲がたくさん収録されています。英国チャートNo.1、全米チャートNo.2を記録しました。

Led Zeppelin Ⅱ


評価: 4.5
1969年発売のセカンド・アルバムで、ファースト・アルバムよりも更にパワーアップし、レッド・ツェッペリンのアルバムの中では、最も、ハード・ロック色の強いアルバムです。1曲目の「Whole Lotta Love」から飛ばしまくっており、この曲は、ギター・リフ、ボーカル、ドラミング、曲展開と全てが素晴らしく、「天国の階段」に並ぶ、レッド・ツェッペリンの代表曲になっています。その他にも、ギター・リフ、ギター・ソロが最高な「Heartbreaker」や、スローテンポから一気に疾走する「The Lemon Song」、ジョン・ボーナムの強烈なドラム・ソロが聞ける「Moby Dick」など、レッド・ツェッペリンの代表曲が詰まっています。間違いなく、ハード・ロック史に輝く名盤です。英国チャート、全米チャートともにNo.1を獲得しました。
レッド・ツェッペリンのメンバ
レッド・ツェッペリンは、解散するまで、不動のメンバー4人で、活動しました。
以下に、メンバー4人を紹介します。
- ジミー・ペイジ(ギター担当):レッド・ツェッペリン結成前は、ヤードバーズで活躍しており、一時期、ベースを担当していたこともありました。3大ギタリストの1人で、エリック・クラプトン、ジェフ・ベックとともに偉大なギタリストとして有名です。しかし、ギター演奏は、わざとやっているのか、「下手うま」なところがあり、「ジミー・ペイジは、ギターが上手いのか」議論されることが多々あります。それでも音楽才能は素晴らしく、ジミー・ペイジにしかできない独特のギター・ソロ、ギター・リフを作り出しています。
- ロバート・プラント(ボーカル担当):レッド・ツェッペリン結成前は、ブルースを中心に色々なバンドを渡り歩いていました。ハイトーン・ボーカルや、猫のような独特の声質の持ち主で、偉大なボーカリストの1人です。シャウトが凄まじく、Ⅲ に収録されている「Since I’ve Been Loving You」を聞けば、その凄さが分かるかと思います。レッド・ツェッペリン解散後、再結成の話題がよく持ち上がりますが、再結成に否定的な立場を貫いています。
- ジョン・ポール・ジョーンズ(ベース、キーボード担当):レッド・ツェッペリンの中では、一番地味な印象がありますが、ベースに限らずマルチプレイヤーで、多才な持ち主の人です。後期レッド・ツェッペリンでは、キーボードを中心として活躍していきます。ラスト・アルバム「In Through the Out Door」は、シンセサイザーを中心としたジョン・ポール・ジョーンズの独壇場のアルバムでした。
- ジョン・ボーナム(ドラム担当):偉大なドラマー・ランキングが実施されると、必ず、1位になる凄腕のドラマーです。ジョン・ボーナムほど、パワフルなドラミングをできる人はおらず、レッド・ツェッペリンの核となる人物でした。1980年9月に、多量の飲酒により急死してしまい、ジョン・ボーナムに代わるようなドラマーはおらず、レッド・ツェッペリンは解散してしまいます。もし、ジョン・ボーナムが生きていれば、もっと、たくさんのレッド・ツェッペリンのアルバムが発表されていたと思うと、とても残念でなりません。
レッド・ツェッペリンの音楽
レッド・ツェッペリンは、レッド・ツェッペリンという1つのジャンルと言ってもよく、ハード・ロック、ブルース、アコースティック、カントリーなど、色々なジャンルをうまく取り入れ、レッド・ツェッペリンのサウンドを作り上げています。
アルバムによって、ブルース色の強いアルバム、ハード・ロック色の強いアルバム、実験色の強いアルバムなど、違いがありますが、どのアルバムも、ボーカル、ギター、ドラミングが凄く、迫力満点のアルバムばかりです。
各アルバムの初心者向け、中級者向け、上級者向けの分類は、以下の通りです。
- Led Zeppelin(1969年):中級者向け
- Led Zeppelin II(1969年):初心者向け
- Led Zeppelin III(1970年):上級者向け
- Led Zeppelin IV(1971年):初心者向け
- Houses of the Holy 聖なる館(1973年):中級者向け
- Physical Graffiti(1975年):中級者向け
- Presence(1976年):初心者向け
- In Through the Out Door(1979年):上級者向け
その他のおすすめアルバム
- Coda
- ジョン・ボーナム追悼アルバムで、過去の未発表曲を時代順に収録しています。未発表曲の寄せ集めではありますが、未発表曲とは思えない完成度の高いアルバムです。
- ジョン・ボーナムのドラムが物凄く、このアルバムを聞くと、ジョン・ボーナムの急死によって、レッド・ツェッペリンは解散せざるを得なくなったことがよく分かります。
- The Song Remains the Same 永遠の詩 (狂熱のライヴ)
- 本作は、レッド・ツェッペリンのコンサート映画『レッド・ツェッペリン狂熱のライヴ』のサウンドトラックですが、実質、レッド・ツェッペリンの公式ライブ・アルバムです。
- 1973年7月のニューヨーク マディソン・スクエア・ガーデンのライブ音源です。この時期、ロバート・プラントは、ハイトーンの声がでなくなってきたのか、キーを下げて歌っています。それでも、「Celebration Day」など、スタジオ版よりも迫力のある演奏がされています。
- BBC Sessions
- 本作は、Disc1に、BBCでのセッション、Disc2に、1971年4月1日に行われたロンドン パリ・シアターでのライブ音源が収録されています。
- 初期レッド・ツェッペリンのセッションであるため、ハードなブルース色の強い曲が多く収録されています。スタジオ版には収録されていないカヴァー曲も、何曲か収録されています。
- How the West Was Won 伝説のライヴ
- レッド・ツェッペリン全盛期の1972年アメリカツアーでのLAフォーラム、ロングビーチなどでのライヴ音源で、レッド・ツェッペリンのライブ・アルバムでは、最高傑作なアルバムです。
- 音質良し、演奏良し、ボーカル良しと、全てが揃っています。III のアコースティック・サイドの曲や、20分以上に及ぶ「Dazed and Confused」「Whole Lotta Love」などが収録されており、レッド・ツェッペリン ファンであれば、必聴アルバムです。
- Celebration Day
- 2007年ロンドンでの再結成ライブ音源です。ドラムは、ジョン・ボーナムの息子ジェイソン・ボーナムが叩いています。
- 1970年代から時が経ち、メンバは、60代になってしまい、流石に全盛期の演奏、ボーカルとはいきませんが、ベストな選曲がされています。欲を言えば、「In Through the Out Door」からの曲や、「アキレス最後の戦い」を入れて欲しかったです。
まとめ
最後に、レッド・ツェッペリンのランキング結果をまとめます。
順位 | アルバム名 | 点数 |
---|---|---|
1位 | Led Zeppelin Ⅱ | 4.5 |
2位 | Led Zeppelin IV | 4.3 |
3位 | Physical Graffiti | 4.2 |
4位 | Presence | 4.0 |
5位 | Led Zeppelin | 3.8 |
6位 | Houses of the Holy 聖なる館 | 3.6 |
7位 | Led Zeppelin III | 3.5 |
8位 | In Through the Out Door | 3.0 |
ハード・ロック史上、最も多くのアーティストに影響を及ぼしたバンドだけあって、どのアルバムも素晴らしく、最下位の「In Through the Out Door」ですら、3点の高得点をつけました。
レッド・ツェッペリンは、多くの栄誉と賞を受賞してきたことからも分かる通り、世界一のロック・バンドであり続けました。
今後、ここまで凄いバンドは、登場しないように思います。
レッド・ツェッペリンのメンバは、今は、70代と高齢になってしまいましたが、今後も、元気に活躍していってほしいと願っています。
次回は、レッド・ツェッペリンの対抗馬であったディープ・パープルの全アルバム ランキングをしていきたいと思います。