Defenders of the Faith 背徳の掟
評価: 3.9
1984年発売の9枚目のアルバムで、前作「復讐の叫び」から勢い衰えず、破壊力を持ったヘビー・メタルのアルバムです。
特に最初の4曲(「Freewheel Burning」「Jawbreaker」「Rock Hard Ride Free」「The Sentinel」)の破壊力には、圧倒されてしまいます。
後半の曲は、破壊力は控えめで、モダンな様式美のある曲や、バラード曲などが占めています。
最初の4曲のような疾走曲で全曲占めて欲しかった気もしますが、メリハリがつくという意味では、良かったのかもしれません。
本作が、第1次ジューダス・プリーストの絶頂期のアルバムです。
Screaming for Vengeance 復讐の叫び
評価: 4.0
1982年発売の8枚目のアルバムで、前作「黄金のスペクトル」が、アメリカナイズされたアルバムでしたが、本作は、ドラマティックなヘビー・メタルを展開しているアルバムです。
「Hellion」と「Electric Eye」が話題にされることが多いでアルバムすが、それ以外にも、ポップで分かりやすい曲「(Take These) Chains」「You’ve Got Another Thing Comin’」や、ロブ・ハルフォードのシャウトが素晴らしい「Screaming for Vengeance」など、素晴らしい曲が揃っています。
メタル好きな人には、必聴アルバムです。
Painkiller
評価: 4.8
1990年発売の12枚目のアルバムで、ジューダス・プリーストの最高傑作のアルバムです。
ドラムに、RACER Xのスコット・トラヴィスを迎え入れ、ドラミングが攻撃性を増し、それに並行して、ギターやロブ・ハルフォードのボーカルも攻撃性が増しました。
ヘビー・メタルを突き詰めていくと、このアルバムに行き着くのではないかと思えるぐらいの究極のヘビー・メタル アルバムです。
ジューダス・プリーストは、1980年代に発売した「復讐の叫び」と「背徳の掟」で頂点を極め、あとは惰性でアルバムが発表されていくのだろうと思っていたところに、本作がリリースされ、ジューダス・プリーストの底力の凄さを感じました。
ジューダス・プリースト ファン以外にも、ヘビー・メタル好きの人は、絶対聞くべきアルバムです。
その他のおすすめアルバム
- Priest in the East
- 1979年2月の東京公演を収録した初のライブアルバムで、初期のベストな選曲がされており、スタジオ・アルバム以上に迫力のある演奏が聞けます。
- ロブ・ハルフォードのボーカルの一部が、後に録り直されていますが、ロブ・ハルフォードのハイトーン・ボーカルの凄まじさが分かるアルバムです。
- Priest…Live!
- 「Turbo」発売後の1986年ダラス公演とアトランタ公演を収録したライブ・アルバムです。「Turbo」「背徳の掟」「復讐の叫び」からの選曲が多くなっています。
- アルバム「Turbo」自体が、シンセサイザーを使用した綺麗な仕上がりのアルバムであったため、本作も音が綺麗で聞きやすくなっています。
- Live Meltdown
- 「Jugulator」リリース後の1998年ヨーロッパで行われたツアーのライブ・アルバムです。ティム・”リッパー”・オーウェンズがボーカルであるため、「Jugulator」からの選曲ばかりかと思っていましたが、意外にも「British Steel」からの選曲が多いのが特徴です。
- ティム・”リッパー”・オーウェンズのボーカルが凄く、ロブ・ハルフォードのボーカルと比較しても違和感なく聞けます。熱気のあるエネルギッシュなライブ・アルバムです。
- A Touch of Evil
- ロブ・ハルフォードが復帰した2005年、2008年、2009年のライブ音源から抜粋されたアルバムです。この時代は、まだロブ・ハルフォードの声が出ており、貫禄のあるボーカルを聞くことができます。
- ロブ・ハルフォードが復帰したアルバム「Angel of Retribution」からの選曲が中心ですが、「Dissident Aggressor」のような古い曲も選曲されています。
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ジューダス・プリーストのメンバ
ジューダス・プリーストのオリジナル・メンバーで、今でもバンドに在籍しているのは、ロブ・ハルフォードとイアン・ヒルの2名だけになります。
過去のメンバーも含め、ジューダス・プリーストの主要メンバーを以下に紹介します。
- ロブ・ハルフォード(ボーカル担当):
黒のレザーの刺々しいファッションは、まさに、ヘビーメタルの出で立ちであり、メタル・ゴッドの呼び名に相応しい人物です。
4オクターブ以上の音域を出すことができる凄まじいハイ・トーン ボーカルが特徴です。
ヘビーメタルに、ハイ・トーン ボーカルのイメージを植え付けたのは、ロブ・ハルフォードだったと言っても過言ではありません。 - イアン・ヒル(ベース担当):
ジューダス・プリーストの結成メンバーでありますが、ジューダス・プリーストの中では、地味な存在に感じます。
ジューダス・プリースト結成時、ロブ・ハルフォードの妹と付き合っていたことがきっかけで、その兄であるロブ・ハルフォードが、バンドメンバーに加わりました。
ちなみにロブ・ハルフォードの妹とは、結婚し、1988年に離婚しています。 - K・K・ダウニング(ギター担当):
ジューダス・プリーストの結成メンバーであり、2011年まで、グレン・ティプトンとともにリードギターとして活躍しました。
ジューダス・プリーストの脱退理由は、定かではありませんが、喧嘩別れだったようです。 - グレン・ティプトン(ギター担当):
1974年にジューダス・プリーストに加入し、K・K・ダウニングとともにリードギターとして活躍しました。
ジューダス・プリーストの作曲やプロデューサーも兼任している多才な人物です。 - ティム “リッパー” オーウェンズ(ボーカル担当):
1993年に、ロブ・ハルフォードが、ジューダス・プリーストを脱退したことに伴い、ボーカルの代役として、バンドに参加しました。
元々は、ジューダス・プリーストのコピーバンドをやっており、1本のビデオテープを、ジューダス・プリーストのメンバーが見て、ジューダス・プリーストへの加入が即決しました。
ロブ・ハルフォードのボーカルに負けず劣らずのボーカルを披露しています。
ジューダス・プリーストの音楽
ジューダス・プリーストの音楽は、メタル・ゴッドの呼び名の通り、ヘビー・メタルのスピード感溢れるサウンドが特徴です。
古い時代のジューダス・プリーストは、ヘビー・メタルではなく、ブリティッシュ・ハード・ロックに近いサウンドでしたので、ブリティッシュ・ハード・ロックが好きな人には、初期の1970年代の曲を聞いてみるのが良いかと思います。
ジューダス・プリーストのサウンドを年代ごとに大きく分けると、1970年代が「ブリティッシュ・ハード・ロック」、1980年代が「ヘビー・メタル」、1990年代が「モダン・ヘビネス」、2000年以降が「ヘビー・メタルへの回帰」になります。
中には、「Nostradamus」のような、どこの区分けにも入らない異色なアルバムはありますが、各区分けのアルバムの初心者向け、中級者向け、上級者向けの分類は、以下の通りです。
【ブリティッシュ・ハード・ロックのアルバム】
- Rocka Rolla(1974年):上級者向け
- Sad Wings of Destiny 運命の翼(1976年):初心者向け
- Sin After Sin 背信の門(1977年):上級者向け
- Stained Class(1978年):中級者向け
- Killing Machine 殺人機械(1978年):中級者向け
【ヘビー・メタルのアルバム】
- British Steel(1980年):初心者向け
- Point of Entry 黄金のスペクトル(1981年):上級者向け
- Screaming for Vengeance 復讐の叫び(1982年):初心者向け
- Defenders of the Faith 背徳の掟(1984年):初心者向け
- Turbo(1986年):上級者向け
- Ram It Down(1988年):中級者向け
- Painkiller(1990年):初心者向け
【モダン・ヘビネスのアルバム】
- Jugulator(1997年):中級者向け
- Demolition(2001年):中級者向け
- Angel of Retribution(2005年):初心者向け
【ヘビー・メタル回帰のアルバム】
- Redeemer of Souls(2014年):上級者向け
- Firepower(2018年):中級者向け
- Invincible Shield(2024年):初心者向け
【その他のアルバム】
- Nostradamus(2008年):上級者向け
まとめ
最後に、ジューダス・プリーストのランキング結果をまとめます。
順位 | アルバム名 | 点数 |
---|---|---|
1位 | Painkiller | 4.8 |
2位 | Screaming for Vengeance 復讐の叫び | 4.0 |
3位 | Defenders of the Faith 背徳の掟 | 3.9 |
4位 | Ram It Down | 3.7 |
5位 | Invincible Shield | 3.6 |
6位 | British Steel | 3.5 |
7位 | Angel of Retribution | 3.4 |
8位 | Sad Wings of Destiny 運命の翼 | 3.3 |
9位 | Stained Class | 3.2 |
10位 | Killing Machine 殺人機械 | 3.1 |
11位 | Jugulator | 3.0 |
12位 | Firepower | 2.9 |
13位 | Sin After Sin 背信の門 | 2.8 |
14位 | Nostradamus | 2.7 |
15位 | Demolition | 2.6 |
16位 | Redeemer of Souls 贖罪の化身 | 2.5 |
17位 | Turbo | 2.4 |
18位 | Point of Entry 黄金のスペクトル | 2.3 |
19位 | Rocka Rolla | 2.2 |
ジューダス・プリーストのアルバムは、メタル・ゴッドの呼び名の通り、凄まじい迫力のあるアルバムばかりでした。
今回、初めて、ティム・”リッパー”・オーウェンズがボーカルの「Jugulator」と「Demolition」を聞いてみましたが、世間的に冷たい扱いを受けているアルバムとは思えないくらいの迫力のあるアルバムで、今まで聞いていなかったことを後悔しています。
この2枚のアルバムは、サブスクにも登録されておらず、CDでしか聞くことができませんが、まだ未聴の方は、ぜひ聞いてもらいたいアルバムです。
ジューダス・プリーストのメンバは、還暦を迎え、新作を出すのは厳しい歳になってきましたが、まだまだ、迫力のあるヘビー・メタルのアルバムを発表されることを願っています。
次回は、スラッシュ・メタルのモンスター・バンド メタリカの全アルバム ランキングをしていきたいと思います。