Who Else!
評価: 3.6
1999年発売のソロ7作目のアルバムで、本格的なソロ・アルバムとしては、10年ぶりに発売されたアルバムです。
10年の空白期間があったためか、かなりサウンドが変化し、デジタル要素を取り入れた斬新な作品となっています。
次作、次々作もデジタル要素の強いアルバムを発表したため、本作も含めて、デジタル3部作と呼ばれています。
本作制作時のジェフ・ベックは、還暦に近い歳でしたが、とても、還暦の人が制作したとは思えないノリの良い、ギターテクニックを見せつけています。
カッコ良さ抜群のアルバムです。
Rough and Ready
評価: 3.7
1971年発売の第2期ジェフ・ベック・グループの1枚目のアルバムで、第1期ジェフ・ベック・グループのメンバーを一新して制作されたアルバムです。
ボーカルとベースに、黒人のボブ・テンチ、クライヴ・チャーマン、ドラムにコージー・パウエル、キーボードにマックス・ミドルトンを迎え入れたことで、ファンキーな黒っぽいアルバムに仕上がっています。
前作「Beck-Ola」が、ハードロックなアルバムでしたが、本作は、ソウルやジャズ色の強い作品です。
メンバーのまとまりが良く、アルバム全体として統一感があります。
本作のジェフ・ベックのギターは、ワウ・カッティングを多用しています。
Jeff Beck Group
評価: 3.8
1972年発売の第2期ジェフ・ベック・グループの2枚目のアルバムで、プロデューサーに、スティーヴ・クロッパーを迎え入れて制作されたアルバムです。
本作は、通称「オレンジ・アルバム」と呼ばれています。
ボブ・ディランのカヴァー曲「Tonight I’ll Be Staying Here With You」や、スティヴィー・ワンダーのカヴァー曲「I Got to Have a Song」など、カヴァー曲が多く収録されています。
それでも、ハードなファンキーサウンドは、まとまりがあり、歌が入っているジェフ・ベックのアルバムでは、最高傑作に位置付けられるアルバムです。
Wired
評価: 3.9
1976年発売の2作目のソロ・アルバムで、前作「Blow by Blow」と同様、全編インスト・ナンバーで構成されたアルバムです。
前作の続編的なアルバムではありますが、前作よりもファンキーでハードな演奏に変化しています。
マハヴィシュヌ・オーケストラのキーボディスト ヤン・ハマーと、ドラマーのナラダ・マイケル・ウォルデンが参加したことで、演奏力が、格段にアップしています。
ヤン・ハマーのシンセサイザーとジェフ・ベックのギターとのバトル演奏が聴きどころで、シンセサイザーもギターも、本作の主役となっています。
また、ドラミングも凄く、オープニング・ナンバーの「Led Boots」から、飛ばしまくっています。
本作は、ロック・ヒュージョンの傑作に位置付けられるアルバムです。
Blow by Blow
評価: 4.0
1975年発売のソロ1作目のアルバムです。
ジェフ・ベックは、ベック・ボガート & アピスが自然消滅した後、ソロに転向しました。
当時、ジェフ・ベックは、マイルス・ディヴィスや、リターン・トゥ・フォーエヴァー、マハヴィシュヌ・オーケストラなどのクロス・オーヴァーに影響を受けていたことから、フュージョン色の強い作品となりました。
全編インストゥルメンタルで、ビートルズのカヴァー曲「She’s a Woman」、スティーヴィー・ワンダーの作曲「哀しみの恋人達」などのカヴァー曲と、オリジナル曲が半々で構成されています。
ギターにストレングスが加わった壮大な本作は、ギター・インストの歴史的傑作アルバムで、インストゥルメンタルにも関わらず、全米チャート4位を記録した名盤です。
おすすめのライブ・アルバム
- Beck Bogert & Appice Live
- 1973年5月の初来日公演の模様を収録した日本のみで発売されたBeck Bogert & Appiceのライブ・アルバムです。
- ハード・ロック色が強く、ジェフ・ベックのギターは、パワフルで、スタジオ・アルバムよりも迫力があります。ヤードバーズやジェフ・ベック・グループ時代の曲も収録されています。
- Jeff Beck with the Jan Hammer Group Live ライヴ・ワイアー
- 「Wired」発表後に、ヤン・ハマー・グループと合体してツアーを行ったジェフ・ベックが、1977年に発表したライブ・アルバムです。ジェフ・ベックが主体ではないため、ヤン・ハマー・グループの曲が、3曲収録されています。
- ジェフ・ベックのアルバムの中では、「Blow by Blow」から3曲、「Wired」から1曲が選曲されています。ラストの「Scatterbrain」と「Blue Wind」は、ジェフ・ベックの凄まじいギターを聴くことができます。
- Live+
- 2014年のUSツアーのライブ音源に、新曲を2曲追加したアルバムです。演奏が安定しており、音質も良く、ジェフ・ベックのギターの魅力が十二分に表れています。
- ボーカルは、アルバム「Flash」で数曲ボーカルを務めたジミー・ホールです。ジミー・ヘンドリックスのカヴァー曲「Little Wing」が聴けるのが嬉しいところです。
- Live at Hollywood Bowl
- ジェフ・ベック デビュー50周年を記念した2016年8月公演を収録したライブ音源です。この時、ジェフ・ベックは、72歳でしたが、72歳とは思えない迫力の演奏を聴くことができます。
- ヤードバーズやジェフ・ベック・グループ時代の曲も収録されており、ジェフ・ベックの音楽活動の集大成的なライブ・アルバムです。
- ヤン・ハマー、バディ・ガイ、スティーヴン・タイラーなど、豪華ゲストが参加しています。ラストは、この年に亡くなったプリンスの「パープルレイン」で締め括られています。
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ジェフ・ベックの音楽
ジェフ・ベックのアルバムは、大きく、ハード・ロックのアルバム、ソウルのアルバム、ヒュージョンのアルバム、デジタル・ロックのアルバムに、分けることができます。
上記のどの枠にも収まらないアルバムが、少数存在していますが、それぞれの区分けの初心者向け、中級者向け、上級者向けの分類は、以下の通りです。
【ハード・ロックのアルバム】
- Roger the Engineer(1966年):上級者向け
- Truth(1968年):中級者向け
- Beck-Ola(1969年):初心者向け
- Loud Hailer(2016年):上級者向け
【ソウルのアルバム】
- Rough and Ready(1971年):中級者向け
- Jeff Beck Group(1972年):初心者向け
- Beck, Bogert & Appice(1973年):中級者向け
【ヒュージョンのアルバム】
- Blow by Blow(1975年):初心者向け
- Wired(1976年):初心者向け
- There and Back(1980年):中級者向け
- Jeff Beck’s Guitar Shop(1989年):中級者向け
- Emotion & Commotion(2010年):中級者向け
【デジタル・ロックのアルバム】
- Who Else!(1999年):初心者向け
- You Had It Coming(2000年):中級者向け
- Jeff(2003年):上級者向け
【その他のアルバム】
- Flash(1985年):上級者向け
- Crazy Legs(1993年):上級者向け
- 18(2003年):上級者向け
まとめ
最後に、ジェフ・ベックのランキング結果をまとめます。
順位 | アルバム名 | 点数 |
---|---|---|
1位 | Blow by Blow | 4.0 |
2位 | Wired | 3.9 |
3位 | Jeff Beck Group | 3.8 |
4位 | Rough and Ready | 3.7 |
5位 | Who Else! | 3.6 |
6位 | Beck-Ola | 3.5 |
7位 | Truth | 3.4 |
8位 | You Had It Coming | 3.3 |
9位 | Jeff | 3.2 |
10位 | There and Back | 3.1 |
11位 | Beck, Bogert & Appice | 3.0 |
12位 | Jeff Beck’s Guitar Shop | 2.9 |
13位 | Roger the Engineer | 2.8 |
14位 | Emotion & Commotion | 2.7 |
15位 | 18 | 2.6 |
16位 | Loud Hailer | 2.5 |
17位 | Crazy Legs | 2.4 |
18位 | Flash | 2.0 |
ジェフ・ベックは、他の3大ギタリスト(エリック・クラプトン、ジミー・ペイジ)と比較すると、自分の信念を持った音楽性がなく、ふらふらしているような印象を持っている人も多いかと思います。
しかし、ジェフ・ベックの全アルバムを聴いてみて、常に、自分の音楽を進化させ、最後まで向上心を持っていたように感じます。
ジェフ・ベックは、ヒュージョン、ロック、ハード・ロック、デジタル・ロックなど、色々なジャンルのアルバムを制作してきましたが、どのアルバムも質が高く、素晴らしいアルバムを残してくれました。
2023年にお亡くなりになってしまったことは、大変残念ですが、これからも、ジェフ・ベックの残してくれたアルバムは、大切に聴き続けていきたいと思います。
次回は、ビートルズ、ローリング・ストーンズとともに、イギリスの3大ロック・バンドに挙げられているザ・フーの全アルバム ランキングをしていきたいと思います。
ジェフ・ベックのグッズ紹介
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