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The Who(ザ・フー)全アルバム ランキング|名盤、おすすめ アルバムの紹介
前回は、Jeff Beck(ジェフ・ベック)の全アルバム ランキングをしましたので、
今回は、ロック界のレジェンド第7弾として、The Who(ザ・フー)の全アルバム ランキングをしていきたいと思います。
ザ・フーは、1964年に結成され、現在でも、活動を行っているキャリアの長いバンドで、ビートルズ、ローリング・ストーンズと並び、イギリスの3大ロックバンドの一つに数えられています。
ザ・フーの音楽は、最初期は、パンクのようなアグレッシブなロックを展開していましたが、その後は、ロック・オペラのアルバムを発表したり、シンセサイザーを導入したプログレッシブなアルバムを発表したりと、音楽性が変わっていきます。
また、ザ・フーは、ライブ・バンドとしても有名で、ステージ上で、楽器を破壊する派手なパフォーマンスを行ったり、大音量の演奏を行っていました。
そんなザ・フーの名盤の紹介や評価をしていきたいと思います。
ランキングは、個人的な独断と偏見で評価していますので、世間一般の評価とは異なるかもしれませんが、その点は、ご了承ください。
ザ・フーのアルバムを聴いてみたいけど、どのアルバムから聴けば良いか分からない方、
ザ・フーのアルバムの評価や、名盤、おすすめのアルバムを知りたい方に、役立つ記事になっています。
ザ・フー アルバムランキング
It’s Hard
私的評価: 2.2 (本作のAmazonの評価は、こちら)
1982年発売の10枚目のアルバムで、ジョン・エントウィッスルとケニー・ジョーンズが参加した最後のアルバムになります。
本作は、契約を消化するために制作されたことや、ピート・タウンゼントがソロ活動に精を出していたことなどがあり、散漫な印象を受けます。
前作「Face Dances」よりも、昔のザ・フーらしさが、幾分戻ってはいますが、世間一般的な低評価通り、パワーがなくなってしまった残念なアルバムです。
本作発売後、ザ・フーは、一旦解散することになります。
Face Dances
私的評価: 2.3 (本作のAmazonの評価は、こちら)
1981年発売の9枚目のアルバムで、ドラマーに、フェイセスのケニー・ジョーンズを迎え入れて制作された新生ザ・フーの最初のアルバムです。
キース・ムーンが他界したことで、ザ・フーは解散の噂が立ちましたが、その危機を乗り越えて、見事、復帰してくれました。
しかし、音楽性は、昔のザ・フーの面影は全くなくなり、キーボード中心のポップなサウンドに変化してしまいました。
ドラムも、キース・ムーンのような荒々しい迫力のあるドラミングではなく、テクニカルなきっちりとしたドラミングを行なっており、それが更に、ザ・フーの面影をなくしてしまっています。
昔のザ・フーの音楽性を求めなければ、聞きやすく、良作のアルバムです。
Endless Wire
私的評価: 2.4 (本作のAmazonの評価は、こちら)
2006年発売の11枚目のアルバムで、前作「It’s Hard」から実に24年ぶりに発売されたアルバムです。
キース・ムーン、ジョン・エントウィッスルが他界してしまったため、オリジナル・メンバーは、ピート・タウンゼントと、ロジャー・ダルトリーしか参加していません。
本作の注目曲は、後半の「ワイヤー&グラス〜ミニ・オペラ」で、久々のロック・オペラの曲を聞くことができます。
オープニングは、「Who’s Next」のイントロを彷彿させ、期待を持たせますが、「Who’s Next」とは全く異なったAOR色の強い作品です。
昔のようなザ・フーのサウンドを期待すると肩透かしを食らいます。
My Generation
私的評価: 2.6 (本作のAmazonの評価は、こちら)
ロジャー・ダルトリー、ピート・タウンゼント、ジョン・エントウィッスル、キース・ムーンの4人で結成されたザ・フーの記念すべきデビュー・アルバムです。
荒削りでパワフルなサウンドは、後に勃興するパンクに影響を与えました。
キース・ムーンのドラムが物凄く、特に、アルバム名と同名曲の「マイ・ジェネレーション」は、ザ・フーの代表作であり、ドラムの破壊力抜群の名曲です。
ザ・フーのメンバーは、本作のプロデューサーであるシェル・タルミーと、不利な契約を結んでしまったことにより、今後、シェル・タルミーと遺恨を残すことになります。
本作は、英国チャートでは、5位を記録しましたが、米国では全くヒットしませんでした。
英国人好みのアルバムと言えます。
A Quick One
私的評価: 2.7 (本作のAmazonの評価は、こちら)
1966年発売のセカンド・アルバムで、「メンバー各自が最低でも2曲書き下ろしたら前金として500ポンドを支払う」という提案のもと、制作されたアルバムです。
そのため、各メンバーが作曲した作品が収録されています。
また、ジョン・エントウィッスルやキース・ムーンがリード・ボーカルをとる曲も収録されており、バラエティ豊かな楽曲が揃っています。
ザ・フーのオリジナリティが芽生え始めており、「くもの巣と謎」では、ホーン・セクションを演奏に加えたり、「クイック・ワン」では、初めてロック・オペラに挑戦したりとチャレンジングな試みがされています。
全英チャートで5位、全米チャートで47位を記録しました。
Who Are You
私的評価: 2.8 (本作のAmazonの評価は、こちら)
1978年発売の8枚目のアルバムで、シンセサイザーを多用したポップなアルバムです。
シンセサイザー以外にも、ストリングスや打ち込みを導入し、新たな方向性を見出しています。
本作発売直後に、ドラムのキース・ムーンが、処方薬の過剰服用により他界してしまうため、キース・ムーンが参加した最後のアルバムとなりました。
キース・ムーンは、アルバム制作中から健康状態が悪化しており、いつものキース・ムーンの激しいドラミングはなく、精彩を欠いていることが分かります。
それでも、全英チャート6位、全米チャート2位を記録し、売上は好調でした。
Who
私的評価: 2.9 (本作のAmazonの評価は、こちら)
2019年発売の12枚目のアルバムで、前作「Endless Wire」から、13年ぶりに発売された最新アルバムです。
ロジャー・ダルトリーのヴォーカルに衰えは感じるものの、前作「Endless Wire」のようなAORのサウンドではなく、ザ・フーらしいロック・アルバムです。
ピート・タウンゼントと、ロジャー・ダルトリーの年齢から考えると、このアルバムがラスト・アルバムになると思われますが、ラスト・アルバムに相応しく、ザ・フーの集大成的な作品に仕上がっています。
批評家からの評価も上々で、全英チャート3位、全米チャート2位を記録し、久々にヒットしたアルバムです。
The Who Sell Out
私的評価: 3.0 (本作のAmazonの評価は、こちら)
1967年発売の3枚目のアルバムで、「インチキCM」と「海賊版ラジオ局へのトリビュート」をテーマにしたザ・フー初のコンセプト・アルバムです。
曲間にラジオ局のジングル曲やコマーシャル・ソングを挟み、ラジオ番組を思わせる構成となっています。
オープニングから、ヴォコーダーを使用したエフェクト・ヴォイスが登場し、実験色の強さを感じさせます。
当時流行っていたサイケデリックの要素が垣間見られますが、全体的に、聞きやすいポップな曲が多く、ザ・フーの音楽性が確立されてきたことが分かります。
本作の収録曲で、シングル・カットされたピート・タウンゼントの自信作「I Can See for Miles」は、ザ・フーのベスト・ソングに挙げられる名曲です。
The Who by Numbers
私的評価: 3.2 (本作のAmazonの評価は、こちら)
1975年発売の7枚目のアルバムで、「Who’s Next」以来のノン・コンセプトアルバムです。
前作「四重人格」まで使用されていたシンセサイザーが影を潜め、シンプルな音作りのされたロック・アルバムです。
ピアノには、ローリング・ストーンズやザ・キンクスなどの共演で有名なニッキー・ホプキンスが担当しています。
全体的に、明るくノリの良い曲が多く、ウエストコースト系の曲や、カントリー風の曲など、今までのザ・フーとは違った曲が多く収録されていることが特徴のアルバムです。
Tommy
私的評価: 3.5 (本作のAmazonの評価は、こちら)
1969年発売の4枚目のアルバムで、「三重苦を母親から強要された少年トミーが、ピンボールをマスターし、大スターになっていく」というストーリーをもとに制作されたロック・オペラのコンセプト・アルバムです。
ロック・オペラと言っても、クイーンのようなオペラ・ボーカルの派手な音楽とは異なります。
歌詞が難解であることと、日本人には馴染みのない音楽であるため、とっつきにくく感じるかもしれません。
しかし、聴き込めば聴き込むほど良さが分かるスルメ的な作品です。
ピート・タウンゼントの曲を中心に構成されており、ピート・タウンゼントの非凡さが分かります。
全英チャート2位、全米チャート4位とセールス的にも成功し、ザ・フーの名盤の1枚に挙げられ、後に、映画化もされました。
Quadrophenia 四重人格
私的評価: 3.6 (本作のAmazonの評価は、こちら)
1973年発売の6枚目のアルバムで、ジミーという少年の旅をストーリー仕立てにした、ロック・オペラのコンセプト・アルバムです。
前作「Who’s Next」で導入したシンセサイザーを、本作でも多く使用し、更に、オーケストラやホーンを導入し、「Tommy」よりも、スケールが大きくなり、聞きやすい作品に仕上がっています。
普通のロックというよりも、プログレッシブ・ロックに近い印象を受けます。
尚、1979年には、本作を元にした映画「さらば青春の光」が公開されました。
全英チャート、全米チャートともに、2位を記録し、大ヒットしました。
Who’s Next
私的評価: 3.8 (本作のAmazonの評価は、こちら)
1971年発売の5枚目のアルバムで、ザ・フーの最高傑作に挙げられることの多いアルバムです。
前々作「The Who Sell Out」と前作「Tommy」が、コンセプト・アルバムでしたが、本作は、コンセプト・アルバムではなく、全編ロックの曲で占められています。
元々は、「Tommy」と同様、2枚組のロック・オペラとして発売する予定でしたが、難解であったことやマネージャーのキット・ランバートが興味を示さなかったことから、9曲を選んで発売することになりました。
初のシンセサイザーを導入するなど、ザ・フーのサウンドが確立した完成度の高い作品です。
初の全英チャート1位、全米チャート4位を記録し、ザ・フーの人気を決定づけました。
「Tommy」に並ぶ名盤の1枚です。
おすすめのライブ・アルバム
- Live at Leeds
- 「Tommy」発売後、1970年2月に、リーズ大学の食堂で行ったライブを収録したアルバムです。スタジオ・アルバムとは、また違ったハード・ロックを展開しています。
- ライブ・バンドらしく、演奏が物凄く、特に、キースムーンの暴れドラムに、ジョン・エントウィッスルの爆音ベースには、圧倒されてしまいます。
- 元々、本作は、6曲しか収録されていませんでしたが、Deluxe Editionには、全33曲が完全収録されました。Disc2には、「Tommy」のパートの全てが収録されているため、Deluxe Editionの方をおすすめします。
- Who’s Last
- 1982年、アメリカとカナダで実施した解散ツアーの模様を収録した2枚組ライブ・アルバムです。各年代の代表曲が収録されており、ザ・フーのベスト・アルバムとして聴くにも最適なアルバムです。
- 後に再結成されますが、当時、本作が、ザ・フーのラスト・アルバムとして発売されたため、アルバム名が、「Who’s Last」と名付けられています。
その他のアルバム
- Odds & Sods
- ザ・フーは、長年リリースされなかった曲を数多くレコーディングしており、秘蔵の曲が溜まってきていました。1974年に、ジョン・エントウィッスルが、それらの未発表曲の発掘および編集をしたのが、本作になります。
- お蔵入りとなっていた曲でも質が高く、ザ・フーの才能の高さが伺えます。ザ・フーのコア・ファン向けのアルバムです。
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ザ・フーのメンバー
ザ・フーは、ロジャー・ダルトリー、ピート・タウンゼント、ジョン・エントウィッスル、キース・ムーンの4人で結成され、メンバー間で仲が悪かった時代もありましたが、1970年代末まで、不動のメンバーで活動しました。
しかし、キース・ムーンが、1978年に亡くなってしまったことで、ドラマーが、ケニー・ジョーンズに変更となりました。
その後、ジョン・エントウィッスルも、2002年に亡くなり、オリジナル・メンバーは、ロジャー・ダルトリーとピート・タウンゼントの2名となってしまいました。
4名のオリジナル・メンバーを以下に紹介します。
- ピート・タウンゼント(ギター、ボーカル、キーボード担当):
ザ・フーの中心人物で、ザ・フーの大半の曲の作詞・作曲を行っています。
ザ・フーのギタリストとしては、速弾きなどのギターソロを行うことがほとんどなく、派手なコードを爆音で鳴らすことに特化しています。
ライブでは、ギターを破壊する派手なパフォーマンスを行っていました。
ザ・フーの活動以外では、ソロ・アルバムを発表したり、エリック・クラプトンとの復帰ライブに参加したりと幅広く活動しています。 - ロジャー・ダルトリー(ボーカル担当):
ザ・フー結成時のリーダーでしたが、ピート・タウンゼントに主役の座を奪われます。
そのことが、確執となり、ピート・タウンゼントとは、常に揉め事が絶えませんでした。
しかし、ピート・タウンゼントとは、お互いに敬意を表しており、「ピート以上にすごい曲を書ける奴はほかにはいない」とも語っています。
元々はギタリストでしたが、ザ・フーではボーカルに専念しています。
多くのソロ・アルバムも発表しています。 - キース・ムーン (ドラム担当):
偉大なドラマー・ランキングが行われると、必ずジョン・ボーナムと共に、上位にランキングされる凄腕ドラマーでした。
また、「破壊王」というニック・ネームが付けられているように、ドラムの破壊はもちろん、自宅の破壊、ホテルの破壊、パーティー会場の破壊など、常に破壊を行っていた人物でした。
破天荒な性格ゆえに、ドラッグやアルコールの中毒となり、32歳の若さで他界しました。 - ジョン・エントウィッスル (ベース担当):
2011年のローリング・ストーン誌が選んだ「最も偉大なベーシスト」において第1位となった偉大なベーシストです。
ステージでは、他のメンバーが派手な演奏を行う一方で、黙々とベースを演奏し、地味な印象があります。
ザ・フーでは、ピート・タウンゼントに次いで、曲を提供していましたが、アルバムでは、1〜2曲ほどしか採用されませんでした。
2002年に心臓発作で他界しました。
ザ・フーの音楽
ザ・フーのアルバムは、初期のアグレッシブなロック・アルバム、中期のロック・オペラのアルバム、後期のポップス、AORのアルバムに、大きく分けられます。
初期・中期のアルバムは、迫力のある演奏、特に、リズム隊であるキース・ムーンのドラミング、ジョン・エントウィッスルのベースが凄まじかったことがあり、ザ・フーの初心者の人は、まずは、初期・中期のアルバムから聞いていくことをおすすめします。
それぞれの時代の初心者向け、中級者向け、上級者向けの分類は、以下の通りです。
【初期のアルバム】
- My Generation(1965年):中級者向け
- A Quick One(1966年):中級者向け
- The Who Sell Out(1967年):初心者向け
【中期のアルバム】
- Tommy(1969年):初心者向け
- Who’s Next(1971年):初心者向け
- Quadrophenia 四重人格(1973年):初心者向け
- The Who By Numbers(1975年):中級者向け
- Who Are You(1978年):中級者向け
【後期のアルバム】
- Face Dances(1981年):上級者向け
- It’s Hard(1982年):上級者向け
- Endless Wire(2006年):上級者向け
- Who(2019年):初心者向け
まとめ
最後に、ザ・フーのランキング結果をまとめます。
順位 | アルバム名 | 点数 |
---|---|---|
1位 | Who’s Next | 3.8 |
2位 | Quadrophenia 四重人格 | 3.6 |
3位 | Tommy | 3.5 |
4位 | The Who by Numbers | 3.2 |
5位 | The Who Sell Out | 3.0 |
6位 | Who | 2.9 |
7位 | Who Are You | 2.8 |
8位 | A Quick One | 2.7 |
9位 | My Generation | 2.6 |
10位 | Endless Wire | 2.4 |
11位 | Face Dances | 2.3 |
12位 | It’s Hard | 2.2 |
ザ・フーは、やはり、ロジャー・ダルトリー、ピート・タウンゼント、ジョン・エントウィッスル、キース・ムーンの4人が揃ったアルバムが上位を占めました。
キース・ムーンが他界してしまった後のアルバムは、もの足りなさを感じてしまうのは事実ですが、その中でも、2019年に発売した最新アルバムは、上出来のアルバムでした。
このアルバムが、ラスト・アルバムになってしまう可能性が高いですが、今後も、ザ・フーのアルバムは聴き続けていきたいと思っています。
次回は、ロック界のレジェンド第8弾として、David Bowie(デヴィッド・ボウイ)の全アルバム ランキングをしていきたいと思います。