Iron Maiden 鋼鉄の処女
評価: 3.2
1980年発売のファースト・アルバムで、NWOBHM(ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィメタル)の代表格として評価されているアルバムです。
1970年代のレッド・ツェッぺリンやディープ・パープルなどのハード・ロックを、更にヘビーにしたギター、ベース、ボーカルは、今後のヘビー・メタルの基礎を作り上げた画期的なアルバムです。
アイアン・メイデンのライブでも定番曲になっている「ランニング・フリー」「鋼鉄の処女」や、ドラマチックな展開がされているインストゥルメンタル曲「Transylvania」が収録されています。
ヘビー・メタルの歴史は本作から始まったと言っても過言ではありません。
Piece Of Mind 頭脳改革
評価: 3.3
1983年発売の4枚目のアルバムで、ドラムがニコ・マクブレインに変わったこともあり、パワフルなリズムの攻撃性の強いヘビー・メタル アルバムです。
オープニング・ナンバー「Where Eagles Dare」から、ニコ・マクブレインの荒々しいドラミングが聞けます。
本作の中では、「The Trooper」が突出した出来で、印象的なギター・リフと疾走するリズムを持ち、アイアン・メイデンの曲の中でも、名曲に値する1曲です。
スティーヴ・ハリスのお気に入りのアルバムでもあります。
Killers
評価: 3.5
1981年発売のセカンド・アルバムで、ギタリストがエイドリアン・スミスに変更になり、ファースト・アルバム「鋼鉄の処女」よりも更にパワー・アップしたアルバムです。
ボーカルのポール・ディアノは、本作で解雇されてしまいますが、2代目ボーカリスト ブルース・ディッキンソンとは違ったボーカルを聞かせてくれています。
3枚目以降のアルバムは、ポップでメロディアスな曲が増えていきますが、本作は、ポップな曲はなく、ひたすら凶暴なアルバムです。
そのため、「第七の予言」のようなキャッチーなアイアン・メイデンが好きな人には、合わないかもしれません。
「Wrathchild」「Killers」「Purgatory」が、特に、凶暴な曲です。
Somewhere In Time
評価: 3.6
1986年発売の6枚目のアルバムで、シンセギターを使用しているため、近未来を感じさせるヘビー・メタル アルバムです。
アルバムのジャケットも近未来しています。
スピード感、メロディアスさが増したことで、サウンドの幅が広がり、テンションの高い華やかなアルバムになりました。
メロディアスで、キャッチーな「Wasted Years」や「Heaven Can Wait」、シンセベースが光るスピード感のある「Caught Somewhere in Time」や「The Loneliness Of The Long Distance Runner」「Deja-Vu」など、聴きどころの多いアルバムです。
Powerslave
評価: 3.8
1984年発売の5枚目のアルバムで、1〜4枚目のアルバムの集大成的な内容を持っています。
本作以降は、シンセサイザーを使い始め、サウンドが変化していきます。
「Aces High」「2 Minutes to Midnight」の2曲が優れているため、とかく、この2曲だけが話題になることが多いですが、
2曲の大作(7分超えの「Powerslave」や、13分超えの「Rime Of The Ancient Mariner」)も収録されています。
前2曲、後2曲が優れているため、真ん中の曲は話題に上がることがほとんどありませんが、全曲粒揃いで、名作であることには間違いありません。
The Number Of The Beast 魔力の刻印
評価: 4.0
1982年発売の3枚目のアルバムで、元SAMSONのブルース・ディッキンソンを迎え入れ制作されたアルバムです。
アメリカ進出を意識したせいもあり、ファースト・アルバム「鋼鉄の処女」やセカンド・アルバム「キラーズ」よりもキャッチーでメロディアスな曲が増えています。
「The Number of The Beast」「Hallowed Be Thy Name」「Run to The Hills」は、アイアン・メイデンのライブで定番曲になっており、ブルース・ディッキンソンのハイトーン・ボーカルを堪能できる曲です。
本作で、アイアン・メイデンのサウンドが確立されました。
その他のおすすめアルバム
- Night Of The Dead, Legacy Of The Beast: Live In Mexico City
- 2018年開催の「Legacy Of The Beast」ツアーから、メキシコのライブ音源です。日本公演も予定されていましたが、コロナの影響で中止になりました。
- アイアン・メイデンのベスト・アルバム的な選曲で、珍しいところでは、「THE X FACTOR」から「Sign Of The Cross」が、「VIRTUAL Ⅺ」から「The Clansman」が演奏されています。
- EN VIVO!
- 「The Final Frontier」に伴うワールドツアーから、チリ サンティアゴのライブ音源です。DVDも販売されています。
- 「The Final Frontier」からの曲がメインであるため、「The Final Frontier」が好きな人には、おすすめのライブ・アルバムです。
- Death on the Road
- 「Dance of Death」発売後のドイツのドルトムントでのライブ音源で、6人編成になってから初のライブ・アルバムです。
- 「Wildest Dreams」「Rainmaker」「No More Lies」などの「Dance of Death」からの楽曲のライブ音源が聴けるのはうれしい限りです。
- Rock in Rio
- 「Brave New World」発売後のブラジル リオデジャネイロのライブ音源で、観客の歓声が半端なく、さすがブラジルといった感じがします。
- 「Brave New World」からの選曲が多いですが、「Brave New World」が好きでない人でも、迫力のある演奏が聞けますので、おすすめのアルバムです。
- Live After Death
- 84年〜85年のワールドツアーから、LAとロンドンのライブ音源で、初期のアイアン・メイデンの演奏が聞けます。
- 「Powerslave」までのアルバムからの選曲であるため、初期のアイアン・メイデンの曲が好きな人には、申し分のないライブ・アルバムです。
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アイアン・メイデンのメンバ
アイアン・メイデンは、ベースのスティーヴ・ハリスを中心としたバンドです。
現在、在籍しているオリジナル・メンバは、スティーヴ・ハリスと、ギターのデイヴ・マーレイのみで、ボーカリストも含め、たびたび、メンバ交代がされています。
アイアン・メイデンの主メンバを以下に紹介します。
- スティーヴ・ハリス(ベース、キーボード担当):
アイアン・メイデンのリーダーで、アイアン・メイデンの楽曲の多くを作詞・作曲しています。
プログレッシブ・ロックに影響を受けていることから、アイアン・メイデンの最近の曲は、構成が複雑で変拍子の、長い曲が増えています。
ベース演奏は、独学で学んだことから、強烈に指弾きする独自のスタイルをとっています。 - デイヴ・マーレイ(ギター担当):
アイアン・メイデンのオリジナル・メンバーで、3人のギタリストのうちの1人です。
ヘビー・メタルには似つかない可愛らしい笑顔の似合う童顔が印象的です。
ギター演奏は、流麗なフレイジングを特徴としています。 - エイドリアン・スミス(ギター担当):
3人のギタリストのうちの1人で、「No Prayer For The Dying」〜「Virtual XI」の期間、バンドを離れますが、「Brave New World」で復帰し、現在も、アイアン・メイデンに在籍しています。
日本のバンド「EARTHSHAKER」に曲を提供したこともありました。 - ヤニック・ガーズ(ギター担当):
3人のギタリストのうちの1人で、もともとは、イアン・ギランのバンドなどに加入していましたが、エイドリアン・スミスの一時脱退後、「No Prayer For The Dying」から、アイアン・メイデンに加入し、現在に至っています。 - ニコ・マクブレイン(ドラムス担当):
4枚目のアルバム「頭脳改革」から、アイアン・メイデンに加入し、ドラムを担当しています。
ライドシンバルを、垂直に設置し、手癖のある独特なドラミングをしています。 - ポール・ディアノ(初代ボーカル):
ファースト・アルバム「鋼鉄の処女」と、セカンド・アルバム「Killers」のボーカリストで、吐き捨てるような歌唱は、初期のアイアン・メイデンの凶暴なサウンドにマッチしていました。
理由は不明ですが、「キラーズ」のアルバム・ツアー後に解雇されてしまいました。 - ブルース・ディッキンソン(2代目ボーカル):
サード・アルバム「魔力の刻印」以降のボーカリストで、声域の広いメロディアスな曲に合う歌声をしています。
一時期、アイアン・メイデンを脱退しますが、すぐに復帰して、現在もアイアン・メイデンのボーカリストです。
音楽活動以外では、パイロット、企業経営者、フェンシングやクリケット選手、小説家などマルチな才能の持ち主です。 - ブレイズ・ベイリー(3代目ボーカル):
ブルース・ディッキンソンが、一時脱退した時に、「The X Factor」と「Virtual XI」の2枚のアルバムに、ボーカリストとして参加しました。
ブルース・ディッキンソンとは声質が異なる低い声域のボーカルは、アイアン・メイデンの曲に合っていないと不評でした。
人柄が良いと評判であるのに、可哀そうなボーカリストでした。
アイアン・メイデンの音楽の楽しみ方
アイアン・メイデンは、大きく分けると、前期(「鋼鉄の処女」〜「Fear Of The Dark」)と後期(「The X Factor」〜「Senjutsu」)で、音楽性が異なっています。
(ブレイズ・ベイリーがボーカルの「The X Factor」と「Virtual XI」は、どちらにも属さない異色なアルバムです。)
前期は、疾走したメロディアスな短い曲が多いですが、後期は、プログレッシブ・ロックのような複雑な構成の、長い曲が多くなっています。
前期のアルバムの方が、人気があるのではないかと思っていますが、各国のチャートでは、後期のアルバムの方が上位にランキングされています。
前期、後期のアルバムの初心者向け、中級者向け、上級者向けの分類は、以下の通りです。
【前期(1980年〜1992年)】
- Iron Maiden 鋼鉄の処女(1980年):初心者向け
- Killers(1981年):上級者向け
- The Number Of The Beast 魔力の刻印(1982年):初心者向け
- Piece Of Mind 頭脳改革(1983年):中級者向け
- Powerslave(1984年):初心者向け
- Somewhere In Time(1986年):中級者向け
- Seventh Son Of A Seventh Son 第七の予言(1988年):初心者向け
- No Prayer For The Dying(1990年):上級者向け
- Fear Of The Dark(1992年):中級者向け
【後期(1995年〜 )】
- The X Factor(1995年):上級者向け
- Virtual XI(1998年):上級者向け
- Brave New World(2000年):中級者向け
- Dance Of Death(2003年):初心者向け
- A Matter Of Life And Death(2006年):上級者向け
- The Final Frontier(2010年):中級者向け
- The Book of Souls(2015年):上級者向け
- Senjutsu 戦術(2021年):上級者向け
まとめ
最後に、アイアン・メイデンのランキング結果をまとめます。
順位 | アルバム名 | 点数 |
---|---|---|
1位 | The Number Of The Beast 魔力の刻印 | 4.0 |
2位 | Powerslave | 3.8 |
3位 | Somewhere In Time | 3.6 |
4位 | Killers | 3.5 |
5位 | Piece Of Mind 頭脳改革 | 3.3 |
6位 | Iron Maiden 鋼鉄の処女 | 3.2 |
7位 | Seventh Son Of A Seventh Son 第七の予言 | 3.1 |
8位 | Dance Of Death | 3.0 |
9位 | Brave New World | 2.9 |
10位 | The Final Frontier | 2.8 |
11位 | Fear Of The Dark | 2.7 |
12位 | A Matter Of Life And Death | 2.6 |
13位 | No Prayer For The Dying | 2.5 |
14位 | The Book of Souls | 2.4 |
15位 | Virtual XI | 2.3 |
16位 | Senjutsu 戦術 | 2.2 |
17位 | The X Factor | 2.0 |
個人的な好みから、1980年代のアルバムが上位を独占する結果になりました。
最近のアルバムも決して悪いアルバムではないのですが、集中して聞かなければ良さが分からないことから、集中力を必要とします。
それに比べて、1980年代のアルバムは、曲が短く、分かりやすい曲が多いため、高評価になりました。
今後も、アイアン・メイデンは、新作を発表すると思いますが、初期のアイアン・メイデンのような気軽に聞けるアルバムも発売して欲しいなと願っています。
次回は、ブラック・サバスの全アルバム ランキングをしていきたいと思います。
アイアン・メイデンのグッズ紹介
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