A Single Man
評価: 2.8
1978年発売の12作目のアルバムで、プロデューサーやバック・メンバーを大幅に変更して制作されたアルバムです。
アルバム名からは、エルトン・ジョンのシングル曲を寄せ集めたような印象を受けますが、全く異なります。
前作「蒼い肖像」と同様、ピアノ中心の大人しめの曲が多く、途中でダレないように、ストリングスやホーンを使用した曲や、女性コーラスの入ったソウルフルな曲などを取り入れる工夫がされています。
ジャケットも音楽と同様に、エルトン・ジョンは派手な眼鏡を捨てて、シルクハットにコートという英国紳士の姿で写っています。
シングル・カットされヒットした「ソング・フォー・ガイ」は、エルトン・ジョンのレーベル「ロケット・レコード」で雇われていたガイ・バーチェットへの追悼として書かれた曲です。
渋めのエルトン・ジョンの曲を聞きたい人向けのアルバムです。
Blue Moves 蒼い肖像
評価: 2.85
1976年発売の11作目のアルバムで、エルトン・ジョンの転換期を迎えた2枚組のアルバムです。
本作発売前の過酷なアメリカン・ツアーのために、疲労が見え、ピアノやアコースティック・ギターのシンプルな曲が多いことが特徴です。
ロックな曲が何曲かあるものの、エルトン・ジョンのアルバムの中では地味なアルバムに位置付けられます。
「ホンキー・シャトー」から続いていた全米チャート連続1位記録も、本作で途切れてしまいました。
世間一般的にはウケが良くありませんでしたが、エルトン・ジョンは、本作をお気に入りのアルバムの1つに挙げています。
尚、本作は、エルトン・ジョンが立ち上げたレーベル「ロケット・レコード」から発売された最初のアルバムになります。
Breaking Hearts
評価: 2.9
1984年発売の18作目のアルバムで、前作「Too Low for Zero」と同様、エルトン・ジョンの1970年代の絶頂期の演奏陣で制作されたアルバムです。
ストリングスやホーン・セクションは入れずバンド演奏のアメリカン・ロックを展開しています。
本作から4曲(「サッド・ソングス」「あの娘のシューズ」「想い出のネオン」「パッセンジャーズ」)がヒットしました。
その中でも、「サッド・ソングス」は、エルトン・ジョンのライブの定番曲になった明るく爽やかなバラード曲です。
ロックなエルトン・ジョンの曲が好きな人向けのアルバムです。
Peachtree Road
評価: 2.95
2004年発売の28作目のアルバムで、素朴なアメリカ南部を感じさせるアルバムです。
エルトン・ジョンのアルバムは、数多くありますが、本作は、エルトン・ジョンが単独でプロデューサーとしてクレジットされている唯一のアルバムです。
本作は、エルトン・ジョンの初期プロデューサーであったガス・ダジョンが、交通事故で亡くなったために、ガス・ダジョンに捧げられました。
そのためか、ピアノを中心とした渋い曲が多く収録されています。
良作なアルバムですが、なぜか売上は伸びず、全英チャート21位、全米チャート17位と、1990年代以降のアルバムの中では、最も売上が低いアルバムとなりました。
The Big Picture
評価: 3.0
1997年発売の26作目のアルバムで、バラード曲を中心とした作品です。
本作は、アルバム発売の数か月前に亡くなったエルトン・ジョンの友人で人気のファッション デザイナー ジャンニ・ヴェルサーチに捧げられました。
そのため、ほとんどの曲が、バラード曲で占めらています。
また、この年には、旧友ダイアナ元皇太子妃が事故で亡くなるという悲劇もあり、エルトン・ジョンにとっては、辛い年となりました。
ダイアナ元皇太子妃の追悼曲「キャンドル・イン・ザ・ウインド1997」が、この年に、世界的に大ヒットしました。
エルトン・ジョンのバラード曲が好きな人向けのアルバムです。
Sleeping With The Past
評価: 3.05
1989年発売の22作目のアルバムで、前作まで1980年代の軽いサウンドが続いていましたが、本作は、1960年代と1970年代のR&Bのサウンドに傾倒したアルバムです。
そのため、今までの1980年代の軽いアルバムではなくなり、大人の味わい深いアルバムとなりました。
レゲエ調のオープニング・ナンバー「ダーバン・ディープ」から、今までのエルトン・ジョンのアルバムとは違った雰囲気を感じとることができます。
本作から、「サクリファイス」と「ヒーリング・ハンズ」が両A面でリリースされ、全英チャート1位を記録しました。
エルトン・ジョンの1980年代の低迷期を払拭した復活アルバムです。
The Diving Board
評価: 3.1
2013年発売の30作目のアルバムで、プロデューサーに、T・ボーン・バーネットを迎え入れて制作されたアルバムです。
前作「キャプテン・アンド・ザ・キッド」から、7年ぶりのアルバムとなりますが、この間に、レオン・ラッセルとのデュエット・アルバム「ザ・ユニオン」が発表されました。
本作は、ピアノ、ベース、ドラムのトリオ編成の曲が多く、エルトン・ジョンのアルバムの中では、最もシンプルで渋いアルバムです。
そのため、ロック要素は薄く、ジャズやクラシックのテイストが強いため、今までのエルトン・ジョンの音楽を期待して聞くと、肩透かしを食らいます。
しかし、エルトン・ジョンのピアノ演奏技術を味わうことができ、エルトン・ジョンがピアノ・マンであることを改めて認識することができます。
世間的にも評価の高いアルバムで、全英チャート3位、全米チャート4位を記録しました。
Wonderful Crazy Night
評価: 3.15
2016年発売の31作目のアルバムで、前作「ザ・ダイヴィング・ボード」と同様、プロデューサーは、T・ボーン・バーネットが担当しています。
しかし、前作とは一変して、ロック調の明るくノリの良いアルバムに仕上がっています。
エルトン・ジョンが楽しそうに笑っているジャケットが物語っている通り、音楽も、楽しんで作っていることが分かります。
2000年代に入ってからのエルトン・ジョンのアルバムは、渋いアルバムからノリの良いアルバムまで良作ばかりで、長い間音楽を続けてきたからこそ成せる余裕さを感じさせる、そんなアルバムです。
Madman Across the Water マッドマン
評価: 3.2
1971年発売のエルトン・ジョンの4作目のアルバムで、エルトン・ジョンが初めてプログレッシブ・ロックに傾倒したアルバムです。
1曲目〜4曲目に、怒涛の名曲が詰まっており、エルトン・ジョンの真髄が表れています。
イエスのキーボディスト リック・ウェイクマンが、ハモンド・オルガンで参加していたり、バックのストリングスが、壮大であったりと、ピアノ・プログレッシブ・ロックといったような作品です。
後半は、1曲目〜4曲目に比べると、落ち着いていきますが、全編に渡り、ストリングスを聞くことができ、アルバムの統一感が取れたアルバムです。
地味なジャケットのためか、英国では、あまり売れませんでしたが、全米チャートでは、最高8位を記録しました。
Honky Château
評価: 3.25
1972年発売の5作目のアルバムで、前作「マッドマン」の壮大なストリングスを廃し、軽快なピアノ・ロックを展開したアルバムです。
本作から、エルトン・ジョンの絶頂期が始まり、7枚連続全米1位を獲得した最初のアルバムになります。
本作のアルバム名「シャトー」は、パリの古城シャトー ド エルヴィルを改築したスタジオで録音したことが由来となって付けられています。
ホンキートンク・ピアノが軽快な「ホンキー・キャット」と、火星に行く宇宙飛行士のことを歌ったバラード曲「ロケット・マン」が、本作から、シングルカットされ、大ヒットしました。
次は、10位 → 1位 です。