Deep Purple ディープ・パープル III

評価: 2.8
1969年に発売された3作目のアルバムです。
ファースト・アルバム、セカンド・アルバム同様、アート・ロックを受け継いでいますが、本作ではさらにハード・ロック色が強まっています。
また、「Blind」ではハープシコードを使用し、「April」ではオーケストラを導入するなど、クラシックの要素も積極的に取り入れています。
次作から本格的にハード・ロック路線に舵を切るため、本作はアート・ロックの最後の作品であり、アート・ロックの完成形とも言えるアルバムです。
ただし、商業的には振るわず、全米チャートでは162位、英国チャートではチャートインすら果たせない結果となりました。
Stormbringer 嵐の使者

評価: 2.9
1974年に発売された9作目のアルバムで、第3期ディープ・パープルのデイヴィッド・カヴァーデイルとグレン・ヒューズの音楽性が色濃く表れている作品です。
本作を聴くと、デイヴィッド・カヴァーデイルとグレン・ヒューズによるツイン・ボーカルが魅力的であることが分かります。
一方で、デイヴィッド・カヴァーデイルとグレン・ヒューズがバンド内で存在感を増すことを面白く思わなかったのか、リッチー・ブラックモアはバンドを脱退し、レインボーを結成しました。
リッチー・ブラックモアは本作を「最低のアルバム」と評しているようですが、インパクトは弱いものの、それなりに力作だと感じられます。
商業的には、全英チャート6位、全米チャート20位を記録しました。
=1

評価: 3.0
2024年に発売された22作目のアルバムで、ギターにサイモン・マクブライドを迎えて制作されました。
ギタリストの交代に伴い、ギターの音はよりハードになり、ヘビーメタルに近い演奏が展開されています。
一方、オルガンは従来通り健在で、1970年代のディープ・パープルを思わせる原点回帰的なサウンドが感じられます。
イアン・ギランのボーカルは、さすがに昔のような高音をひけらかすことはありませんが、歌声に円熟味が増しています。
本作からは「Portable Door」「Pictures Of You」「Lazy Sod」のミュージックビデオが制作されており、これらを観ると、お爺ちゃんバンドでありながら、今もなお迫力ある演奏を披露していることが分かります。
「まだまだディープ・パープルは衰えない」という意気込みを感じさせるアルバムです。
SPLAT!

評価: 3.05
2026年に発売された23作目のアルバムで、プロデューサーのボブ・エズリンとの6度目のコラボレーション作品です。
前作『=1』から約2年ぶりの新作で、比較的短い期間で発表されました。
前作の延長線上にありながら、さらに1970年代のハードロックへと原点回帰しており、ハモンド・オルガンの音色を聴くと、否が応でも往年のディープ・パープルを思い出させます。
また、ブルージーな楽曲も増え、ハードロックの原点を感じさせる内容となっています。
ディープ・パープルのメンバーも「ここ数年で最もヘヴィなディープ・パープルのアルバム」と評しています。
そのため、往年のディープ・パープルのファンにも十分受け入れられる作品です。
The House of Blue Light

評価: 3.1
1987年に発売された12作目のアルバムで、前作『Perfect Strangers』と同様、第2期ディープ・パープル復活後の第2弾の作品です。
前作の延長線上にあるアルバムですが、さらにポップな曲が増えています。
ポップな曲以外にも、疾走感あふれる「Mad Dog」「Dead or Alive」や、ブルージーな「Strangeways」などが収録されており、バラエティに富んだ内容です。
一方、イアン・ギランとリッチー・ブラックモアの関係が険悪になった影響か、前作に比べるとアルバム全体の勢いは衰えた印象を受けます。
それでも、黄金メンバーである第2期ディープ・パープルの実力を十分に感じられる作品です。
商業的にも全英チャート10位、全米チャート34位と健闘しました。
Abandon

評価: 3.15
1998年に発売された16作目のアルバムで、前作『Purpendicular』から加入したスティーヴ・モーズが参加した第2弾の作品です。
前作よりもハードな曲が増え、熟練した大人のハード・ロックを堪能できます。
特に「’69」は、久々に疾走感のある攻撃的なナンバーで、後期ディープ・パープルの中でもベストなナンバーです。
ラスト・ナンバーには、名作『in Rock』に収録されていた「Bludsucker」のニューバージョンが収められ、「俺たちは、まだまだハード・ロックをやっていくぜ」という意気込みが伝わります。
本作は、ディープ・パープルの創始者ジョン・ロードが参加した最後のアルバムでもあります。
Now What?!

評価: 3.2
2013年に発売された19作目のアルバムです。
前作『Rapture of the Deep』から約8年ぶりのリリースで、ジョン・ロードに捧げられた作品でもあります。
プロデューサーに、ピンク・フロイドやアリス・クーパーを手がけたボブ・エズリンを迎え、プログレッシブ・ロックのような大作志向の曲が増えています。
特に「Uncommon Man」は、EL&Pの「庶民のファンファーレ」をオマージュしたナンバーであるため、余計にプログレッシブ・ロックを感じさせます。
往年のディープ・パープル・ファンは、リッチー・ブラックモアやジョン・ロード在籍時のサウンドを求めるかもしれませんが、
メンバーが一新され、新たな独自性のあるサウンドに変化していくのは、喜ばしいことだと感じます。
本作は、英国チャートで19位を記録し、久々に20位以内にランクインしました。
Bananas

評価: 3.3
2003年に発売された17作目のアルバムで、ジョン・ロードがバンドを脱退し、代わりにドン・エイリーがキーボードを担当しました。
ジョン・ロードとリッチー・ブラックモアという主要メンバーがいなくなってしまい、さらに『Bananas』というアルバム名からも、誰も大きな期待はしていなかったと想像できますが、予想に反し、完成度の高い良作に仕上がっています。
ドン・エイリーはジョン・ロードのサウンドをきちんと受け継ぎ、スティーヴ・モーズもバンドに自然に溶け込んでいます。
イアン・ギランとリッチー・ブラックモアが対立していた時期のアルバムよりも、味わい深さを感じさせます。
Purpendicular 紫の証

評価: 3.4
1996年に発売された15作目のアルバムで、リッチー・ブラックモアとバンドメンバーの確執により、リッチー・ブラックモアが脱退し、代わりにスティーヴ・モーズが参加して制作されました。
当時、スティーヴ・モーズは一時的な助っ人参加だと思われていましたが、本作以降、ギターはスティーヴ・モーズに固定されます。
スティーヴ・モーズの参加によって、ディープ・パープルに新たな風が吹き込み、熟練味のあるサウンドに進化しました。
本作のギターを聴けば、スティーヴ・モーズが素晴らしいギタリストであることがよく分かります。
「リッチー・ブラックモアのいないディープ・パープルはディープ・パープルではない」と思っている人も、ぜひ聴いてほしいアルバムです。
Slaves and Masters

評価: 3.5
1990年に発売された13作目のアルバムです。
ボーカルがイアン・ギランから、元レインボーのジョー・リン・ターナーに交代して制作された唯一のアルバムです。
イアン・ギラン脱退後、ボーカル選びに苦戦したようですが、まさか元レインボーのボーカリストを選ぶとは驚きでした。
サウンドもレインボーに近く、ディープ・パープルというよりは、むしろレインボーを復活させたような印象を受けます。
アルバム自体は悪くありませんが、同じような意見を持った人も多かったのか、全英チャート45位、全米チャート87位と商業的には苦戦しました。
それでも、「King of Drams」「The Cut Runs Deep」「Love Conquers All」など、聴きどころのある佳曲が収録されているのは、さすがと言えます。
次は、5位 → 1位 です。