Deep Purple ディープ・パープル III
評価: 2.8
1969年発売の3作目のアルバムです。
ファースト・アルバム、セカンド・アルバム同様、アート・ロックを引き継いでいるアルバムですが、更に、ハード・ロック色が強くなっています。
また、「Blind」では、ハープシコードを使用したり、「April」では、オーケストラを導入するなど、クラシックの要素も取り入れています。
次作のアルバムから、ハード・ロック路線に舵を切るため、本作は、アート・ロックの最後の作品で、アート・ロックの完成形と言えるアルバムです。
ただ、商業的には惨敗で、全米チャートでは162位、英国チャートは、チャートインすらしなかった残念なアルバムです。
Stormbringer 嵐の使者
評価: 2.9
1974年発売の9作目のアルバムで、デイヴィッド・カヴァーデイルとグレン・ヒューズの音楽性が色濃く出ているアルバムです。
第3期ディープ・パープルは、デイヴィッド・カヴァーデイルとグレン・ヒューズのツイン・ボーカルが、魅力的であることが分かる作品です。
カヴァーデイルとヒューズが、ディープ・パープルの中で活躍していくのが面白くなかったのか、
本作発売後、リッチー・ブラックモアは、バンドを脱退し、レインボーを結成します。
リッチー・ブラックモアは、本作を、「最低のアルバムだ」と評しているようですが、インパクトは弱いものの、それなりに力作だと感じます。
全英チャート6位、全米チャート20位を獲得しました。
The House of Blue Light
評価: 3.0
1987年発売の12作目のアルバムで、前作「Perfect Strangers」と同様、第2期ディープ・パープル復活後の第2弾のアルバムです。
前作「Perfect Strangers」の延長線上のアルバムですが、ポップな曲が増えています。
ポップな曲以外では、疾走曲の「Mad Dog」「Dead or Alive」や、ブルージーな「Strangeways」などが収録されており、バラエティー豊かな作品です。
またもや、イアン・ギランとリッチー・ブラックモアの仲が険悪になったことが影響してか、前作「Perfect Strangers」よりも勢いが衰えたように感じますが、
まだまだ、黄金メンバの第2期ディープ・パープルの凄さを感じるアルバムです。
商業的にも、全英チャート10位、全米チャート34位と、健闘しました。
Abandon
評価: 3.1
1998年発売の16作目のアルバムで、前作「Purpendicular」からディープ・パープルのメンバとなったスティーヴ・モーズ参加の第二弾のアルバムになります。
前作よりもハードな曲が増え、熟練した大人のハード・ロックを聴くことができます。
特に、「’69」は、久々に、疾走感のある攻撃的な曲で、後期ディープ・パープルの中でも、ベストな曲です。
ラスト・ナンバーは、名作「in Rock」に収録されていた「Bludsucker」のニューバージョンで、
「俺たちは、まだまだハード・ロックをやっていくぜ」という意気込みを感じます。
ディープ・パープルの創始者ジョン・ロードが参加した最後のアルバムです。
Now What?!
評価: 3.2
2013年発売の19作目のアルバムです。
前作「Rapture of the Deep」から、約8年ぶりに発売されたアルバムで、ジョン・ロードに捧げられた作品でもあります。
ピンク・フロイドや、アリス・クーバーを手がけたことのあるボブ・エズリンをプロデューサーに迎え入れて制作されたために、
プログレッシブ・ロックのような大作主義の曲が増えています。
ちなみに、「Uncommon Man」は、EL&Pの「庶民のファンファーレ」をオマージュしている曲です。
往年のディープ・パープル・ファンは、リッチー・ブラックモアやジョン・ロードがいた時代のディープ・パープルのサウンドを求めるかと思いますが、
メンバが一掃され、新しい独自性のあるサウンドに変化していくのは、喜ばしいことだと感じます。
英国チャートでは19位と、久々に、20位以内にランク・インしました。
Bananas
評価: 3.3
2003年発売の17作目のアルバムで、ジョン・ロードがバンドを脱退し、代わりにドン・エイリーがキーボードを担当したアルバムです。
ジョン・ロード、リッチー・ブラックモアの2人の主要メンバがいなくなってしまい、しかも「Bananas」というアルバム名から、誰も期待しなかったであろうアルバムですが、
予想に反し、これが、なかなかの良作のアルバムです。
ドン・エイリーは、ジョン・ロードのサウンドをきちんと引き継いでいるし、スティーヴ・モーズは、バンドに溶けこんでいるし、
イアン・ギランとリッチー・ブラックモアが対立していた時のアルバムよりも、味わい深いアルバムに仕上がっています。
Purpendicular 紫の証
評価: 3.4
1996年発売の15作目のアルバムで、リッチー・ブラックモアとバンド メンバの確執によって、リッチー・ブラックモアが脱退し、
代わりに、スティーヴ・モーズが参加して制作されたアルバムです。
当時、スティーヴ・モーズは、一時的な助っ人参加だと思われていましたが、本作以降、ギターは、スティーヴ・モーズに固定されます。
本作のギターを聞けば、素晴らしいギタリストだと分かるかと思います。
スティーヴ・モーズの参加は、ディープ・パープルに新風をもたらせ、熟練味のあるサウンドになりました。
「リッチー・ブラックモアのいないディープ・パープルは、ディープ・パープルではない」と思って、このアルバムを聞かないのは、もったいないように感じます。
Slaves and Masters
評価: 3.5
1990年発売の13作目のアルバムです。
ボーカルがイアン・ギランから、元レインボーのジョー・リン・ターナーに変わって制作されたアルバムで、ジョー・リン・ターナーがボーカルの唯一のアルバムです。
イアン・ギランが脱退し、ボーカル選びに苦戦したようですが、まさかの元レインボーのボーカリストを選択したのには驚きを感じます。
サウンドもレインボーに似ていますので、ディープ・パープルではなく、レインボーを復活させれば良かったのではないかと感じます。
アルバム自体は悪くないのですが、同じような意見を持った人が多かったのか、全英チャート45位、全米チャート87位と、商業的にも苦戦しました。
それでも、「King of Drams」「The Cut Runs Deep」「Love Conquers All」などの佳曲が収録されています。
次は、5位 → 1位 です。