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Carpenters(カーペンターズ) 全アルバム ランキング|名盤、おすすめ アルバムの紹介
前回は、Elton John(エルトン・ジョン)の全アルバム ランキングをしましたので、
今回は、ロック界のレジェンド第14弾として、Carpenters(カーペンターズ)の全アルバム ランキングをしていきたいと思います。
カーペンターズの音楽は、爽やかな大人の音楽であるため、ソフト・ロックやイージーリスニングのジャンルに括られています。
カーペンターズは、カレン・カーペンターとリチャード・カーペンターのカーペンター兄妹によるグループで、なんと言っても、カレン・カーペンターの低音域の美しい歌声と、リチャード・カーペンターのセンスの良いアレンジが、最大の魅力となっています。
カーペンターズ結成前は、ジャズ系の音楽を中心に行なっており、カレン・カーペンターはドラムを担当していました。
カーペンターズ結成後は、カレン・カーペンターのボーカルがレコード会社に認められて、カレン・カーペンターのボーカルと、リチャード・カーペンターのピアノを中心として活躍していきました。
しかし、1970年代末になると、過密なスケジュールにより、リチャード・カーペンターが薬物依存症、カレン・カーペンターが拒食症となってしまいます。
リチャード・カーペンターは、薬物依存症を克服するものの、カレン・カーペンターは、1983年2月4日に、拒食症と心臓麻痺で他界してしまい、カーペンターズは消滅します。
そんなカーペンターズの名盤の紹介や評価をしていきたいと思います。
ランキングは、個人的な独断と偏見で評価していますので、世間一般の評価とは異なるかもしれませんが、その点は、ご了承ください。
カーペンターズのアルバムを聴いてみたいけど、どのアルバムから聴けば良いか分からない方、
カーペンターズのアルバムの評価や、名盤、おすすめのアルバムを知りたい方に、役立つ記事になっています。
カーペンターズ アルバムランキング
Ticket to Ride 涙の乗車券
評価: 2.5
1969年発売のカーペンターズの記念すべきファースト・アルバムです。
今後のカーペンターズのアルバムと大きく異なるところは、カレン・カーペンターがほとんどの曲でドラムを演奏していることと、オリジナル曲(リチャード・カーペンターの作曲)が多いことです。
本作のカヴァー曲は、2曲(ビートルズの「涙の乗車券」とバッファロー・スプリングフィールドの「歌うのをやめた私」)だけにとどまっています。
カーペンターズの有名曲は、「涙の乗車券」ぐらいで、カーペンターズのアルバムの中で、ほとんど知られていないアルバムです。
しかし、カレン・カーペンターのリード・ボーカル曲「いつの日か愛に」や「涙の乗車券」「眠れない夜」を聞くと、カレン・カーペンターのボーカルは既に出来上がっており、美しさに溢れています。
カレン・カーペンターのボーカル曲だけでも、聞く価値のあるアルバムです。
Made in America
評価: 2.6
1981年発売の9作目のアルバムで、カレン・カーペンター生存時の最後のアルバムです。
カーペンターズは、1978年に、クリスマス・アルバムを発表しましたが、本作は、前作「パッセージ」から4年ぶりのアルバムとなります。
その間、カーペンターズは、リチャード・カーペンターの薬物依存症の療養により活動を休止し、カレン・カーペンターは、ソロ・アルバムを制作していました。
本作は、1980年代らしいシンセサイザーを使用していることから、音が軽くなったような印象を受けます。
4曲がシングル・カットされましたが、どれもヒットせず、この時代のカーペンターズの低迷ぶりがはっきり見られます。
唯一、「ウェディング・ソング」は、カレン・カーペンターの結婚式のために作られた曲で、最後の最高のバラード曲となりました。
本作発表の2年後に、カレン・カーペンターは拒食症により32歳で他界します。
Passage
評価: 2.7
1977年発売の8作目のアルバムで、実験色が強く、今までのカーペンターズらしさは影を潜め、カーペンターズとしては異色なアルバムです。
ロック、ソウル、オペラ、プログレッシブ・ロックと、今までのカーペンターズにはないような曲が多く収録されています。
特に、「月影のバルコニー〜泣かないでアージェンティーナ」と「星空に愛を(コーリング・オキュパンツ) 」では、オーケストラや合唱団を使用したチャレンジングな試みがされています。
このような異色作の中でも、「ふたりのラヴ・ソング」や「想い出にさよなら」では、カレン・カーペンターの歌声の美しさを聞くことができます。
本作には、カーペンターズの代表曲ないため、売上も低迷してしまいました。
A Kind of Hush 見つめあう恋
評価: 2.8
1976年発売の7作目のアルバムで、カレン・カーペンターの拒食症や、リチャード・カーペンターの睡眠薬依存が出てきた時期に制作されたアルバムです。
そのためか、本作から、カーペンターズの勢いが失われ始めているような印象を受けます。
「見つめあう恋」と「青春の輝き」が、ヒットしましたが、本アルバムは、全米チャート33位と奮いませんでした。
しかし、カレン・カーペンターの美しいボーカルは健在で、各楽曲に花を添えています。
本作の聞きどころは、哀愁のある切ない「青春の輝き」で、カレン・カーペンターが最も好んだ曲と言われています。
この曲は、日本のTBSドラマで使用されたこともあり、日本でもお馴染みの曲となりました。
Voice of the Heart
評価: 2.9
1983年発売の10作目のアルバムで、カレン・カーペンターの遺作となったアルバムです。
本作には、カレン・カーペンターが最後に録音した「ナウ」と、カレン・カーペンターのソロ・アルバムに収録された「遠い初恋」に加え、過去の未発表曲を収録したアルバムです。
全体的にソフトタッチの優しいバラード曲が多く収録されています。
カレン・カーペンターは、1981年末より拒食症の治療に専念しており、この時期のカレン・カーペンターは痩せ細り、弱々しい状態でしたが、本作のカレン・カーペンターのボーカルは、その見た目とは裏腹に、美しいしっかりとした歌声を聞かせてくれています。
カレン・カーペンターの最後の天使の歌声が聞けるアルバムです。
Now & Then
評価: 3.4
1973年発売の5作目のアルバムで、カーペンターズの最も有名な曲「イエスタデイ・ワンス・モア」が収録されているアルバムです。
本作発売当時、オールディーズ・リバイバルが起こっており、本作でも、後半に、オールディーズのカヴァー曲をメドレーで演奏しています。
オープニング・ナンバーの「シング」は、テレビ番組「セサミストリート」の挿入歌として使用された元気ソングです。
一方、2曲目の「マスカレード」は、ジョージ・ベンソンのヒットで有名な渋い大人の曲で、このように他の曲も、明るい曲とセンチメンタルな曲で構成されています。
また、本作の特徴として、1stアルバム以来、ほとんどの曲で、カレン・カーペンターが、ドラムを叩いています。
本作を聞くと、カレン・カーペンターは、歌の上手さはもちろん、ドラムでも評価が高かったことが分かります。
本作は、日本で初となるオリコンチャート1位を記録しました。
Horizon 緑の地平線〜ホライゾン
評価: 3.5
1975年発売の6作目のアルバムで、カーペンターズのアルバムの中では、最も繊細なアルバムです。
本作から、「オンリー・イエスタデイ」と「プリーズ・ミスター・ポストマン」が大ヒットしました。
この2曲は、カーペンターズの元気ソングの代表曲ですが、その他の曲は、ジャジーで渋い曲が多く収録されています。
イーグルスのカヴァー曲「デスペラード」は、大人の渋い曲ですし、「アイ・キャン・ドリーム」は、ジャズのスタンダード曲で、オーケストラを使用したとてもジャジーな曲です。
特に、「ソリテアー」は、カレン・カーペンターの歌声がそこはかとなく美しく、感動的な曲です。
このように本作は、ヒット曲よりも脇役の曲が、目立ったアルバムです。
米国チャートでは、13位止まりでしたが、日本と英国のチャートでは、1位を記録しました。
Close to You 遙かなる影
評価: 3.6
1970年発売のセカンド・アルバムで、カレン・カーペンターのリード・ボーカルが定着したアルバムです。
本作からバート・バカラック作曲の「Close to You」とロジャー・ニコルス作曲の「We’ve Only Just Begun」が、米国チャート1位、2位を記録する大ヒットとなり、この2曲は、カーペンターズのベスト・アルバムに必ず収録されるカーペンターズの代表曲となりました。
この2曲以外にも、リチャード・カーペンター作曲の「Maybe It’s You」やバート・バカラック作曲の「Baby It’s You」など良曲が多く収録されています。
本作は、グラミー賞の最優秀新人賞、グラミー賞のデュオ、グループ、最優秀現代ヴォーカル・パフォーマンス賞を受賞し、カーペンターズの人気を決定づけました。
Carpenters
評価: 3.8
1971年発売の3作目のアルバムで、肌色をバックに「Carpenters」の文字だけが入ったシンプルなジャケットから、「タン・アルバム」と呼ばれているアルバムです。
前作「Close to You」と同様、カレン・カーペンターの美しいボーカルの名曲が詰まったアルバムです。
本作から「雨の日と月曜日は」「ふたりの誓い」「スーパースター」がシングル・ヒットしました。
特に、「雨の日と月曜日は」は、月曜日の雨の憂鬱さをカレン・カーペンターの美しいボーカルが表現しており、涙が出るくらいの美しい曲です。
また、バート・バカラックのメドレー曲や、カーペンターズの隠れた名曲「サムタイムス」など、カーペンターズのアルバムの中でも傑作曲が多く詰まっているアルバムです。
A Song for You
評価: 4.0
1972年発売の4作目のアルバムで、カーペンターズの最高傑作と言われているアルバムです。
それは、前3作に比較するとバックの演奏陣の安定感が増し、音質が重厚になっていることや、ジャズ、クラシック、カントリー、バラード曲など、バラエティー豊かな良曲が多く収録されていることが人気の要因かと思っています。
本作から、「Top of the World」が全米チャート1位を記録し、この曲は、日本の教科書でも紹介され、日本で馴染み深い曲となりました。
「Top of the World」が、明るいカントリー調の曲に対して、「Goodbye to Love」や「動物と子供たちの詩」「愛は夢の中に」などのセンチメンタルな曲もあったりとカーペンターズの魅力溢れる曲が多く収録されています。
バラエティー豊かな曲が多い中でも、コンセプト・アルバムのように統一感があり、カーペンターズのアルバムの中で、名盤に値するアルバムです。
その他のアルバム
- Lovelines 愛の軌跡〜ラヴラインズ
- 本作は、カレン・カーペンターの死後に発売された3枚目のスタジオ・アルバムで、カレン・カーペンターのソロ・アルバムの曲と、カーペンターズの未発表曲で構成されているアルバムです。
- カーペンターズの後期である1977年以降に録音された曲であるため、ソフトな落ち着いた曲が多く収録されています。カレン・カーペンターの歌声は、生前のカーペンターズと変わらず、美しさに溢れています。
- As Time Goes By
- 本作は、カーペンターズの結成30周年を記念したアルバムで、デモ録音や未発表などのレア音源を中心に収録されたアルバムです。エラ・フィッツジェラルドやペリー・コモとのデュエット曲も収録されています。
- 未発表曲以外にも、カーペンターズの有名曲が、メドレー形式で収録されているため、カーペンターズのベスト・アルバムとして聞くのにも適しています。
- Christmas Portrait
- 1978年発売のカーペンターズ初のクリスマス・アルバムです。カーペンターズのオリジナル曲は、「メリー・クリスマス・ダーリン」のみで、その他は有名なクリスマス・ソングが収録されています。
- オーケストラやビッグ・バンドを使用した曲や、合唱団を使用した曲が多く収録されており、一般受けするクリスマス・アルバムです。カレン・カーペンターの歌声は、クリスマスにもピッタリです。
- Live in Japan
- 1974年6月の大阪フェスティバルホールでのコンサートの模様を収録したカーペンターズ初のライブ・アルバムです。カーペンターズのライブ・アルバムは、数が少ないため、貴重な音源です。
- カレン・カーペンターは、スタジオ・アルバムよりも、歌声が前面に出てクリアであるため、歌の上手さが際立っています。メドレー形式の曲が多く、ヒット曲満載のアルバムです。
- 「シング」では、カレン・カーペンターが日本語で歌っており、京都少年少女合唱団が、バックコーラスを行なっています。
おすすめのベストアルバム
- Gold Carpenters Greatest Hits
- カーペンターズの基礎を押さえるには、最適なペストアルバムで、20曲76分というのもちょうど良く、最後まで一気に聞けてしまいます。
- カーペンターズの絶頂期である中期までのアルバムからの選曲が中心であるため、1度は耳にしたことがある名曲ばかりが収録されています。
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カーペンター兄妹の紹介
カーペンターズは、グループ名から分かる通り、カーペンター兄妹のグループです。
兄のリチャード・カーペンターと、妹のカレン・カーペンターで、1969年に、カーペンターズとして、デビューを果たします。
以下に、カーペンター兄妹の紹介をします。
- リチャード・カーペンター(ピアノ、ボーカル担当):
作曲家・編曲家・ピアニストとして知られていますが、初期のカーペンターズでは、リード・ボーカルも行っていました。カレン・カーペンターがリード・ボーカルをとるようになってからは、キーボードとバックコーラスを中心に担当しました。
アレンジ能力には定評がありますが、作曲能力も高く、カーペンターズの代表曲である「イエスタデイ・ワンス・モア」や「青春の輝き」は、リチャード・カーペンターが作曲しています。
- カレン・カーペンター(ボーカル、ドラム担当):
天使の歌声を持ち、3オクターブの声域を持っていたと言われていますが、中・低声域で歌い、高音をひけらかすことはありませんでした。元々は、ドラマーで、カーペンターズの初期では、ドラムを叩くことが多かったですが、カーペンターズが売れていくと、歌手として前面に立つことが多くなりました。
カレン・カーペンターは、若い頃、ぼっちゃりしていたため、ダイエットに励むようになり、それが、精神的な病となっていき、1983年2月4日拒食症を原因とした急性心不全により、32歳の若さで死去しました。
カーペンターズの音楽
カーペンターズの音楽は、カレン・カーペンターの美しい歌声と、リチャード・カーペンターのセンスの良いアレンジが魅力です。
どのアルバムも、カレン・カーペンターの美しい歌声を聞くことができますので、どのアルバムから聞いても問題はありませんが、カーペンターズの代表曲が多く収録されている初期〜中期のアルバムから聞き始めることをおすすめします。
カーペンターズのアルバムの初心者向け、中級者向け、上級者向けの分類は、以下の通りです。
- Ticket to Ride 涙の乗車券(1969年):上級者向け
- Close to You 遙かなる影(1970年):初心者向け
- Carpenters(1971年):初心者向け
- A Song for You(1972年):初心者向け
- Now & Then(1973年):中級者向け
- Horizon 緑の地平線〜ホライゾン(1975年):中級者向け
- A Kind of Hush 見つめあう恋(1976年):上級者向け
- Passage(1977年):上級者向け
- Made in America(1981年):上級者向け
- Voice of the Heart(1983年):中級者向け
まとめ
最後に、カーペンターズのランキング結果をまとめます。
順位 | アルバム名 | 点数 |
---|---|---|
1位 | A Song for You | 4.0 |
2位 | Carpenters | 3.8 |
3位 | Close to You 遙かなる影 | 3.6 |
4位 | Horizon 緑の地平線〜ホライゾン | 3.5 |
5位 | Now & Then | 3.4 |
6位 | Voice of the Heart | 2.9 |
7位 | A Kind of Hush 見つめあう恋 | 2.8 |
8位 | Passage | 2.7 |
9位 | Made in America | 2.6 |
10位 | Ticket to Ride 涙の乗車券 | 2.5 |
カーペンターズの絶頂期(初期〜中期)のアルバムが上位を占める結果となりました。
しかし、カーペンターズの絶頂期以外のアルバムも良作が多く、特に、カレン・カーペンターの歌声の素晴らしさは、どのアルバムでも発揮されています。
カレン・カーペンターが、生きていれば、もっともっと美しい歌声が聞けたかと思うと、32歳の若さで亡くなってしまったのが、非常に悔やまれます。
カーペンターズの残してくれたアルバムから、カレン・カーペンターの歌声を、これからも聞き続けていきたいと思っています。
次回は、1970年代に活躍した女性シンガーソングライター キャロル・キングの全アルバム ランキングをしていきたいと思います。