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Billy Joel(ビリー・ジョエル) 全アルバム ランキング|名盤、おすすめ アルバムの紹介
前回は、Eagles(イーグルス)の全アルバム ランキングをしましたので、
今回は、ロック界のレジェンド第12弾として、Billy Joel(ビリー・ジョエル)の全アルバム ランキングをしていきたいと思います。
ビリー・ジョエルは、ソロ活動を行う前は、バンド・ミュージシャンとして活動をしていましたが、成功はせず、ソロで活動を始めてから、有名になっていきました。
ビリー・ジョエルの音楽は、都会的な洗練されたAORサウンドで、1970年代、1980年代と、幅広い世代から、人気を得ました。
1980年代に発売されていたFMステーションという雑誌の中で、毎年、好きなアーティスト・ランキングという企画をやっており、
ビリー・ジョエルは、常に、1位を獲得し、日本でも大人気のアーティストでした。
そんなビリー・ジョエルの名盤の紹介や評価をしていきたいと思います。
ランキングは、個人的な独断と偏見で評価していますので、世間一般の評価とは異なるかもしれませんが、その点は、ご了承ください。
ビリー・ジョエルのアルバムを聴いてみたいけど、どのアルバムから聴けば良いか分からない方、
ビリー・ジョエルのアルバムの評価や、名盤、おすすめのアルバムを知りたい方に、役立つ記事になっています。
ビリー・ジョエル アルバムランキング
Cold Spring Harbor
評価: 2.5
1971年発売のビリー・ジョエルの記念すべきファースト・アルバムです。
オリジナル版は、テープの回転数が早い状態でマスタリングされるというミスが起こり、ビリー・ジョエルの歌声や楽器の音が高音となっています。
そのような事情から、本作発表後、ビリー・ジョエルは、人間不信となり、自宅に引き籠りがちになってしまいました。
本作は、売上も良くなく、一時期廃盤となり、入手困難な時代もありました。
しかし、ビリー・ジョエルのピアノの弾き語りと、繊細な曲調は、今後のビリー・ジョエルの才能を垣間見ることができます。
それは、オープニング・ナンバーの「She’s Got a Way」を聞けば、よく分かります。
デビュー・アルバムとしては、上々の出来のアルバムです。
The Bridge
評価: 2.6
1986年発売の10作目のアルバムで、多数の豪華ゲストが参加して制作されたアルバムです。
レイ・チャールズとのデュエット曲「ベイビー・グランド」、シンディ・ローパーとのデュエット曲「コード・オブ・サイレンス」、スティーヴ・ウィンウッドがゲスト参加している「ゲッティング・クローサー」が収録され、話題性の高いアルバムとなりました。
1980年代のポップスから、バラード曲、アップテンポの曲、ジャズの曲まで、バラエティ豊かな曲が収録されていますが、アルバム全体としてはまとまりに欠けているように感じます。
そのため、ビリー・ジョエルのアルバムの中では、地味な印象があり、世間的にもあまり評判の良くないアルバムです。
Storm Front
評価: 2.7
1989年発売の11作目のアルバムで、フォリナーのギタリスト ミック・ジョーンズをプロデューサーに迎え入れて制作されたアルバムです。
プロデューサーが変わったことで、今までのキーボード中心だったアルバムとは異なり、ギターやリズムを中心としたアルバムです。
そのため、ビリー・ジョエルのキーボードやピアノが好きな人には、本作を受け入れられないかもしれません。
本作からファースト・シングルカットされた「ハートにファイア」は、1949年から、1989年までの世界の歴史に関する事象を並べた曲で、全米チャート1位を記録するヒットとなりました。
本アルバムも、全米チャート1位を記録し、まだまだビリー・ジョエルの人気が衰えていないことを証明してくれました。
River of Dreams
評価: 2.8
1993年発売の12作目のアルバムで、ビリー・ジョエルが1990年代に発売した唯一のアルバムであり、ラスト・アルバムです。
オープニング・ナンバーの「ノー・マンズ・ランド」が、グランジ風の曲で、ビリー・ジョエルがシャウトしているのには、驚きましたが、その後は、ビリー・ジョエルらしいメロディアスな良質な曲が続いていきます。
ビートルズ風の曲、オールディーズ、ブルース、ラブ・バラード、ピアノの弾き語りなど、バラエティ豊かな曲が収録されており、今までのビリー・ジョエルの集大成のようなアルバムです。
ビリー・ジョエルの歌声は、曲調によって、変化させており、色々な曲が歌える才能豊かなボーカリストであることが分かります。
オープニング・ナンバーを聞くと、ハードロックやヘビーメタルのボーカルもこなしてしまうのではないかとも感じます。
本作は、全米チャート1位、全英チャート3位を記録しました。
Piano Man
評価: 2.9
1973年発売のセカンド・アルバムで、アルバム名にもなっているビリー・ジョエルの定番曲「ピアノ・マン」が収録されているアルバムです。
「ピアノ・マン」は、その曲名の通り、ピアノの弾き語りの曲で、ジャズ風のピアノが、おしゃれな酒場に合いそうな名曲です。
この曲は、全米チャート25位を記録し、ビリー・ジョエルの初ヒット曲となりました。
本作は、カントリー・ロック調の「流れ者の祈り」や、オーケストラを使用した「さすらいのビリー・ザ・キッド」など、AORサウンドとは異なった曲が多く収録されています。
そのためか、「ピアノ・マン」の曲が、際立つアルバムになりました。
Streetlife Serenade
評価: 3.0
1974年発売の3作目のアルバムで、ロサンゼルスのストリートを行き来する人々の風景を描いたアルバムです。
これと言った有名曲がないため、ビリー・ジョエルのアルバムの中では、地味で、世間的に評価が低いアルバムです。
当初、日本では発売されず、「ストレンジャー」発売後の1978年に、ようやく発売されたことからも、本作は、評価が低かったことが伺えます。
ビリー・ジョエルと言えばニューヨークの都会的なイメージを持つ人が多いかと思いますので、本作のようなほのぼのとしたカントリー風のアルバムは、受け入れにくいかもしれません。
しかし、決して駄作ではなく、美しいバラード曲「場末じみた場面」「ビッグ・タイム・スペンダー」「スーベニア」など、隠れた名曲が収録されてるため、未聴の方は、ぜひ聞いてもらいたいアルバムです。
Glass Houses
評価: 3.1
1980年発売の7作目のアルバムで、ビリー・ジョエルが得意とするバラード曲を廃し、ロック色を強めたアルバムです。
ビリー・ジョエルが家に石を投げつけるジャケットからも分かる通り、過去のイメージを破壊しようとしている意思が伝わります。
ガラスのクラッシュ音でスタートするオープニング・ナンバー「ガラスのニューヨーク」から、ノリの良いロックンロールの曲で、最後まで痛快な曲が続いていきます。
ロックの曲の中にも、メロディアスなポップさは失われておらず、ビリー・ジョエルらしさは残っていますが、ビリー・ジョエルの都会的なバラードが好きな人には、本作は、不向きなアルバムです。
今までのビリー・ジョエルとは異なるサウンドであっても、全米チャートで6週連続1位を記録しており、当時のビリー・ジョエルの勢いを感じます。
The Nylon Curtain
評価: 3.2
1982年発売の8作目のアルバムで、病めるアメリカのメッセージを訴えたコンセプト・アルバムです。
ビリー・ジョエルは、本作を、「このアルバムは、僕にとっての「サージェント・ペパーズ」だ」と発言しています。
そのため、「ローラ」や「スカンジナビアン・スカイ」など、ビートルズを彷彿させる曲が収録されています。
重苦しいテーマのアルバムであるため、ビリー・ジョエルの歌声も、シリアスに聞こえます。
シンセサイザーのメロディが印象的な「プレッシャー」は、先行シングルカットされ、日本でもよく知られた人気のある曲です。
ビリー・ジョエルのアルバムの中では、最も暗いアルバムです。
Turnstiles ニューヨーク物語
評価: 3.5
1976年発売の4作目のアルバムで、ビリー・ジョエルが一番のお気に入りとしている初のセルフ・プロデュース作品です。
売上は、芳しくありませんでしたが、本作から、ビリー・ジョエルの黄金期が始まっていきます。
活動拠点だったロサンゼルスから離れて、故郷のニューヨークに戻って制作されたことから、都会的な「さよならハリウッド」や、AORのバラード曲「ニューヨークの想い」といった名曲が収録されています。
一方、レゲエ調の「踊りたい」や、エレクトリック・ピアノを使用した「ジェイムズ」といった実験的な曲も収録されています。
本作から、バック・バンドも固定され、ビリー・ジョエルの都会的な洗練されたAORサウンドが確立されました。
An Innocent Man
評価: 3.8
1983年発売の9作目のアルバムで、ソウル、R&B、ロックンロールなど、ビリー・ジョエルが影響を受けた1950年代のアメリカ音楽を感じさせるアルバムです。
前々作がロックンロールのアルバム、前作が、メッセージ色の強いコンセプト・アルバムと、今までのビリー・ジョエルとは違う作風のアルバムが続いてきたため、
今作はどのようなアルバムになるのかと不安がありましたが、古き良き時代のアメリカを感じさせる良作なアルバムとなりました。
捨て曲は一切なく、「あの娘にアタック」「アップタウン・ガール」「イノセント・マン」など、本作から多くのシングル・ヒットが生まれました。
本アルバムも、全米チャート4位、全英チャート2位と、大ヒットし、ビリー・ジョエルの1980年代の代表作となりました。
52nd Street ニューヨーク52番街
評価: 4.0
1978年発売の6作目のアルバムで、前作「The Stranger」に続き、ビリー・ジョエルの最高傑作アルバムの1枚です。
日本で大人気の名バラード曲「オネスティ」が収録されていることでも有名なアルバムです。
「ニューヨーク52番街」というアルバム名からも分かるように、ニューヨークを感じさせるアルバムです。
本作には、ジャズの有名なトランペッター フレディ・ハバードが参加しており、「ザンジバル」で、トランペット・ソロを演奏しています。
ビリー・ジョエル初の全米チャート1位を記録し、グラミー賞の最優秀アルバム賞と、男性ポップ・ボーカル部門の2部門を受賞しました。
ちなみに、本作は、世界で1番最初にCDで発売されたアルバムです。
The Stranger
評価: 4.5
1977年発売の5作目のアルバムで、1000万枚を売り上げたビリー・ジョエルの最高傑作アルバムです。
前半のずらりと並び名曲「ムーヴィン・アウト」「ストレンジャー」「素顔のままで」「イタリアン・レストランで」だけで、ノック・アウトされてしまいます。
特に、「素顔のままで」は、ニューヨークの夜に似合う名バラード曲で、グラミー賞最優秀ソングを獲得しました。
この都会的な洗練されたアルバムが制作できたのは、プロデューサーのフィル・ラモーンの共同作業によるところが大きかったと言えます。
ロック、ポップス、ジャズが上手く融合された本作は、歴史に残る名盤となりました。
本作から、ビリー・ジョエルは、一気にスターダムにのし上がっていきました。
その他のアルバム
- Fantasies & Delusions
- 本作は、ビリー・ジョエルのラスト・スタジオ・アルバムですが、ビリー・ジョエルは、ボーカルも演奏もしていません。ピアノのみの演奏で、クラシックな作品です。
- ビリー・ジョエルのコアなファンか、クラシック好きな人向けのアルバムで、ビリー・ジョエルの初心者の人には、不向きなアルバムです。本作は、全米クラシック・アルバム・チャートで、初登場1位を記録しました。
- Songs in the Attic
- 「グラス・ハウス」発表後の1980年アメリカ・ツアーの模様を収録したビリー・ジョエル初のライブ・アルバムです。収録曲は、全て、「ストレンジャー」よりも前の初期4枚のアルバムから選曲されています。
- ビリー・ジョエルは、初期4枚のアルバムから選曲した理由として、「「ストレンジャー」以降、自分の作品を知ったファンに、初期の作品を紹介したいため」と語っています。
- Концерт コンツェルト-ライヴ・イン・U.S.S.R.
- 「ザ・ブリッジ」発表後の1987年モスクワ、レニングラード公演の模様を収録したライブ・アルバムです。このライブ公演を実施した時は、アメリカとソ連は、冷戦状態で、そのような中、アメリカのポップ・スターがソ連でライブを実施したことは、非常に稀なことでした。
- 「Songs in the Attic」が、「ストレンジャー」よりも前の初期4枚のアルバムからの選曲でしたが、本作は、「ストレンジャー」以降のアルバムから選曲されています。
- ビリー・ジョエルの曲以外に、グルジア民謡や、ビートルズ、ボブ・ディランの曲が演奏されており、ビートルズの「バック・イン・ザ・U.S.S.R.」は、オリジナルに負けないぐらいの迫力のある演奏がされています。
- 2000 Years: The Millennium Concert
- 1999年大晦日に、ニューヨーク マディソン・スクウェア・ガーデンで録音されたライブ・アルバムです。大晦日の公演であるため、ベートーベンの第九交響曲や、蛍の光が演奏されています。
- ノリの良い曲が多く、ビリー・ジョエルの曲以外では、スライ&ザ・ファミリー・ストーンの「ダンス・トゥ・ザ・ミュージック」とローリング・ストーンズの「ホンキー・トンク・ウィメン」が演奏されています。
- 12 Gardens Live
- 2006年1月から4月にかけて行われた12回のマディソン・スクエア・ガーデン公演で録音されたライブ・アルバムです。ビリー・ジョエルのヒット曲が満載ですので、ベスト盤として聞くのにも、おすすめです。
- このライブを実施した時のビリー・ジョエルは、60歳に近く、昔のような高音が出ず、キーが下げられて歌われていますが、迫力のあるボーカルは、まだまだ健在であることが分かります。
- Live at Shea Stadium: The Concert
- 2010年7月14日と16日にニューヨーク市のシェイ・スタジアムで行われた2つのコンサートの模様を収録したCDとDVDの作品です。
- このライブには、ポール・マッカートニーやトニー・ベネット、ガース・ブルックスなどが、ゲスト参加しており、特に聞きどころは、最高の盛り上がりの中、ポール・マッカートニーとデュエットしている「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」です。
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ビリー・ジョエルの音楽
ビリー・ジョエルの音楽は、AOR以外にも、ポップス、カントリー、ロック、ジャズ、クラシック、フォークなど、幅広い音楽を取り入れ、都会的なサウンドを追求してきました。
特に、バラード曲は、ビリー・ジョエルのお箱で、洗練された美しさに溢れています。
ビリー・ジョエルのアルバムの初心者向け、中級者向け、上級者向けの分類は、以下の通りです。
- Cold Spring Harbor(1971年):中級者向け
- Piano Man(1973年):中級者向け
- Streetlife Serenade(1974年):上級者向け
- Turnstiles(1976年):初心者向け
- The Stranger(1977年):初心者向け
- 52nd Street(1978年):初心者向け
- Glass Houses(1980年):中級者向け
- The Nylon Curtain(1982年):中級者向け
- An Innocent Man(1983年):初心者向け
- The Bridge(1986年):上級者向け
- Storm Front(1989年):上級者向け
- River of Dreams(1993年):上級者向け
まとめ
最後に、ビリー・ジョエルのランキング結果をまとめます。
順位 | アルバム名 | 点数 |
---|---|---|
1位 | The Stranger | 4.5 |
2位 | 52nd Street ニューヨーク52番街 | 4.0 |
3位 | An Innocent Man | 3.8 |
4位 | Turnstiles ニューヨーク物語 | 3.5 |
5位 | The Nylon Curtain | 3.2 |
6位 | Glass Houses | 3.1 |
7位 | Streetlife Serenade | 3.0 |
8位 | Piano Man | 2.9 |
9位 | River of Dreams | 2.8 |
10位 | Storm Fronts | 2.7 |
11位 | The Bridge | 2.6 |
12位 | Cold Spring Harbor | 2.5 |
ニューヨークを感じさせるアルバムが上位を独占する結果となりました。
ビリー・ジョエルと言えば、ニューヨークと美しいバラードのイメージが強く、上位のアルバムは、そのイメージ通りのアルバムでした。
ビリー・ジョエルは、現在、コンサート活動しかしておらず、久しく、新作を発表していませんので、今後、新作を制作してくれることを楽しみに待っていたいと思います。
次回は、ロック界のレジェンド第13弾として、ピアノ・ロックを確立したエルトン・ジョンの全アルバム ランキングをしていきたいと思います。