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ローリングストーン誌が選ぶ「歴代最高のアルバム 500選」 の紹介とレビュー
ローリングストーン誌が選ぶ「歴代最高のアルバム 500選」が、2020年に、8年ぶりの改訂がされましたので、
ここで、上位30位のアルバムの紹介とレビューをしていきたいと思います。
2012年発表の「歴代最高のアルバム 500選」から様変わりしていますので、2012年時のランキングも紹介しながら、感想を記載していきたいと思います。
全体的に、2000年以降のアルバムが上位に入ってきて、2012年時のランキングから、かなりの変動があり、驚きがありました。
洋楽の名盤を聴きたいけど、どのアルバムから聴けば良いか分からない方、
洋楽の歴代アルバムのランキングを知りたい方に、役立つ記事になっています。
歴代最高のアルバム ベスト30
ジミ・ヘンドリックス『Are You Experienced』
ジャンル:Hard Rock
コメント:
ジミ・ヘンドリックスは、アメリカのギタリスト、シンガーソングライターであり、卓越したテクニックのギタリストだったことから、ギターの神様と呼ばれています。
ジミ・ヘンドリックスが登場した時は、常軌を逸した翔びまくるギタープレイに、当時の同業者に廃業を考えさせたほどのインパクトがあったと言われています。
当アルバムは、ジミ・ヘンドリックス、ノエル・レディング、ミッチ・ミッチェルで結成したエクスペリエンスが、1967年に発売したデビュー・アルバムです。
サイケデリックやロック、ブルースを基調としており、ジミ・ヘンドリックスの卓越したギタープレイは、大きな衝撃を与え、革新的なアルバムとなりました。
惜しくも、ビートルズの「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」に阻まれ、全英チャート1位にはなりませんでしたが、全英チャート2位を記録しました。
1960年代のアルバムのため、古臭さは否めませんが、それでも圧巻のギタープレイを聞くことができます。
残念ながら、ジミ・ヘンドリックスは、1970年にロンドンで27歳の若さで亡くなりました。
その他のジミ・ヘンドリックスのアルバム「Electric Ladyland」(53位)、「Axis: Bold as Love」(92位)もおすすめのアルバムです。
2012年のランキング:15位(15位)
ザ・ビートルズ 『White Album』
ジャンル:Rock
コメント:
1968年に発売されたビートルズ10作目のアルバムで、2枚組のアルバムです。
アルバム制作前に、ビートルズのメンバーは、インドのリシケシュに出かけ、静かな生活を送りながら、大量の曲を作曲していました。
それらの曲を集めたのが当アルバムです。
当アルバム製作時は、メンバ間の仲が最悪な状態で、ソロの寄せ集め的なアルバムになっていますが、各メンバーの能力が優れていることで、質の高い曲ばかりが収録されています。
レゲエ、フォーク、メタル、前衛音楽と、幅広いジャンルの曲が収録されており、バラエティー豊かなアルバムとなっています。
ジョン・レノンとポール・マッカートニーの影に隠れて、あまり目立たなかったジョージ・ハリソンが、当アルバムでは、名曲「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」を作り出し、
ジョン・レノンとポール・マッカートニーに並ぶ作曲能力を開花させました。
ジョン・レノン作曲の「ハピネス・イズ・ア・ウォーム・ガン」は、12年後にジョン・レノンが射殺されてしまうことを考えると、とても感慨深い曲です。
当アルバムは、全英チャートで、8週間1位を記録、全米チャートで、9週間1位を記録し、2枚組のアルバムとしてはアメリカで最も売り上げたアルバムとなりました。
2012年のランキング:10位(19位)
ディアンジェロ『Voodoo』
ジャンル:Soul
コメント:
2000年に発売されたディアンジェロの2ndアルバムです。
ディアンジェロは、アメリカのR&Bシンガーソングライター、マルチインストゥルメンタリスト、音楽プロデューサーで、ネオ・ソウルの代表的なアーティストです。
ジャケットやアルバム名から、ヒップホップ系のメッセージ色の強いサウンドを想起してしまいますが、ヒップホップの要素はなく、
深みのあるファンク、ジャズ、ソウルの要素を取り入れた渋いソウルミュージックのアルバムです。
当アルバムは、ディアンジェロの代表アルバムであり、グラミー賞で「最優秀R&Bアルバム」を受賞し、ディアンジェロの地位を確立しました。
ネオソウル・ムーブメントの代表作の一つとして、エリカ・バドゥ、フランク・オーシャンなどの同世代アーティストにも大きな影響を与えました。
2012年のランキング:488位(460位)
ウータン・クラン『Enter the Wu-Tang (36 Chambers)』
ジャンル:Hip Hop
コメント:
ウータン・クランは、1990年代初頭に結成されたアメリカのヒップホップグループで、ヒップホップ界に革命をもたらしたグループです。
当アルバムは、1993年発売のウータン・クランのデビューアルバムで、アルバム名は、武道映画「燃えよドラゴン」と「少林寺三十六房」に由来して付けられています。
このアルバム名から分かる通り、当アルバムは、カンフー映画の要素が強く反映されています。
メロディーを抑制したラップを中心とした音楽は、ヒップホップに慣れていない人には、難解に感じるかもしれませんが、
当アルバムは、ヒップホップ史における金字塔とされているアルバムで、ヒップホップのアーティストであるナズやジェイ・Zなど、多くのヒップホップアーティストやグループに影響を与えました。
ヒップホップの音楽を知るには、避けて通れないアルバムの1枚です。
2012年のランキング:386位(359位)
パティ・スミス『Horses』
ジャンル:Punk
コメント:
パティ・スミスは、1970年代のニューヨーク・パンクロックシーンの中心人物で、「パンクの女王」として知られ、音楽だけでなく文学やアートの分野でも多大な影響を与えました。
当アルバムは、1975年にリリースされたパティ・スミスのデビュー・アルバムで、ロック史上最も衝撃的なデビュー作の1つであり、パンク爆発の火付け役となったアルバムです。
元ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのジョン・ケイルがプロデュースを担当し、パティ・スミスの荒々しいボーカルと、ロックンロールの荒々しいエネルギーが融合したパティ・スミスの独自性が表れた作品となっています。
このように、当アルバムは、NYパンクの先駆けのアルバムとなりますが、パンクの持つ「労働者階級の攻撃性と反社会性をギターでごりごり押していく」ようなサウンドだけではなく、ピアノの美しい曲も収録されています。
当アルバムで、パティ・スミスは、パンクの女王の名に相応しい独創的なボーカルを聞かせてくれています。
2012年のランキング:44位(18位)
キャロル・キング『Tapestry』
ジャンル:Folk
コメント:
キャロル・キングは、アメリカのシンガー・ソングライターで、作曲家としても優れた実績を持っており、1960年代から1970年代に、多くのヒット曲を作詞・作曲しました。
本アルバムは、キャロル・キングの2作目のアルバムで、キャロル・キングの代表作であり、シンガーソングライターとしての才能を世に知らしめた名盤です。
ピアノとボーカルを中心としたシンプルなアルバムですが、キャロル・キングのボーカルとともに力強さがあります。
全米アルバムチャートで15週連続1位、その後も302週連続でトップ100に留まるロングセラーとなり、グラミー賞でも4部門制覇、現在までに、約2200万枚を売り上げたモンスター・アルバムです。
「It’s Too Late」や「Will You Love Me Tomorrow?」を始めとして、キャロル・キングの代表曲がつまっています。
感動的な曲が多いため、まだ未聴の方にはぜひ聴いてほしいアルバムの1枚です。
2012年のランキング:36位(11位)
ザ・ビートルズ 『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』
ジャンル:Rock
コメント:
1968年に発売されたビートルズ8作目のアルバムです。
この時代のアルバムは、「シングルヒット曲+新曲」のような構成が主流だったところを、ビートルズは、アルバム全体で一つのストーリー性を持たせるコンセプト・アルバムを制作しました。
このようなコンセプト・アルバムを、この時代に作ったこと自体が偉大なことですが、今は、コンセプト・アルバムは珍しくはなくなっているため、この偉大さが薄れてきているように思えます。
ビートルズの有名な曲はあまり収録はされていませんが、サイケデリックの「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイヤモンズ」やインド音楽風の「ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー」など、あらゆる音楽が詰まっています。
このように、ビートルズの有名な曲がないことや、コンセプト・アルバムであることが、今のサブスクで音楽を聴く時代には、適さなくなってきているために、ランキングが下がったのかもしれません。
それでも、本作は、ロックの歴史を変えた名盤のアルバムであることには変わりはありません。
2012年のランキング:1位(24位)
ヴェルヴェット・アンダーグラウンド 『The Velvet Underground and Nico』
ジャンル:Rock
コメント:
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドは、1964年に結成されたアメリカのバンドで、ロックとアバンギャルドの音楽を融合させた先駆者です。
商業的には失敗しましたが、後の音楽シーンに大きな影響を与えました。
当アルバムは、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドが、1967年に発売したデビュー・アルバムで、
ドイツのシンガーソングライター兼、女優、ファッションモデルのニコが参加した唯一のアルバムです。
ニコは、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのメンバーと合わず、本作発売前に脱退しています。
当アルバムは、ロックとアートを融合させた実験的な音楽を展開しており、発売時は全く売れず、評価され始めたのは、ずっと後のことでした。
時代がついていけなかったアルバムだと言えます。
セカンド・アルバム「ホワイト・ライト/ホワイト・ヒート」は、攻撃的なアルバムですが、それと比較して、当アルバムは、マイルドで聴きやすいアルバムです。
「ホワイト・ライト/ホワイト・ヒート」もおすすめのアルバムですので、当アルバムとあわせて聞いてもらいたいアルバムです。
2012年のランキング:13位(10位)
ノトーリアス・B.I.G.『Ready to Die』
ジャンル:Hip Hop
コメント:
ノトーリアス・B.I.G.は、本名クリストファー・ジョージ・レイトー・ウォレスと言い、ヒップホップの黄金時代を築いたラッパーの1人です。
特に、1990年代のイースト・コーストのヒップホップシーンで中心的な人物でした。
身長190cm、体重136kgの巨漢であるため、名前に含まれているB.I.Gは、「BIG(でかい)」と捉えてしまいますが、実際は、「Business Instead of Games」の略になります。
当アルバムは、ノトーリアス・B.I.G.が、1994年に発売したデビューアルバムで、ヒップホップの歴史において、重要な作品として扱われています。
商業的にも成功を収めましたが、残念なことに、ノトーリアス・B.I.G.は、1997年に銃撃を受け、お亡くなりになりました。
そのことを考えると、このアルバム名(「Ready to Die」)は、切なく感じてしまいます。
後半の曲は、メロディアスな曲が入っており、特に、「One More Chance」や「Juicy」は、女性ボーカルのメロディアスな良曲です。
2012年のランキング:133位(111位)
ブルース・スプリングスティーン『Born to Run』
ジャンル:Rock
コメント:
ブルース・スプリングスティーンは、アメリカのシンガーソングライターで、労働者階級の困難や希望を描写し、アメリカのロックの象徴的な存在となっています。
力強いライブパフォーマンスでも、高い評価を受けています。
当アルバムは、ブルース・スプリングスティーンが、1975年に発売した3枚目のアルバムで、スプリングスティーンの出世作となったアルバムです。
若者の自由への渇望、逃避、希望がテーマとして貫かれており、それを象徴するのがタイトル曲「Born to Run」で、自由と希望、脱出願望を描いた名曲として知られています。
アコースティック、ホーンが入ったストレートなロックは、このテーマにマッチしており、スプリングスティーンのエネルギーを感じさせます。
当アルバムによって、ブルース・スプリングスティーンは、「ロックの救世主」と呼ばれるようになりました。
2012年のランキング:18位(3位)
次は、20位 → 11位 です。