Friends
私的評価: 2.8 (本作のAmazonの評価は、こちら)
1968年発売の14作目のアルバムで、オリジナル曲だけで構成された初めての作品です。
前々作「Smiley Smile」や前作「Wild Honey」は、新しいことをやろうと四苦八苦していたことを感じましたが、本作では、その迷いが吹っ切れて、非常にシンプルなサウンドに変化しました。
ビーチ・ボーイズの代表曲は収録されていませんが、非常に心地よく聞ける作品です。
しかし、商業的には惨敗で、全米チャート126位と、TOP100にもランクインされず、1960年代のビーチ・ボーイズのアルバムの中では、最も売れなかったアルバムになりました。
しかし、それほど悪くないアルバムで、ブライアン・ウィルソン自身、「一番好きなアルバム」と語っています。
Surf’s Up
私的評価: 2.9 (本作のAmazonの評価は、こちら)
1971年発売の17作目のアルバムで、前作「Sunflower」が商業的に失敗したため、ジャック・ライリーが広報・全般管理を担当した中、発表されたアルバムです。
ジャック・ライリーのおかげで、ビーチ・ボーイズは、カンバック・コンサートなどを行い、本作は、全米29位まで上昇することができました。
本作は、ジャケットが示すように内省的で暗い曲が多く、当時、社会問題になっていた公害なども取り上げています。
本作のハイライト曲は、「Disney Girls」と「Surf’s Up」で、「Disney Girls」は、ブルース・ジョンストンの作曲のロマンティックで美しい楽曲、「Surf’s Up」は、途中で頓挫してしまったアルバム「Smile」のハイライトとなるはずだった楽曲になります。
中期のビーチ・ボーイズのアルバムの中では、人気のあるアルバムです。
Love You
私的評価: 3.0 (本作のAmazonの評価は、こちら)
1977年発売の21作目のアルバムで、全曲ブライアン・ウィルソンのオリジナル曲で固めたアルバムです。
全曲ブライアン・ウィルソンのオリジナル曲が収録されているアルバムは、本作と、「Smiley Smile」しかありません。
前半はロック調の曲、後半はメロディアスな落ち着いた曲の構成となっており、特に、後半が聴きどころで、ワルツ風の「Solar System」、ブライアン・ウィルソンと妻のマリリンとのデュエット曲「Let’s Put Our Hearts Together」、ブライアン・ウィルソンの赤ちゃんのことを歌った「I Wanna Pick You Up」など、佳曲が揃っています。
残念ながら、ブライアン・ウィルソンは、精神科医ユージン・ランディの療養から離れてしまい、再び精神状態が悪化し、ブライアン・ウィルソンの完全復活したアルバムは、前作と今作の2枚で終わってしまいました。
Smiley Smile
私的評価: 3.1 (本作のAmazonの評価は、こちら)
1967年発売の12作目のアルバムです。
前作「ペット・サウンズ」に続くアルバムとして、「スマイル」の制作に取り掛かりますが、ブライアン・ウィルソンの過度のプレッシャーにより、この「スマイル」の発売は頓挫してしまいました。
本作は、「スマイル」の残骸を集めて制作されたアルバムで、前作「ペット・サウンズ」以上にサイケデリック色、実験色が強く、ビーチ・ボーイズのアルバムの中では、最も難解なアルバムになりました。
分かりやすい曲は、オープニング・ナンバーの「Heroes and Villains」と、ビーチ・ボーイズの代表曲であり全米チャート1位を記録した「Good Vibrations」ぐらいで、その他の曲は、実験色の強いサイケデリックの曲ばかりが収録されています。
とはいえ、本作は、ビーチ・ボーイズのファンの間ではカルト的な人気のある作品です。
Little Deuce Coupe
私的評価: 3.2 (本作のAmazonの評価は、こちら)
1963年発売の4作目のアルバムで、前作「Surfer Girl」からわずか1ケ月後に発売され、たった1日で制作されたアルバムです。
短期間での発売であったために、4曲は既曲であり、新曲は、8曲にとどまっています。
どの曲もホット・ロッド(車)をテーマにしているため、オールディーズを感じさせる作品です。
当時のアメリカは、サーフィンよりも車の方が一般的だったのか、サーフィンをテーマにした前作「Surfer Girl」よりも、本作の方が、売り上げが好調でした。
ビーチ・ボーイズらしいバラード曲(「Ballad Of Ole’ Betsy」と「Spirit Of America」)も、きっちりと収録されています。
Surfin’ USA
私的評価: 3.3 (本作のAmazonの評価は、こちら)
1963年発売のセカンド・アルバムで、9曲がオリジナル曲で、インストゥルメンタルの曲が5曲で構成されています。
チャック・ベリーの曲を改作したビーチ・ボーイズの代表作「Surfin’ USA」が有名曲ですが、それ以外にも、サーフ・ロックのエレキ・ギターが特徴のインストゥルメンタル「Misirlou」は、誰しもが聞いたこのある有名曲です。
本作の中で注目曲は、「Lonely Sea」で、今後のブライアン・ウィルソンのお得意とするバラード曲の先駆けとなる美しい曲です。
演奏技術もファースト・アルバムと比較すると、かなり向上し、成長を感じさせます。
M.I.U. Album
私的評価: 3.4 (本作のAmazonの評価は、こちら)
1978年発売の22作目のアルバムです。
本作発売前に、ビーチ・ボーイズは、ジャジーなアルバム「Adult Child」と、クリスマス・アルバム「Merry Chiristmas From The Beach Boys」を用意していましたが、レコード会社に発売を拒否されてしまいました。
その「Merry Chiristmas From The Beach Boys」で使用予定であった曲の歌詞を変えて発売したのが、本作です。
そのため、鈴の音が入っていたりとクリスマスを感じさせるアルバムに仕上がっています。
当時、マイク・ラヴと、アル・ジャーディンが超越瞑想にのめり込んでおり、その超越瞑想の師匠マハリシが作った学校(マハリシ国際大学(M.I.U))が、アルバム名に使用されました。
売上は惨敗でしたが、軽快で爽やかなアルバムであるため、ビーチ・ボーイズ ファンには人気のあるアルバムです。
Summer Days
私的評価: 3.5 (本作のAmazonの評価は、こちら)
1965年発売の9作目のアルバムで、前作「The Beach Boys Today!」から、わずか4ケ月で制作されたアルバムです。
「Help Me, Rhonda」は、前作と重複する曲ですが、本作の方は、シングル・バージョンが収録されており、ビーチ・ボーイズとしては、2曲目の全米チャート1位を記録しました。
その他にも、全米チャート3位となった傑作曲「California Girls」や、アカペラの美しさ溢れる「And Your Dream Comes True」など、バラエティー豊かな曲が収録されています。
ただ、バラード曲が減り、アルバム全体としては、まとまりがなく散漫な印象は受けます。
次々作の「ペット・サウンズ」に繫る作品として捉えることができます。
The Beach Boys’ Christmas Album
私的評価: 3.6 (本作のAmazonの評価は、こちら)
1964年発売の7作目のアルバムで、ビーチ・ボーイズ初のクリスマス・アルバムです。
当時のアメリカでは、一流のミュージシャンになるとクリスマス・アルバムを発売することが常だったようで、ビーチ・ボーイズもそこから漏れず、クリスマス・アルバムを制作しました。
前半5曲が、ビーチ・ボーイズのオリジナル・クリスマスソングで、残りの7曲が、クリスマスのスタンダード曲で構成されています。
ビーチ・ボーイズのオリジナル・クリスマスソングの中では、オープニング・ナンバー「Little Saint Nick」が最も有名で、現在では、クリスマスの定番ソングになっているため、誰しもが1度は耳にしたことがある曲です。
クリスマス時期に聞くには、最適なアルバムです。
That’s Why God Made the Radio
私的評価: 3.7 (本作のAmazonの評価は、こちら)
2012年発売の28作目のアルバムで、新曲が収録されたアルバムは、「Summer in Paradise」以来であり、実に20年ぶりのアルバムになります。
ウィルソン兄弟は、デニスとカールが他界してしまったため、オリジナル・メンバーによる再結成は不可能となってしまいましたが、本作は、ブライアン・ウィルソン、マイク・ラヴ、アル・ジャーディン、ブルース・ジョンストン、デヴィッド・マークスのメンバーで制作されました。
1970年代以降のビーチ・ボーイズの不調が嘘のようで、素晴らしい楽曲ばかりが収録されており、ビーチ・ボーイズのファンを続けていて良かったと感じさせる傑作アルバムです。
「15 Big Ones」以来36年ぶりに全米チャートトップ10入りを果たしました。
次は、5位 → 1位 です。