ビヨンセ「Lemonade」
【コメント】
元デスティニーズ・チャイルドのビヨンセが、2016年に発売した6作目のソロ・アルバムです。
本作は、夫ジェイ・Zの不倫を経た心の旅を、世代や人種の文脈と絡めて描いたコンセプト・アルバムとなっています。
ヒップホップ、ロック、レゲエ、ファンク、カントリーなど、あらゆるジャンルの音楽を融合させた、バラエティ豊かな作品です。
ビヨンセの最高傑作のひとつであり、音楽評論家からも大絶賛され、2016年には最も売れたアルバムの一つとなりました。
派手なインパクトはないものの、じっくりと聴き込むことで味わい深さを感じられる、そんなアルバムです。
【ジャンル】
ポップス
【ランキングの意外度】
3.0
ニルヴァーナ「Nevermind」

【コメント】
1991年に発売されたニルヴァーナのセカンド・アルバムで、アンダーグラウンドなサウンドを残しつつ、ポップさも兼ね備えたグランジの名盤です。
全世界で3000万枚以上を売り上げたモンスター・アルバムで、グランジにとどまらず、1990年代のロック界全体においても最重要アルバムの一つに位置付けられます。
オープニング・ナンバーの「Smells Like Teen Spirit」は、本作の全てを象徴しており、「世界はどんなに最低だい?」という歌詞には、カート・コバーンの怒りが凝縮されています。
ニルヴァーナのボーカリスト、カート・コバーンは1994年に自ら命を絶ちましたが、ドラマーのデイヴ・グロールはフーファイターズを結成し、現在も音楽活動を続けています。
【ジャンル】
グランジ
【ランキングの意外度】
1.0
エイミー・ワインハウス「Back to Black」
【コメント】
27歳の若さでアルコール中毒により亡くなったエイミー・ワインハウスが、2006年に発売したセカンド・アルバムです。
本作は、エイミー・ワインハウスと夫シヴィルとの波瀾万丈な関係(罪悪感、悲しみ、不倫、失恋)を描いた作品となっています。
音楽面では、1950年代・1960年代のソウル・サウンドを踏襲しており、2000年代にオールドスタイルの音楽を取り入れている点や、良曲が多いことから高く評価されました。
2000年代のアルバムとしては名盤といえる一方で、1950年代・1960年代のソウルの数々の名盤を上回るかというと疑問も残り、8位というランキングは過大評価されている印象を受けます。
【ジャンル】
ソウル
【ランキングの意外度】
4.0
ケンドリック・ラマー「good kid, m.A.A.d city (Deluxe Version)」
【コメント】
アメリカのラッパー、ケンドリック・ラマーが2012年に発売したメジャー・デビュー・アルバムです。
本作は、ケンドリック・ラマーが故郷コンプトンで経験した暴力、薬物依存、幻想からの覚醒などを描いたコンセプト・アルバムとなっています。
ノリの良いダンサンブルのヒップホップとは異なる、独特のケンドリック・ラマーの世界観が色濃く出ています。
ヒップホップの名作であることは間違いありませんが、ケンドリック・ラマーのアルバムの中で、誰もが認める名盤である「トゥ・ピンプ・ア・バタフライ」を選択しなかった点には疑問が残ります。
しかも、この「トゥ・ピンプ・ア・バタフライ」が100位以内にもランクインしていないのは、不可思議でなりません。
本作とあわせて、「トゥ・ピンプ・ア・バタフライ」もぜひ聴いてもらいたいアルバムです。
【ジャンル】
ヒップホップ
【ランキングの意外度】
5.0
スティーヴィー・ワンダー「Songs in the Key of Life」
【コメント】
1976年に発売されたスティーヴィー・ワンダー18枚目のアルバムで、2枚組の作品です。
スティーヴィー・ワンダーは、生まれてすぐに「未熟児網膜症」により視力を失いましたが、歌手として、またマルチ楽器奏者としてその天才ぶりを発揮していました。
スティーヴィー・ワンダーの絶頂期は1972年から1976年で、「トーキング・ブック」「インナーヴィジョンズ」「ファースト・フィナーレ」といった傑作アルバムを発表した後、本作がリリースされました。
そのため、本作は、スティーヴィー・ワンダー絶頂期の集大成とも言える作品です。
収録曲はいずれも素晴らしく、中でも「回想」「愛するデューク」は全米チャート1位を記録し大ヒットしました。
さらに「Pastime Paradise」「Summer Soft」「Isn’t She Lovely」「As」など、名曲揃いのアルバムです。
【ジャンル】
ソウル
【ランキングの意外度】
1.0
フランク・オーシャン「Blonde」
【コメント】
2016年に発売されたフランク・オーシャンのセカンド・アルバムで、フランク・オーシャン独自のソウル・ミュージックを確立した作品です。
実験的な要素が強く、R&B、ポップス、ソウル、エレクトロニカ、サイケデリック、ヒップホップなどが融合したサウンドは、非常に斬新です。
アルバム全体に気だるさが漂い、憂鬱な夕方に聴くのにぴったりの雰囲気を持っています。
2010年代の傑作アルバムであることは間違いありませんが、歴史に残る名盤かと言われると疑問が残り、今回のランキングで5位というのは、過大評価の印象を受けます。
【ジャンル】
R&B
【ランキングの意外度】
5.0
プリンス・アンド・ザ・レヴォリューション「Purple Rain」
【コメント】
プリンスが1984年に発売した6枚目のアルバムで、同名の映画のサウンドトラックでもあります。
本作の名義となっている「ザ・レヴォリューション」は、プリンスのバックバンドの名前に由来しています。
プリンスのアルバムには実験色の強い作品が多く、一般受けしにくいものも少なくありませんが、本作はバンド色の強いロックサウンドで、わかりやすい曲が多く収録されており、プリンスの代表作として広く知られています。
本作からは「Let’s Go Crazy」と「When Doves Cry」がシングルカットされ、シングルチャートで1位を記録する大ヒットとなりました。
特に「Purple Rain」は、プリンスの楽曲の中でも屈指の名バラードです。
【ジャンル】
ロック
【ランキングの意外度】
1.0

ザ・ビートルズ「Abbey Road」
【コメント】
ビートルズが1969年に発売した12作目のアルバムで、ビートルズ解散前にリリースされた最後の作品です。
アルバム制作当時、メンバー間には緊迫した状況があったと言われていますが、本作がラスト・アルバムになることを理解していた各メンバーは、いざこざを避けるよう紳士的にレコーディングに臨みました。
ビートルズの最後のアルバムにふさわしく、収録曲はいずれも完成度が高く、最後の輝きを見せてくれます。
今回の「史上最高のアルバム100枚」では、ビートルズから本作と「Revolver」の2枚しかランクインしておらず、個人的にビートルズの最高傑作だと思っている「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band」は選出されませんでした。
時代が進むにつれ、ビートルズのアルバムの歴史的重要性が認められなくなってきているのは、とても寂しく感じます。
【ジャンル】
ロック
【ランキングの意外度】
1.0

マイケル・ジャクソン「Thriller」
【コメント】
キング・オブ・ポップ、マイケル・ジャクソンが1982年に発売した6枚目のアルバムで、史上最も売れたアルバムとして知られる作品です。
ポップスとソウルが絶妙に融合し、誰にでも聴きやすいわかりやすい曲ばかりが収録されています。
特に、ゾンビと踊るミュージック・ビデオは大変有名で、発売当時は電気店などでも常に流れていました。
アルバム全曲に捨て曲はなく、7曲がシングルカットされ、すべて大ヒットを記録しました。
今回の「史上最高のアルバム100枚」の2位にふわさしいポップスの名盤です。
【ジャンル】
ポップス
【ランキングの意外度】
1.0

ローリン・ヒル「The Miseducation of Lauryn Hill」
【コメント】
「Apple Musicが選ぶ 史上最高のアルバム100枚」の第1位は、なんと、ローリン・ヒルの「The Miseducation of Lauryn Hill」でした。
「ローリン・ヒルって誰?」と思われる方もいるかもしれません。
それもそのはず、ローリン・ヒルはこのアルバム以外に作品を発表しておらず、現在は音楽活動もしていないため、名前を耳にする機会は少なく、忘れ去られてしまった印象を受けます。
1998年に発売された本作は、第41回グラミー賞で最優秀新人賞や最優秀アルバム賞を含む、女性アーティスト史上最多となる5部門を受賞しました。
シングルカットされた「Doo-Wop」は日本でもヒットしています。
本作はヒップホップのアルバムですが、ソウルやR&Bを中心としたサウンドで構成されているため、ヒップホップが苦手な人でも楽しめる作品です。
1990年代の名作であることは間違いありませんが、このアルバムがビートルズやローリング・ストーンズ、マイケル・ジャクソン、デヴィッド・ボウイなどの歴史的名盤を超えるかという点には、疑問を感じます。
この第1位の選出については、賛否両論があるかと思っています。
【ジャンル】
ヒップホップ
【ランキングの意外度】
5.0
まとめ
Apple Musicが選ぶ「史上最高のアルバム100枚」のベスト30を紹介してきましたが、意外なアルバムが多くランクインしていたのが印象的でした。
ヒップホップや2000年以降のアルバムが多く選ばれたことで、昔の名盤とされるアルバムの順位が下がってしまったのは、時代の変化を感じさせます。
「あのアルバムがなぜ入っていないのだろう?」「なぜ、このアルバムがこんなに高評価なのだろう?」
そう思った方も少なくないかと思います。
今回のランキングは、まだ過渡期のランキングのように感じますので、数年後にまたApple Musicが同じようなランキングをしてもらいたいと思っています。
最後に、100位までのランキングを紹介して、終わりにしたいと思います。
| 順位 | アーティスト | アルバム |
|---|---|---|
| 1位 | ローリン・ヒル | The Miseducation of Lauryn Hill |
| 2位 | マイケル・ジャクソン | Thriller |
| 3位 | ザ・ビートルズ | Abbey Road |
| 4位 | プリンス・アンド・ザ・レヴォリューション | Purple Rain |
| 5位 | フランク・オーシャン | Blonde |
| 6位 | スティーヴィー・ワンダー | Songs in the Key of Life |
| 7位 | ケンドリック・ラマー | good kid, m.A.A.d city (Deluxe Version) |
| 8位 | エイミー・ワインハウス | Back to Black |
| 9位 | ニルヴァーナ | Nevermind |
| 10位 | ビヨンセ | Lemonade |
| 11位 | フリートウッド・マック | Rumours |
| 12位 | レディオヘッド | OK Computer |
| 13位 | ジェイ・Z | The Blueprint |
| 14位 | ボブ・ディラン | Highway 61 Revisited |
| 15位 | アデル | 21 |
| 16位 | ジョニ・ミッチェル | Blue |
| 17位 | マーヴィン・ゲイ | What’s Going On |
| 18位 | テイラー・スウィフト | 1989 (Taylor’s Version) |
| 19位 | ドクター・ドレー | The Chronic |
| 20位 | ザ・ビーチ・ボーイズ | Pet Sounds |
| 21位 | ザ・ビートルズ | Revolver |
| 22位 | ブルース・スプリングスティーン | Born to Run |
| 23位 | ダフト・パンク | Discovery |
| 24位 | デヴィッド・ボウイ | The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars |
| 25位 | マイルス・デイヴィス | Kind of Blue |
| 26位 | カニエ・ウェスト | My Beautiful Dark Twisted Fantasy |
| 27位 | レッド・ツェッペリン | Led Zeppelin II |
| 28位 | ピンク・フロイド | The Dark Side of the Moon |
| 29位 | ア・トライブ・コールド・クエスト | Low End Theory |
| 30位 | ビリー・アイリッシュ | When We All Fall Asleep, Where Do We Go? |
| 31位 | アラニス・モリセット | Jagged Little Pill |
| 32位 | ノトーリアス・B.I.G. | Ready To Die |
| 33位 | レディオヘッド | Kid A |
| 34位 | パブリック・エナミー | It Takes A Nation Of Millions To Hold Us Back |
| 35位 | ザ・クラッシュ | London Calling |
| 36位 | ビヨンセ | Beyonce |
| 37位 | ウータン・クラン | Enter The Wu-Tang (38 Chambers) |
| 38位 | キャロル・キング | Tapestry |
| 39位 | Nas | Illmatic |
| 40位 | アレサ・フランクリン | I Never Loved A Man The Way I loved You |
| 41位 | アウトキャスト | Aquemini |
| 42位 | ジャネット・ジャクソン | Control |
| 43位 | トーキング・ヘッズ | Remain In Light |
| 44位 | スティーヴィー・ワンダー | Innervisions |
| 45位 | ビョーク | Homogenic |
| 46位 | ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ | Exodus |
| 47位 | ドレイク | Take Care |
| 48位 | ビースティ・ボーイズ | Paul’s Boutique |
| 49位 | U2 | The Joshua Tree |
| 50位 | ケイト・ブッシュ | Hounds Of Love |
| 51位 | プリンス | Sign O’ The Times |
| 52位 | ガンズ・アンド・ローゼズ | Appetite For Destruction |
| 53位 | ザ・ローリング・ストーンズ | Exile On Main Street |
| 54位 | ジョン・コルトレーン | A Love Supreme |
| 55位 | リアーナ | ANTI |
| 56位 | ザ・キュアー | Disintegration |
| 57位 | ディアンジェロ | Voodoo |
| 58位 | オアシス | (What’s The Story) Morning Glory |
| 59位 | アークティック・モンキーズ | AM |
| 60位 | ヴェルヴェット・アンダーグラウンド | The Velvet Underground & Nico |
| 61位 | シャーデー | Love Deluxe |
| 62位 | 2パック | All Eyez on Me |
| 63位 | ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス | Are You Experienced |
| 64位 | エリカ・バドゥ | Baduizm |
| 65位 | デ・ラ・ソウル | 3 Feet High and Rising |
| 66位 | ザ・スミス | The Queens Is Dead |
| 67位 | ポーティスヘッド | Dummy |
| 68位 | ザ・ストロークス | Is This It |
| 69位 | メタリカ | Master of Puppets |
| 70位 | N.W.A. | Straight Outta Compton |
| 71位 | クラフトワーク | Trans-Europe Express |
| 72位 | SZA | SOS |
| 73位 | スティーリー・ダン | Aja |
| 74位 | ナイン・インチ・ネイルズ | The Downward Spiral |
| 75位 | ミッシー・エリオット | Supa Dupa Fly |
| 76位 | バッド・バニー | Un Verano Sin Ti |
| 77位 | マドンナ | Like a Prayer |
| 78位 | エルトン・ジョン | Goodbye Yellow Brick Road |
| 79位 | ラナ・デル・レイ | Norman F*****g Rockwell! |
| 80位 | エミネム | The Marshall Mathers LP |
| 81位 | ニール・ヤング | After the Gold Rush |
| 82位 | 50セント | Get Rich or Die Tryin’ |
| 83位 | パティ・スミス | Horses |
| 84位 | スヌープ・ドッグ | Doggystyle |
| 85位 | ケイシー・マスグレイヴス | Golden Hour |
| 86位 | メアリー・J. ブライジ | My Life |
| 87位 | マッシヴ・アタック | Blue Lines |
| 88位 | ニーナ・シモン | I Put A Spell on You |
| 89位 | レディー・ガガ | The Fame Monster (Deluxe Edition) |
| 90位 | AC/DC | Back in Black |
| 91位 | ジョージ・マイケル | Listen Without Prejudice Vol. 1 |
| 92位 | タイラー・ザ・クリエイター | Flower Boy |
| 93位 | ソランジュ | A Seat at the Table |
| 94位 | ブリアル | Untrue |
| 95位 | アッシャー | Confessions |
| 96位 | ロード | Pure Heroine |
| 97位 | レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン | Rage Against the Machine |
| 98位 | トラヴィス・スコット | ASTROWORLD |
| 99位 | イーグルス | Hotel California |
| 100位 | ロビン | Body Talk |