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Apple Musicが選ぶ 史上最高のアルバム100枚の紹介とレビュー
Apple Musicが選ぶ「史上最高のアルバム100枚」が、2024年5月に、突如、発表されました。
そこで、上位30枚のアルバムを紹介しながら、レビューをしていきたいと思います。
このランキングは、選りすぐりのアーティストと、ソングライター、プロデューサー、業界関係者を含む専門家チームによって作成されたとのことですが、
このランキングを見ると、確実に世代交代していることが分かります。
1960年代、1970年代の音楽が好きな私にとっては、寂しいランキングとなっていますが、新しい世代の音楽が評価され始めていることを肯定的に捉えて、レビューをしていきたいと思います。
洋楽の名盤を聴きたいけど、どのアルバムから聴けば良いか分からない方、
洋楽の歴代アルバムのランキングを知りたい方に、役立つ記事になっています。
ランキングの評価
各アルバムのランキング結果について、個人的なランキングの意外度を、点数で記していきたいと思います。
ランキングの意外性が最も大きいランキングは、「 5.0」(意外なランキング)
ランキングの意外性が最も低いランキングは、「 1.0」(妥当なランキング)で、
表現していきます。
史上最高のアルバム ベスト30
ビリー・アイリッシュ「When We All Fall Asleep, Where Do We Go?」
【コメント】
ビリー・アイリッシュは、2016年にデビューし、近年、最も注目されているミュージシャンの1人です。
このアルバムは、2019年に発売されたビリー・アイリッシュのデビュー・アルバムであり、アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアなどで1位を記録し、世界中で大ヒットしました。
第62回グラミー賞では、主要4部門を含む合計5部門を受賞し、主要部門を独占する快挙を成し遂げました。
本作は、2010年代のアルバムらしさが出ており、アンビエント、エレクトロ、インダストリアル、ポップなどを足し合わせたようなサウンドで、ビリー・アイリッシュの内面が映し出されています。
ジャケットからも分かるように、ホラー要素も持っており、静かな中に狂気を秘めた、そんなアルバムです。
最近のアルバムも、Top30に入ってくるところに、世代交代を感じます。
【ジャンル】
オルタナティヴ・ポップ
【ランキングの意外度】
4.0
ア・トライブ・コールド・クエスト「Low End Theory」
【コメント】
アメリカのヒップホップ・グループ ア・トライブ・コールド・クエストの1991年発売のセカンド・アルバムです。
ノリの良いダンスを意識した通常のヒップホップとは異なり、ジャズ要素をふんだんに取り入れたヒップホップ・アルバムです。
本作には、ジャズ界の名ベーシスト ロン・カーターが参加していることからも、ジャズを意識して作られていることが分かります。
ヒップホップとジャズの融合を確立した本作は、ディアンジェロ、カニエ・ウェスト、ケンドリック・ラマーなどの多くのミュージシャンに大きな影響をもたらしました。
その影響の大きさから、Top30内にランキングされたのは妥当とも言えます。
【ジャンル】
ヒップホップ
【ランキングの意外度】
2.0
ピンク・フロイド「The Dark Side of the Moon」
【コメント】
5大プログレッシブ・ロック・バンドの一角であるピンク・フロイドが、1973年に発表したアルバムで、プログレッシブ・ロックの名盤です。
日本では、「狂気」というアルバム名で知れ渡っています。
Bllboard 200に15年間(741週連続)にわたってランクインし続け、ギネスに認定されたことでも有名です。
本作は、コンセプト・アルバムであり、アルバム1枚を1つの大曲として、切れ目なく曲が続いていきます。
音質が非常によく、緻密に構成された隙のないアルバムですが、このような大作主義のアルバムは、若い世代の人には、受け入れられないのか、プログレのアルバムは、本作しかランクインしていません。
もっと上位にランキングしてもおかしくないアルバムです。
【ジャンル】
プログレッシブ・ロック
【ランキングの意外度】
2.0
レッド・ツェッペリン「Led Zepplein II」
【コメント】
ハードロック界で最も有名なバンド レッド・ツェッペリンの1969年発売のセカンド・アルバムです。
レッド・ツェッペリンは、荒削りなギター、戦闘機の如く重厚なドラム、ハイトーン・ボーカルを特徴としており、本作はその特徴が遺憾なく発揮されているアルバムです。
レッド・ツェッペリンのアルバムは、本作以外にも、「レッド・ツェッペリン IV」が名盤として挙げられることが多いですが、「レッド・ツェッペリン IV」は、今回の「史上最高のアルバム100枚」の中には、ランクインしませんでした。
本作と「レッド・ツェッペリン IV」は、ハード・ロック史に輝く名盤ですので、この2枚は、是非とも聞いてもらいたいアルバムです。
【ジャンル】
ハードロック
【ランキングの意外度】
1.0
カニエ・ウェスト「My Beautiful Dark Twisted Fantasy」
【コメント】
21世紀で最も成功したラッパーの1人 カニエ・ウェストの5枚目のアルバムです。
カニエ・ウェストというと、私生活での話題が事欠かない人で、あまり良い印象はありませんが、音楽才能は素晴らしく、サンプリングの選曲やプロデュース、ソングライターの能力は、ずば抜けています。
本作は、ニッキー・ミナージュ、リアーナ、ジェイ・Zなど、豪華アーティストが参加しており、メロディアスな曲が多くを占めていることから、非常に聞きやすいアルバムです。
評論家からも大絶賛を受け、全米チャート初登場1位を記録しました。
本作の収録曲「Power」では、キング・クリムゾンの名曲「21世紀の精神異常者」をサンプリングし、話題となりました。
この「21世紀の精神異常者」を収録している「クリムゾンキングの宮殿」が、今回の「史上最高のアルバム100枚」の中には、ランクインしなかったことは、とても残念です。
【ジャンル】
ヒップホップ
【ランキングの意外度】
1.0
マイルス・デイヴィス「Kind of Blue」
【コメント】
マイルス・デイヴィスのジャズ時代の最高傑作であり、ジャズの歴史の中で、金字塔的な名盤アルバムです。
今回の「史上最高のアルバム100枚」の中で、純粋なジャズのアルバムとしては、本作と、54位のジョン・コルトレーン「A Love Supreme」しかランクインしていませんので、それだけで、ジャズの名盤であることが分かるかと思います。
個人的には、ビル・エヴァンスの「Waltz for Debby」も、ジャズの名盤であるため、ランクインしてほしかったなと思っています。
本作は、コード進行よりもモード (旋法)を用いて演奏される手法が用いられており、このモード演奏が本作で完成されたと言われています。
純粋なジャズのアルバムが、Top30内にランクインしたことは、とても喜ばしいことです。
【ジャンル】
ジャズ
【ランキングの意外度】
1.0
デヴィッド・ボウイ「The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars」
【コメント】
デヴィッド・ボウイは、生前、音楽以外に、俳優でも活躍し、世界中に知られたアーティストでした。
音楽においては、グラムロック、ハードロック、ソウル、アンビエント、ポップス、インダストリアル、ジャズなど、あらゆるジャンルの音楽を取り込み、変化し続けました。
このアルバムは、1972年発売のデヴィッド・ボウイ5作目の作品で、地球に落ちてきたエイリアンが、ロックンローラーになって苦悩するという物語を綴ったコンセプト・アルバムです。
デヴィッド・ボウイの最高傑作であるとともに、ロック史に残る名盤ですが、24位というのは、ランキングが低いように思えます。
どの曲もメロディアスで、ブリテッシュ・ロックの良さがよく出ていますので、未聴の人は、ぜひ聞いてもらいたいアルバムです。
【ジャンル】
グラムロック
【ランキングの意外度】
2.0
ダフト・パンク「Discovery」
【コメント】
ダフト・パンクは、ロボットのようなヘルメットと手袋をして、素性を明かさない不思議なフランスの電子音楽デュオです。
このアルバムは、ダフト・パンクの2作目のアルバムで、電子音をふんだんに使用したディスコ・アルバムです。
本作の収録曲「ワン・モア・タイム」は、松本零士のアニメーションによるビデオ・クリップが注目され、日本でも30万枚を売り上げるヒットとなりました。
この手の電子音楽は、時代とともに古臭くなっていくもので、それが、今回の「史上最高のアルバム100枚」の中にランクインされたのは、意外に感じます。
それでも、本作は、2000年代の代表アルバムであることは間違いありません。
【ジャンル】
ディスコ
【ランキングの意外度】
4.0
ブルース・スプリングスティーン「Born to Run」
【コメント】
ブルース・スプリングスティーンの3作目のアルバムで、ブルース・スプリングスティーンを一躍有名にした1970年代の代表アルバムです。
日本では、「明日なき暴走」という邦題で有名です。
ロックンロール、ポップロック、R&B、フォークロックなどがミックスされたサウンドは、まさにアメリカを感じさせ、当時のアメリカの若者を象徴するような作品です。
個人的には、ブルース・スプリングスティーンといえば、「ボーン・イン・ザ・U.S.A.」の印象が強いですが、このアルバムも「ボーン・イン・ザ・U.S.A.」に負けず劣らずのアルバムで、22位というランキングも納得です。
【ジャンル】
ロック
【ランキングの意外度】
1.0
ザ・ビートルズ「Revolver」
【コメント】
1966年発売のビートルズ7作目のアルバムで、サイケデリック色の強い作品です。
ADTやテープの逆回転、オーバーダビングを繰り返すなど、実験色の強い作品で、制作時間に約300時間を要したと言われています。
このアルバムあたりから、ジョン・レノンの曲とポール・マッカートニーの曲とで、嗜好の違いがみられるようになります。
ジョン・レノンの曲は、サイケデリック色が強い尖った曲、ポール・マッカートニーの曲は、美しいメロディアスの曲とで分かれています。
本作は、サイケデリック要素が強いことから、ビートルズのアルバムの中では、分かりづらい作品のように思えますが、最近、人気が上がってきています。
【ジャンル】
ロック
【ランキングの意外度】
1.0
次は、20位 → 11位 です。