Alice in Chains(アリス・イン・チェインズ) 全アルバム ランキング
前回は、Soundgarden(サウンドガーデン)の全アルバム ランキングをしましたので、今回は、グランジ バンドの第四弾として、Alice in Chains(アリス・イン・チェインズ)の全アルバム ランキングをしていきたいと思います。
アリス・イン・チェインズは、グランジ四天王の1角のバンドであり、他のグランジ四天王 ニルヴァーナ、パール・ジャム、サウンドガーデンの中では、最も危険漂うヤバイ バンドです。
それは、音楽性はさる事ながら、レイン・ステイリーのドラッグにやられてしまった浮遊感漂うボーカルが、聞く者に、危険な印象を与えます。
アリス・イン・チェインズは、1987年に、レイン・ステイリーとジェリー・カントレルを中心に結成されたバンドで、音楽は、グランジというジャンルに括られていますが、どちらかというとHM/HRに近いサウンドを特徴としています。
イギー・ポップや、ヴァン・ヘイレンのオープニング・アクトを務め、人気を博していきますが、中心人物であったレイン・ステイリーが、オーバードースによって、活動が停滞していきます。
結果的に、レイン・ステイリーは、2002年に亡くなってしまいますが、その後も、アリス・イン・チェインズは、解散せず、新ボーカリストを迎え入れて、活動を続けていきます。
現在までに、6枚のスタジオ・アルバムを発表しています。
そんなアリス・イン・チェインズの全スタジオ・アルバムを、ランキングしていきたいと思います。
ランキングは、個人的な独断と偏見で評価していますので、世間一般の評価とは異なるかもしれませんが、その点は、ご了承ください。
アリス・イン・チェインズのアルバムを聴いてみたいけど、どのアルバムから聴けば良いか分からない方、アリス・イン・チェインズのアルバムの評価や、おすすめのアルバムを知りたい方に、役立つ記事になっています。
アリス・イン・チェインズ アルバムランキング
The Devil Put Dinosaurs Here

評価: 2.8
2013年発売の5作目のアルバムで、前作「Black Gives Way to Blue」の延長線上の作品ですが、前作よりもポップさが出てきて、聞きやすい仕上がりになっています。ポップさが出てきたと言っても、柔になった訳ではなく、重く沈んだギターは相変わらずで、アリス・イン・チェインズらしさが出ています。レイン・ステイリーがボーカルだったアリス・イン・チェインズの時代に比べて、ドラッグ要素の強い病的な雰囲気はなくなってきています。それだけ、まともになったアルバムと言えますが、それを好意的に捉えるか、寂しく感じるかで、このアルバムの評価は変わってくるかと思います。楽曲の良さや音楽性は、高い水準を維持していますので、まだ未聴の方は、聞いて損はないアルバムです。
Rainier Fog

評価: 3.0
2018年発売の6作目のアルバムで、ボーカルが、ウィリアム・デュヴァールに変更されてからの3枚目のアルバムになります。前作、前々作は、レイン・ステイリー時代のアリス・イン・チェインズのサウンドを追い求めて、あまり変化を感じさせないアルバムでしたが、このアルバムはポップ要素が強くなり、レイン・ステイリー時代とは違ったアリス・イン・チェインズを聴くことができます。前作「The Devil Put Dinosaurs Here」よりもさらに病的なヤバさはなくなり、垢抜けた雰囲気を持った作品です。そのため、過去のアリス・イン・チェインズのアルバムの中では、一番、聞きやすいアルバムとなっています。それでも、アリス・イン・チェインズらしさは残っていますので、レイン・ステイリー時代のアリス・イン・チェインズが好きな人にも、満足できるアルバムです。
Black Gives Way to Blue

評価: 3.2
2009年発売の4作目のアルバムで、前作「Alice In Chains」から、実に、14年ぶりに発売されたアルバムです。レイン・ステイリーが、オーバードースで他界してしまい、誰しもが、アリス・イン・チェインズは解散したと思っていたところ、突然、発表されたのが、このアルバムです。Comes with the Fallのボーカリスト ウィリアム・デュヴァールを迎え入れて制作されたこのアルバムは、昔のヘビーでくせになる音楽性は健在で、ボーカリスト交代による影響は、それほど感じることはありません。このアルバムが発売される前は、「レイン・ステイリーがいなくなって、アリス・イン・チェインズは成り立つのか?」と疑問に思っていましたが、このアルバムを聞いて、その杞憂は、なくなりました。どこを切ってもアリス・イン・チェインズらしさが出ているアルバムです。

Facelift

評価: 3.4
1999年発売のファースト・アルバムで、シアトルのグランジムーブメント内で初のゴールド認定を受けたアルバムです。うねりのあるグランジとヘビー・メタルを合わせたようなテンションの高い「We Die Young」からスタートし、スロー・テンポのギター・リフが印象的な「Man in the Box」へと続いていきます。この2曲は、アリス・イン・チェインズの代表曲であり、アリス・イン・チェインズの特徴をよく表現している曲です。この2曲だけでも、このアルバムを聞く価値があります。全体的に、グルーヴ感が漂うスロー・テンポの曲が多く、ダークで不気味な雰囲気を持っています。ヘビーメタルが好きな人にも、グランジが好きな人にも、聞いてもらいたいアルバムです。

Alice in Chains

評価: 3.6
1995年発売の3作目のアルバムで、レイン・ステイリーが参加した最後のアルバムです。このアルバム発売後、レイン・ステイリーは、ドラッグにより再起不能となり、2002年に他界してしまいます。このアルバムはそれを象徴するかのように、スロー・テンポのヘビーで病的な曲が多く、聞き手もトリップしてしまうような感覚に囚われてしまいます。前作「Dirt」のようなメロディアスさはありませんが、こちらのアルバムの方が、1度ハマってしまうと抜け出すことができない魅力があります。このアルバム当時、3本足の犬のジャケットが日本では発禁となり、真っ白なジャケットで発売されました。アリス・イン・チェインズの音楽の特徴が最も表れているアルバムで、アリス・イン・チェインズの音楽性が何かを知るには、最も適したアルバムです。

Dirt

評価: 3.8
1992年発売のアリス・イン・チェインズの最高傑作の呼び名の高いセカンド・アルバムで、アリス・イン・チェインズのアルバムの中では、最も売れたアルバムです。グランジよりもメタル要素が強く、特に、「Sickman」のギターのうねりは、サウンドガーデンの名曲「Jesus Christ Pose」を彷彿させます。この曲は、曲調や途中からのスロー・テンポになるくだりが、曲名の通り、病的なかっこよさがあります。レイン・ステイリーが、オーバードースによって亡くなってしまうため、アリス・イン・チェインズはドラッグのイメージがつきまとっているバンドですが、そのイメージ通り、このアルバムは、ドラッグをテーマにした曲が、6曲も収録されています。全体的にスローテンポのヘビーなギターリフが特徴のネガティブさを感じる作品です。
アリス・イン・チェインズのメンバ
アリス・イン・チェインズは、1987年に、レイン・ステイリーとジェリー・カントレルを中心にシアトルで結成されました。
レイン・ステイリーのドラッグ問題が深刻になり、1996年以降、活動を停止してしまいます。
その後、レイン・ステイリーが、他界してしまった後は、ウィリアム・デュヴァールに、ボーカルを迎え入れて、3枚のアルバムを発表しています。
以下に、アリス・イン・チェインズの主要メンバーを紹介します。
- ジェリー・カントレル(リードギター、リードボーカル担当):シアトルで最も影響力のあるギタリストの一人で、独特のうねるようなヘビーなギターを特徴としています。アリス・イン・チェインズでは、ギターだけではなく、美しいハーモニーのバック・ボーカルや、レイン・ステイリー死後は、ウィリアム・デュヴァールと共に、リード・ボーカルを担当しています。アリス・イン・チェインズ以外では、ソロ・アルバムを発売したり、他のアーティストのアルバムにゲスト参加したりしており、特に有名なのは、メインのギタリストとして参加したオジー・オズボーンのアルバム「Under Cover」です。
- レイン・ステイリー(リードボーカル担当):アリス・イン・チェインズは、1990年代の最も活躍できるバンドだと目されていましたが、レイン・ステイリーのドラッグ問題によって、その期待は潰えてしまいます。くせのある独特なボーカルの持ち主で、そのボーカルを、ドラッグよって、台無しにしてしまったのは、非常に残念なことです。メタリカのジェイムズ・ヘットフィールドからは、「コントロールを身につけたならば恐るべき存在になる」と語っていたことがありましたが、まさに、コントロールができず、自爆してしまう結果になりました。
- ウィリアム・デュヴァール (リードボーカル担当):レイン・ステイリーの後任として、2006年から、アリス・イン・チェインズに参加しています。元々は、MadflyやComes With The Fallなどのバンドを結成して活躍していた人で、Comes With The Fallを通じて、ジェリー・カントレルと親しくなり、アリス・イン・チェインズに加入しました。ウィリアム・デュヴァールのボーカルはレイン・ステイリーに似ているところがあり、レイン・ステイリーがいなくなった影響を感じさせないほど、うまく、アリス・イン・チェインズのサウンドに溶け込むことができています。
その他のアルバム
- Sap
- 1992年発売の4曲入りのミニアルバムです。アリス・イン・チェインズのスタジオ・アルバムとは異なり、アコースティックを中心とした曲が収録されたアルバムです。
- アリス・イン・チェインズの独特な病的な曲はなく、大人のアリス・イン・チェインズを味わえるアルバムです。
- Jar of Flies
- 1994年発売のミニアルバムで、「Sap」と同様、アコースティックを中心とした曲が収録されたアルバムです。アリス・イン・チェインズ初の全米チャート1位を獲得したアルバムです。
- 前半は、アリス・イン・チェインズらしいダークなうねるギターの作品、後半は、爽やかなアコースティックの作品が収録されています。哀愁漂う曲が多いことが特徴です。
- MTV Unplugged
- グランジ四天王のパール・ジャムやニルヴァーナと同様、アリス・イン・チェインズも、アコースティック・ライブ(Unplugged)を実施しており、このアルバムは、アコースティックのみの演奏のライブ・アルバムです。
- レイン・ステイリーは、この時代、かなりドラッグにやられていたため、ボーカルに覇気がなく、痛々しさを感じます。それでも、アリス・イン・チェインズの曲自体が、陰鬱な曲が多いため、さほど、覇気のないレイン・ステイリーのボーカルでも、気にはなりません。
- Live
- 1990年から1996年のライブ音源を集めたライブ・アルバムです。音質がよくないことや、音質がばらばらであることが残念ですが、それは、音質改善のための編集をしていないことが原因のように思えます。
- アリス・イン・チェインズのアコースティックではないライブ・アルバムは、このアルバムしか発表されておらず、レイン・ステイリーのライブのボーカルを聞ける貴重なアルバムです。
- このアルバムのハイライト曲は、スタジオ・アルバムには未収録曲の「Queen of the Rodeo」で、アコースティックと疾走するメタルが入り混じった面白い作品です。
- Nothing Safe: The Best of the Box
- レイン・ステイリー在籍時最後に発表された新曲「Get Born Again」を含む、アリス・イン・チェインズのベスト・アルバムです。
- 1999年発売のアルバムであるため、レイン・ステイリー在籍時の曲しか収録されていませんが、アルバム「Facelift」「Dirt」「Alice in Chains」以外にも、EP、デモ、ライヴ版の曲が収録されており、アリス・イン・チェインズのベスト・アルバムとしては、最適なアルバムです。
まとめ
最後に、アリス・イン・チェインズのランキング結果をまとめます。
順位 | アルバム名 | 点数 |
---|---|---|
1位 | Dirt | 3.8 |
2位 | Alice in Chains | 3.6 |
3位 | Facelift | 3.4 |
4位 | Black Gives Way to Blue | 3.2 |
5位 | Rainier Fog | 3.0 |
6位 | The Devil Put Dinosaurs Here | 2.8 |
レイン・ステイリーの在籍時代のアルバムが、上位を占める結果になりましたが、ウィリアム・デュヴァールが加わったアルバムも素晴らしいアルバムでした。
そのため、ウィリアム・デュヴァールがボーカルのアルバムを聞いたことがない方は、この機会に、全アルバムを聞いて見ることをお勧めします。
アリス・イン・チェインズのアルバムは、全て、素晴らしいアルバムであることが分かるかと思います。
次回は、ニューメタルの先駆者Kornの全アルバム ランキングをしていきたいと思います。