For Those About to Rock We Salute You 悪魔の招待状
評価: 3.5
1981年発売の7作目のアルバムで、AC/DCのアルバムの中でも、ヘビーなアルバムです。
前作「Back in Black」の延長線上のようなアルバムですが、更にヘビーさが増しメタル要素が強くなっています。
有名曲は、オープニング・ナンバーの「For Those About to Rock (We Salute You)」ぐらいしかありませんが、全体的に良質な曲が揃っています。
このオープニング・ナンバーの「For Those About to Rock (We Salute You)」の後半では、ジャケットに描かれている大砲の音が連発します。
この曲は、ライブでの定番曲となり、ライブでは、本物の大砲で、音を鳴らしています。
前作「Back in Black」よりも売上は落ちましたが、それでも、全米チャート初の1位を記録し、全英チャートでは3位と、前作の勢いが保たれています。
The Razors Edge
評価: 3.6
1990年発売の11作目のアルバムで、ボン・ジョヴィやエアロスミスのプロデュースで有名なブルース・フェアバーンをプロデューサーに起用して製作されたアルバムです。
そのためか、ギターの音が近代的になり、キャッチーな曲が増えています。
オープニング・ナンバーの「Thunderstruck」のイントロのギターから、今までのAC/DCとは異なることが分かります。
オープニング・ナンバーの後、「Fire Your Guns」「Moneytalks」「The Razors Edge」と必殺曲が続くために、後半がちょっと弱い印象は受けますが、それでも、本作は、名作に値します。
キャッチーでありながら、AC/DCの縦ノリのロックンロールは健在で、AC/DCの貫禄を見せつけています。
全米チャート2位、全英チャート4位と完全に、全盛期の勢いが戻りました。
Let There Be Rock ロック魂
評価: 4.0
1977年発売の3作目のアルバムで、初期のAC/DCの最高傑作であり、名盤に値するアルバムです。
世間一般的には、AC/DCの名盤と言えば、「Highway to Hell」と「Back in Black」が挙げられますが、本作も負けていません。
AC/DCのアルバムの中で、最も、音がぶ厚くヘビーな作品です。
特に、「LET THERE BE ROCK」「WHOLE LOTTA ROSIE」は、ハードロック界の楽曲の中でも、名曲に値します。
この2曲以外も、ヘビーな曲ばかりが収録されており、最初からハイテンションで、最後まで一気に突っ走っていきます。
本作で、AC/DCは、英国を中心に一躍脚光を浴びるバンドに急成長しました。
Back in Black
評価: 4.3
1980年発売の6作目のアルバムで、ボン・スコットの死後、ブライアン・ジョンソンがヴォーカルに変わって発表された最初のアルバムです。
AC/DCのアルバムの中で最も売れたアルバムであり、世界で3番目に売れたモンスター・アルバムです。
ちなみに、1番売れたアルバムは、マイケル・ジャクソンの「スリラー」、2番目に売れたアルバムは、イーグルズの「イーグルス・グレイテスト・ヒッツ 1971-1975」です。
前作「Highway to Hell」は、ノリの良い明るいロックンロールの名盤だったのに対して、本作は、陰のある暗めのロックンロールの名盤です。
ボン・スコットの追悼と思わせる哀愁のある荘厳な「Hells Bells」から始まり、2曲目以降は、グルーヴ感全開のハードロックが展開されていきます。
ブライアン・ジョンソンのしゃがれたハイトーン・ボーカルは、好き嫌いが分かれそうですが、本作は、そのブライアン・ジョンソンの歌声が上手くいかされています。
全英チャート1位、全米チャート4位を記録しました。
Highway to Hell 地獄のハイウェイ
評価: 4.5
1979年発売の5作目のアルバムで、ボン・スコット時代の集大成のアルバムです。
今までのアルバムよりも洗練され、全曲ハードなロックンロールを展開しており、ロックンロールとは何かを教えてくれる歴史的な名盤です。
日本では、AC/DCの認知度が低いため、馴染みがないかもしれませんが、オープニング・ナンバーの「Highway to Hell」は、ハード・ロックの名曲で、世界的に有名な曲です。
本作は、ギターの演奏はもちろんのこと、ボン・スコットの全編に渡るシャウト・ボーカルが煌びやかで、歌唱力の凄さが分かります。
ボン・スコットは、本作発表後の翌年2月に、大量のアルコール飲酒により急死してしまいます。
本作を聞くと、ボン・スコットの死が残念でなりません。
AC/DCのライブ・アルバム
- If You Want Blood You’ve Got It ギター殺人事件
- 「Powerage」発売後の1978年4月に、スコットランド・グラスゴーのアポロ シアターで行われたコンサートの模様を収録したAC/DC初の公式ライブ・アルバムです。AC/DCの持つ縦ノリ ギター・リフの曲が満載のアルバムです。
- ボン・スコット時代の集大成的なアルバムであり、ボーカル、ギター、リズム隊全てが最高で、体が勝手に動いてしまうノリの良さがあります。ロックのライブ・アルバムの名盤に値します。
- Live
- 「The Razors Edge」発売後の1990年〜91年に行われたツアーの模様を収録した2枚組のライブ・アルバムです。曲数を減らした1枚組も発売されていますが、ぜひ、2枚組の方を聞くことをおすすめします。
- シンプルな縦ノリのギター・リフの曲は、ライブ映えし、「If You Want Blood You’ve Got It」と同様、本作も、ロックのライブ・アルバムの名盤と言えます。
- AC/DCは、ベスト盤を発表していないため、本作を、ベスト・アルバムとして聞くのにも最適です。残念なのは、曲間の歓声がフェード・イン、フェード・アウトして、ぶつ切りに編集されてしまっていることです。それ以外は、最高のライブ・アルバムです。
- Live at River Plate
- 「ブラック・アイス・ワールド・ツアー」から、2009年12月ブエノスアイレスでのコンサートの模様が収録されたライブ・アルバムです。本作は、マルコム・ヤングが健康不良のため2014年に引退する前に録音された最後のアルバムとなります。
- ブライアン・ジョンソンのボーカルに衰えを感じるものの新旧のAC/DCの名曲が詰まっており、本作を聞くと、今も昔もAC/DCの音楽性は何も変わっていないことがよく分かります。
- このブエノスアイレス公演は3日間で20万人以上を動員したことから、歓声が物凄く、熱気に溢れています。
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AC/DCのメンバー
AC/DCは、マルコム、アンガスのヤング兄弟を中心としたバンドで、ボーカルは、ボン・スコットが担当していましたが、1980年に死去して以降、ブライアン・ジョンソンがボーカルを担当しています。
以下に、AC/DCの主要メンバーを紹介します。
- アンガス・ヤング(リード・ギター担当):
オリジナル・メンバーで、AC/DCの中心人物です。
デビュー時から一貫して、ギブソンSGを愛用し、アドリブを得意としています。
控えめなマルコムとは異なり、ブレザー、半ズボンにランドセルを背負ったスクールボーイスタイルがトレードマークで、ステージ上では、おバカキャラとして、目立つ存在です。
AC/DCでは、数々の縦ノリ ギターリフを作り出し、AC/DCの独特なサウンドを形成しました。 - マルコム・ヤング(リズム・ギター担当):
オリジナル・メンバーで、AC/DCのまとめ役の人物でした。
スクールボーイスタイルの弟のマルコムとは異なり、陰でたんたんとギター演奏をするため、ステージ上では、地味な存在でした。
一方で、私生活では、1980年代後半にアルコール依存症に陥り、ステージに立てなかった時期もありました。
その後、アルコール依存症を克服するも、認知症を煩い、2017年に64歳でお亡くなりになりました。 - クリフ・ウィリアムズ(ベース担当):
AC/DC加入前は、ホームというバンドに所属していました。
AC/DCには、初代ベーシストだったマーク・エヴァンスがバンドを解雇された後任として、アルバム「Powerage」から参加しました。
2016年に、健康の悪化を理由に、AC/DCを脱退し、音楽活動からも引退しますが、2018年からAC/DCに復帰し、現在でも、AC/DCのメンバーとして活躍しています。 - フィル・ラッド(ドラム担当):
AC/DCには、1stアルバム「High Voltage」から参加していますが、2度、バンドを脱退しています。
1度目は、薬物問題やマルコム・ヤングとの対立で解雇され、2度目は、不祥事によりバンドを解雇されました。
1度目の脱退後は、ヘリコプター会社を買収し、音楽業界から引退していましたが、1991年にバンドに復帰しました。
2度目の脱退は、一時的なものであり、間もなく、2018年にバンドに復帰し、現在でも、AC/DCのメンバーとして活躍しています。 - ボン・スコット(ボーカル担当):
AC/DCには、初代ボーカリスト デイヴ・エヴァンスに代わって、1974年から加入しました。
ボン・スコットの明るいシャウト・ボーカルは、AC/DCの縦ノリのロックにぴったりでしたが、1980年に大量の飲酒により、突然死します。
ボン・スコットの死後、AC/DCのメンバーは活動休止を考えていましたが、ボン・スコットも継続を望んでいるだろうと、ブライアン・ジョンソンをボーカルに迎え入れて、活動を継続しました。 - ブライアン・ジョンソン(ボーカル担当):
AC/DCの3代目のボーカリストで、ボン・スコットの死後、AC/DCに加入しました。
ボン・スコットの明るいシャウト・ボーカルとは異なり、ハスキーなボーカルは、AC/DC加入直後、批判がありました。
しかし、ブライアン・ジョンソン加入後の最初のアルバム「Back in Black」は、過去最大の大ヒットを記録し、ブライアン・ジョンソンは、AC/DCに定着しました。
2016年4月には、聴力問題により、ワールドツアーを途中降板しますが、2018年に聴力問題が解決しバンドに復帰しました。
現在でも、AC/DCのボーカリストとして活躍しています。
AC/DCの音楽
AC/DCの音楽は、1srアルバムから現在まで、何も変わることなく、縦ノリのロックンロールを続けています。
日本人の好むメロディアスな音楽とは異なるため、日本では、馴染みが薄いですが、この縦ノリのロックンロールにハマってしまうと、抜け出せなくなる中毒性があります。
各アルバムの初心者向け、中級者向け、上級者向けの分類は、以下の通りです。
- High Voltage(1976年):中級者向け
- Dirty Deeds Done Dirt Cheap 悪事と地獄(1976年):中級者向け
- Let There Be Rock ロック魂(1977年):初心者向け
- Powerage(1978年):上級者向け
- Highway to Hell 地獄のハイウェイ(1979年):初心者向け
- Back in Black(1980年):初心者向け
- For Those About to Rock (We Salute You) 悪魔の招待状(1981年):中級者向け
- Flick of the Switch 征服者 (1983年):上級者向け
- Fly on the Wall(1985年):上級者向け
- Blow Up Your Video(1988年):初心者向け
- The Razors Edge(1990年):初心者向け
- Ballbreaker(1995年):上級者向け
- Stiff Upper Lip(2000年):上級者向け
- Black Ice 悪魔の氷(2008年):中級者向け
- Rock or Bust(2014年):中級者向け
- Power Up(2020年):中級者向け
まとめ
最後に、AC/DCのランキング結果をまとめます。
順位 | アルバム名 | 点数 |
---|---|---|
1位 | Highway to Hell 地獄のハイウェイ | 4.5 |
2位 | Back in Black | 4.3 |
3位 | Let There Be Rock ロック魂 | 4.0 |
4位 | The Razors Edge | 3.6 |
5位 | For Those About to Rock We Salute You 悪魔の招待状 | 3.5 |
6位 | Dirty Deeds Done Dirt Cheap 悪事と地獄 | 3.4 |
7位 | Powerage | 3.3 |
8位 | High Voltage | 3.2 |
9位 | Blow Up Your Video | 3.0 |
10位 | Rock or Bust | 2.95 |
11位 | Black Ice 悪魔の氷 | 2.9 |
12位 | Power Up | 2.85 |
13位 | Stiff Upper Lip | 2.8 |
14位 | Flick of the Switch 征服者 | 2.7 |
15位 | Ballbreaker | 2.6 |
16位 | Fly on the Wall | 2.5 |
ボン・スコット最後のアルバム「Highway to Hell 地獄のハイウェイ」と、ブライアン・ジョンソン加入後の最初のアルバム「Back in Black」が、1位、2位になりました。
共にAC/DCの代表作であり、AC/DCの魅力が詰まっているアルバムです。
その他のアルバムも、良作ばかりですので、上記のランキングを参考に多くのAC/DCのアルバムを聴いてもらいたいと思っています。
AC/DCは、世界中で人気のあるバンドですが、日本の音楽にはマッチしないのか、日本では、知名度が低いように思えます。
もっと、日本の中でも、人気が出てくれることを願っています。
次回は、奇抜なメイクで有名なキッスの全アルバム・ランキングをしていきたいと思います。
AC/DCのグッズ紹介
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