Journey through the Secret Life of Plants シークレット・ライフ
評価: 3.2
1979年に発売された19作目のアルバムで、ドキュメンタリー映画「The Secret Life of Plants」のサウンドトラックです。
本作は「植物の生命」をテーマにしており、静かな自然の情景を感じさせる作品となっています。
どのようなドキュメンタリーなのかは定かではありませんが、インストゥルメンタル曲が多く、スティーヴィー・ワンダーの通常のオリジナル・アルバムとは一線を画しています。
絶頂期の傑作「キー・オブ・ライフ」の直後にリリースされたこともあり、当時、従来のスティーヴィー・ワンダーのサウンドを期待して購入した人は、肩透かしを食らったと想像できます。
商業的には成功しませんでしたが、聴けば聴くほど魅力がじわじわと伝わってくるスルメ盤です。
Where I’m Coming From 青春の軌跡
評価: 3.3
1971年に発売された13作目のスタジオ・アルバムで、全曲が当時の妻であったシリータ・ライトとの共作による作品です。
過去のアルバムと比べて演奏はさらに進化しており、実験的な要素の強い内容に仕上がっています。
本作は、マーヴィン・ゲイの傑作アルバム「What’s Going On」と同時期にリリースされ、共通する社会的テーマを扱っていたことから比較されることもありました。
その結果、マーヴィン・ゲイの作品が高く評価された一方で、本作は当時あまり良い評価を受けませんでした。
しかし現在では、「トーキング・ブック」以降のスティーヴィー・ワンダーの音楽的進化に繋がる過渡期の作品として、再評価されています。
For Once in my Life
評価: 3.4
1968年に発売された10作目のスタジオ・アルバムで、従来のモータウン・サウンドの色合いが薄れ始めた作品です。
スティーヴィー・ワンダーの個性が徐々に前面に出てきており、ファンキーな楽曲が増えつつあります。
アルバム・タイトルにもなっている「For Once in My Life」はシングル・カットされ、アメリカとイギリスの両国でトップ3入りを果たしました。
演奏面ではクラヴィネットの使用など新たな試みにも取り組んでおり、音楽的な進化が感じられます。
世間的にも評価の高いアルバムとして知られています。
My Cherie Amour
評価: 3.5
1969年に発売された11作目のスタジオ・アルバムで、バラード・ナンバーに重点を置いた作品です。
「マイ・シェリー・アモール」や「イエスターミー、イエスターユー、イエスタデイ」がシングル・カットされ、いずれもヒットを記録しました。
ドアーズの「ハートに火をつけて」や、映画「いそしぎ」のテーマ曲などのカバーも収録されており、聴きどころの多いアルバムです。
また、スティーヴィー・ワンダーのハーモニカ演奏も随所で光っており、演奏面でも魅力的な作品となっています。
Hotter than July
評価: 3.6
1980年に発売された20作目のスタジオ・アルバムで、スティーヴィー・ワンダーの最後の絶頂期のアルバム「キー・オブ・ライフ」の後にリリースされた作品です。
絶頂期を経たあとも、なおスティーヴィー・ワンダーの創造力や勢いが衰えていないことを感じさせる内容となっています。
本作には、ボブ・マーリーに捧げられたレゲエ・ナンバー「Master Blaster」や、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師に捧げた「Happy Birthday」などが収録されています。
そのほかにも、ファンキーな楽曲やディスコ調のナンバーなど、エネルギッシュな楽曲が多数収録されており、聴きごたえのあるアルバムです。
Music of My Mind 心の詩
評価: 3.8
1972年に発売された14作目のスタジオ・アルバムで、スティーヴィー・ワンダーが全曲の作曲・全楽器演奏・プロデュースを手掛け、その天才ぶりを発揮した作品です。
次作「トーキング・ブック」から始まる絶頂期のアルバムの前夜祭とも言える作品です。
モータウンのソウルフルな曲調は影を潜め、実験的な要素が強いものの、それでも洗練された素晴らしい作品に仕上がっています。
この時代、スティーヴィー・ワンダーはシンセサイザーに強い関心を持ち、本作からシンセサイザーが多用され始めました。
Fulfillingness’ First Finale ファースト・フィナーレ
評価: 4.2
1973年に発売された16作目のスタジオ・アルバムで、前作「インナーヴィジョンズ」と同様にメッセージ性が強い作品です。
しかし、「インナーヴィジョンズ」ほど尖った印象はなく、内省的で落ち着いたサウンドが特徴的です。
本作からは「悪夢」が全米チャートで1位を記録しました。
「悪夢」以外の曲はあまり知られておらず、地味な印象を受けるかもしれませんが、ファンク、レゲエ、バラードなど、多彩なジャンルの楽曲が収められており、どの曲もスティーヴィー・ワンダーらしさが感じられる充実した内容に仕上がっています。
スティーヴィー・ワンダーの黄金期を代表するアルバム、「トーキング・ブック」「インナーヴィジョンズ」「ファースト・フィナーレ」「キー・オブ・ライフ」の4枚はいずれも甲乙つけがたく、どれを1位に挙げてもおかしくありません。

Talking Book
評価: 4.4
1972年に発売された15作目のスタジオ・アルバムで、過去の作品と比べて一気に音楽性が飛躍し、スティーヴィー・ワンダーの絶頂期の幕開けとなった作品です。
本作からは「Superstition」と「You Are the Sunshine of My Life」が特に有名で、なかでも「Superstition」は大きな話題を呼び、スティーヴィー・ワンダーのクリエーターとしての高い評価を確立しました。
ちなみに「Superstition」はもともとジェフ・ベックに提供された曲で、ジェフ・ベックのアルバム「Beck Bogert & Appice」にも収録されています。
しかしスティーヴィー・ワンダーが先にリリースしたことで、スティーヴィー・ワンダーのバージョンの方が広く知られることとなりました。
そのほかにも、「You and I」や「I Believe (When I Fall in Love It Will Be Forever)」といった優れたバラード曲も収録されています。

Songs in the Key of Life キー・オブ・ライフ

評価: 4.6
1976年に発売された18作目のスタジオ・アルバムで、スティーヴィー・ワンダーの絶頂期の締めくくりとなる2枚組の大作です。
「トーキング・ブック」「インナーヴィジョンズ」「ファースト・フィナーレ」の3部作を経て完成された集大成的な作品であり、愛、人生、社会問題、精神性、家族などをテーマにしています。
本作からは「回想」と「愛するデューク」が全米チャート1位を記録し、大ヒットとなりました。
収録曲の多くは他のアーティストによってカバーされており、「Pastime Paradise」「Summer Soft」「Isn’t She Lovely」「As」など、名曲が揃っています。
さらに、本作は1977年のグラミー賞で「最優秀アルバム賞」を受賞し、ソウルのみならずポピュラー・ミュージックの歴史に残る名盤として高く評価されています。

Innervisions

評価: 4.7
1973年に発売された16作目のスタジオ・アルバムで、社会的・政治的なメッセージを強く打ち出した作品です。
社会への怒りを表現した「Living for the City」や、ファンキーで鋭い「Too High」「Higher Ground」といった楽曲から、
レゲエ・ファンク調の「Don’t You Worry ‘bout a Thing」、名バラードの「Golden Lady」「All in Love Is Fair」など、多彩な楽曲が詰まっています。
スティーヴィー・ワンダーの絶頂期を代表するアルバムのひとつであり、世間の評価も非常に高く、グラミー賞を5部門で受賞しました。
その他のおすすめアルバム
- Recorded Live: The 12 Year Old Genius
- まだリトル・スティーヴィー・ワンダー時代である1962年にリリースされたライブ・アルバムです。当時のスティーヴィー・ワンダーは若干12歳で、声変わり前の幼いボーカルが特徴的です。
- ハーモニカの演奏や歌唱力は、年齢を感じさせないほどに達観しており、その非凡な才能をはっきりと感じ取ることができます。
- オープニング・ナンバーの「Fingertips, Pt.1 & 2」は全米チャートで1位を記録しました。
- Live at the Talk of the Town
- 1970年にリリースされたライブ・アルバムで、当初はイギリス限定で発売されましたが、2005年にiTunesを通じてアメリカでも配信されるようになりました。
- 同じく1970年のライブ・アルバムとして「Stevie Wonder Live」がありますが、数曲が重複していることに加え、本作の方が音質が良いため、こちらをおすすめします。
- Natural Wonder
- 1994年12月から1995年1月にかけて行われたツアーの音源を収録したライブ・アルバムで、大阪公演の楽曲も含まれており、スティーヴィー・ワンダーが日本語で話す場面も楽しめます。
- スティーヴィー・ワンダーの代表曲がバランスよく選曲されているため、スティーヴィー・ワンダー初心者にもおすすめの一枚です。
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スティーヴィー・ワンダーの音楽
スティーヴィー・ワンダーの楽曲は、キーボードを中心に構成されたものが多く、ファンキーなナンバーやバラードが特に優れています。
なかでも絶頂期にあたる4枚のアルバム「Talking Book」「Innervisions」「Fulfillingness’ First Finale」「Songs in the Key of Life」は、いずれも完成度が非常に高く、全曲が魅力的な名盤です。
多くの有名曲も収録されており、スティーヴィー・ワンダーの音楽を知るうえで、この4枚は欠かすことのできない作品です。
スティーヴィー・ワンダーのアルバムは、時代によってサウンドが異なり、大まかに以下のように分けることができます。
1962年 – 1964年 :ジャズ・ムード音楽
1965年 – 1970年 :モータウン・ソウル
1971年 – 1979年 :絶直期のソウル・ファンク
1980年 – 1991年 :デジタル・サウンド
1992年以降 :AOR
各ジャンルの初心者向け、中級者向け、上級者向けの分類は、以下の通りです。
【ジャズ・ムード音楽のアルバム】
- The Jazz Soul of Little Stevie Wonder(1962年):上級者向け
- Tribute to Uncle Ray レイ・チャールズに捧ぐ(1962年):中級者向け
- With a Song in My Heart わが心に歌えば(1963年):中級者向け
- Stevie at the Beach(1964年):上級者向け
【モータウン・ソウルのアルバム】
- Up-Tight(1965年):上級者向け
- Down to Earth 太陽のあたる場所(1966年):初心者向け
- I Was Made to Love Her 愛するあの娘に(1967年):中級者向け
- Someday at Christmas 想い出のクリスマス(1967年):初心者向け
- Alfie Eivets Rednow(1968年):上級者向け
- For Once in my Life(1968年):中級者向け
- My Cherie Amour(1969年):初心者向け
- Signed, Sealed, Delivered 涙をとどけて(1970年):初心者向け
【絶直期のソウル・ファンクのアルバム】
- Where I’m Coming From 青春の軌跡(1971年):中級者向け
- Music of My Mind 心の詩(1972年):中級者向け
- Talking Book(1972年):初心者向け
- Innervisions(1973年):初心者向け
- Fulfillingness’ First Finale ファースト・フィナーレ(1974年):初心者向け
- Songs in the Key of Life キー・オブ・ライフ(1976年):初心者向け
- Journey through the Secret Life of Plants シークレット・ライフ(1979年):上級者向け
【デジタル・サウンドのアルバム】
- Hotter than July(1980年):初心者向け
- The Woman in Red(1984年):初心者向け
- In Square Circle(1985年):中級者向け
- Characters(1987年):上級者向け
- Jungle Fever(1991年):上級者向け
【AORのアルバム】
- Conversation Peace(1995年):中級者向け
- A Time to Love(2005年):中級者向け
まとめ
最後に、スティーヴィー・ワンダーのランキング結果をまとめます。
| 順位 | アルバム名 | 点数 |
|---|---|---|
| 1位 | Innervisions | 4.7 |
| 2位 | Songs in the Key of Life キー・オブ・ライフ | 4.6 |
| 3位 | Talking Book | 4.4 |
| 4位 | Fulfillingness’ First Finale ファースト・フィナーレ | 4.2 |
| 5位 | Music of My Mind 心の詩 | 3.8 |
| 6位 | Hotter than July | 3.6 |
| 7位 | My Cherie Amour | 3.5 |
| 8位 | For Once in my Life | 3.4 |
| 9位 | Where I’m Coming From 青春の軌跡 | 3.3 |
| 10位 | Journey through the Secret Life of Plants シークレット・ライフ | 3.2 |
| 11位 | The Woman in Red | 3.1 |
| 12位 | Signed, Sealed, Delivered 涙をとどけて | 3.0 |
| 13位 | Down to Earth 太陽のあたる場所 | 2.9 |
| 14位 | A Time to Love | 2.8 |
| 15位 | I Was Made to Love Her 愛するあの娘に | 2.75 |
| 16位 | Conversation Peace | 2.7 |
| 17位 | Up-Tight | 2.65 |
| 18位 | Someday at Christmas 想い出のクリスマス | 2.6 |
| 19位 | Jungle Fever | 2.55 |
| 20位 | In Square Circle | 2.5 |
| 21位 | With a Song in My Heart わが心に歌えば | 2.45 |
| 22位 | Tribute to Uncle Ray レイ・チャールズに捧ぐ | 2.4 |
| 23位 | Alfie Eivets Rednow | 2.35 |
| 24位 | Stevie at the Beach | 2.3 |
| 25位 | Characters | 2.25 |
| 26位 | The Jazz Soul of Little Stevie Wonder | 2.2 |
スティーヴィー・ワンダーは、絶頂期の4枚のアルバム(「Talking Book」「Innervisions」「Fulfillingness’ First Finale」「Songs in the Key of Life」)があまりにも傑出しているため、それ以外のアルバムは、影が薄く感じます。
しかし、モータウン・ソウル時代の作品や、1980年以降のアルバムの中にも、優れた作品はいくつか存在します。
絶頂期の4枚を聴いたうえで、さらにスティーヴィー・ワンダーの音楽を深く知りたい方は、上記のランキングを参考に、多くのアルバムを聴いてもらえればと思います。
次回は、Soul/R&B ジャンルの第三弾として、マイケル・ジャクソンの全アルバム・ランキングを行っていきたいと思います。
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