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Todd Rundgren(トッド・ラングレン)全アルバム ランキング|名盤、おすすめ アルバムの紹介
前回は、Eric Clapton(エリック・クラプトン)の全アルバム ランキングをしましたので、
今回は、ロック界のレジェンド第24弾として、アメリカのミュージシャンで、プロデューサーとしても有名な、Todd Rundgren(トッド・ラングレン)の全アルバム ランキングをしていきたいと思います。
トッド・ラングレンは、高校卒業後、ブルース・ロック・グループ 「ウッディーズ・トラック・ストップ」でキャリアをスタートさせました。
その後、1967年に、サイケデリック・バンド 「ナズ」を結成し、レコードデビューを果たしますが、メンバーとの衝突により、ソロ活動に転向し、
3rdアルバム「Something/Anything?」が、商業的に大きな成功を収め、世界的に知られる存在になりました。
トッド・ラングレンは、商業的な成功で満足せず、単純な3分ポップから壮大なプログレッシブ・ロックに傾倒し、1974年に「ユートピア」を結成します。
また、ソロ活動や、自らのバンドの活動だけではなく、プロデューサーとしても、ニューヨーク・ドールズ、ミート・ローフ、ホール&オーツ、XTC など、
大物アーティストの作品のプロデュースを行い、高い評価を受けています。
今回は、トッド・ラングレンのソロ・アルバムだけでなく、ユートピアも含め、トッド・ラングレンの名盤の紹介や評価をしていきたいと思います。
ランキングは、個人的な独断と偏見で評価していますので、世間一般の評価とは異なるかもしれませんが、その点は、ご了承ください。
トッド・ラングレンのアルバムを聴いてみたいけど、どのアルバムから聴けば良いか分からない方、
トッド・ラングレンのアルバムの評価や、名盤、おすすめのアルバムを知りたい方に、役立つ記事になっています。
評価点の基準
評価点の基準は、以下の通りです。
評価点 | 基準 |
---|---|
1.0 〜 2.0 | 駄作のアルバム |
2.0 〜 3.0 | 普通のアルバム |
3.0 〜 4.0 | 良作のアルバム |
4.0 〜 4.5 | 最高傑作のアルバム |
4.5 〜 | 歴史的名盤 |
トッド・ラングレン アルバムランキング
One Long Year
評価: 2.3
2000年発売の17作目のアルバムで、前作「With a Twist…」がボサノバの癒しの作品だったのに対して、本作は、様々なジャンルの音楽をごちゃ混ぜにしたアルバムです。
本作は、音楽の内容よりも、トッド・ラングレンのオンライン・サブスクリプションサービス「Patronet」を通して発表されたことの方が話題となりました。
当時、このようなサブスクリプションサービスで、音楽を発表することは珍しく、
トッド・ラングレンは、早くからデジタル技術やインターネットを活用した最先端のミュージシャンであることが知られるようになりました。
音楽的には、ロック、テクノ、エレクトロニカ、カントリー、ポップなどを寄せ集めたようなアルバムで、統一感はなく、1990年代の低迷したトッド・ラングレンをそのまま引きずっているように感じる作品です。
そのため、本作は、トッド・ラングレンのコア・ファン向けのアルバムです。
No World Order
評価: 2.4
1993年発売の14作目のアルバムで、TR-i(トッド・ラングレン・インタラクティブ)の名義で発売された最初のアルバムです。
本作は、エレクトロニカとヒップホップを組み合わせたようなサウンドで、トッド・ラングレンがラップを取り入れています。
このラップが、トッド・ラングレンの音楽に合っているかと言うと???で、トッド・ラングレンのメロディアスなポップ性が失われてしまったように感じます。
本作は、音楽の内容よりも、リスナーがトラックの順番や流れをカスタマイズできる史上初のインタラクティブCDの方が話題となりました。
そのため、本作は、最先端の技術を取り組むトッド・ラングレンの姿が見えるぐらいで、音楽面では、トッド・ラングレンのアルバムの中でも、つまらないアルバムとなってしまいました。
[Re]Production
評価: 2.5
2011年発売の21作目のアルバムで、トッド・ラングレンが過去にプロデュースした他アーティストの曲をカヴァーしたアルバムです。
このように、本人がプロデュースした曲を、カヴァーすること自体が珍しいですが、全曲、ダンスやシンセポップのアレンジがされていることもユニークです。
パティ・スミス、ミートローフ、ホール&オーツ、チューブス、グランド・ファンク・レイルロードなどの曲がカヴァーされており、
どれも、ディスコ調であるため、ノリノリの曲となっています。
高速道路を走る時のドライブ・ソングとして最適ですが、くれぐれもノリノリになりすぎて、スピードオーバーしないように注意して下さい。
Deface the Music ミート・ザ・ユートピア
評価: 2.6
1980年発売のユートピアの5作目のスタジオ・アルバムで、ビートルズの曲をパロディ化したアルバムです。
パロディ化と言っても、本人達は、大真面目にやっており、ビートルズの曲に似せたオリジナル曲が収録されています。
どの曲も、ビートルズの元ネタがすぐに分かり、オープニング・ナンバー「I Just Want to Touch You」は「抱きしめたい」、
「All Smiles」は「ミッシェル」、「Everybody Else Is Wrong」は「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」といった具合に、
原曲が何かを聞くと、「あーなるほど」と納得できる曲ばかりです。
ただ、最初は、面白みはありますが、何度も聞きたいというようなアルバムではありません。
現在は、AIでこのような曲は、簡単に作れてしまうため、更に価値のないアルバムになってしまったと感じます。
トッド・ラングレンも、AIで簡単に音楽が生成できてしまう時代が来るとは思わなかったのではないでしょうか。
Todd 未来から来たトッド
評価: 2.65
1974年発売の5作目のアルバムで、「Something/Anything?」に次ぐ、2作目の2枚組アルバムです。
前作「A Wizard, a True Star」と同様、幻覚剤の影響を大きく受けた実験色の強い難解なアルバムです。
「A Wizard, a True Star」との違いは、よりシンセサイザーを多用し、邦題のアルバム名「未来から来たトッド」が示している通り、近未来を感じるサウンドとなっているところです。
本作の約半分はトッド・ラングレンが単独で演奏し、残りの半分は様々なミュージシャンと演奏する構成となっています。
難解なアルバムではありますが、シングルカットされた「A Dream Goes on Forever」や「Don’t You Ever Learn?」のようなキャッチーな曲も収録されています。
トッド・ラングレンのアルバムの中では、ポップス要素が少ないため、トッド・ラングレンの上級者向けの作品です。
Healing ヒーリング〜トッドの音楽療法
評価: 2.7
1981年発売の9作目のアルバムで、前作「Hermit of Mink Hollow」や、前々作「Faithful」のポップなアルバムとは異なり、
「A Wizard, a True Star」のような実験色の強いアルバムです。
本作は、哲学的、精神的をテーマにしたコンセプト・アルバムです。
コンセプト・アルバムといっても、「Initiation」や「Todd」のようなプログレッシブ・ロックのアルバムではなく、
アルバム名「ヒーリング」が示しているように、アンビエントやシンセポップのサウンドの作品です。
そのため、ヒット性を狙ったアルバムではないため、難解な作品となっており、批評家からは、賛否両論の評価がされました。
トッド・ラングレンのアルバムの中では、不可思議なアルバムですが、心の癒しを求める人には、適したアルバムです。
Oops! Wrong Planet 悪夢の惑星
評価: 2.75
1977年発売のユートピアの3作目のスタジオ・アルバムで、1st、2ndアルバムのプログレッシブ・ロックから離れ、シンプルなロックのアルバムに変化したアルバムです。
本作で、ユートピアは、トッド・ラングレン、ロジャー・パウエル、カシム・サルトン、ジョン・ウィルコックスの4人のメンバーが固定され、バンドの一体感が生まれました。
その証拠に、1st、2ndアルバムが、トッド・ラングレンズ・ユートピア名義で発売されていたのに対して、本作は、ユートピア名義で発売されています。
また、リード・ボーカルもバンド・メンバーがそれぞれ担当しています。
ただ、トッド・ラングレンの関与が少なくなったためか、耳に残る印象的な曲が少なくなり、トッド・ラングレンの魅力はあまり出ていません。
ユートピアは、そもそも、3分ポップスから離れ、大作志向のプログレッシブ・ロックに移行するために結成されたバンドでしたが、その意味合いが、このアルバムで薄れてしまいました。
Global
評価: 2.8
2015年発売の23作目のアルバムで、前作「State」の延長線上のエレクトロニックのロック・アルバムです。
本作では、環境問題や世界的な調和などのテーマを取り上げており、前作「State」よりも重くなり、インダストリアルの要素が加わっています。
どことなく、トレント・レズナー率いるインダストリアル・バンドのナイン・インチ・ネイルズのサウンドに似ているなと思っていたところ、
次作「White Knight」で、トレント・レズナーをフィーチャーした曲が収録されているため、何らかの影響があったと思われます。
常に進化しているトッド・ラングレンであるため、1970年代のようなポップスやプログレッシブ・ロックに原点回帰するようなことはなく、
クラブミュージック路線の方向に進んで行ったのは自然のことだったのかもしれません。
Oblivion
評価: 2.85
1983年発売のユートピアの8作目のスタジオ・アルバムで、前作「Utopia」のシンプルなロック・アルバムだったのに対して、本作は、シンセサイザーを多用したポップなアルバムです。
シンセサイザーだけでなく、電子ドラムも使用され、1980年代らしい近代的なモダンなサウンドに変化しました。
その中でも、ピアノとシンセサイザーの美しいバラード曲「Maybe I Could Change」は、トッド・ラングレンのソロ・アルバムに収録されていてもおかしくないような良曲です。
この曲は、シングル・カットされ、そこそこヒットしました。
このように、この時期のユートピアの音楽は、トッド・ラングレンのソロ活動の音楽との区別がつきずらくなってきています。
Adventures In Utopia
評価: 2.9
1980年発売のユートピアの4作目のスタジオ・アルバムで、ロック色の強かった前作「Oops! Wrong Planet」とは対照的に、ポップス要素の強いアルバムです。
1970年代末のディスコ調も加わり、ユートピアのアルバムの中で、最もキャッチーであり、一般受けする作品となっています。
そのため、アルバムの売上も好調で、シングル・カットされた「Set Me Free」は、米国チャートでユートピアの唯一トップ40に入った曲です。
この曲が、このアルバムの特徴を良く表しており、同時期にヒットしていたバグルスの「ラジオ・スターの悲劇」に通じるディスコ・ポップスの作品です。
これから突入する1980年代のニューウェーブの匂いを感じさせる懐かしいアルバムです。
The Individualist
評価: 2.95
1995年発売の15作目のアルバムで、前作「No World Order」と同様、TR-i名義で発売された2作目のアルバムです。
しかし、前作「No World Order」とは趣が大きく変わっています。
「No World Order」は、ヒップホップを取り入れたことで、メロディアスなポップさがなくなってしまったのに対して、
本作は、トッド・ラングレンがすべての楽器を演奏し、昔のポップなトッド・ラングレンが戻ってきています。
ヒップホップの名残りはありますが、そのヒップホップは嫌味はなく、さりげなく入ってくるため、気にはなりません。
本作のおすすめ曲は、ソウル・バラード曲「The Ultimate Crime」と、エレクトロニックの「Cast the First Stone」で、
特に、「The Ultimate Crime」は、1970年代のトッド・ラングレンのバラード曲に匹敵する良作です。
合唱団を入れたり、ファンクを取り入れたりと、本作もトッド・ラングレンの探究心が表れています。
A Wizard, a True Star 魔法使いは真実のスター
評価: 3.0
1973年発売の4作目のアルバムで、前作までの3分ポップスとは異なり、実験色が強くなったアルバムです。
本作発売時期、トッド・ラングレンは、幻覚剤を使用し始めており、本作には、その影響が色濃く反映され、サイケデリック・ポップスのサウンドになっています。
サイド1は、実験色の強い短い曲がシームレスに流れる形態をとっています。
一方、サイド2は、「I’m So Proud」「Ooh Baby Baby」「La La Means I Love You」といったソウルのカヴァー曲を取り入れるなど、
単調な実験色の曲ばかりにならないような配慮がされています。
今までのポップスのアルバムとは違って難解なアルバムであるため、売上は振るわず、米国チャートでは、86位にとどまりました。
トッド・ラングレンは、本作のツアーをサポートするバンドとして、ユートピアを結成し、今後、ユートピアのアルバムを制作していくことになります。
そのような意味でも、本作は、トッド・ラングレンの転換点となったアルバムです。
Swing To The Right
評価: 3.05
1982年発売のユートピアの6作目のスタジオ・アルバムで、政治的、宗教的なテーマを扱っており、
ユートピアやトッド・ラングレンのアルバムの中では、最も尖ったアルバムです。
本作は、2分〜5分の短めな曲が中心で、プログレッシブ・ロックの作品ではありません。
また、単純なポップスでもなく、各曲に、怒りや批判がこめられており、力強さがあります。
トッド・ラングレンのボーカルにも、怒りがあることが感じられます。
本作のジャケットは、ジョン・レノンが「キリストよりも人気がある」という発言をしたことにより、ビートルズのレコードの公開焼却がされた写真をオマージュしており、
このジャケットからも、トッド・ラングレンの政治的批判を感じます。
トッド・ラングレンには珍しく、感情をあらわにしている作品です。
P.O.V.
評価: 3.1
1985年発売のユートピアの9作目のスタジオ・アルバムで、ユートピアのラスト・アルバムです。
ユートピアが所属していたパスポート・レーベルが倒産したこともあり、ユートピアは解散を余儀なくされ、また、商業的にも失敗してしまいました。
しかし、そのよう中でも、本作は、ヒットしないのが不思議なくらいに良作のアルバムです。
前作「Oblivion」のシンセ・ポップスを継続しながらも、熟練した大人のポップスを展開しています。
ユートピアは、大作のプログレッシブ・ロックを行うことを目的に結成されましたが、後期のユートピアなそれとはかけ離れてしまった3分ポップスに変化してしまいました。
しかし、マルチ・プレイを主体とするトッド・ラングレンのソロ・アルバムとは違ったバンド形式の音楽を制作できたことは、
ユートピア結成の意味があったのではないかと思っています。
次は、20位 → 11位 です。