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T. Rex(T・レックス)全アルバム ランキング|名盤、おすすめ アルバムの紹介
前回は、Janis Joplin(ジャニス・ジョプリン)の全アルバム ランキングをしましたので、
今回は、ロック界のレジェンド第21弾として、T. Rex(T・レックス)の全アルバム ランキングをしていきたいと思います。
T・レックスは、マーク・ボランを中心としたバンドで、デヴィッド・ボウイやロキシー・ミュージックなどと同様、グラムロックの代名詞的なグループでした。
T・レックスは、デビュー当時、ティラノザウルス・レックスというバンド名で、フォーク・ロックをやっていました。
1970年代に入ると、T・レックスとバンド名を短縮して、アルバム「電気の武者」が大ヒットし、英国で、大人気のバンドとなりました。
1975年になると、グラムロックが終焉を迎え、それに合わせて、T・レックスも急速に人気が低迷してしまいます。
その後、ソウルやパンクにシフトしていこうとしますが、マーク・ボランが30歳の誕生日直前に、車の事故で、他界してしまったことから、T・レックスは消滅してしまいました。
そんなT・レックスの名盤の紹介や評価をしていきたいと思います。
ランキングは、個人的な独断と偏見で評価していますので、世間一般の評価とは異なるかもしれませんが、その点は、ご了承ください。
T・レックスのアルバムを聴いてみたいけど、どのアルバムから聴けば良いか分からない方、
T・レックスのアルバムの評価や、名盤、おすすめのアルバムを知りたい方に、役立つ記事になっています。
T・レックス アルバムランキング
Zinc Alloy and the Hidden Riders of Tomorrow ズィンク・アロイと朝焼けの仮面ライダー
評価: 2.3
1974年に、初めてマーク・ボラン&T・レックス名義で発表された通算9作目のアルバムです。
前作「Tanx」以上に、イメージ・チェンジが図られており、グロリア・ジョーンズやシスター・パット・ホールがバック・コーラスを務め、ソウル色の強いアルバムとなりました。
全面的に女性のバックコーラスが入り、このバックコーラスをどう評価するかで、このアルバムの評価が変わるかと思います。
個人的には、このバックコーラスは邪魔でしかなく、T・レックスの重厚なサウンドを台無しにしているように感じます。
このバックコーラスあることによって、各曲がコミック・ソングのような曲になってしまっています。
更に、アルバム名の邦題「ズィンク・アロイと朝焼けの仮面ライダー」も最悪で、「仮面ライダーとは、どういうことだ」と思ってしまいます。
本作から、T・レックスの勢いが一気に低迷してしまいました。
Bolan’s Zip Gun ブギーのアイドル
評価: 2.4
1975年発売の通算10作目のアルバムで、前作「Zinc Alloy and the Hidden Riders of Tomorrow」と同様、ソウル色の強いアルバムです。
ティラノザウルス・レックスのデビュー・アルバムから、長い間、プロデュースを担当していたトニー・ヴィスコンティから離れ、本作は、マーク・ボランがプロデュースを行なっています。
更に、バンド・メンバーも一新され、過去のT・レックスのイメージから、脱却を図っています。
本作でも、当時のマーク・ボランの恋人グロリア・ジョーンズが、バックコーラスを務めていますが、前作よりも、おバカさは薄らいでいます。
しかし、全体的に、バックコーラスが主張しすぎているため、邪魔に感じてしまいます。
本作は、英国チャート入りできなかった唯一のT・レックスのアルバムとなり、T・レックスの低迷ぶりが売上からも分かる結果となりました。
Prophets, Seers And Sages, The Angels Of The Ages 神秘の覇者
評価: 2.5
1968年発売のティラノザウルス・レックスのセカンド・アルバムで、前作からわずか3ケ月後に発売されました。
そのため、サウンドは、前作と同様、ボンゴやパーカッションのリズムと、アコースティック・ギターによるフォーク・サイケデリックのアルバムです。
スティーヴ・トゥックとマーク・ボランの2人が写ったシンプルなジャケットと同様、本作は、前作よりも派手さがなくなり、シンプルになっています。
シンプルな中にも、オープニング・ナンバー「デボラアローブド」は、デビュー・シングル「デボラ」を再編集し、途中で逆テープ効果の実験が行われています。
この実験的な逆テープ効果は、他の曲でも行われており、本作に奇妙な効果を与えています。
前作と本作は、1972年に、2枚組アルバムとして再発売され、英国チャートで1位を記録しました。
Unicorn
評価: 2.6
1969年発売のティラノザウルス・レックスの3作目のアルバムで、スティーヴ・トゥックが参加した最後のアルバムです。
1st,2ndアルバムは、ボンゴやパーカッションのリズムとアコースティック・ギターによる演奏が中心でしたが、
本作では、ボンゴやパーカッションのリズムが少なくなり、新たに、ピアノやオルガン、ベースなどの楽器が加わって、新たな作風に変化しました。
よりサイケデリック色が強くなり、フォーク・サイケデリックという言葉が一番、しっくりくる音楽です。
ティラノザウルス・レックス時代の中でも人気のある作品で、アメリカで発売された初のアルバムとなりました。
ティラノザウルス・レックスは、順風満帆に進んでいるかに見えましたが、1969年9月のアメリカツアー後に、
マーク・ボランはライフスタイルの違いから、スティーヴ・トゥックを解雇してしまいました。
A Beard of Stars
評価: 2.7
1970年発売のティラノザウルス・レックスの4作目のアルバムで、スティーヴ・トゥックに変わり、ミッキー・フィンが初めて参加したアルバムです。
本作から、エレキ・ギターが使用されるようになり、前作までのフォーク・サイケデリックと、これから訪れるグラム・ロックを足し合わせたようなアルバムです。
ミッキー・フィンは、パーカッションとベースを担当していますが、スティーヴ・トゥックのボンゴやパーカッションとは異なり、控えめな演奏をしており、マーク・ボランのギターを引き立たせています。
マーク・ボランのカリスマ性が、本作から出始めており、マーク・ボランがスターになる前兆が感じられます。
Futuristic Dragon 銀河系よりの使者
評価: 2.8
1976年発売の通算11作目のアルバムで、前作「Bolan’s Zip Gun」での低迷から脱出するために、色々なチャレンジング精神が感じられるアルバムです。
4thアルバム「A Beard of Stars」から参加していたミッキー・フィンも脱退してしまい、T・レックスは、更に低迷してしまうと思われましたが、意外にも良作のアルバムに仕上がっています。
本作は、前作までのソウルを残しつつ、絶頂期のグラム・ロックへの回帰がみられます。
また、シンセサイザーを導入したり、ディスコ要素を融合するなどの新たな試みがされています。
本作から、「New York City」と「Dreamy Lady」がシングル・カットされ、中ヒットしました。
アルバム自体も、全英チャート50位を記録し、低迷時代から、脱し始めていることが分かり、次作の傑作アルバム「地下世界のダンディ」へとつながっていきました。
My People Were Fair and Had Sky in Their Hair… But Now They’re Content to Wear Stars on Their Brows ティラノザウルス・レックス登場!!
評価: 2.9
1968年発売のティラノザウルス・レックスのファースト・アルバムで、アコースティック・ギターを使用したサイケデリックのアルバムです。
本作は、わずかな予算で、4日間で録音されたことから、音質は良くなくチープな印象を受けますが、このチープさが、このアルバムに魅力を添えています。
スティーヴ・トゥックによるボンゴやパーカッションのリズムと、マーク・ボランによるアコースティック・ギターのみの演奏は、独自性があり、陽気なサイケデリックといったような音楽です。
後のグラムロックの要素は全くありませんが、T・レックスの原型を感じさせます。
アルバムの最後のトラック「インカの恋」では、マーク・ボランが書いた子供向けの物語を朗読しています。
一般受けするアルバムではありませんが、不思議なサイケデリックが展開され、一聴の価値のあるアルバムです。
T.Rex
評価: 3.2
1970年発売のT.レックスに改名して初めてのアルバムで、ティラノザウルス・レックス時代のアルバムを含めると、通算5作目のアルバムになります。
本作は、前作「A Beard Of Stars」の延長線上のアルバムで、パーカッションのミッキー・フィンのリズムと、
マーク・ボランのアコースティック・ギターとエレキ・ギターを織り交ぜた2人編成での演奏が行われています。
前作よりも、よりエレキ・ギターがハードになり、ストリングスが時折入ってくるサウンドは、重厚感が増し、
それに合わせて、マーク・ボランのボーカルも、グラム・ロック時代の独特の歌声に変わってきています。
次作「電気の武者」で、T.レックスは、大ブレイクしますが、本作は、その前哨戦のようなアルバムです。
Tanx
評価: 3.5
ティラノサウルス・レックスのデビュー・アルバムから、通算8作目の1973年発売のアルバムです。
前作までのグラム・ロックのサウンドを残しつつ、ソウルミュージックや、ファンク、ゴスペルを取り入れ始めたアルバムです。
また、メロトロン、サックスなど、新たな楽器も取り入れています。
粒ぞろいの曲が揃っていますが、同時期に発売されたシングル曲「20th Century Boy」や「The Groover」が収録されてなかったのは残念なことでした。
しかし、この2曲が収録されていなくても、全英チャート4位、ドイツのチャート3位など、ヨーロッパ全土で、ヒットしました。
マンネリ化を避けるために、サウンドを変化させたことは、成功だったと感じさせるアルバムです。
Dandy In The Underworld 地下世界のダンディ
評価: 3.8
ティラノサウルス・レックスのデビュー・アルバムから、通算12作目の1977年発売のアルバムで、T・レックスのラスト・アルバムになります。
前作「Futuristic Dragon」は、低迷時期を脱する良作でしたが、本作は、さらに、絶頂期のグラム・ロックに回帰し、T・レックス最後の輝きを取り戻したアルバムです。
一流のミュージシャンを迎え入れ、アレンジの良さやパワフルさが戻ってきたところだったのに、このアルバムがラスト・アルバムになってしまったのは、とても残念でなりません。
本作発表後、恋人のグロリア・ジョーンズが運転する車が街路樹に激突し、同乗していたマーク・ボランは、29歳で死去してしまい、T・レックスの歴史に幕が下ろされました。
The Slider
評価: 4.0
ティラノサウルス・レックスのデビュー・アルバムから、通算7作目の1972年発売のアルバムです。
大ヒットした前作「電気の武者」の延長線上のアルバムですが、より、キャッチーな曲が増え、ハード・ロック寄りになっています。
それは、オープニング・ナンバーの「メタル・グルー」を聞けば、キャッチーで親しみやすいことが、すぐに分かるかと思います。
この「メタル・グルー」は、先行シングル発売され、全英チャートで1位を記録しました。
また、「テレグラム・サム」も先行発売され、こちらも全英チャートで1位を記録しています。
「メタル・グルー」や「テレグラム・サム」以外の曲も、どれも親やすさがあり、すぐにメロディーラインを覚えることができます。
ただ、本作発売時期に、ベスト・アルバムや、ティラノザウルス・レックス時代の再発が重なり、本アルバムは、前作ほどの売上とはなりませんでした。
それでも、T・レックスの傑作アルバムであることに間違いありません。
Electric Warrior 電気の武者
評価: 4.2
ティラノサウルス・レックスのデビュー・アルバムから、通算6作目の1971年発売のアルバムです。
本作は、T・レックスの最高傑作アルバムの1枚であり、ロック界の名盤に値するアルバムです。
サウンドにも大きな変化があり。前作までの2人編成の演奏から、4人編成のバンド形式の演奏に変わりました。
また、バンド・メンバー以外に、イエスのキーボディスト リック・ウェイクマンや、キング・クリムゾンのサックス奏者イアン・マクドナルドなどが参加し、
さらに弦楽器セクションも加わり、演奏が華やかになりました。
本作は、グラム・ロックのはしりとなったアルバムで、後世に多大な影響を及ぼしました。
シングル・カットされた「Get It On」は、全英チャートで4週間1位を記録し、全米チャートでは、TOP10入りし、T・レックスの最大ヒット曲になりました。
また、アルバム自体も、全英チャートで8週間1位を記録、全米チャートでは32位を記録し、大ヒットしました。
グラム・ロックが好きな人は、もちろん、ロック好きな人にも、絶対、聞いてもらいたいアルバムです。
おすすめのベスト・アルバム
- GREAT HITS
- マーク・ボラン生存中に発表された、1973年発売のT・レックス唯一の公式ベスト・アルバムです。T・レックスの絶頂期の曲が目白押しで、T・レックスの入門として最適なアルバムです。
- 「20th Century Boy」を始めとして、「ジルバの恋」や「イージー・アクション」など、アルバム未収録の曲が多数収録されているため、T・レックス上級者の人にも、必聴アルバムです。
- 残念なのは、アルバム「電気の武者」の収録曲が、入っておらず、少なくとも「Get It On」は収録して欲しかったなと思います。そのため、T・レックスの基本を押さえるには、本作と「電気の武者」を聞くことをおすすめします。
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T・レックスの音楽
T・レックスのサウンドは、大きく、ティラノザウルス・レックス時代の「フォーク・サイケデリック」、T・レックス改名後の「グラム・ロック」、T・レックス後期の「ソウル・ファンク」に分けることができます。
ティラノザウルス・レックス時代の「フォーク・サイケデリック」は、アコースティック・ギターとパーカッションの2名編成の演奏で、あまりこのような形態の音楽はないため、新鮮さがあります。
T・レックス改名後の「グラム・ロック」は、T・レックスの絶頂期であり、T・レックスの初心者の方は、この時期のアルバムから聞き始めれば、間違いはありません。
T・レックス後期の「ソウル・ファンク」は、好き嫌いが分かれますので、T・レックスの音楽を深めたい人向けの作品になります。
それぞれの時代の初心者向け、中級者向け、上級者向けの分類は、以下の通りです。
【フォーク・サイケデリックのアルバム】
- ティラノザウルス・レックス登場!!(1968年):中級者向け
- 神秘の覇者(1968年):上級者向け
- ユニコーン(1969年):中級者向け
- ベアード・オブ・スターズ(1970年):上級者向け
【グラム・ロックのアルバム】
- T・レックス(1970年):中級者向け
- 電気の武者(1971年):初心者向け
- ザ・スライダー(1972年):初心者向け
- 地下世界のダンディ(1977年):初心者向け
【ソウル・ファンクのアルバム】
- タンクス(1973年):中級者向け
- ズィンク・アロイと朝焼けの仮面ライダー(1974年):上級者向け
- ブギーのアイドル(1975年):上級者向け
- 銀河系よりの使者(1976年):中級者向け
まとめ
最後に、T・レックスのランキング結果をまとめます。
順位 | アルバム名 | 点数 |
---|---|---|
1位 | Electric Warrior 電気の武者 | 4.2 |
2位 | The Slider | 4.0 |
3位 | Dandy In The Underworld 地下世界のダンディ | 3.8 |
4位 | Tanx | 3.5 |
5位 | T.Rex | 3.2 |
6位 | My People Were Fair and Had Sky in Their Hair… But Now They’re Content to Wear Stars on Their Brows ティラノザウルス・レックス登場!! | 2.9 |
7位 | Futuristic Dragon 銀河系よりの使者 | 2.8 |
8位 | A Beard of Stars | 2.7 |
9位 | Unicorn | 2.6 |
10位 | Prophets, Seers And Sages, The Angels Of The Ages 神秘の覇者 | 2.5 |
11位 | Bolan’s Zip Gun ブギーのアイドル | 2.4 |
12位 | Zinc Alloy and the Hidden Riders of Tomorrow ズィンク・アロイと朝焼けの仮面ライダー | 2.3 |
T・レックスは、ティラノザウルス・レックス時代の「フォーク・サイケデリック」からスタートし、アルバムごとに、音楽性を進化させてきました。
T・レックス改名後のアルバムが、T・レックスの絶頂期であり、その時代のアルバムを、1位、2位にランキングしました。
その後、一時的に、低迷期を迎えるものの、「地下世界のダンディ」で勢いが戻り、これからという時に、マーク・ボランが、自動車事故で亡くなってしまったことは、とても残念でした。
T・レックスは、マーク・ボランのカリスマ性が魅力のバンドですので、上記のランキングを参考に、マーク・ボランの魅力を知ってもらえればと思っています。
次回は、スティーリー・ダンの創設者ドナルド・フェイゲンの全アルバム・ランキングをしていきたいと思います。