予感
評価: 3.5
1983年に発売された10作目のアルバムで、今までの暗い中島みゆきが影を潜め、垢抜けた明るさのある作品です。
海外のゲイリー・オラサバルが、レコーディング・エンジニアを担当した影響か、オープニング・ナンバーの「この世に二人だけ」では、サックスを使用しており、明らかに今までの中島みゆきの楽曲とは異なることが分かります。
1970年代と1980年代の中島みゆきのサウンドが良い塩梅でミックスされており、1980年代中島みゆきの傑作アルバムです。
本作の収録曲「ファイト!」は、後に「空と君のあいだに」とセットで両A面シングルとして発売され、ミリオンセラーを記録し、中島みゆきの最大のヒット曲となりました。
この「ファイト!」は、「生きていてもいいですか」を制作した人と同じ人とは思えないほどの明るい前向きな曲です。
あ・り・が・と・う
評価: 3.55
1977年に発売された3作目のアルバムで、中島みゆきが初めて編曲者と共同作業のもとに制作した作品です。
坂本龍一や吉田建などのミュージシャンが参加しており、バック演奏やアレンジの向上が見られます。
本作から1970年代の中島みゆきの快進撃が始まり、1970年代の中島みゆきのサウンドが確立しました。
このアルバムには、まだ、暗〜い失恋ソングはあまり存在せず、明るい爽やかな曲や哀愁のある曲が多くを占めています。
中島みゆきの代表曲として、北海道大学正門前にあった喫茶店ライフをモデルにした「店の名はライフ」や、CMソングとして使用された「まつりばやし」、「わかれうた」のB面として発売された「ホームにて」などがあります。
本作は、オリコンチャート初のトップ10入りし、最高6位を記録しました。
歌でしか言えない
評価: 3.6
1991年に発売された19作目のアルバムで、初めて本格的に海外でレコーディングされた作品です。
そのため、海外のミュージシャンがバック演奏やコーラスに参加しています。
過去のアルバムと比べて最長となる約70分の収録時間で、各楽曲も長尺になっています。
アルバムタイトル「歌でしか言えない」が示す通り、中島みゆきのさまざまな歌声を楽しむことができます。
かわいらしい歌声、野太い歌声、爽やかな歌声など、中島みゆきが歌姫であることを実感できる作品です。
また、アイドルのようにかわいらしい中島みゆきのジャケットも魅力的です。
中島みゆきの歌唱力の凄さを堪能したい人に、うってつけのアルバムです。
恋文
評価: 3.7
2003年に発売された31作目のアルバムで、フジテレビ系ドラマ「Dr.コトー診療所」の主題歌「銀の龍の背に乗って」が収録されている作品です。
このシングル曲のカップリング曲「恋文」も、本作に収録されています。
「銀の龍の背に乗って」は感動的で壮大な名曲、「恋文」はジャジーで大人の雰囲気が漂う名曲であり、「Dr.コトー診療所」のヒットもあって、オリコンチャートで4位を記録するヒットとなりました。
「銀の龍の背に乗って」と「恋文」以外には特に有名曲はありませんが、どの曲も親しみやすく、中島みゆきのアルバムの中では非常に聴きやすい作品となっています。
ララバイSINGER
評価: 3.8
2006年に発売された34作目のアルバムで、「恋文」以来、約3年ぶりとなる完全新曲のオリジナルアルバムです。
本作は原点回帰の作品と言われており、1stアルバム「私の声が聞こえますか」の収録候補曲だった「桜らららら」や、中島みゆきのデビュー曲「アザミ嬢のララバイ」へのアンサーソング「ララバイSINGER」が収録されています。
しかし、単なる原点回帰に留まらず、岩崎宏美やTOKIO、華原朋美に提供した近年の楽曲や、アニメ声で歌う「とろ」といった、これまでにない新しい曲も収録されています。
本作の注目曲は、TOKIOに提供した「宙船」で、TOKIOも真っ青になるほどの迫力ある中島みゆきの歌声を堪能できます。
1990年代後半から2000年代前半にかけては、精彩を欠くアルバムが続きましたが、本作は2000年代の中島みゆきの傑作アルバムです。
相聞
評価: 3.9
2017年に発売された42作目のアルバムで、前作「組曲 (Suite)」から2年ぶりにリリースされた作品です。
2000年代後半から2010年代前半にかけては、毎年アルバムを発表することに固執し、夜会やミュージカルの提供曲などを収録した作品が続きましたが、本作は2年のブランクを置き、じっくりと丁寧に作り込まれたことが伝わってきます。
オープニング・ナンバー「秘密の花園」からパワー全開で、中島みゆきのハイテンションなボーカルを楽しむことができます。
ラストの「慕情」は、テレビ朝日系「帯ドラマ劇場・やすらぎの郷」の主題歌として制作された名曲で、壮大かつ感動的な中島みゆきの熱唱でフィニッシュを迎えます。
本作は、かつての中島みゆきのパワーを取り戻した作品であり、2010年代のアルバムの中でも最高傑作に位置づけられるアルバムです。
夜を往け
評価: 4.0
1990年に発売された18作目のアルバムで、1990年代最初のアルバムは、中島みゆきの情熱が迸る1990年代中島みゆきを象徴する作品です。
アルバム名「夜を往け」が示している通り、都会の夜を感じさせるダークでディープな雰囲気に包まれています。
シングルカットされた「あした」と「with」が素晴らしいのはもちろんのこと、
イントロのギターが印象的な「夜を往け」、中島みゆきの熱唱が聴ける「新曽根崎心中」、そして後のアルバム「10 WINGS」で世良公則とデュエットする「ふたりは」など、名曲がずらりと並びます。
1990年代の中島みゆきのアルバムの中でも、トップに位置付けられる名作です。
ちなみに、「3分後に捨ててもいい」は、中島みゆきが冗談のつもりで、「カップラーメンのふたの歌」と言ったところ、信じた人がいたと語っています。

親愛なる者へ
評価: 4.2
1979年に発売された5作目のアルバムで、前作「愛していると云ってくれ」と同様、1970年代の中島みゆきの傑作アルバムの1枚です。
前作は失恋ソングが多く「陰」のアルバムでしたが、本作は明るい曲が増え、「陽」のアルバムに変化しています。
といっても、中島みゆきのアルバムであるため、暗い曲も、もちろん収録されています。
本作は、人情溢れる「タクシードライバー」と「狼になりたい」が傑作曲で、中島みゆきの明るい一面が見られ、
「狼になりたい」の「ビールはまだか」の歌詞が、妙に耳に残ります。
また、テレビドラマでも使用された必殺バラード「根雪(ねゆき)」は、冬の情景が目に浮かび、後半のオーケストラが効果的に使用された名曲です。
本作は、中島みゆきのアルバムの中で、初めてオリコンチャート1位を記録しました。

EAST ASIA
評価: 4.4
1992年に発売された20作目のアルバムで、映画やドラマで使用された有名曲が多く収録されている作品です。
どの曲も非常に完成度が高く、オープニング・ナンバーの「EAST ASIA」から壮大なドラマチックの曲でスタートし、一気に引き込まれてしまいます。
フジテレビ系ドラマ「親愛なる者へ」の主題歌「浅い眠り」や、東宝映画「奇跡の山-さよなら、名犬平治-」の主題歌「誕生」など、名曲が多数収録されています。
その中でも、中島みゆきの結婚式の歌として有名な「糸」は、中島みゆきの楽曲の中で最も人気があり、2017年にはJASRAC賞の金賞を受賞しました。
本作は間違いなく、1990年代の中島みゆきの名作であり、中島みゆきの全アルバムの中でもトップに位置付けられる名盤です。
なお、本作は1992年度の「第34回日本レコード大賞」で、ポップス・ロック部門優秀アルバム賞を受賞しました。

愛していると云ってくれ
評価: 4.5
1978年に発売された4作目のアルバムで、1970年代の中島みゆきワールドが極まった作品です。
イントロの「元気ですか」の語りから、「怜子」「わかれうた」に繋がる失恋ソングの流れは、まさに中島みゆきにしか作れないような曲です。
本作には、中島みゆき初のオリコン・シングルチャート1位を記録した「わかれうた」や、「3年B組金八先生」の第2シーズンで使用された「世情」といった有名曲が収録されています。
それ以外にも、桜田淳子への提供曲「海鳴り」や、中島みゆきが泣きながら歌っている「化粧」など、名曲が詰まっています。
これらの名曲を、坂本龍一や後藤次利、つのだひろなどの豪華ミュージシャンがバックアップし、素晴らしいアレンジが施されています。
中島みゆきの多数のアルバムの中でも、名盤に値するアルバムです。
おすすめのライブ・アルバム
- 歌暦
- 1987年に発売された中島みゆき初のライブ・アルバムで、1986年12月18日〜21日に両国国技館で行われた「歌暦Page86 -恋歌-」のライブ音源が収録されています。
- 「36.5℃」発売直後のライブであるため、「36.5℃」からの選曲が中心となっていますが、1970年代後半から1980年代の「片想’86」「狼になりたい」「悪女」のオープニングだけでも、聴く者を圧倒します。
- 「クリスマスソングを唄うように」は、このアルバムにしか収録されていない、中島みゆきのデビュー前の楽曲です。
- 歌旅 -中島みゆきコンサートツアー2007-
- 2007年のツアー「中島みゆきコンサートツアー2007」から、12月18日・19日に行われた東京国際フォーラムAでのコンサートを収録したライブ・アルバムです。
- 「ララバイSINGER」を中心に、古い曲から新しい曲、メジャー曲からマイナー曲まで、幅広く選曲されています。
- 音質も中島みゆきの歌声も良質で、聴きどころ満載のライブ作品ですが、なぜかラストには「地上の星」のカラオケ・バージョンが収録されています。なぜカラオケ・バージョンを収録したのか、レコード会社のセンスを疑ってしまいます。
- 中島みゆき「縁会」2012〜3
- 2012年10月から2013年5月にかけて開催された中島みゆきのコンサート・ツアーを収録したライブ・アルバムで、CD・DVD・BDの3形態で同時発売されました。
- オープニングの「空と君のあいだに」から快調な滑り出しで、3曲目にはアルバム「愛していると云ってくれ」で泣きながら歌っていた「化粧」が収録されています。ライブでも、原曲を崩すことなく、見事な歌唱を披露しています。
- CD版ではDVD・BDに収録されている「時代」と「世情」がカットされています。さらにラスト2曲は、「泣きたい夜に」と「倒木の敗者復活戦」の中島みゆきの歌声をカットしたカラオケ・バージョンが収録されており、こんなバカなことをするなら、「時代」と「世情」を入れてほしかったです。レコード会社のセンスのなさには、本当に呆れてしまいます。
- 中島みゆきConcert「一会」2015〜2016
- 2015年11月12日から2016年2月11日にかけて行われた「中島みゆき Concert『一会』(いちえ) 2015〜2016」の模様を収録したライブ・アルバムです。
- 1990年代、2000年代、2010年代の比較的新しい曲を中心に選曲されており、最も古い曲は「やまねこ」で、1970年代の曲は収録されていません。そのため、近年の中島みゆきの楽曲を聴きたい人向けのライブ・アルバムです。
- しっとりとした曲が多く、スタジオ・アルバムの音を忠実に再現しているため、ライブ・アルバムというよりも、ベスト・アルバムのような印象を受ける作品です。
- 中島みゆき ライブ リクエスト -歌旅・縁会・一会-
- 「歌旅」「縁会」「一会」の3つのライブから、リスナーのリクエストに応えて制作されたCD未収録の楽曲が収録されています。
- 上で紹介した「中島みゆき「縁会」2012〜3」では、「時代」と「世情」が収録されなかったことを嘆きましたが、本作にはしっかりとこの2曲が収録されています。
- 2曲セットで歌われた「ララバイSINGER〜アザミ嬢のララバイ」や、吉田拓郎のカバー曲「唇をかみしめて」など、普段聴けない珍しい楽曲も収録されており、中島みゆきファン必聴のアルバムです。
- 中島みゆき 2020ラスト・ツアー「結果オーライ」
- 中島みゆきのラスト・ツアー「中島みゆき 2020 ラスト・ツアー「結果オーライ」」を完全収録したライブ・アルバムです。このツアーはコロナ禍の影響で途中中止となり、8公演のみの実施となりました。
- ラスト・ツアーに相応しく、新旧の名曲が目白押しで、どの時代の中島みゆきファンでも楽しめる選曲となっています。
- このツアーが最後になることを意識して聴くと、一層感慨深く、非常に感動的なライブとして響きます。
その他のアルバム
- Singles
- 中島みゆきの1975年のデビュー曲から1986年までに発売されたシングルのA面・B面の曲を収録した、全40曲入りの3枚組アルバムです。曲順は新しい順に並んでいる点が特長となっています。
- 「こんばんわ」「おもいで河」「りばいばる」「かなしみ笑い」「横恋慕」など、アルバム未収録の曲に加え、全曲がシングル・バージョンで収録されています。
- 初期の中島みゆきの楽曲をじっくり聴きたい人に最適なアルバムです。
- Singles II
- 「Singles」に続く中島みゆきのシングル・コレクションで、1987年から1993年までに発売されたシングルのA面・B面を収録した、全20曲入りの2枚組アルバムです。曲順は「Singles」と同様、新しい順に並んでいます。
- 「シュガー」「空港日誌」「ジェラシー・ジェラシー」「兆しのシーズン」「最後の女神」など、アルバム未収録の曲に加え、全曲がシングル・バージョンで収録されています。
- 中期の中島みゆきの楽曲をじっくり聴きたい人に最適なアルバムです。
- Singles 2000
- 「Singles II」に続く中島みゆきの第3弾シングル・コレクションで、1994年から2000年までに発売されたシングルの曲(カップリング曲を含む)を収録した、全14曲入りのアルバムです。
- 「SE・TSU・NA・KU・TE」「目を開けて最初に君を見たい」「幸せ」「瞬きもせず」など、アルバム未収録の曲に加え、全曲がシングル・バージョンで収録されています。
- 中期の中島みゆきの楽曲をじっくり聴きたい人に最適なアルバムです。
- 十二単〜Singles 4〜
- 「Singles 2000」に続く中島みゆきの第4弾シングル・コレクションで、2003年から2012年までに発売されたシングルの曲(カップリング曲を含む)を収録した、全12曲入りのアルバムです。
- 「命のリレー <'04 夜会ヴァージョン>」「闘りゃんせ」など、アルバム未収録の曲に加え、全曲がシングル・バージョンで収録されています。
- 後期の中島みゆきの楽曲をじっくり聴きたい人に最適なアルバムです。
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まとめ
最後に、中島みゆきさんのランキング結果をまとめます。
| 順位 | アルバム名 | 点数 |
|---|---|---|
| 1位 | 愛していると云ってくれ | 4.5 |
| 2位 | EAST ASIA | 4.4 |
| 3位 | 親愛なる者へ | 4.2 |
| 4位 | 夜を往け | 4.0 |
| 5位 | 相聞 | 3.9 |
| 6位 | ララバイSINGER | 3.8 |
| 7位 | 恋文 | 3.7 |
| 8位 | 歌でしか言えない | 3.6 |
| 9位 | あ・り・が・と・う | 3.55 |
| 10位 | 予感 | 3.5 |
| 11位 | グッバイガール | 3.45 |
| 12位 | 世界が違って見える日 | 3.4 |
| 13位 | 中島みゆき | 3.35 |
| 14位 | LOVE OR NOTHING | 3.35 |
| 15位 | 常夜灯 | 3.3 |
| 16位 | 真夜中の動物園 | 3.25 |
| 17位 | 時代-Time goes around- | 3.2 |
| 18位 | 回帰熱 | 3.15 |
| 19位 | 月-WINGS | 3.15 |
| 20位 | 寒水魚 | 3.15 |
| 21位 | パラダイス・カフェ | 3.1 |
| 22位 | 組曲 (Suite) | 3.1 |
| 23位 | I Love You, 答えてくれ | 3.05 |
| 24位 | DRAMA! | 3.0 |
| 25位 | 転生 TEN-SEI | 3.0 |
| 26位 | 生きていてもいいですか | 3.0 |
| 27位 | 10 WINGS | 2.95 |
| 28位 | わたしの子供になりなさい | 2.9 |
| 29位 | 短篇集 | 2.9 |
| 30位 | 心守歌-こころもりうた | 2.85 |
| 31位 | 御色なおし | 2.8 |
| 32位 | 問題集 | 2.75 |
| 33位 | 荒野より | 2.75 |
| 34位 | 臨月 | 2.7 |
| 35位 | おかえりなさい | 2.7 |
| 36位 | 36.5℃ | 2.65 |
| 37位 | いまのきもち | 2.65 |
| 38位 | CONTRALTO | 2.6 |
| 39位 | 日-WINGS | 2.55 |
| 40位 | 私の声が聞こえますか | 2.5 |
| 41位 | みんな去ってしまった | 2.5 |
| 42位 | おとぎばなし-Fairy Ring- | 2.4 |
| 43位 | miss M. | 2.35 |
| 44位 | はじめまして | 2.3 |
中島みゆきさんは、最近までほぼ毎年アルバムを発表しており、現在までに44枚ものアルバムがあります。
その44枚すべてに駄作はなく、どの年代にも名作が存在します。
そのため、TOP10には1970年代、1980年代、1990年代、2000年代、2010年代の各時代のアルバムがランクインしました。
これにより、中島みゆきさんのアルバムには、どの時代にも良作があることを感じてもらえると思います。
中島みゆきさんは現在70代ですが、いまだにバイタリティにあふれ、歌声にはまったく衰えを感じさせません。
今後も素晴らしいアルバムを発表し続けていくかと思いますので、これからも長く応援していきたいと思います。
次回は、中島みゆきさんと同様に、1970年代から活躍している大貫妙子さんの全アルバム・ランキングを行っていきたいと思います。