シティポップがなぜ世界的に売れたのか。シティポップの検証と必聴アルバムを紹介します。
現在、世界的に日本のシティポップがヒットしています。
シティポップとは、都会的に洗練された洋楽志向のメロディを持った音楽のことを指しています。
個人的には、海外のAcid-jazz と AORを、足して2で割って、日本語で歌っているような音楽だと思っています。(← 何のこっちゃって感じですね)
1970年代後半から流行したと言われていますが、シティ・ポップという言葉は、当時なかったと思います。
J-popという言葉を、FM局 J-waveが、名付けたように、シティ・ポップも、最近誰かが名付けたのでしょうか。
なぜ、シティポップが今になって、海外で人気が出て、世界的にヒットしたのかを検証しながら、シティポップの必聴アルバムも紹介していきたいと思います。
シティポップって何?と思われている方、シティポップに興味あるけど何のアルバムを聴けば良いか分からない方に、役立つ記事になっています。
世界的にヒットした曲1|「真夜中のドア」
2020年に、松原みきさんの「真夜中のドア 〜 Stay with me」が世界的に大ヒットしました。
この曲は、1979年に発売された松原みきさんのデビュー曲で、その当時は中ヒット程度で終わっていました。(オリコン最高28位)
私は、当時、松原みきさんの名前もこの曲も全く知りませんでした。
この曲がヒットしたきっかけは、インドネシア人歌手のレイニッチさんがYoutubeで、カバーしたことからでした。
レイニッチさんのことは全く知識がありませんので、レイニッチさんがどのようにこの曲を知り、カバーすることを決めたかは不明ですが、いいセンスしていると思います。
この曲が大ヒットしたことで、シティ・ポップが世界的に広まったきっかけの1つだったと思います。
Apple Musicでは、92カ国でJpopランキングでTop10入りを記録。Spotifyでは2,300万回以上再生されました。
この流れを受けて、2020年12月25日にYouTubeに、ポニーキャニオンによるオフィシャルリリックビデオが公開されました。
それが、上の動画になります。この曲を聴いて、何も感じなければ、シティポップは好みの音楽ではないと思います。
それだけ、この曲は、シティ・ポップの良さを表現できています。
初めてこの曲を聞いた時は、ちょっと古さを感じるもののサビのメロディが良く、心に残りました。
以降、頻度高く、この曲を聴いていますが、全然飽きません。
この辺りが、世界的にヒットした理由なのかなと思います。
この曲の良さは、
松原みきさんの歌が、ビブラート効いていてうまい。
サビのメロディが覚えやすく、飽きることもない。
すこしJazzっぽさがある。ラストの方で、ギターが入ってきますが、フージョン系のギター音で心地が良い
といったところです。
この曲、かなり昔から多くの日本の歌手にカバーされているのですね。
知る人ぞ知る名曲だったのでしょう。
松原みきさんは、残念ながら、2004年にがんでお亡くなりになりました。
きっと、今、世界的に大ヒットしていることを天国で喜ばれていることだと思います。
世界的にヒットした曲2|「PLASTIC LOVE」
言わずと知れた竹内まりやさん、の曲です。
ただ、この曲、竹内まりやさんの楽曲の中では、マイナーな方ではないでしょうか。
では、なぜ、世界的に知れ渡ったのかというと、「真夜中のドア」と同様、Youtubeがきっかけでした。
2018年、YouTubeに無許可アップロードされた同曲が、4000万回以上の再生回数を記録しました。
勝手に、人の曲をYouTubeにアップロードしていいのかという思いはありますが、それがなければ世界的に知れ渡ることはなかったでしょう。
私が、この曲を初めて知ったのは、竹内まりやさんではなく、山下達郎氏のライブアルバム「joy」で、山下達郎氏が歌っているバージョンでした。
そのため、この曲は、山下達郎氏のイメージの方が強いです。
作詞・作曲は、竹内まりやさん、編曲は、山下達郎氏です。
この曲の良さは、
印象的なギターのイントロ
洋楽と邦楽がうまくマッチした感じで、外国でも受けそうな曲調。英語で歌っていたら、洋楽と言われても分からないですね。
ちょっと暗めの覚えやすいメロディ
といったところです。
上の動画は、2021年に公開された正式なミュージックビデオです。
Youtubeのコメントは、英語ばかりで、世界的な人気曲であることが伺えます。
シティポップ必聴アルバム5選
次に、シティポップを知る上で、必聴なアルバム5枚を紹介します。
ここで紹介するアルバムは、雑誌やシティポップ紹介ページなどで、必ず、紹介される世間一般的に人気のあるアルバムです。
山下達郎 『FOR YOU』
概要:
1982年に発売された山下達郎の6作目のアルバムで、山下達郎の代表曲が多く収録されています。山下達郎のベストアルバムに必ず収録される「SPARKLE」「LOVELAND,ISLAND」「YOUR EYES」や、竹内まりやに提供した「MORNING GLORY」、名バラード曲「FUTARI」が収録されています。ただ、同時期にシングルで発売された「あまく危険な香り」が収録されていないのは残念です。(最近のCDには、ボーナストラックとして収録されています)山下達郎のアルバムは、まだ、サブスクに登録されてないので、早く、サブスクに登録して欲しいです。
大滝詠一 『A LONG VACATION』
概要:
1981年に発売された大滝詠一の5作目のアルバムです。このアルバムの前は、ナイアガラの題名がつくアルバムを出していますが、あまりパッとしないアルバムでした。それが、突然変異的にこの素晴らしいアルバムが発売されました。この1つ前のアルバム「NIAGARA CALENDAR」が商業的に失敗し、コロンビアとの契約を打ち切られてしまいます。そこで、大滝詠一は、「しょうがないから、ちょっと本気出してやるか」ぐらいの思いで、このアルバムを作ったのではないかと思えてしまいます。次作「Each Time」制作後は、もう満足してしまったのか、ほとんど活躍がなく、2013年にお亡くなりになりました(りんごを喉に詰まらせて、お亡くなりになったとのことです)。話が逸れてしまいましたが、このアルバムの収録曲は、全て、素晴らしい曲で、特に「君は天然色」「カナリア諸島」「恋するカレン」は、夏を感じさせるシティポップな曲です。大滝詠一のボーカルは、1度聴いたら忘れられない印象的な歌声です。
荒井由美 『14番目の月』
概要:
1976年に発売されたユーミンの4作目のアルバムです。有名曲は、「中央フリーウェイ」ぐらいですが、「中央フリウェイ」以外の曲も、「中央フリウェイ」に近いシティポップ感が出ています。「中央フリーウェイ」の歌詞に、東京競馬場や府中市周辺の景色が出てきますが、よく「中央自動車道」を利用する私には、その景色がすぐに目に浮かんできます。「片手で持つハンドル 片手で肩を抱いて〜♪」の歌詞は、胸キュンですよね。
大貫妙子 『SUNSHOWER』
概要:
1977年に発売された大貫妙子のセカンド・アルバムで、坂本龍一が全曲編曲しています。この当時、まだ、YMOは結成されておらず、坂本龍一は無名だったと思いますが、大貫妙子は、どこで坂本龍一と知り合ったのでしょう。坂本龍一もすごいですが、坂本龍一に編曲を頼んだ大貫妙子は、先見の明があったということですね。このアルバムは、シティポップを代表するアルバムで、少しフュージョンっぽさを感じるサウンドになっています。「くすりをたくさん」は、サンバっぽい曲で、楽しそうに明るく歌っていますが、歌詞はドラッグソングで、過激な歌詞です。「都会」が最も、シティポップしていますね。
竹内まりや『LOVE SONG』
概要:
1980年に発売された竹内まりやの3作目のアルバムです。まだ、竹内まりやの自作曲は少なく、山下達郎、加藤和彦、林哲司など豪華な作家陣が曲を提供しています。林哲司は、上で紹介した松原みきの「真夜中のドア」を書いた人です。このアルバムの中の「象牙海岸」は、林哲司の曲で、これまたいい曲です。今の竹内まりやには想像つきませんが、当時、シンガーソングライターではなく、アイドル扱いで、竹内まりやは、「グラビアなどで水着を強要されることがとても嫌だった」と言っています。そのためか、このアルバムは、アイドルっぽさが少し入ったシティポップなサウンドです。
数あるシティポップ系のアルバムを聴いた中で、あまりシティポップとして紹介されることはないけれども、隠れたシティポップのアルバムを、次に紹介します。
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